小規模企業共済って何?iDeCoとの違いや併用メリットについて解説のサムネイル画像

▼この記事を読んでほしい人

  • iDeCoと小規模企業共済の共通点と違いが知りたい人
  • iDeCoと小規模企業共済はどちらがおすすめか知りたい人
  • iDeCoと小規模企業共済の併用は可能か知りたい人


内容をまとめると

  • 小規模企業共済制度はiDeCoより柔軟性が高い
  • iDeCoと小規模企業共済制度は併用可能
  • マネーキャリアは満足度93%で何度でも相談無料!
  • 予約から相談までオンラインで完結!

iDeCoと小規模企業共済はどちらも退職金・老後資金を増やすための制度です。またその利用によって様々な節税メリットがあります。今回はiDeCoと小規模企業共済を比較してどちらのほうがよりおすすめかまた併用のメリットはあるかについて解説していきます。

監修者「谷川 昌平」

監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー

株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。
>> 谷川 昌平の詳細な経歴を見る

この記事の目次

小規模企業共済制度とは?またiDeCoと併用はできる?そのメリット解説

こんにちは、マネーキャリア編集部です。


企業に勤めている方は、定年を迎える際に退職金を受け取る方は多いです。


しかし、小規模企業の経営者や個人事業主の方は、退職金制度がないため老後の資金を自分で準備しなくてはいけません。


経営者や個人事業主の方が老後の資金を準備する方法として、「小規模企業共済制度」や「iDeCo」があります。


ちょうど先日、お店を営んでいる方からこんな相談を頂きました。

節税しながら老後の資金を準備したいんだけど、iDeCo以外に方法はある?
iDeCoにも加入しているんだけど、小規模小企業共済制度って併用できるの?
小規模企業共済制度とiDeCoの違いってなに?

そこで今回は、小規模企業共済制度とiDeCoについて詳しく解説します。


それぞれの概要はもちろん、メリットやデメリット、2つの違いや共通点についても触れていくので、これから老後の資金の準備を進めていきたい方のお手伝いになれば幸いです。

小規模企業共済制度について詳しく解説【小規模企業共済の概要】


まず、小規模企業共済制度について詳しく解説します。


小規模企業共済制度とは、国の中小企業政策の実施機関である中小機構(中小企業基盤整備機構)が運営する、積み立てによる退職金制度です。2021年3月時点では、全国で153万人程度の方が加入しています。


対象となるのは、サービス業(宿泊、娯楽を除く)や商業では従業員が5人以下、製造業などその他の業種では従業員が20人以下である小規模企業です。


また、小規模企業の中でも以下のいずれかに当てはまる方が対象となります。

  • 個人事業主
  • 役員
  • 農事組合法人の役員
  • 従業員が5人以下の士法人(弁護士法人や税理士法人など)の社員
  • 小規模企業者たる個人事業主である共同経営者

たとえば、飲食店を営む個人事業主の方で、常時働いてくれる従業員が5人以下であれば、加入できます。


小規模企業共済制度の共済金を受取れる条件は、共済金の種類によって異なります。

共済金受取れる条件
共済金A・個人事業が廃業になった
・法人が解散した
・個人事業が廃業し共同経営者を退任した
・加入者が個人事業主や共同経営者の場合、亡くなったとき
共済金B・65歳以上で180ヵ月以上掛金を支払った(老齢給付)
・65歳以上で役員を退任した
・役員で小規模企業共済制度の契約者が亡くなった
準共済金・個人事業を法人にし加入資格がなくなった
・法人の解散、病気やケガ以外の理由で役員を退任した
・65歳未満で役員を退任した
解約手当金
・任意解約した
・機構解約となった
・共同経営者の任意退任により解約した

共済金は、「一括受け取り」「分割受け取り」「一括受け取りと分割受け取りの併用」といった柔軟性があるのが特徴です。


ただし、「分割受け取り」もしくは「一括受け取りと分割受け取りの併用」を希望する場合は、以下の条件すべてを満たさなくてはならないので注意してください。

  • 共済金Aもしくは共済金Bに該当する
  • 共済契約者の死亡による請求ではない
  • 請求事由が発生した日に60歳以上である
  • 「分割受け取り」の場合、共済金が300万円以上であること
  • 「一括受け取りと分割受け取りの併用」の場合は330万円以上かつ(一括で支給を受ける額が30万円以上、分割で支給を受ける額が300万円以上)であること

小規模企業共済制度は、後述のメリットでも紹介する「節税効果」が期待できることから注目を集めています。

小規模企業共済のメリットについて解説


小規模企業共済制度のメリットは、大きく分けて4つあります。

  • 経営者の退職金・老後資金を貯めることができる
  • 掛金拠出による節税効果
  • 受け取り時の節税効果と所得控除
  • 契約者貸付制度
それぞれについて詳しく解説します。

①経営者の退職金・老後資金を貯めることができる

小規模企業共済制度のメリットとして、経営者の老後や退職後の資金を準備できる点があります。


小規模企業共済制度の積み立てた掛金は、支払った期間に応じて100%以上、最大120%相当額の給付が見込まれます。


支払った掛金よりも多く受け取れる点から、退職金制度がない個人事業主や経営者の方が、退職金の代わりや老後資金のために利用するケースが増えているのです。

②掛金拠出による節税効果

小規模企業共済制度は、節税効果が期待できます。


支払った掛金は、全て経費や個人事業主は所得控除となり節税が可能です。


例えば、個人事業主の40歳の方で課税所得が年400万円、月額1万円で65歳で脱退する場合の年間節税効果を、中小機構が提供するシミュレーションにより算出しました。


所得税住民税
加入前308,300円405,000円
加入後355,800円393,000円
年間節税効果24,500円12,000円

住民税は自治体によって異なるので、あくまで目安として確認してください。


上記の算出では、年間36,500円の節税が可能です。


掛金額より高額に設定し、長期間加入することでより節税効果が高くなります。

③受け取り時の節税効果と所得控除

小規模企業共済制度は、掛金の節税効果もありますが、共済金の受け取り時の節税効果も期待できます。


共済金の種類によって税法上の扱いが異なるので、以下の表を参考にしてください。

受け取り方法税法上の扱い
共済金A・Bと準共済金一括受け取り退職所得
共済金A・Bを分割受け取り公的年金等の雑所得
65歳以上の任意解約
65歳以上の共同経営者が任意退任
退職所得
65歳未満の任意解約
65歳未満の共同経営者が任意退任
一時所得
機構解約での解約手当金一時所得

小規模企業共済制度で受け取る共済金が「事業所得」とならないことで、節税効果を発揮します。


その理由としては、以下の計算式にあります。


【事業所得の課税対象となる所得金額の計算式】

収益(収入)ー費用=所得

【退職所得の課税対象となる所得金額の計算式】

(退職金ー控除額)×2分の1=所得

退職所得には控除額や2分の1にする必要があるため、課税対象となる金額が事業所得に比べて低くなり、その結果節税効果が見込めるのです。

④契約者貸付制度

小規模企業共済制度には、「契約者貸付制度」もあります。


契約者貸付制度とは、積み立てている総掛金額の範囲内(7~9割程度)であればお金を借りることが可能です。


無担保・無保証で借入できるため、経営がうまくいかない時期など万が一の時に役立ちます。

小規模企業共済のデメリットについて解説


では、小規模企業共済制度のデメリットはどこにあるのでしょうか。

  • 掛け捨てとなってしまう場合がある
  • 加入期間が20年未満なら元本割れする
  • 退職金や公的年金の額によっては税金が発生する
上記のデメリットは、加入する際にも十分注意してほしいポイントなので、詳しく解説します。

①掛け捨てとなってしまう場合がある

小規模企業共済制度は、加入している期間がとても重要です。


以下のような場合に、解約となるとそれまでの掛金は掛け捨てとなります。

  • 掛金納付月数が6ヶ月未満かつ企業の廃業、役員の退任(病気・ケガ・65歳以上による退任)
  • 掛金納付月数が12ヵ月未満での役員の退任(病気・ケガ・65以上による退任を除く)
  • 掛金納付月数が12ヵ月未満で解約
解約しないに越したことはありませんが、どうしても解約するという場合には最低でも12ヵ月分以上の掛金を納付しているか確認をしましょう。特に役員の方は、解約時期に注意が必要です。

②加入期間が20年未満なら元本割れする

メリットでは積み立てた掛金は、支払った期間に応じて100%~120%相当額の給付が見込まれると解説しました。


しかし、100%以上の給付が見込まれるのは、少なくとも3年間分(36ヵ月分)の掛金を納付した方です。


36ヵ月分未満の納付月数の方は、元本割れしてしまうので気を付けましょう。


途中で増額・減額した場合は、掛金区分ごとに納付月数が36ヵ月に満たない場合も給付金額は元本割れしてしまいます。


また、途中解約する場合は、20年(240ヵ月)以上掛金を納付していなければ、解約手当金は元本割れするため注意してください。


節税効果も魅力ですがこれから加入する場合、最低でも3年間掛金を納め続けられるか検討することが大切です。

③退職金や公的年金の額によっては税金が発生する

事業所得に比べて節税効果が期待できる小規模企業共済制度ですが、「退職所得」や「雑所得」として受け取る共済金は税金が発生します。


簡単にいえば、小規模企業共済制度は掛金で節税できる分、共済金で課税されるので「納税を先送りしている」ともいえます。


しかし、事業所得として計上されるよりもはるかに節税になるため、税負担の軽減は期待できるでしょう。

iDeCoについて詳しく解説【iDeCoの概要】


小規模企業共済制度と同じように、老後の資金準備として利用される「iDeCo」について解説します。


iDeCoは「個人型確定拠出年金」であり、運用しながら総掛金額を増やし老後に備える私的年金制度です。


iDeCoへの加入資格は20歳以上60歳未満の方で、以下に当てはまる方になります。

  • 個人事業主
  • 公務員
  • 会社員
  • 役員
  • 専業主婦(夫)
  • 学生
つまり、ほとんどの方がiDeCoへ加入できることになります。

ただし、会社員でも企業型確定拠出年金加入者は、規約により勤め先がiDeCoとの併用を可としている場合に限り加入可能です。

給付の受け取りは、以下の条件を見たした場合に可能です。

給付金受け取り条件
老齢給付金通算加入期間が10年以上であれば原則60歳から
障害給付金定められた障害状態になった場合
死亡一時金加入者が亡くなったとき
脱退一時金条件を満たした場合に60歳未満の脱退が可能
iDeCoは、原則として加入したら60歳まで支払い続け、老齢給付金を受け取ることを目的としている年金です。

老齢給付金は、年金として分割で受け取るか、一時金として分割で受け取るか選べます。

また、iDeCoは国民年金の分類によって掛金の上限額が決められています。
国民年金月額上限対象者
第1号被保険者68,000円自営業者
学生
など
第2号被保険者12,000円~23,000円会社員
公務員
など
第3号被保険者23,000円専業主婦
など
※第2号被保険者の場合、公務員や企業型確定拠出年金加入者であるかによって上限額が変わります。

掛金の下限額は、どの保険者区分の方も月額5,000円であるため、被2号保険者であれば、5,000円~23,000円までの掛金額を設定します。

iDeCoは、掛金が少なくても運用次第でもっと大きく老後の資金形成ができる可能性があるため、挑戦する方も増えています。

iDeCoを利用するメリットについて

では、iDeCoを利用するメリットはどこにあるのでしょうか。


大きなメリットとしては、

  • 自分で退職金・老後資金を貯められる
  • 掛金拠出による節税効果
  • 運用中の節税効果
  • 受け取り時の節税効果と所得控除
  • 減額されることがなく転職の際に持ち運びができる

といった5つがあります。それぞれ詳しく解説していきましょう。

①自分で退職金・老後資金を貯められる

日本では、老後の資金として退職金とは別に2,000万円以上が必要と言われています。そのため、貯蓄や投資など老後資金の準備を自分でしなければいけません。


iDeCoは、老後の資金形成を目的としてつくられた年金です。60歳までは原則として解約や積み立てている資金の引き出しといったことはできません。


ちょっと意志が弱くて自分で貯金するには不安という方も、老後資金を作りやすいのがメリットとしてあります。


また、個人事業主の方も60歳を目標として加入し続けることで、退職金代わりにすることも可能です。

②掛金拠出による節税効果

iDeCoの掛金は、すべて所得控除の対象となります。


会社員や公務員であれば職場の年末調整で、自営業者であれば確定申告などで申請することで節税できます。

③運用中の節税効果

iDeCoは基本、投資信託で運用し資金を増やしながら老後に備えます。


投資信託で得た普通分配金や譲渡益は、通常であれば課税対象となりますが、iDeCoで得た利益は全額非課税となります。


そのため、出た利益は全て元金としてまた運用され、運用資金が増えていくのです。


通常で投資信託を利用するよりも、iDeCoを通すことで節税効果が見込めます。

④受け取り時の節税効果と所得控除

iDeCoは、老齢給付金を受け取る場合、「一時金(一括)受け取り」もしくは「分割(年金)受け取り」、「一時金+分割受け取り」か選べます。


受け取り方によって以下のように税法上の扱いが異なります。

給付方法税法上の扱い
一時金退職所得控除
分割公的年金等控除
一時金+分割退職所得控除

公的年金等控除

例えば、30年間加入していた方が一時金で受け取る場合、退職所得控除が適用となり、給付金が1,500万円を超えない限りは課税対象となりません。


受け取り方法によって税法上の扱いがことなるものの、控除対象となるので節税効果が期待できるでしょう。

⑤運用商品の切り替えが何度でも可能

iDeCoは、投資信託で運用し総掛金額を増やすことで、通常の貯蓄に比べてより老後資金を準備できます。


投資信託の運用先は自分で選ぶことができ、途中で変えることも可能です。


そのため、20代のうちはリスクとリターンが高い銘柄へ投資してより多くの利益を狙い、60歳に近づくにつれてリスクを抑えた投資先にするといった、ライフスタイルや年齢に応じてiDeCoを活用できます。


また、途中で掛金額の変更も年1回まで可能なので、無理のない範囲で続けられるのもメリットです。

⑥減額されることがなく転職の際に持ち運びができる

iDeCoは、仕事を退職したり、転職した場合もこれまでと同じように継続して利用できます。


仕事が変わったことにより掛金額の上限額の変更はありえますが、会社の経営に左右されず60歳まで継続して加入できます。

iDeCoを利用するデメリットについて


次に、iDeCoのデメリットについて解説します。


iDeCoの大きなデメリットは次の5つです。

  • iDeCoは原則60歳まで引き出すことができない
  • リスクの高い金融商品を選んだ場合の元本割れ
  • 様々な手数料がかかる
  • 退職金や公的年金の額によっては税金が発生する
  • 運用商品提供期間が破綻した場合年金資産が保証されない恐れ

詳しく解説していくので、確認しましょう。

①iDeCoは原則60歳まで引き出すことができない

iDeCoは、原則60歳まで掛金を引き出すことができません。以下の条件をすべて満たす場合にのみ、解約し脱退一時金を受け取れます

  • 国民年金の第1号被保険者のうち、国民年金保険料の全額免除又は一部免除、もしくは納付猶予を受けている方
  • 確定拠出年金の障害給付金の受給権者ではない
  • 通算拠出期間が5年以下または個人別管理資産が25万円以下である
  • 企業型確定拠出年金又は個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入者の資格を喪失した日から2年以内である
  • 企業型確定拠出年金の資格喪失時に脱退一時金を受給していないこと

参考:iDeCo公式サイト


上記の5つすべて満たすのはとても簡単ではないため、60歳までiDeCoを解約することができないと思っておいた方がいいでしょう。

②リスクの高い金融商品を選んだ場合の元本割れ

iDeCoで選ぶ投資先は、一般的な投資信託と同様に「インデックスファンド」と「アクティブファンド」から、自分で選択できます。


そのため、コストとリスクを抑えて投資したいならインデックスファンドの国内株式型や国内債券を選択し、リスクが高くでも大きいリターンを望む場合はアクティブファンドの海外株式を選ぶ選択も可能です。


インデックスファンドとアクティブファンドを組み合わせることも可能ですが、気を付けたいのがリスクが高い商品を選らんだ場合の元本割れです。


うまくいけば資産を増やすことにつながりますが、リスクとして元本割れしてしまう可能性も高くなります。


そのため、投資先を分散させリスクを抑えながら投資先を選ぶことも大切です。

③様々な手数料がかかる

iDeCoの運用には、さまざまな手数料が発生ます。


加入時には以下のような手数料が発生するので確認しておきましょう。

手数料金額内容
加入・移換時手数料2,829円初回1回
加入者手数料105円毎月掛金の支払時
還付手数料1,048円掛金を加入者に還付する場合

このほかに、運用商品の売却時には「信託財産留保額」、購入時には「販売手数料等」の手数料かがかるケースがあります。 


信託財産留保額は、運用商品を換金したときに発生する手数料です。商品によって信託財産留保額が差し引かれるものがあります。  


また、iDeCoを扱う金融機関でも手数料があります。金融機関によって手数料が異なるので確認が必要です。

④退職金や公的年金の額によっては税金が発生する

iDeCoの給付金を受け取る場合は、非課税ではありません。税金が発生します。


とはいえ先述したように「退職所得控除」や「公的年金等控除」になるため、節税できます。


ただし、退職所得控除と公的年金等控除では発生する税金が異なるため、給付方法を選択する際には、どちらがより節税できるか確認するといいでしょう。

                                        ⑤運用商品提供期間が破綻した場合年金資産が保証されない恐れ

iDeCoの投資信託はあくまで運用なので、運用商品提供機関が破城した場合は、資産が保障されない可能性があります。


運営管理機関が破城した場合は、運営管理機関が資産を預かっているわけではないので、破城したとしても影響は受けません。


しかし、運用商品を提供する会社が破城した場合、「定期預金」に関しては注意が必要です。その商品提供会社が破城すると、ペイオフの対象となります。


定期預金の1,000万円とその利息は保証対象ですが、1,000万円以上の金額は保証対象外のため注意しましょう。

iDeCoと小規模企業共済の共通点や違いを徹底比較


ここまでの解説で、iDeCoと小規模企業共済制度はとても似ていることが分かっていただけたと思います。


しかし、小規模企業の個人事業主の方や会社役員の方はiDeCoと小規模企業共済制度のどちらも選べるため、迷ってしまうという方も多いのではないでしょうか。


そこで、iDeCoと小規模企業共済制度の違いについて解説します。

iDeCoと小規模企業共済の違いについてまとめた表を紹介

項目iDeCo小規模企業共済
運営国民年金基金連合会中小機構
加入資格20歳以上60歳以下小規模企業の経営者や役員、個人事業主とその共同経営者
加入期間長期長期
節税効果掛金が所得控除の対象掛金が所得控除の対象
掛金5,000円~68,000円1,000円~70,000円
手数料ありなし
途中解約原則不可

貸付制度なしあり
そのほか・運用によって給付金が大幅に増える可能性がある
・運用によって元本割れしてしまう可能性がある
・20年分以上掛金を納めることで総掛金額の100%~120%の給付金が見込める
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iDeCoと小規模企業共済の違いについて、上記の表にまとめました。


iDeCoと小規模企業共済は似ている面が多いですが、細かく見ると大きく異なる点もあることが分かります。


そこで、どのように異なるのか、項目別に見ていきましょう。

iDeCoと小規模企業共済で共通している点について

iDeCoと小規模企業共済で共通しているのは、いずれも掛金を納める期間が長く、老後の資金準備を目的としたものであることです。


また、納める期間が長ければ長いほど、総掛金額よりも高い給付金を受け取る可能性があるのも、共通しています。


そして、iDeCoと小規模企業共済の大きなメリットでもある、節税効果が期待できるのも同じです。

iDeCoと小規模企業共済で異なっている点について

iDeCoと小規模企業共済の違いとしては、次のようなものがあります。

  • 加入資格
  • 掛金の上限額と下限額
  • 掛金以外の費用の発生の有無
  • 給付金
  • 途中解約の可否
  • 貸付制度の有無

内容を確認していきましょう。

iDeCoと小規模企業共済の加入資格について

iDeCoの加入資格は、20歳~60歳までの方であれば誰でも加入できるのに対し、小規模企業共済では、小規模企業の経営者や役員、個人事業主とその共同経営者といった対象範囲が狭いです。


小規模企業共済は、一般的な会社員や専業主婦、公務員や学生は加入できません。

iDeCoと小規模企業共済の掛金について

iDeCoと小規模企業共済の違いは、掛金にもあります。


iDeCoは、保険者区別によって掛金の上限額は決められています。しかし、小規模企業共済では、加入者に関わらず1,000円~70,000円の間で自分の好きに設定可能です。


生活に余裕がないものの、少しでもお金を用意しておきたいという方は、月額1,000円からでも加入できます。

iDeCoと小規模企業共済の掛金以外の費用について

小規模企業共済は、毎月の掛金以外に発生する費用はありません。


しかし、iDeCoは初期費用と掛金を納付する際に発生する費用など、ランニングコストがあります。


ランニングコストを踏まえた上で、iDeCoと小規模企業共済を比較し検討する必要があります。

iDeCoと小規模企業共済の将来受け取れるお金について

iDeCoと小規模企業共済の大きな違いといってもいいのが、将来的に受け取れる給付金の金額です。


小規模企業共済は、20年以上掛金を納めると受け取る給付金は総掛金額より超えます。


iDeCoは運用を元本が保証された「元本確保型」を選択すると、元本割れを防げます。


ただ、iDeCoの強みは「運用」にあるため、定期貯金は利子は少なく「増える」といった感覚は掴みづらいでしょう。それに加え、iDeCoは手数料が発生するので総合的に考えると、増えない可能性があります。


また、投資信託で運用すると、どの銘柄を選択しても元本保証はありません。運用次第では元本割れになってしまうため、小規模企業共済とは大きく異なります。

iDeCoと小規模企業共済の途中解約について

iDeCoは、基本的に加入者が亡くなったり障害状態にならない限り、途中解約はできません。


しかし、小規模企業共済は中途解約は可能です。掛金の納付月が12ヵ月未満であれば0円、12ヵ月以上であれば総掛金額の80%以上の解約手当金を受取れます。

iDeCoと小規模企業共済の貸付制度について

小規模企業共済には、それまでの総掛金額に応じて加入者が利用できる貸付制度があります。


貸付できるのは、総掛金額の80%程度までです。無担保・無保証で貸付を受けれますが、自分の総掛金とはいえ、貸付なので利息も発生し返済の義務も生じます。


iDeCoには、加入者への貸付制度はありません。

iDeCoと小規模企業共済どちらのほうがおすすめ?


iDeCoと小規模企業共済には、それぞれ魅力的なメリットがあります。


では、iDeCoと小規模企業共済の両方に加入できる方の場合、どちらを選べばいいのでしょうか。



途中解約という面で言えば小規模企業共済がおすすめ

小規模企業共済に加入できる方は、基本的に会社の運営側の方です。順調に経営できている場合は問題ありませんが、状況によって苦しい状況になる可能性があります。


そういった面でひとつの保険として持っていると役立つのが、小規模企業共済です。


原則解約が難しいiDeCoに対し、途中解約が可能な小規模企業共済はいざというとき解約して運営資金に充てることもできます。


また、総掛金額内であれば貸付にも対応しているため、もしもの時に役立ちます。240ヵ月以上掛金を支払うことで中途解約しても元本は保証されます。


途中解約の可能性を考えた場合、もしもの時に流用できる小規模企業共済がおすすめです。

可能であれば両方に加入するのがよい

iDeCoか小規模企業共済のどちらかを選ぶのであれば、小規模企業共済をおすすめしますが、可能であれば両方に加入するのが望ましいです。


iDeCoは、小規模企業共済にはない「掛金が大幅に増える可能性がある」というメリットがあります。


自分の運用次第で大幅にリターンが望めることもあり、小規模企業共済よりも老後の資金を用意できるのは、やはりメリットとしては大きいといえます。


運用なので元本割れのリスクはありますが、同時に希望もあります。iDeCoと小規模企業共済に分散投資することで、安定性を備えながらリスクとのバランスを取りましょう。

【参考】国民年金基金・iDeCo・小規模企業共済の比較表

老後の資金を準備する方法として、国民の義務とされる国民年金である公的年金もあります。


公的年金は2種類あり、自営業者などが加入するのは「国民年金」、会社員や公務員が加入するのは「厚生年金」です。


公的年金で受ける給付額は、自営業者と会社員、公務員とではそれぞれ異なります。自営業者が加入するのは国民年金ですが、夫婦2人と考えた場合に厚生年金の夫婦と比較すると、月額年金額は9万円も差があります。


そのため、国民年金である経営者や自営業者、役員などは国民年金とは別に老後の資金を準備しておく必要があるのです。


その手段として、iDeCoや小規模企業共済があるため、国民年金と比較してみましょう。


【国民年金とiDeCoの比較】

国民年金iDeCo
加入条件
・個人事業主
・自営業者
・フリーランス
など
20歳以上60歳未満
掛金の上限額月額16,610円(変動あり)月額68,000円
所得控除の種類社会保険料控除共済等掛金控除
給付方法終身年金
確定年金もあり
・一括
・分割
・一括+分割
受給額納めた金額・期間に対するあらかじめ決められた額運用によって変わる

 【国民年金と小規模企業共済の比較】

国民年金小規模企業共済
加入条件・個人事業主
自営業者
・フリーランス
など
・小規模企業の経営者・役員
個人事業主など

掛金の上限額 月額16,610円(変動あり)
月額70,000円
所得控除の種類社会保険料控除共済掛金控除
給付方法終身年金
確定年金もあり
・一括
・分割
・一括+分割
受給額納めた金額・期間に対するあらかじめ決められた額あらかじめ決められた金額

iDeCoは、68,000円が掛金の上限額となるのに対し、小規模企業共済は上限70,000円まで設定できます。


国民年金の「上乗せ」として、iDeCoもしくは小規模企業共済を利用するのであれば、小規模企業共済の方が確実により多くの資金を残せるということになります。

iDeCoと小規模企業共済の併用は可能?


結論からいえば、iDeCoと小規模企業共済を併用することは可能です。


小規模企業共済と国民年金を組み合わせた方がいいとお話しましたが、理想としてはiDeCoと小規模企業共済の両方に加入するのがおすすめです。


そこで、iDeCoと小規模企業共済の併用は可能か、併用した場合個人事業主と役員とではどのように節税効果がるのか目安として紹介します。

iDeCoと小規模企業共済は併用可能である

例えば、個人事業主と役員が上掛金額を上限額に設定した場合、次のようになります。

個人事業主役員
iDeCo68,000円23,000円
小規模企業共済70,000円70,000円
年間掛金
1,656,000円1,116,000円

年間掛金すべてが、控除対象となるため高い節税効果が期待できます。個人事業主と役員の節税効果を見てみましょう。


数字としてみると、その節税効果のメリットの大きさに気づくはずです。

個人事業主の場合について

個人事業主がiDeCoと小規模企業共済を併用し、年間掛金が1,656,000円であった場合、以下のような節税効果が見込めます。


例:30歳 収入500万円(課税対象とする)

【iDeCoの年間節税額】

所得税166,600円
住民税81,600円
合計248,200円

参考:ろうきんiDeCoシミュレーション

【小規模企業共済の年間節税額】

所得税
171,600円
住民税84,000円
合計255,600円

参考:中小機構小規模企業共済シミュレーション


上記の金額はあくまで目安ではありますが、iDeCoと小規模企業共済を併用すると、年間503,800円もの節税効果が期待できます。

会社役員の場合について

では、会社役員の場合はどうでしょうか。年間掛金が1,116,000円であった場合で見ていきましょう。


例:40歳 収入900万円(課税対象とする)

【iDeCoの年間節税額】

所得税56,300円
住民税27,600円
合計83,900円

参考:ろうきんiDeCoシミュレーション

【小規模企業共済の年間節税額】

所得税197,300円
住民税84,000円
合計281,300円

参考:中小機構小規模企業共済シミュレーション


iDeCoの掛金の上限額が個人事業主に比べて低いため、節税効果が小さく見えてしまいますが、年間で365,200円の節税が見込めます。

iDeCoや資産運用に関する悩みはFPに相談すべき理由

ここまでiDeCoと小規模企業共済について詳細に解説してきました。


とはいえ

iDeCoに加入すべきなのか、小規模企業共済を利用するべきなのか。。。自分にはどちらが適しているのだろう。。。そもそもその他の資産運用方法も検討したい。

このような悩みを抱える方は多いでしょう。 


結論から言うと、そのような方はお金のプロであるFP(ファイナンシャルプランナー)に相談することをおすすめします。 


FPは、iDeCoや小規模企業共済だけではなく、様々な金融商品を比較検討しながら、相談者の資産状況や、家計の状況に合わせて最適な提案をすることができます。 


特に、マネーキャリアの無料FP相談サービス3,000名のFPと提携している日本最大級のFP相談サービスです。 


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まとめ:iDeCoと小規模企業共済の違いや併用メリットについて

この記事では、小規模企業共済について解説し、iDeCoとの違いや併用するメリットについて解説しました。


ポイントをまとめておきましょう。

【iDeCoと小規模企業共済の大きな違い】

  • 加入資格
  • 手数料の有無
  • 途中解約の可否
  • 貸付制度の有無
【iDeCoと小規模企業共済を併用する大きなメリット】
  • 安定した資産形成と資産の増額を合わせてバランスが取れる
  • 節税効果が高まる
小規模企業共済は加入できる方が限られているものの、途中解約できることから万が一のときにも役立てられます。

しかし、iDeCoのように運用により資産を増やすということはできません。

そのため、iDeCoと小規模企業共済を併用するとバランスよく老後の資金を貯めやすくなります。

とはいえ、iDeCoと小規模企業共済は長期的な掛金を納めてこそ老後の資産形成に役立ちます。そのため、無理に2つを併用せず無理のない範囲で検討しましょう。

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