iDeCoの認知度・問い合わせ数が増えており、iDeCoの節税とはどんな仕組みなのか?「iDeCoの節税効果は嘘」という記事を見たが本当か?などの質問も増えてきました。今回の記事では、「iDeCoの節税効果は税金の先延ばしにすぎない」という論説についてまとめていきます。
監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
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この記事の目次
- iDeCoで節税は嘘?税金の繰延に過ぎない?
- iDeCoにおける税制優遇(節税)メリット3つとは
- 掛け金は全額所得控除となるから所得税と住民税を少なくできる
- 利息・配当・売却益などの運用益は非課税で再投資
- iDeCoを年金・一時金として受け取る際に控除がある
- iDeCo掛け金拠出時の節税について解説
- 課税所得が300万の場合の課税される税率20%の5万5200円が控除対象に
- 1年から30年運用を続けた場合の控除総額を解説
- iDeCo運用時の節税効果について解説
- 受け取り時の節税効果について解説
- 年金として受け取る場合は公的年金控除の対象になる
- 一時金として受け取る場合は退職所得控除の対象になる
- 会社からの退職金がある場合は注意が必要
- iDeCoは節税はできるというのは嘘であると言われる理由を解説
- 拠出時の節税効果の嘘とは?
- 運用益が非課税という嘘とは?
- 退職所得控除は節税になるが30年後もいまと同じとは限らない
- iDeCoの節税の嘘の正体とは?3つの節税効果を解説
- iDeCoに関する不安はマネーキャリアの無料相談サービスで解決
- まとめ:「iDeCoの節税の嘘」について解説
iDeCoで節税は嘘?税金の繰延に過ぎない?
節税効果が高いことで人気のあるiDeCoですが、その節税効果は「嘘」ではないか?という論説があります。
iDeCoの節税効果については、掛金時点の節税効果があるが、受け取り時に納税しないといけないから税金の繰延(先延ばし)にすぎないのではないか、という議論になります。
果たして、本当に節税効果はないのでしょうか。「嘘」は噂で、本当は節税効果があるのでしょうか。
この記事では、iDeCoを初めて知ったという方にも分かるように、iDeCoの節税効果の仕組みや、節税効果の嘘と言われる理由、iDeCoの本当の節税効果とは何なのかについて解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
iDeCoにおける税制優遇(節税)メリット3つとは
iDeCoに加入することで、得られるメリットは3つあります。
iDeCoでは拠出時、運用時、受け取り時において節税効果が得られるのです。
iDeCoで得られる節税メリットは以下の3つになります。
- 掛金は全額所得控除
- 運用益は非課税
- 受け取りの際、税制優遇(今回のメインテーマ)
それぞれどのような節税効果があるのかを、詳しく見ていきましょう。
掛け金は全額所得控除となるから所得税と住民税を少なくできる
まずは所得税と住民税を少なくできるということに関してみていきましょう。
所得控除には、支払った金額の一定の金額までしか、差し引くことのできないもの(生命保険料控除、医療費控除)と、全額を差し引くことができるものがあります。
iDeCoの掛金は、「小規模企業共済掛金控除」 という所得控除の1つに該当するので、所得から全額差し引くことができるのです。
そんなiDeCoに加入すれば、一体どのくらい所得税や住民税の負担が軽減されるのでしょう。
その前に、日本の所得税について知っておきましょう。
日本は所得が多い人ほど税率が上がる、累進課税制度を採用しています。
以下の表を参考にしてください。
課税所得 | 所得税 | 住民税 |
---|---|---|
195万以下 | 5% | 10% |
195万超~330万以下 | 10% | 10% |
330万超~695万以下 | 20% | 10% |
695万超~900万以下 | 23% | 10% |
900万超~1,800万以下 | 33% | 10% |
1,800万超~4,000万以下 | 40% | 10% |
4,000万超~ | 45% | 10% |
(参考:りそな銀行)
ではiDeCoに加入した際の課税所得ごとに、年間の税金負担軽減額を見てみましょう。
- 企業年金のない会社員の年間拠出額27万6,000円(月間拠出限度額23,000×12)
- 自営業者の年間拠出額81万6,000円(月間拠出限度額68,000×12)
上記の条件で、年間の税金負担軽減額を以下にまとめました
所得税+住民税 | 年間掛掛金27万6,000円の軽減額 | 年間掛金81万6,000円の軽減額 |
---|---|---|
15% | 4万1,000円 | 12万2,405万5,200円 |
20% | 5万5,200円 | 16万3,200円 |
30% | 8万2,800円 | 24万4,800円 |
33% | 9万1,080円 | 26万9,280円 |
43% | 11万8,680円 | 35万880円 |
50% | 13万8,000円 | 40万8,000円 |
55% | 15万1,800円 | 44万8,800円 |
(参考:りそな銀行)
表からも分かるように、課税所得が多い人ほど、所得控除のメリットがあります。
そして、課税所得が同じであっても、掛け金が多いほど節税効果も大きくなります。
表は1年間の税金の負担軽減額です。
これが10年、20年となれば、その大きさはかなりのものとなるでしょう。
利息・配当・売却益などの運用益は非課税で再投資
iDeCoを年金・一時金として受け取る際に控除がある
退職金控除について(国税庁)
iDeCo掛け金拠出時の節税について解説
iDeCoへの拠出金は全てが所得控除となります。そのため、所得税と住民税の軽減ができます。
- 1年間の控除額
- 30年間の控除総額
課税所得 | 税率 (所得税+住民税) | 年間拠出限度額 (企業年金のない会社員) |
---|---|---|
300万円 | 20% | 27万6,000円 |
課税所得が300万の場合の課税される税率20%の5万5200円が控除対象に
課税所得 | 税率 (所得税+住民税) | 年間拠出額 (企業年金のない会社員) |
---|---|---|
300万円 | 20% (10%+10%) | 27万6,000円 (月間拠出限度額23,000×12) |
1年から30年運用を続けた場合の控除総額を解説
30年間積み立てた金額 | 828万円 (年間拠出額276,000×30) |
---|---|
年利3%の運用利益 | 485万815円 |
節税額(通常発生する税金) | 98万5443円 (485万815円×20.315%) |
55,200円×30=1,656,000円
165万6000円+98万5443円=264万1443円
iDeCo運用時の節税効果について解説
前述にもありましたが、通常の資産運用で発生した利益(運用益)には約20%の税金がかかります。
例えば、運用資産を受け取る際に運用益が100万円あったとします。
100万円×20%=20万円
発生した利益100万円のうち20万円を税金として支払わないといけません。
しかし、iDeCoにおいて運用益は全額非課税となりますので、100万円全額を受け取れるということになります。
よって、20万円の節税となります。
受け取り時の節税効果について解説
続いて、iDeCoの受け取り時の節税効果についてです。
受け取り方によって対象の控除が変わってきます。
- 少額づつ受け取る
- まとめて受け取る
- 退職金があるなら受け取り方に注意
上記3点について解説します。
年金として受け取る場合は公的年金控除の対象になる
年金として、少額づつ受け取る場合は※雑所得として、公的年金控除の対象となります。
65歳以上で無収入ならば、年間110万円までは非課税となります。
よって、拠出時の節税効果がなくなるわけではありません。
※雑所得…所得税法で定められた各種所得のいずれにも該当しない所得
一時金として受け取る場合は退職所得控除の対象になる
一時金として、まとめて受け取る場合は退職所得となります。
なのでこの場合は、退職所得控除の対象になります。
退職所得控除額は勤続年数によって変わります。
iDeCoで積み立てた金額が退職所得控除額よりも少ない場合は、積み立てた金額と利益はそのまま受け取れます。
毎年の積み立て時、そして運用時の節税効果に加えて、受け取り時にも節税効果が得られるためiDecoはとても得をすることがわかります。
会社からの退職金がある場合は注意が必要
- 一時金と、退職金を別の年に受け取る
iDeCoは節税はできるというのは嘘であると言われる理由を解説
ここまでiDeCoの節税効果について解説してきました。
- 拠出時の節税効果の嘘
- 運用時の節税効果の嘘
- 何十年先にもiDeCoの退職所得控除は存在するのか
拠出時の節税効果の嘘とは?
運用益が非課税という嘘とは?
退職所得控除は節税になるが30年後もいまと同じとは限らない
iDeCoの節税の嘘の正体とは?3つの節税効果を解説
これまで、iDeCoの節税効果のメリット、そして、その節税メリットは嘘と言われる理由を解説してきました。
- 受け取り時の控除による節税
- 受け取り時の税率低減効果
- 課税繰り延べによる時間価値
- 節税効果の正体は退職所得控除
- 自己破産しても、差し押さえの対象にならない
- 生活保護受給資格の判断から除外される
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まとめ:「iDeCoの節税の嘘」について解説
- iDeCoにおける節税のメリットは「掛け金は全額所得控除となるので所得税と住民税を少なくできること、利息・配当・売却益などの運用益は非課税であること、iDeCoを年金・一時金として受け取る際に控除があること」
- iDeCoは課税所得が300万の場合、課税される税率20%なので、控除対象額は5万5200円になる 年金として受け取る際は公的年金控除の対象になり、一時金として受け取る際は退職所得控除の対象になる
- iDeCoは節税は嘘であると言われる理由3つを解説
- iDeCoの節税の嘘の正体と本当の3つの節税効果についての解説
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