▼この記事を読んで欲しい人
- iDeCoをはじめようとしている人
- iDeCoと国民年金基金の違いがよく分からない人
- iDeCoの基本情報やメリットを知りたい人
▼この記事を読んでわかること
- iDeCoと国民年金基金の違いについて
- iDeCoと国民年金基金の基本情報やメリットについて
- iDeCoのメリットを受けやすい人と受けにくい人について
内容をまとめると
- iDeCoと国民年金基金はどちらも社会保険料控除で節税効果あり
- iDeCoを利用しない方がいいのは家計に余裕が持てていない人
- iDeCoは利益が期待できる、確実な額を受け取るなら国民年金基金
- 今の時代年収資産運用や積み立てをしていないと将来お金に困ることになる
- 資産運用や積み立てに関する相談はお金のプロであるFPに相談すべき
- FP相談で迷ったらマネーキャリアがおすすめ
「iDeCoと国民年金基金の違いがわからない」「iDeCoと国民年金基金は併用できるの?」このような悩みを抱える人は多いでしょう。そこで、本記事ではidecoと国民年金基金を比較シミュレーションし、選び方を紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
>> 谷川 昌平の詳細な経歴を見る
この記事の目次
- iDeCo(イデコ、個人型確定拠出)と国民年金基金の違いは?
- iDeCoと国民年金基金の違いとは?どちらも社会保険料控除で節税効果あり
- 掛金の違い
- 年金給付方法
- 年金受取開始時期、期間
- 運用形態とリスク
- 節税効果
- iDeCoと国民年金基金の基本情報やメリットを比較
- iDeCo(確定年金)
- 国民年金基金(終身年金)
- iDeCoと国民年金基金をシミュレーション
- iDeCoで損する?iDeCoのメリットを受けやすい人、受けにくい人
- iDeCoと国民年金基金どっちを選ぶ?選び方のポイントを紹介
- 確実な額を受け取るなら国民年金基金、利益に期待を込めるならiDeCo
- 長生きに備えるなら国民年金基金、家族に遺したいならiDeCo
- 自営業者は併用可能、早めの老後資金準備を
- 資産運用について迷ったらお金のプロに相談すべき理由
- まとめ:iDeCoと国民年金基金、どちらも加入しないのは損!
iDeCo(イデコ、個人型確定拠出)と国民年金基金の違いは?
こんにちは。マネーキャリア編集部です。
「老後2000万円問題」が取り上げられてから、はや数年。
最近では「老後55万円問題」とも言われ、「老後のお金を大して心配する必要がないのでは?」という声もあります。
しかし、昨今の外出が厳しい状況で出費が減っただけという見方が強く、やはり老後資金は自分で準備しておく必要があります。
「老後になってから旅行に出かけてゆっくりしたい」という方もいれば、「老後こそ病気やケガで出費がかさむかも」という不安がある方、いろいろだと思います。
どちらにしろ、老後資金には余裕を持たせておきたいところです。
老後の資産を確保する手段としては、NISAや個人年金保険など様々ありますが、その中でも今回はiDeCoと国民年金基金を取り上げます。
実際どういった制度なのか、どんな違いがあるのか、よく分かってない方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回はiDeCoと国民年金基金について
- iDeCoとは?国民年金基金とは?
- iDeCoと国民年金基金の違いとは?
- iDeCoと国民年金基金のメリット・デメリットは?
- iDeCoと国民年金基金、どちらを選べばいい?
iDeCoと国民年金基金の違いとは?どちらも社会保険料控除で節税効果あり
iDeCoと国民年金基金はどのような違いがあるのでしょうか?
まず、iDeCoとは個人型確定拠出年金のこと。
私的な年金制度で、加入は任意です。
ご自身で申し込みし、掛金を拠出、運用方法を選びます。
掛金と運用益は、老後に年金として受け取ることができます。
簡単に言うと、自分で年金を作るイメージです。
国民年金基金も自分で老後に備えるための制度ですが、会社員・公務員ではなく、フリーランス・自営業者向けです。
iDeCoと違い、ご自身で運用していく必要はありません。
国民年金と名前は似ていますが、まったく別物です。
よく用いられる例えですが、国民年金は年金制度の1階部分に位置する基礎年金にあたります。
国民年金基金は、2階部分に該当する任意の年金制度です。
混同しないようにしましょう。
iDeCoも国民年金基金も、社会保険料控除で節税効果が得られる点は同様です。
節税の効果は多少異なりますが、他にも違いがあるので、以下を中心に解説します。
- 掛金の違い
- 年金給付方法
- 年金受取開始時期、期間
- 運用形態とリスク
- 節税効果
掛金の違い
iDeCoは、自分で掛金を拠出します。
『individual-type Defined Contribution pension plan』が愛称の由来で、個人型確定拠出年金の英語表記を表しています。
前もって決めた確定額を積み立てていくので、確定拠出と言います。
国民年金基金では、加入時に掛金が確定します。
年齢・性別・選択した給付の型・加入口数によって、毎月の掛金が決まります。
ちなみに、4月から翌年3月までの1年分を前納すれば、0.1か月分の掛金が割引されます。
年金給付方法
iDeCoは一時金か有期年金か、受け取り方法が選べます。
一時金で受け取る場合は、iDeCoで運用した資産を一括で受け取ります。
有期年金では、5~20年の期間で年金として受け取ります。
金融機関によっては、終身年金として受け取れる場合や、一時金と有期年金を併用して受け取ることも可能です。
一方、国民年金基金は、終身年金。
終身年金は、被保険者が亡くなるまで、年金受取人が一生涯年金を受け取ることができます。
長生きした場合にも対応可能な制度と言えるでしょう。
年金受取開始時期、期間
iDeCoの年金受け取り開始時期は、60歳以降。
年金受け取り期間は5~20年の有期年金です。
受け取り開始時期は、加入期間によって以下のように違います。
- 10年以上:60歳
- 8~10年:61歳
- 6~8年:62歳
- 4~6年:63歳
- 2~4年:64歳
- 0~2年:65歳
国民年金基金の年金受け取り開始時期は、65歳以降です。
終身年金のため、年金受け取り期間は65歳以降から亡くなるまで受け取れます。
運用形態とリスク
iDeCoは自分で運用していくことが求められます。
リスクとしては元本割れの可能性がありますが、その分リターンも期待できます。
そのため、運用結果によって年金受け取り額は変わります。
対して国民年金基金は、自分で運用していく必要はありません。
そのため運用リスクはなく、年金受け取り額があらかじめ分かります。
ただ、その分大きいリターンは期待できません。
節税効果
iDeCoも国民年金基金も、掛金は全額所得控除になり、節税効果があります。
所得税や住民税などの税金額は、課税所得に対して、それぞれ以下のようにして決まります。
- 会社員:給与ー控除=課税所得
- フリーランス、個人事業主:売り上げ-経費-控除=課税所得
iDeCoと国民年金基金の基本情報やメリットを比較
iDeCo(確定年金)
iDeCoのメリットは主に以下5つが挙げられます。
- 節税効果がある
- 差し押さえ禁止
- 確実な積み立てが可能
- ポータビリティ性がある
- 投資商品が厳選されている
- 手数料がかかる
- 資金が拘束される
- 元本割れの可能性がある
- 節税効果があるかは場合による
国民年金基金(終身年金)
国民年金基金のメリットは主に以下4つが挙げられます。
- 終身年金で受け取れる
- 運用リスクがない
- 運用の手間がない
- 節税効果がある
1.終身年金で受け取れる
長生きした場合は大変頼りになります。
亡くなるまで年金が受け取れるのは、この人生100年時代では安心ですね。
2.運用リスクがない
加入時に掛金が確定するので、将来の給付額が分かります。
iDeCoと違い、元本割れすることはありません。
3.運用の手間がない
自分は運用に関与しないので、忙しい方には特にありがたいですね。
4.節税効果がある
掛け金は全額、所得控除になります。
この点はiDeCoも同様です。
デメリットは以下4つが挙げられます。
- インフレに対応していない
- 資金が原則65歳まで拘束される
- 運用利率が低い
- 基金の財政状態に不安
4.基金の財政状態に不安
iDeCoと国民年金基金をシミュレーション
iDeCoも国民年金基金も、それぞれメリットとデメリットはありますが、実際にどのように掛金を支払ったり、節税効果を受けられたりするのでしょうか?
iDeCoと国民年金基金の公式HPでそれぞれシミュレーションをしてみました。
iDeCoでは以下の条件で試算しました。
- 30歳男性(独身)
- 課税所得:300万円
- 掛金:毎月12,000円
- 運用利回り:1.0%
- 拠出時の節税:年間およそ21,700円
- 運用時の節税:194,330円
- 一時金での受け取り時の節税:5,288,620円
- 年金での受け取り時の節税:
・5年で受け取る場合は1,057,724円
・10年で受け取る場合は528,862円
・15年で受け取る場合は352,574円
・20年で受け取る場合は264,431円
国民年金基金では、以下の条件で試算してみました。
- 30歳男性(独身)
- 課税所得:300万円
- 加入プラン:B型の終身年金
結果としては以下になりました。
- 月額掛金:12,010円
- 年間掛金:144,120円
- 加入月から60歳到達月前月分までの掛金:4,299,580円
- 月額の年金額:20,700円
- 節税:年間およそ29,000円
iDeCoで損する?iDeCoのメリットを受けやすい人、受けにくい人
結局、iDeCoはどんな人が利用すればいいのでしょうか?
また、利用しない方が良い人はどんな人でしょうか?
結論としては、ある程度家計に余裕がある人は、iDeCoを利用した方が良いと言えます。
具体的には、以下に当てはまる方です。
- 老後資金以外のお金を、それなりに準備できている
- 高年収で、納めている税金も多い
- iDeCoに加入しても、他に貯金ができる
- 収入が少ない
- 緊急時のための貯金がない
- 結婚・住宅購入・教育資金などが準備できていない
iDeCoと国民年金基金どっちを選ぶ?選び方のポイントを紹介
- 確実な額を受け取るなら国民年金基金、利益に期待を込めるならiDeCo
- 長生きに備えるなら国民年金基金、家族に遺したいならiDeCo
- 自営業者は併用可能、早めの老後資金準備を
確実な額を受け取るなら国民年金基金、利益に期待を込めるならiDeCo
長生きに備えるなら国民年金基金、家族に遺したいならiDeCo
今、日本は世界屈指の長寿国です。
寿命が長ければ当然その分の老後資金がさらに必要になります。
この点を考慮に入れれば、一生涯給付が続く終身年金である国民年金基金が良いと言えるでしょう。
iDeCoの場合は、万が一亡くなると、残金が遺族に支払われます。
長生きを見越すのであれば国民年金基金、家族にお金を遺しておきたいのであればiDeCo、という選び方も選択肢の一つです。
自営業者は併用可能、早めの老後資金準備を
国民年金基金は、フリーランスや自営業者の方であれば入ることができます。
そのため、iDeCoと国民年金基金の併用も、フリーランスや自営業の方であれば可能です。
掛金の限度額は月額68,000円になります。
国民年金は、20歳以上の国民全員が加入します。
よく日本の年金制度は3階建てと言われますが、国民年金基金や厚生年金は、国民年金の上乗せ分で2階部分にあたります。
フリーランスや自営業は、会社員・公務員と違って、厚生年金がありません。
国民年金基金は、その差分を埋めるための仕組みですが、加入は任意です。
ここまでご紹介してきた内容から判断し、老後間近になって焦らないよう、資金の確保に向けて準備を進めていきましょう。
資産運用について迷ったらお金のプロに相談すべき理由
「iDeCoで最大の節税効果を得るのは難しいのは分かったけど、どうすればいい?」
「フリーランスで、iDeCoか国民年金基金かで迷っている...」
ここまでの解説をご覧になって、色々迷われている方は、マネーキャリアのFP相談を活用してみましょう。
FPとはファイナンシャルプランナーを指し、お金に関する豊富な知識をもとに、家計やライフプランについてアドバイスを行う、お金のプロです。
FP相談では、皆さんのお金の悩みを相談できます。
老後資金のことはもちろん、マイホーム購入といった大きな買い物から、家計の見直しといった身近なお悩みまで、お金に関するあらゆる内容に対応しています。
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まとめ:iDeCoと国民年金基金、どちらも加入しないのは損!
- iDeCoは会社員もフリーランスも入れるが、国民年金基金はフリーランス・自営業者向け
- iDeCoはリスクがあるが、リターンが期待できる
- 国民年金基金は利回りは低いが、運用リスクはない
- iDeCoも国民年金基金も、節税効果あり
- それぞれの特徴・メリット・デメリットを理解し、加入するのが良い
- 迷った時はマネーキャリアのFP相談へ