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▼この記事を読んでほしい人

  • iDeCoの運用利回りについて詳しく知りたい人
  • iDeCoの利回り・控除額の計算シミュレーションをしたい人
  • iDeCoの税金の控除額計算方法が知りたい人

▼この記事を読んでわかること

  • iDeCoの運用利回りと控除額について
  • iDeCoの利回り・控除額についての計算シミュレーションについて
  • iDeCo税金控除額の計算方法について

iDeCoに関する悩みならまずはマネーキャリアの無料相談を気軽に利用してみてください!

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内容をまとめると

  • iDeCoの利回りや控除額を自動で計算してくれるシミュレーションのサイト活用しよう
  • iDeCoによって所得税と住民税はどれほど控除されるのか計算方法を解説
  • iDeCoの実際の利回り・控除額計算シミュレーション例を加入区分別に紹介
  • 今の時代年収資産運用や積み立てをしていないと将来お金に困ることになる
  • 資産運用や積み立てに関する相談はお金のプロであるFPに相談すべき
  • FP相談で迷ったらマネーキャリアがおすすめ

iDeCoを利用する前に確認しておきたいのが運用利回りと控除額だと思います。iDeCoを利用するにあたって今回はこのiDeCoの利回りについて計算シミュレーションをもとに詳しく解説していきたいと思います。また税金の控除額についても計算方法を解説していきます。

記事監修者「谷川 昌平」

この記事の監修者谷川 昌平
フィナンシャルプランナー

東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

この記事の目次

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iDeCoの利回りや控除額計算をシミュレーション!【税額計算の違いは?】

こんにちは。マネーキャリア編集部です。


先日友人からこんな相談を受けました。

老後のためにiDeCoを考えているけど、やっぱりリスクが不安。運用利回りや、税金控除額について詳しく知りたい。

令和元年度「生活保障に関する調査」によると、老後生活に不安がある人は84%以上と高い結果になりました。


その中でも82.2%の人が「公的年金だけでは不十分だ」と考えているようです。


そこで、足りない年金分をiDeCoで貯めようと考えている人が増加中です。

iDeCoの公式ホームページによると、2021年7月現在、iDeCoに加入している人は210万人と多くの人が利用していることがわかります。


そんなiDeCoですが、加入にあたって気になるのはやはり、「どれだけ得できるか」ですよね。


この記事ではiDeCoの運用利回りや控除額についてわかりやすく解説していきます。


最後まで読んでいただくと、iDeCoについて詳しくなれます。

是非最後まで読んでください。

iDeCoとは?【iDeCoの特徴や仕組みについて解説】


iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、公的年金以外に、自分自身で老後資金を貯める私的年金制度のことを言います。


iDeCoを利用すると、以下の3つのメリットがあります。

  • 住民税と所得税が安くなる
  • 運用益が非課税になる
  • 受け取りの際に控除が受けられる
それぞれ見ていきましょう。

まずは、住民税と所得税が安くなるメリットについてです。

iDeCoの利用を始めると、毎月一定額を積み立てていきます。
iDeCoで積み立てた金額は、全額所得控除の対象となり、課税所得の減少につながります。

例をあげましょう。
  • Aさん:年間所得580万円、そのうち銀行で通常預金年間80万円
  • Bさん:年間所得580万円、そのうちiDeCoの年間拠出金額80万円
Aさんには580万円の年間所得があるとみなされ、580万円分に所得税がかかります。
一方でBさんはどうでしょうか?

同じ年間所得が580万円でも、80万円はiDeCoに拠出しているので、この80万円は非課税となります。
したがって、Bさんは500万円の年間所得があるとみなされ、500万円分に所得税がかかるということになります。

同じ所得金額でも、課税所得の減少が、所得額の減税につながるという仕組みです。

続いて、運用益が非課税になるメリットです。
通常、投資など金融商品の運用で出た利益、いわゆる運用益には、税金がかかります。
しかし、iDeCoで出た運用益には税金はかかりません。

さらに運用益の非課税部分も利益に上乗せ可能になっており、この利益を使って再投資も可能です。

つまり、運用益を引き出さずに、元本に加えて継続して運用していくということ。
この再投資によって運用で得た利益を引き出す単純運用よりも利益が増える効果、いわゆる「複利効果」が期待できます。

最後に受け取りの際に控除が受けられるメリットについてです。
iDeCoの受け取り方は、一括で受け取るか、年金方式で毎年受け取るかの2種類です。

それぞれ受けられる控除をまとめました。

  • 一括で受け取る場合:退職所得控除
  • 年金方式で受け取る場合:公的年金控除

どの受け取り方が良いかは、iDeCoに加入している人によって異なります。
後ほどわかりやすく解説しているので、参考にして下さいね。

iDeCoの利回りや控除額を計算するシミュレーションを活用しよう


iDeCoの特徴や仕組みが分かってきたところで、シミュレーションを行い、iDeCoの利回りや、控除額を計算してみましょう。


ここでは以下の2点について詳しく解説していきます。

  • iDeCoの計算シミュレーションで必要な項目は何?
  • iDeCoの計算シミュレーションのおすすめのサイトは何?


iDeCoへの加入を検討している方は是非参考にして下さい。

iDeCo利回り計算シミュレーションで必要な項目について

iDeCoを利用する際に重視することが、利回りです。


iDeCoの利回りとは、それぞれ利用者の目的によって異なります。

利回りを高くすればもちろん運用益が増えることも考えられますが、元本割れのリスクもあります。

逆にリスクを回避し利回りを低くすると、運用益も少なくなり、あまり金額が増えないというデメリットも。


利回りについて、目安をまとめました。

  • 利回り1%:とにかくリスクを回避したい。元本を保証してほしい
  • 利回り3%:利益は得たいが、リスクを負わず、安心した運用がしたい
  • 利回り5%:積極的な運用をしていきたい

また、利回りが高いとその分当然運用益もあがります。

前述の通り、運用益は非課税です。


つまり利回りは手元に残るお金はもちろんのこと、節税にもつながっていくので、非常に

重要であることが分かります。


そんなiDeCoの利回り計算シミュレーションに必要な項目を以下にまとめました。


  • 職業
  • 年齢
  • 税込の年収
  • 毎月の掛け金
  • 運用利回り
  • 扶養配偶者
  • 扶養している子供


以上の項目を入力することで、iDeCoによる節税シミュレーションの計算が出来ますよ。

iDeCo利回り計算シミュレーションのサイトを紹介

iDeCo利回り計算のシミュレーションができるサイトを5つご紹介します。


どのサイトも画面に沿って入力していくだけで、簡単にシミュレーションできます。

また、iDeCoによる運用コストや、商品ラインナップについては、金融機関によって様々です。
ここでは以下の4つ証券会社のiDeCoの内容について解説していきます。

  • 楽天証券のiDeCo
  • 中央労働金庫のiDeCo
  • 三井住友銀行のiDeCo
  • SBI証券のiDeCo

楽天証券のiDeCo

iDeCoに加入し始めた際には、わからないことも多く、不安が募ると思います。

楽天証券ではそんな不安を解消するためにウェブセミナーを実施したり、スタートガイドを用意したりと、利用者に寄り添ったサービスを展開しています。

国内・海外の株式や債券だけでなく、REIT(リート)や金に投資するタイプまでかなり幅広い運用商品がそろっています。

中央労働金庫のiDeCo

中央労働金庫のiDeCoは、他の3つの証券が良さと比べて、運用商品のラインナップもそこまで多くありません。
しかし営利を目的としない中央労働金庫なだけあって、健全に安心して利用できることがメリットと言えるでしょう。

三井住友銀行のiDeCo

ニーズに合わせた商品が選べる三井住友銀行のiDeCo。
サービス、サポート面がかなり充実しており、HDI-Japanから最高ランクに当たる格付け「三つ星」を獲得したほどです。

SMBCのコールセンターとwebサービスが、iDeCoに関する疑問に丁寧に答えてくれます。

SBI証券のiDeCo

2005年からiDeCoの提供を始めたSBI証券ですが、加入者実績はNo,1です。

iDeCoは長期の運用になるので、出来るだけコストは抑えたいところ。
SBI証券なら、口座開設手数料と運営管理手数料がなんと無料!

この2つが無料の金融機関は珍しいです。
もちろん運用商品のラインナップも豊富です。

自分にあったところを選んでくださいね。

iDeCoによって所得税と住民税はどれほど控除されるのか計算しよう


iDeCoに加入するメリットとして、所得税と住民税が安くなるのはお伝えした通りですが、実際どのくらい安くなるのか、気になりますよね。


iDeCo利用によって税制が優遇されるのは、年収はもちろん、職業にも関係があります。


ここでは以下の3点についてまとめました。

  • 年収によって税金の負担はどれくらい変わる?
  • 同じ年収なのに、控除額に違いが出るのはなぜ?
  • 専業主婦には所得控除が受けられないって本当?

年収による所得税・住民税控除額計算の分布を紹介

iDeCoへの毎月の掛け金には上限があります。

掛金の上限は個人の状況によって異なります。


iDeCoの掛金の上限と、対象人物についてまとめました。

  • 自営業者等:月額6.8万円(年間81.6万円)
  • 会社員:月額2.3万円(年額27.6万円)
  • 公務員:月額1.2万円(年額14.4万円)
  • 専業主婦(夫):月額2.3万円(年額27.6万円)

以上を踏まえて、年収別、職業別にiDeCoによって所得税と住民税がどのくらい控除されるのかを示した表がこちらです。

なお、わかりやすくするために、住民税の税率は一律で10%とします。
所得税の税率については、国税庁によって決められたものです。

課税所得所得税率公務員の場合
(年間144,000円の掛金)
会社員
(年間27,6000円の掛金)
自営業
(年間816,000円の掛金)
195万円以下5%21,600円41,400円124,000円
195万円~330万円以下10%28,800円552,00円163,200円
330万円~695万円20%43,200円828,00円244,800円
695万円~900万円以下23%47,520円91,080円269,280円
900万円~1,800万円以下33%61,920円118,680円350,880円
1,800万円~4,000万円40%72,000円138,000円408,000円
4,000万円~45%79,200円151,800円448,800円

表の見方としては、例えば年収が195万円以下の公務員がiDeCoの利用によって、年間21,600円が控除されるということです。

表から分析すると、課税所得が多ければ多いほど、iDeCoの所得控除のメリットを受けられることがわかりますね。

同じ課税所得でも加入区分で控除額に大きな違いが出る

先ほどの表からはもう一点、判明したことがあります。

自営業の方は、最もiDeCoの恩恵を受けている点です。


実は年収が同じで課税所得が同じでも、所得控除額に大きな差が出ます。


この大きな差は何が要因で生まれるのでしょうか?

先ほどの表に答えはありますが、ずばり職業です。


例をあげて解説していきます。

  • 会社員:年収300万円。iDeCoへの年間拠出金額276,000円
  • 自営業:年収300万円。iDeCoへの年間拠出金額816,000円

会社員と自営業の所得税と住民税の税負担軽減金額をまとめた表がこちらです。
ここでも住民税は10%として算出し、手数料は考慮しないものとします。

会社員自営業
iDeCoへの掛金
月23,000円
年276,000円
月68,000円
年816.000円
1年間の税負担軽減額55,200円163,200円
10年間の税負担軽減額
552,000円1,632,000円
20年間の税負担軽減額1,104,00円3,264,00円


税負担軽減額の計算式について見ていきましょう。


課税所得が年収300万円の場合、所得税率は10%になり、住民税の10%と合わせると、適用される税率は20%になります。

ここまでは会社員と自営業の方共通です。


まずは会社員の方の税負担軽減額を計算していきます。

税負担軽減額の計算方法は、iDeCoの年間の掛金に、適用される税率をかけていきます。

276,000円(iDeCoへの年間の掛金)×20%(所得税10%+住民税10%)=55,200円

税金の負担が一年間に55,200円軽減されるということになります。


続いて自営業の方の税額負担軽減額を計算していきましょう。

年間の掛金に、適用される税率をかけた計算式がこちら。

816,000円(iDeCoへの年間の掛金)×20%(所得税10%+住民税10%)=163,200円

会社員の方との差は、108,000円とかなり大きいです。

10年後、20年後となれば、差はもっと広がっていくことが分かります。


以上のように課税所得が同じ場合には、iDeCoへの年間の掛金が多ければ多いほど、優遇される税金の額も大きくなります。

専業主婦は掛金拠出による税制優遇はない

専業主婦がiDeCoに加入し、掛け金を支払ったとしても、税金の負担が減ることはありません。


理由は収入がない方や扶養内で働いている方は、所得税や住民税がそもそも発生しないためです。


所得控除のメリットこそ受けられませんが、運用益が非課税になること、受取時には大きな控除を受けられることから、専業主婦もiDeCoへ加入するメリットは十分あるといってもいいでしょう。

iDeCoの実際の利回り・控除額計算シミュレーション例を見てみよう


iDeCoの利用によって優遇される税金控除額は、長い目で見ればとても大きな金額になることがわかりましたね。


また、iDeCoは対象者によって掛金の上限や課税所得が違うのはお伝えした通りです。

iDeCoの加入対象者はどのように分けられるのでしょうか?


以下に表をまとめました。


加入区分対象となる人
国民年金保険の第1号被保険者20歳~60歳未満の自営業者
フリーランス、学生など
国民年金保険の第2号被保険者60歳未満の厚生年金の被保険者
(会社員、公務員)
国民年金保険の第3号被保険者20歳~60歳未満の厚生年金に加入している方の被扶養配偶者
(専業主婦、扶養範囲内のパートタイマーの主婦)

(参考:iDeCo公式ホームページ

同じ第2号被保険者でも、一般企業の会社員と公務員とでは、拠出できる金額も違ってくるので注意です。


また、加入対象となっていても、iDeCoに加入できないケースがあります。

以下にiDeCoに加入できない人を、加入区分別にまとめました。

加入区分iDeCoに加入できない方
国民年金保険の第一号被保険者・農業者年金の被保険者
・国民年金の支払いを免除されている方
(障碍者年金はOK)
国民年金保険の第二号被保険者勤め先で企業型DC(=企業型確定拠出年金)に加入している方
(規約によっては同時加入も可能な場合もある)
国民年金保険の第三号被保険者

(参考:iDeCo公式ホームページ


上記の表を見れば、ご自身はどの区分に当てはまるか一目瞭然ですよね。


ここでは加入区分の対象者ごとに、iDeCoの利回りや控除額をシミュレーションしていきます。

第二号被保険者の会社員の場合の計算シミュレーション例

第二号被保険者がiDeCoに加入した例をもとに、控除額のシミュレーションをしていきましょう。

わかりやすいように、手数料は考慮しないものとします。


  • Aさん会社員
  • 年収700万円
  • 30歳からiDeCoに加入し、積立期間は30年
  • 毎月のiDeCoへの拠出額15,000円、年間180,000円
  • 30年分積立540万円
  • 運用利回り2%

運用利回りのシミュレーション

運用利回りの計算方法はこちらです。

年間拠出金額×年金終価係数

年金終価係数とは、毎年一定金額、一定利率で将来いくらになるかを計算するときに利用するものです。

かなり細かい計算式になるので省きますが、積立30年の年金終価係数は、40,568になります。

それでは計算式に当てはめていきましょう。

18万円×4,0568=7,302,240

実際に投資した額とiDeCoで30年間積立した金額、運用益を比較しました。

実際の投資額iDeCoへの総額運用益
540万円7,302,2401,902,240
iDeCoで30年間積み立てた結果、190万円以上の運用益を出すことが出来ました。
受け取りの際に税制優遇措置があります。

控除額のシミュレーション

続いて、所得税控除をシミュレーションしていきましょう。
住民税は10%とします。

税負担軽減額の計算方法は、こちらでしたね。

iDeCoの年間の掛金×適用される税率(所得税率+住民税率)

こちらの計算を始める前に、Aさんの所得税率を把握する必要があります。
所得税率を知るには、課税所得の算出が必要です。

課税所得の計算式はこちら。

(年収ー給与控除)ー所得控除=課税所得

給与控除は、会社員の経費のようなものです。
国税庁のホームページに記載されていました。

給与等の収入金額給与所得控除
1,625,000円550,000円
1,625,001円から1,800,000円まで収入金額×40%-100,000円
1,800,001円から3,600,000円まで収入金額×30%+80,000円
3,600,001円から6,600,000円まで収入金額×20%+440,000円
6,600,001円から8,500,000円まで収入金額×10%+1,100,000円
8,500,001円以上1,950,000円(上限)
(抜粋:国税庁ホームページ『給与所得控除』)

Aさんの年収は700万円なので、上から4つ目の計算式に当てはめていきます。

700万円×10%+110万円=180万円

所得控除の社会保険料は年収×15%、基礎控除は48万円で課税所得額を算出します。
また、iDeCoへの拠出も所得控除の対象となるので、一緒に引いて計算します。

(700万円-180万円)-700万円×15%(社会保険料)-48万円(基礎控除)ー18万円(iDeCo年間分)=3,490,000円(課税所得)

この記事の「年収による所得税・住民税控除額計算の分布を紹介」の所得税率の表から、349万円は、所得税率20%です。

では、税負担軽減額を計算しましょう。

18万円×(20%+10%)=54,000円(税負担金額)

年間54,000円、30年にすると162万円もの節税効果があります。
かなり大きい金額ですよね。

第一号被保険者の自営業の場合の計算シミュレーション例

第一被保険者の方は自営業の方が当てはまります。


税制優遇措置の恩恵を最も受けられる対象になります。

Bさんを例に利回りと控除額をシミュレーションしていきましょう。


  • Bさん自営業
  • 課税所得650万円
  • 30歳からiDeCoに加入し、積立期間は25年
  • 毎月のiDeCoへの拠出額3万円、年間36万円
  • 25年分積立900万円
  • 運用利回り2%

運用利回りのシミュレーション

運用利回りの計算式に当てはめて計算していきます。
積立期間25年の場合、年金終価係数は32.030になります。

36万円(年間拠出金額)×32.030(年金終価係数)=11,530,800

iDeCoへの投資額と総額、25年間の運用益をまとめた表がこちら。

iDeCoへの投資額総額25年間の運用益
(総額ーiDeCoへの投資額)
900万円11,530,800円2,530,800

拠出金額が大きい分、運用益も大きくなりました。

控除額のシミュレーション

Bさんの課税所得は650万円なので、国税庁ホームページ『給与所得控除』によると、所得税率は20%です。

控除額の計算式に当てはめていきましょう。

36万円(iDeCoの年間拠出金額)×(20%+10%)=108,000

iDeCoに毎月3万円拠出していた場合、年間約10万円、25年間で270万円の節税効果になりました。

第二号被保険者の公務員の場合の計算シミュレーション例

第二号被保険者には会社員の他、公務員も含まれます。


同じ第二被保険者でも、会社員と公務員ではiDeCoに拠出できる上限金額が異なります。


会社員と公務員のiDeCoへの拠出上限金額を比較した表がこちら。

会社員の上限金額公務員の上限金額
月額2.3万円
(年額27.6万円)
月額1.2万円
(年額14.4万円)


続いて公務員のCさんで利回りと控除額のシミュレーションをしていきます。

  • Cさん公務員
  • 年収500万円
  • 30歳からiDeCoに加入、積立期間25年
  • 毎月のiDeCoへの拠出額12,000円、年間144,000円
  • 25年分積立360万円
  • 運用利回り2%
早速計算していきましょう。

運用利回りのシミュレーション

積立期間25年の年金終価係数は32.030です。

運用利回りの計算式に当てはめていきます。

144,000円×32.030=4,484,200

iDeCoへの投資額と総額、25年間の運用益を比較した表がこちらです。

iDeCoへの投資額総額25年間の運用益
(総額ーiDeCoへの投資額)
360万円4,484,200円884,200円

25年間の積み立てで約88万円の運用益が出せました。

公務員は拠出できる金額も少ないので、上記2つより金額は少ないですが、銀行に預けておくよりは資産を増やせることがわかりますね。

控除額のシミュレーション

まず課税所得を算出しましょう。
課税所得の計算方法はこちらでした。

(年収ー給与控除)ー所得控除=課税所得

まず、所得控除を求めましょう。
Cさんは年収500万円なので、国税庁ホームページの「給与所得控除」を参考にすると、上から3番目に当てはまります。

計算式はこちら。

収入金額×20%+440,000円

当てはめていきます。

500万円×20%+440,000円=144万円

所得控除が出たところで、課税所得の計算式に当てはめていきましょう。

(500万円-144万円)-500万円×15%(社会保険料)-48万円(基礎控除)ー144,000円(iDeCo年間分)=2,186,000円(課税所得)

課税所得が218万円ということは、所得税率は10%になります。

控除額の計算式に当てはめていきましょう。

144,000円(iDeCoの年間拠出金額)×(10%+10%)=28,800円

公務員の方が上限である毎月12,000円を拠出していた場合、年間で28,800円、25年間で72万円の節税効果が得られます。

第三号被保険者の専業主婦の場合の計算シミュレーション例

最後に、第三号被保険者のシミュレーションをしていきます。

配偶者の扶養を受けている人が対象となります。


また、所得税や住民税を支払っていない第三号被保険者は、iDeCoによる節税効果は受けられません。

そのためここでは、運用利回りのシミュレーションのみ行います。


専業主婦のDさんを例に挙げましょう。

  • Dさん専業主婦
  • 30歳からiDeCoへ加入、積立期間30年
  • 毎月2万円の拠出、年間24万円
  • 30年間分積立720万円
  • 運用回り2%

運用利回りの計算式をもう一度おさらいしておきます。
年間拠出金額×年金終価係数

積立期間30年の場合、年金終価係数は40.568です。
当てはめて計算しましょう。

24万円×40,568=9,736,320

iDeCoへの投資額と総額、25年間の運用益を比較した表がこちら。

iDeCoへの投資額総額25年間の運用益
 (総額ーiDeCoへの投資額)
720万円9,736,320円2,536,320円

専業主婦の方でも、250万円以上の運用益が出ました。

所得控除こそ受けられませんが、この970万円の総額を受け取る時には大きな控除が受けられますよ。
次で詳しく解説していきます。

iDeCoの受け取り方法について税額計算の違いをもとに解説


iDeCoは、受け取り方によって、税金の額が異なり、その結果受取金額にも影響します。


せっかく長期間積み立てたのなら、一番お得な方法で受け取りたいですよね。


受け取る時に慌てることのないように、ここではiDeCoの受け取り方と、受取時にかかる税金についてまとめました。


税額のシミュレーションもしているので、参考にして下さい。

iDeCoの受け取り方法には年金・一時金・一時金と年金の組み合わせがある

iDeCoの受け取りには以下の3種類あります。


  • 年金方式で毎年受け取る
  • 一時金として受け取る
  • 年金と一時金を組み合わせて受け取る
受け取り方によってかかってくる税金や、受けられる控除が違うだけでなく、最適な受け取り方は、条件によって異なります。

それぞれの受け取り方を見てみましょう。

年金として受け取る場合雑所得としての扱い【税額計算方法を解説】

年金形式でiDeCoを受け取る場合には、他の公的年金(国民保険、厚生年金など)と合算して税額が計算され、雑所得として扱われます。


雑所得の計算方法はこちら。

雑所得=収入ー公的年金控除額

公的年金は、年金の収入金額から公的年金控除額を差し引いて所得金額を計算します。

公的年金控除額の算出方法ですが、年齢によって変わってきます。


65歳未満はこちらです。

公的年金等の収入金額の合計額
割合控除額
600,001円から1,299,999円まで100%600,000円
1,300,000円から4,099,999円まで75%275,000円
4,100,000円から7,699,999円まで85%685,000円
7,700,000円から9,999,999円まで95%1,455,000円
10,000,000円以上100%1,955,000円


(抜粋:国税庁ホームページ『3 公的年金等に係る雑所得の金額の計算方法』)


65歳以上の方はこちら。

公的年金等の収入金額の合計額割合控除額
1,100,001円から3,299,999円まで100%1,100,000円
3,300,000円から4,099,999円まで75%275,000円
4,100,000円から7,699,999円まで85%685,000円
7,700,000円から9,999,999円まで95%1,455,000円
10,000,000円以上100%1,955,000円


(抜粋:国税庁ホームページ『3 公的年金等に係る雑所得の金額の計算方法』)



例をあげてシミュレーションしていきます。

70歳で合計所得金額が500万円、公的年金等の収入が350万円の方の場合、

下の表の上から2番目の該当しますね。


当てはめて計算しましょう。

350万円×0.75ー275,000円=235万円

雑所得は235万円ということになります。

一時所得として受け取る場合退職所得の扱い【税額計算方法を解説】

続いて一時所得として受け取る場合です。

一時所得として受けとる場合には退職所得がかかります。


退職所得の計算式はこちら。

退職所得=(収入金額ー退職所得控除額)×1/2

退職所得控除額は、勤続年数によって計算方法が2通りあります。

iDeCoの場合は勤務年数とは積立期間を、収入金額はiDeCoの受取金額を指します。


計算式をそれぞれ見ていきましょう。


勤続年数が20年以下の場合の退職所得



勤続年数が20年以下の場合の退職所得控除はこちら。

40万円×勤続年数

例えば勤続年数が15年の場合、退職所得除額は以下のようになります。


40万円×15年間=600万円

収入金額が1,200万円の場合の退職所得は、


(1,200万円ー600万円)×1/2=300万円

になります。


勤続年数が20年以上の場合の退職所得


続いて、勤続年数が20年以上の場合の計算式はこちらです。

800万円+70万円×(勤続年数ー20年)

例えば勤続年数が25年間の場合、退職所得控除は、

800万円+70万円×(25年-20年)=11,500,000

となります。

退職所得はこちらです。

(1,200万円ー11,500,000円)×1/2=25万円

年金として受け取る方がいい場合とそうでない場合

年金として受け取る場合、以下の条件に該当する方は、年金方式で受け取った方がお得になります。


  • 所得合計金額が1,000万円以下で65歳未満の人は公的年金が60万円以下の方
  • 所得合計金額が1,000万円以下で65歳以上の人は公的年金が110万円以下の方

この2つのケースに当てはまる場合、雑所得が控除されるので年金方式で受け取るのがおすすめです。

逆に積立金額が1,000万円以上となると、税負担も大きくなります。
その場合は退職所得として受け取った方が良いでしょう。

退職所得として受け取る方がいい場合とそうでない場合

先ほどの計算式でもわかるように、退職所得控除の金額は、勤続年数が長ければ長いほど控除を受けられる金額が上がります。


仮に新卒の22歳から定年退職の60歳まで勤めていたとしたら、退職所得控除額は以下のようになります。

800万円+70万円×〔38年(60歳ー22歳)ー20年〕=2,060万円

つまり2,060万円以下は税金がかからないということ。


iDeCoへの積立金額が大きい方、積立期間が長い方は一時金として受け取ることをおすすめします。

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ここまでiDeCoの利回りや控除額の計算シミュレーションについて詳細に解説してきました。


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まとめ:iDeCoの利回りを計算して将来の受け取り額見込みを知ろう

この記事ではiDeCoの利回りや、控除額を実際に計算シミュレーションをして、わかりやすく解説していきました。


iDeCoの重要ポイントはこちら。

  • 利回りや掛け金は低すぎても運用益が出にくい
  • 毎月の掛け金は上限がある
  • 受け取り方によって手元に残る金額が変わる
上手に活用し、将来に備えたいですね。

この記事がiDeCoへの加入を迷っている方の、お手伝いになれば幸いです。
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