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「iDeCoが払えなくて困っている」「イデコを払えなくなったらどう対処するのか知りたい」このような悩みを抱える人は多いでしょう。そこで本記事ではiDeCo(個人型確定拠出年金)が払えなくなったら掛け金を減額するなどの方法をまとめます。ぜひ最後までご覧ください。

記事監修者「木滝 大輔」

この記事の監修者木滝 大輔
フィナンシャルプランナー

大学卒業後、FPという仕事に興味をもち資格取得後、保険代理店に勤務。保険代理店だけだと本来のFP業務はなしえないと思い株式会社エフ・ピー・エスを設立。一般の方の金銭教育、知識の向上を目的とするNPO法人くらしの経済サポートセンターの代表理事を兼務。

この記事の目次

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iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)が途中で払えなくなったらどうする?

こんにちは。マネーキャリア編集部です。


先日ある男性の読者さまから、こんな質問を受けました。

……実は、子どもの進学費などで、iDeCoの掛け金が払えなくなってしまいました……それでiDeCoをやめたいんですが、手続きはどうすればいいんですか?

……そうですね、結論から言うと、iDeCoを解約するのは難しいです。まったくできないわけではありませんが、できるのはごく一部の人に限られるでしょう。


iDeCoの掛け金を支払えなくなったら、取るべき方法は2つあります。

  1. iDeCoの掛け金を下げる
  2. iDeCoの掛け金を停止する


これらはどう違うのか?どんなデメリットがあるのか?以下の記事で解説しています。


iDeCoの掛け金を払えなくなったら、どうすればいいの!?


今回はそんな切実な疑問に、詳しく解説していきます。


iDeCoの掛け金を払えなくなっている方も、またiDeCoに加入を考えている方、すでに加入している方にも、役に立つ情報を載せていますので、ぜひ最後までお読みください。


■ iDeCoとは?

  • iDeCo(個人型確定拠出年金)は、確定拠出年金法に基づいて実施されている私的年金の制度
  • iDeCoは自分で申し込み、掛金を拠出し、自分で運用方法を選んで掛金を運用する
  • 掛金と運用益との合計額を給付として受け取る
  • 掛金、運用益、および給付を受け取る際、税制上の優遇措置がある

iDeCoが途中で払えなくなっても解約・返金は難しい


iDeCoが途中で払えなくなっても、解約・返金は難しいでしょう。


ここでは以下の記事について、解説していきます。

  • 脱退一時金を受け取る条件
  • 脱退一時金を受け取る請求方法
iDeCoは解約を認めていませんが、7つの条件をすべて満たせば解約は可能だと言われています。

しかし、その条件は厳しいもので、該当する人が少ないのが現実です。

解約した場合は、「脱退一時金」を受け取ることができます。

脱退の手続きは、自分で選んだ運営管理機関と国民年金基金連合会に対して行います。

またこの場合の脱退一時金には、税制上の優遇措置は認められません。

脱退一時金を受け取る条件

iDeCoには、脱退一時金を受け取る条件というものがあります。


iDeCoは急にお金が必要になったときに解約できないのが、最大のデメリットと言われています。


しかし、iDeCoの掛け金を払えなくなったら、例外的に解約が認められるときもあります。 解約した場合は、「脱退一時金」などの形でお金を受け取ることが可能です。


脱退一時金を受け取ることのできる条件は、以下のとおりです。

  1. 60歳未満であること
  2. 企業型DC加入者でないこと
  3. iDeCoに加入できない者(国民年金第1号被保険者で、保険料の免除を申請している、または、生活保護法による生活扶助を受給していることにより国民年金保険料の納付を免除されている者、もしくは日本国籍を有しない海外居住者)であること
  4. 日本国籍を有する海外居住者(20歳以上60歳未満)でないこと
  5. 障害給付金の受給権者でないこと
  6. 企業型DC加入者及びiDeCo加入者として掛金を拠出した期間が5年以下であること、または、個人別管理資産額が25万円以下であること
  7. 最後に企業型DC加入者又はiDeCo加入者の資格を喪失した日から起算して2年を経過していないこと

この7項目のすべての条件を満たさなければなりません。


基本的に、脱退一時金は受け取れないと思って良いと思います。

脱退一時金を受け取る請求方法

iDeCoの掛け金を払えなくなったら、脱退一時金を受け取る請求方法は以下のとおりです。


脱退一時金を受け取る場合には、自ら手続きをしなければなりません。


iDeCoの個人型記録関連運営管理機関、国民年金基金連合会にて手続きを行います。


脱退一時金の受給要件や、手続きの進め方は運営管理機関ごとに異なります。そのため自分が選択した運営管理機関に問合せてください。

iDeCoが払えなくなったらまずは掛け金を下げるか停止

iDeCoが払えなくなったら、まずは掛け金を下げるか停止してください。ここでは以下の記事について解説していきます。

  • iDeCoの掛け金を下げる
  • iDeCoの掛け金を停止する
iDeCoの掛け金を払えなくなって、iDeCoの掛け金を下げる場合、掛け金を下げたままiDeCoの運用を継続することができます。iDeCoの最低掛け金は、5,000円です。

その際は書類をもって、運営管理機関に申請します。

iDeCoの掛け金を払えなくなって、iDeCoの掛け金を停止することは、iDeCoを脱退することになります。必要書類を運営管理機関に申請します。

しかしその後も、「運用指図者」としてそれまでに支払った分の資産だけを運用していくこととなります。

次の記事では、iDeCoの掛け金を払えなくなったら、「iDeCoの掛け金を下げる」ことと「iDeCoの掛け金を停止する」ことと、どちらが得なのか、理由をあげて解説します。

iDeCoの掛け金を下げる

1つ目はiDeCoの掛け金を払えなくなったら、iDeCoの掛け金を下げて運用を継続することです。


最初に決めたiDeCoの掛け金は年に1回だけ変更できます。iDeCoの最低掛金は5,000円です。1,000円単位で変更可能です。


掛け金を変更したい場合は、「加入者掛金額変更届」をもって運営管理機関へ申請します。手続きにかかる日数は運営管理機関によって異なるので、早めに対応しましょう。


「加入者掛金額変更届」は、加入者区分に応じた届書を提出してください。


次の3種類があります。

  • 加入者掛金額変更届(第1号被保険者用)付加保険料納付等に関する届
  • 加入者掛金額変更届(第2号被保険者用)
  • 加入者掛金額変更届(第3号被保険者用)

iDeCoの掛け金を停止する

もう一つはiDeCoの掛け金を払えなくなったら、iDeCoの掛け金を停止することです。


iDeCoを停止するには、運営管理機関に、「加入資格喪失届」を提出しなければなりません。詳しいことは、iDeCoに加入するときに、自分で選んだ運営管理機関で確認してください。


iDeCoを停止しても、今までの積み立て金を受け取ることはできません。積み立て金を受け取れるのは、原則60歳以降です。


iDeCoを停止すると、「運用指図者」になり、今まで積み立ててきたお金だけ運用していくことになります。


しかし、iDeCoの掛け金を払えなくなったら、停止するよりも減額をした方が有利です。


その理由は次の3つです。

  • 停止をしても手数料は毎月かかる
  • iDeCoの掛金は全額所得控除になるので、節税効果が大きい
  • iDeCoの口座を一度停止してしまうと、再開するには再度手続きが必要になり、時間がかかる

iDeCoの掛け金を払えなくなったら、掛金の停止はいつでもできるので、


まずは掛金の減額をおすすめします。

iDeCoの掛け金を停止する場合は手数料に注意

iDeCoの掛け金を停止する場合、手数料に注意してください。


事務委託手数料が月々66円、年間で792円かかります。


その他に、運営管理機関によって運営管理手数料がかかります。


iDeCoの掛金を払わなくても、運営管理機関の手数料は無料にはならないのです。iDeCoの口座から手数料が引き落とされます。


iDeCoを停止すると、所得控除が受けられません。


iDeCoの掛金は全額所得控除なので、所得控除を受けられないのは大きなデメリットと言えます。

iDeCoの一部を借りることはできる?

iDeCoの掛け金を払えなくなったら、iDeCoの一部を借りることはできるのでしょうか?


答えはNoです。


iDeCoの年金資産を担保とした借り入れは、認められていません。


また、年金資産の途中での引出しは、脱退一時金の給付を除き、原則的に認められていません。


その理由は、あくまでもiDeCoは老後の保障である年金制度であり、借り入れを認めると本来の目的を外れ、単なる貯蓄と変わらなくなるからです。そのため税制上のバランスがとれなくなります。


iDeCoの受給権を譲渡したり担保に入れたりすることはできません。

iDeCoの掛け金を払わないとどうなる?

iDeCoの掛け金を払わないとどうなるのでしょうか?


ここでは以下の記事について、解説しています。

  • 未払い分のその年の所得控除が受けられない
  • 未払い期間は運用期間から除外される
iDeCoの掛け金を払えなくなったら、その年の所得控除が受けられませんし、未払い期間は運用期間にカウントされません。

未払い分のその年の所得控除が受けられない

何らかの事情で掛金を予定されていた日に支払わないと、未払い分のその年の所得控除が受けられません


iDeCoの場合は、掛け金を支払い予定期間を過ぎて、後から支払うことはできません。


支払わない金額は未払いとして、未払い期間のある年は所得控除を受けられず、また掛金を支払った期間(運用期間)からも除外されます。


では、運用期間から除外されるとどんなデメリットがあるのでしょうか。iDeCoの受け取りの際に、一時金での受け取りを選択するとき影響が出てきます。

未払い期間は運用期間から除外される

iDeCoの掛け金の未払い期間は、運用期間から除外されます。


また未払い期間のある年は所得控除を受けられません。


iDeCoを60歳以降に受け取る際は、その受け取り方は3通りあります。

  1. 年金
  2. 一時金
  3. 年金と一時金の両方

どの受け取り方を選んでも、iDeCoの受け取り金には、税制上の優遇措置が適用されます。


いわゆる支払う税金が低く済むように、「控除額」が設定されています。


一時金の給付時に適用される「退職所得控除」は、iDeCoの運用期間に基づいて計算されます。


iDeCoの掛金を支払わない期間は運用期間にカウントされませんので、注意してください。

iDeCoの運用について迷ったらお金のプロに相談すべき理由

ここまでiDeCoの掛け金を払えなくなった場合の対処法について詳細に解説してきました。


とはいえ、

iDeCoを解約したら将来の生活費や老後資金が心配。どのように備えればいいのだろう。。。

このような悩みを抱える方は多いでしょう。


結論から言うと、そのような方はお金のプロであるFP(ファイナンシャルプランナー)に相談することをおすすめします。


FPは、iDeCoだけではなく、様々な金融商品を比較検討しながら、相談者の資産状況や、家計の状況に合わせて最適な提案をすることができます。


資産運用を希望しない場合でも、家計の改善方法についてなど、身近なお金の悩みについてなんでも相談できます。


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まとめ:iDeCoを払えなくなったらまずは減額を検討

いかがでしたでしょうか。


この記事では、「iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)が途中で払えなくなったらどうする?」について、以下のとおり解説してきました。

  • iDeCoの掛け金を途中で払えなくなっても、解約・返金は難しい。
  • iDeCoの掛け金を払えなくなったら、掛け金を下げるか停止
  • iDeCoの掛け金を停止しても、手数料は発生する
  • iDeCoの掛け金を払えなくなったら、運用指図者に登録変更する方法もある
  • iDeCoの年金資産を担保とした借り入れは、認められていない
  • iDeCoの掛け金を払えなくなったら、運用期間から除外され、所得控除を受けられない
  • iDeCoの運用について迷ったら、お金のプロに相談すべき
iDeCoの掛け金を払えなくなったら、まずは減額を検討しましょう。

iDeCoの掛け金を払えなくなったら、取るべき方法は2つあります。
  1. iDeCoの掛け金の額を下げる。
  2. iDeCoの掛け金の拠出を停止する。
iDeCoの掛け金を変更する場合は、「加入者掛金額変更届」をもって、iDeCoの掛け金を停止する場合は、「加入資格喪失届」をもって、それぞれ自分が選んだ運営管理機関に申請しなければなりません。

iDeCoの掛け金を減額した場合は、今度はその掛け金の額で、そのままiDeCoの運用を継続していくことができます。

ただ掛け金が減った分、受け取る一時金も減るでしょう。しかし、あとの条件、税制上の優遇措置を受けることができる等は変わりません。

しかし掛け金の拠出を停止した場合は、掛け金の支払いはしなくてもいい代わりに、iDeCoに加入している間、iDeCoや運営管理機関に手数料を支払い続けなければなりません。

確かに「運営指図者」になると、今までの拠出金でiDeCoを運用することができます。

しかし、拠出金を納めていない期間は、運用期間から除外され、一時金を受け取るときの「退職所得控除」の対象になりません。

iDeCoの掛け金を支払えなくなったとき、まず掛け金を下げる方を優先するのは、以上の理由からです。

iDeCoの掛け金の最低金額は、5,000円です。1,000円ずつの幅で変更することができます。

ここまでの解説を読んでも、恐らくピンとこない人の方が多いかもしれません。

そのような方はもう一度この記事を読み返し、それでも理解できないことがあったら、ぜひマネーキャリアのオンライン無料相談に相談することをおすすめします。

この記事がiDeCoの掛け金の支払いに困っている人や、これからiDeCoに加入しようと思っている方に、少しでもお役に立てれば、うれしいです。

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