内容をまとめると
- iDeCoの一番お得な受け取り方は、現役時の所得・厚生年金の受け取り額によって異なり、「年金方式」「一時金方式」「年金・一時金の組み合わせ方式」の3つから選べる。
- 年金方式にかかる税金は、「雑所得」です。計算方法はこちらから。
- 一時金方式にかかる税金は、「退職所得」です。計算方法はこちらから。
- 年金・一時金の組み合わせ方式にかかる税金は、「場合によって異なるため無料の窓口に相談」します。無料相談窓口はこちらから。
- iDeCoの一番お得な受け取り方を知るならマネーキャリアの「iDeCoの無料相談窓口」に相談!自分の条件で計算をしてもらえるため、どれを選べばいいのかわかります。
監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
>> 谷川 昌平の詳細な経歴を見る
この記事の目次
- iDeCoの受け取り方はどんなものがある?また一番お得なのはどれ?
- まずiDeCoの特徴や3つのメリットについて解説
- iDeCoの受け取り方は3種類【年金・一時金・年金と一時金の組み合わせ】
- iDeCoを分割で受け取る年金の場合「雑所得」として扱う
- iDeCoを一括で受け取る年金の場合「退職所得」として扱う
- 会社からの退職金がある場合のiDeCo退職所得の計算方法を解説
- どちらの方がよりお得?注意点とともに解説
- iDeCo受け取り方で多いのは一時金としての受け取り
- iDeCoに関する悩みならマネーキャリアの無料相談サービスで解決しよう
- まとめ:iDeCoの受け取り方とそこにかかる税金について
iDeCoの受け取り方はどんなものがある?また一番お得なのはどれ?
こんにちは、マネーキャリア編集部です。
iDeCoを運営している国民年金基金連合会の調査では2021年7月現在のiDeCo加入者は約200万人となっています。
近年の投資ブームから口座開設数は年々増加し、多くの方が利用する制度へ成長しました。
そんな中、友人からこのような質問・相談がありました。
このようにiDeCoがお得な制度と理解はしていても「何をどのように」利用すれば良いか理解している方は少数派です。
そんな方のため、この記事では
- iDeCoの特徴・メリット
- iDeCoのオススメ受給方法
- 受け取り時の税金計算方法
まずiDeCoの特徴や3つのメリットについて解説
まずはiDeCo利用時に得られるメリットは次の3点です。
- 掛金が全額所得控除となる
- 利息・運用益が非課税となる
- 受取時に税制優遇を受けることが可能
①掛金が全額所得控除となる
まずは「掛金が全額所得控除となる」です。
所得控除とは税務計算をする際の基礎金額からマイナスできる金額といいます。
なので、iDeCoを利用した際には掛金が所得控除となり、所得税・住民税共に安くなります。
具体例を挙げると次の通りです。
※概算計算ですので、実際の支払税額と多少異なります。
★条件
課税所得 :3,000,000円
iDeCo掛金:300,000円
iDeCo未加入時
- 課税所得:3,000,000
- 所得税 :3,000,000×10%-97,500=202,500
- 住民税 :3,000,000×10%=300,000
- 支払税額:502,500
- 課税所得:3,000,000-300,000=2,400,000
- 所得税 :2,400,000×10%-97,500=142,500
- 住民税 :2,400,000×10%=240,000
- 支払税額:382,500
②利息・運用益が非課税となる
次は「利息・運用益が非課税となる」です。
iDeCoを利用した際には投資で得た利息・運用益が非課税となります。
通常、投資で得た利益は約20%の税金がかかります。
投資を行う際の税金は資産形成に大きな影響を与えてしまいます。
iDeCoの他にNISA等を利用することで非課税で投資を行えますが、年金として長期的に運用したい場合にはiDeCoがオススメです。
③受取時に税制優遇を受けることが可能
次は「受取時に税制優遇を受けることが可能」です。
iDeCoを換金し、現金を受け取る際には課税対象となり多くの税金を支払うこととなります。
ですが、iDeCoの税制優遇を利用することで課税されることなく、現金を受け取ることができます。
受取時に非課税となると完全な非課税運用となるので、制度利用をすることをオススメします。
詳しい受取方法について本記事で詳しく解説していきます。
iDeCoの受け取り方は3種類【年金・一時金・年金と一時金の組み合わせ】
非課税で運用・受取ができるiDeCoの受取方法には次の3種類があります。
- 年金方式
- 一時金方式
- 年金・一時金の組み合わせ方式
iDeCoを分割で受け取る年金の場合「雑所得」として扱う
まずは「iDeCoを分割で受け取る年金方式」に関して解説します。
年金方式で受け取った際には税金計算上「雑所得」に分類されます。
「雑所得」と聞いても確定申告を行い、税金を身近に感じていなければわかる方は少数派となります。
こちらでは「年金方式」「雑所得」に詳しく解説していきます。
iDeCoの受け取り給付「雑所得」とは?
まずは「雑所得」について解説していきます。
雑所得とは税金の申告を行う際の所得の区分を指します。
雑所得は主に
- 開業していない副業の収入
- 仮想通貨・FXの利益
- 公的年金
- 印税・講演料
「雑所得」の計算方法を年齢・年収別に解説
こちらではiDeCoを雑所得として受け取った場合の年齢・年収別の計算方法について解説していきます。
iDeCo・公的年金を受け取る際には公的年金控除を受けることができます。
公的年金は年齢・年金収入によって控除額が変動します。
次の表で控除額を計算し、収入が控除額を超えているか確認する必要があります。
受給計画を上手に立てることで税金の支払いを少なくすることができます。
年金受給前にしっかり確認しておきましょう。
iDeCoを一括で受け取る年金の場合「退職所得」として扱う
次は「iDeCoを一括で受け取る方式」に関して解説します。
iDeCoを一括で受け取った場合には税金計算上「退職所得」に分類されます。
「退職所得」は実際に退職した時にしか利用する機会がありません。
こちらでは「一括受け取り方式」「退職所得」に詳しく解説していきます。
iDeCoの受け取り給付「退職所得」とは?
まずは「退職所得」について解説していきます。
退職所得は雑所得と同様に税金の申告を行う際の所得区分です。
退職所得は
- 転職した時
- 定年退職した時
- 在職中に死亡したとき
「退職所得」の計算方法を年齢・年収別に解説
こちらではiDeCoを退職所得として受け取った場合の計算方法について解説していきます。
退職所得の控除額は勤続年数によって大きく変動します。
控除額は次の表の通りです。
勤続年数 | 退職所得控除額 |
---|---|
20年未満 | 40万円×勤続年数 |
20年以上 | 800万円+40万円×(勤続年数ー20年) |
この退職所得控除額を基に次の計算式を利用して課税所得を計算します。
退職所得=(収入金額-退職所得控除額)×1/2
退職所得控除は勤続年数が多ければ多いほど多額の控除となります。
利用する際には自身の勤続年数から計算し、計画的に利用しましょう。
会社からの退職金がある場合のiDeCo退職所得の計算方法を解説
退職所得控除は利用することで多くの税金を節約することができ、便利な制度です。
ですが、サラリーマンの場合には会社の退職金と同時に受け取るケースが多くあります。
そういった場合には事前に計算し、計画的に利用する必要があります。
こちらでは
- iDeCoと会社の退職金を同時期に受け取る場合
- iDeCoと会社の退職金を異なる時期に受け取る場合
①iDeCoと会社の退職金を同時期に受け取る場合
まずは「iDeCoと会社の退職金を同時期に受け取る場合」です。
iDeCoと会社の退職金を同年中に受け取る場合には「「退職所得」の計算方法を年齢・年収別に解説」で解説した計算式を利用します。
iDeCoで一括受け取りを希望した金額+会社からの退職金
②iDeCoと会社の退職金を異なる時期に受け取る場合
次は「iDeCoと会社の退職金を異なる時期に受け取る場合」です。
iDeCoと退職金を別の年度中に受け取る場合では計算方法が異なります。
計算方法の違いは次の通りです。
- 先にiDeCo、後に退職金を受け取る場合・・・前年以前4年以内にiDeCo一時金を受け取った場合には勤続年数を除いて計算する
- 先に退職金、後にiDeCoを受け取る場合・・・前年以前14年以内に退職金を受け取った場合には勤続年数は除いて計算する
- 60歳で定年退職し、退職金を受け取った
- 63歳でiDeCoの一時金を受給した
- 退職金を受け取ってから14年以内にiDeCoを受け取っているので、勤続年数をリセットし、退職所得控除(ゼロ)を計算する
どちらの方がよりお得?注意点とともに解説
ここまで年金受取方式・一時金受取方式について解説してきました。
選択する受取方式によって税金の支払額が大きく変わります。
また、受け取るタイミングによっても生活基盤が変わってしまいます。
ですが、どの受け取り方がベストか悩まれる方も多いと思います。
こちらでは次の項目に沿って詳しく解説していきます。
- 年金受け取りの方がお得になる?注意すべき点とともに解説
- 一時金の方がお得になる?注意すべき点とともに解説
- 将来の受け取れるiDeCoの見込み年金を計算しておこう
年金受け取りの方がお得になる?注意すべき点とともに解説
まずは「年金受け取りの方がお得になる?注意すべき点とともに解説」です。
年金方式として受け取る際に注意が必要となる点は公的年金と共に受け取る場合です。
公的年金と同時に受け取ることで課税対象となるケースがあります。
その際には公的年金・iDeCoの合算額が公的年金控除を超えていないことを確認する必要があります。
例と挙げると次の通りです。
60歳で年金を受け取った場合
- 合計年間収入1000万円以下
- 年金収入 :年間100万円
- iDeCo収入 :年間30万円
- 公的年金控除:60万円
- 課税所得額 :100万円+30万円ー60万円ー48万円(基礎控除)=22万円
一時金の方がお得になる?注意すべき点とともに解説
次は「一時金の方がお得になる?注意すべき点とともに解説」です。
この記事でも解説した通り、一時金で受け取る場合は退職所得控除を受けることができるので、税金計算をする上でとてもお得です。
ですが、注意点は退職金と同時に受け取る際には退職所得控除額を超過する可能性があることです。
例を挙げると次の通りです。
勤続25年で60歳定年退職した場合
- 定年退職金 :1000万円
- iDeCo一時金:200万円
- 退職所得控除:800万円+70万円×(25年ー20年)=1150万円
- 課税所得額 :1200万円ー1150万円=50万円
将来の受け取れるiDeCoの見込み年金を計算しておこう
次は「将来の受け取れるiDeCoの見込み年金を計算しておこう」です。
各項目で計算した通りiDeCoを受け取る際には各個人の状況・収入・年齢によって様々なケースがあります。
節税を行い、受取額を少しでも多くするためには自身で見込み年金を計算することが大切です。
自身が収めた年金を多く受け取るためにしっかりシミュレーションを行いましょう。
iDeCo受け取り方で多いのは一時金としての受け取り
ここまで記事を読んで頂いた読者様には「みんなどの方式で受け取っているのかな」と疑問に思われている方もいらっしゃるかと思います。
現在、iDeCoの受取方法として1番多く活用されているのは一時金方式です。
なぜかというと退職所得控除の金額は勤続年数が長い人ほど多くの金額となります。
その反面、公的年金控除の金額が少なく、課税額が増えてしまう傾向にあるためです。
ですが、先ほども述べた通り「控除計算は個々人で全く異なる」ので実施にシミュレーションをしてみることが大切です。
iDeCoに関する悩みならマネーキャリアの無料相談サービスで解決しよう
ここまでiDeCoの受取り方について詳細に解説してきました。
とはいえ、
このように感じた方は多いでしょう。
結論から言うと、そのような方はお金のプロであるFP(ファイナンシャルプランナー)に相談するのがおすすめです。
FPは相談者の収入・勤務状況に応じて、どのように受け取ることがベストなのかなど相談者に最適な提案をすることができます。
「では、どのFPに相談すればいいの?」と感じた方におすすめな無料保険相談サービスは、マネーキャリアの無料保険相談サービスです。
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まとめ:iDeCoの受け取り方とそこにかかる税金について
iDeCoの受け取り方について解説していきましたがいかがでしたでしょうか。
今回の記事のポイントは
- iDeCoの受け取り時には税金がかかる
- iDeCo受け取りには一時金・年金・併用方式の3種類
- 受け取り方式によってお得に節税できる
でした。
現代では老後・金融資産について疑問・不安を持っている方が多くいらっしゃいます。
そんな老後資金を準備するために行う際にはiDeCoの利用がオススメです。
ですが、受け取り方を誤ってしまうと払わないくても良い税金まで支払うこととなり、貴重な老後資金が減少してしまいますので、事前にシミュレーションをすることが重要です。
この記事内で少しでも読者皆様の助けになりましたら幸いです。
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