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30代でiDeCoはどう運用すればいい?30代のiDeCoのポートフォリオで意識することやポートフォリオを組む前の事前準備、そして30代のポートフォリオのシミュレーションを紹介中!iDeCoとNISAを併用する場合のポートフォリオについても解説しています。

監修者「谷川 昌平」

監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー

株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。
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この記事の目次

30代のiDeCo、ポートフォリオ(資産配分)はどうする?

こんにちは、マネーキャリア編集部です。


今回は30代のiDeCo運用について考えていきます。


「iDeCoを運用するときのポートフォリオの考え方は?」

「30代におすすめのiDeCoのポートフォリオを知りたい」


こういった疑問にお答えし、運用の考え方と、具体的なポートフォリオをご紹介します。


運用方法、それぞれのファンドのリスクやリターンなど、詳しく解説していきます。

ご自身に合ったポートフォリオを決める手助けになれば幸いです。

30代でのiDeCo運用は資金を増やすことを意識しよう!

30代のうちは、基本的に資金を増やすことを指針にしながら運用を考えていきましょう。30代であれば老後まで時間があり、まだまだ現役でいられる年数は長いです。


今ある資産を守ることよりも、増やすことを目標としてください。 

30代だとiDeCoの引き出しまでにあと20年ほどある

iDeCoは原則60歳まで引き出しができません。30代で始めると、20年程度の積立期間があるということです。


iDeCoの投資信託などで運用を考えているなら、長期運用によるリスクの分散ができます。もし途中で資産を減らしてしまった場合でも、取り戻すチャンスがあります。


目の前の利益にとらわれず、長い目で見た資産形成を考えるのに、十分な時間があると言えるでしょう。 

ある程度のリスクを取りながらハイリターンを狙える

20年以上の運用を考えると、若いうちは株式などのハイリスク商品を多めに持ち、高いリターンを狙うことができます。


うまくいけば大きく資産を増やすことができ、失敗しても、盛り返すだけの期間があると考えれば気持ちの面でもゆとりができます。 


積極的な運用で30代のうちにある程度資産を増やせれば、40代、50代には安定運用に切り替えればいいのです。

ただし20代に比べリスク許容度が低くなることに注意

リスク許容度とは、自分の環境によりどこまでリスクを取れるか、つまりどのくらい資産が減っても耐えられるか、という度合いを言います。


20代のときは、独身で一人暮らしで、老後の心配などほとんどしたことがないという人も多いでしょう。自分のお金は自分の自由にでき、多少の損失を出しても自己責任で開き直ることもできます。


30代になると家庭を持ち、家族のため、子どものためのお金、という意識ができてきます。もし子どもが生まれたばかりで、妻が働いていない状況であれば、少しのマイナスでも恐ろしく不安になるでしょう。


自分のリスク許容度をしっかり認識することも大切です。 

30代でのおすすめは株式(国内・外国)中心のポートフォリオ

リスクを認識し、目標を定めたら、ポートフォリオを決めていきましょう。


30代のうちは、株式(国内・外国)中心に選ぶのがおすすめです。


株価は変動が大きいので、高いときに買ってしまうと損になります。しかしiDeCoは毎月少しずつ一定額を拠出するので、うっかり高いときに一括購入することもなく、平均的に積立ができる点がメリットになります。


これを「ドルコスト平均法」と言います。 

ポートフォリオを考える前にチェックするポイントを紹介!

早速ポートフォリオを考えていきたいところですが、事前の準備をしておきましょう。


チェックポイントを3点にしぼっていきます。

  • iDeCoの掛金(投資金額)
  • iDeCo運用での目標金額
  • iDeCoの利回り


上記を確認しておくと、具体的なポートフォリオがイメージしやすくなります。 

①iDeCoの掛金(投資金額)

投資金額は、自分の収入に見合った金額を設定してください。iDeCoの掛金は5000円以上、1000円単位で決めることができます。会社員の場合上限は2.3万円で、掛金の変更は年に1回しかできません。


生活費を切り詰めてまで掛金を絞り出す必要はなく、無理のない範囲で設定しましょう。 

②iDeCo運用での目標金額

目標金額を定めてください。iDeCoは60歳までは原則引き出せないため、老後資金としての資産形成に利用するものです。


60歳で退職してすぐに年金を受け取るのか、再雇用で仕事を続けて65歳から受け取るのかなど、ある程度シミュレーションが必要です。


例えば毎月5万円を10年間受け取るとしたら、600万円となります。このように具体的な金額を決めることで、毎月の掛金も決まってくるでしょう。 

③iDeCoの利回り

掛金と目標金額を決めたら、運用利回りを想定しましょう。計算は金融電卓で行います。


例えば35歳からiDeCoに加入して、毎月1万円を25年間運用したとします。600万円に到達するためには、5.1%以上の利回りでの運用が必要となるのです。


この計算をした上で、じゃあ掛金をもう少し上げようとか、目標金額を下げようとか、ある程度の調整ができます。 

30代のiDeCoのポートフォリオを実際にシミュレーション!

実際のポートフォリオをご紹介します。30代は20代よりも収入は増えますが、結婚や子どもの誕生といったライフイベントが控えていて、自由に使えるお金は限られてきます。


ポートフォリオの例を3つご紹介します。

  • ローリスク・ローリターンのポートフォリオ
  • ミドルリスク・ミドルリターンのポートフォリオ
  • ハイリスク・ハイリターンのポートフォリオ 


 ご自身のリスク許容度に合わせて、どのくらいリターンを望むかイメージしながら確認しておいてください。  

①ローリスク・ローリターンのポートフォリオ

できる限りリスクを抑える代わりに、リターンもそれほど望まないというポートフォリオはこちらです。


国内株式国内債券外国債券
30%40%30%

変動の大きい株式は少なめに、安定したリターンが見込める債権を多く持ちます。

②ミドルリスク・ミドルリターンのポートフォリオ

国内と外国の株式、債権を平均的に入れることで、インフレ・デフレなどのリスクにも対応したポートフォリオはこちらです。


国内株式国内債券外国株式外国債券
25%25%25%25%


株式と債券は、一方の価格が上がるともう一方が下がるという関係性があります。均等に持つことで、そのどちらも補える配分となっています。

③ハイリスク・ハイリターンのポートフォリオ

株式をメインに据えた積極投資で、早い段階で資産を増やせる可能性があるポートフォリオはこちらです。


国内株式国内債券外国株式外国債券
30%10%40%20%

株式の価値は変動が大きい分、下がるときも大きくなります。ある程度資産を増やすことに成功したら、配分の見直しを忘れないようにしてください。

iDeCoはどんな運用方法がある?2つの運用方法を解説

iDeCoは自分で運用商品を選ぶ必要があります。

運用方法は大きく分けて下記の2つです。

  • 「元本確保型(保険・定期預金)」のiDeCo
  • 「元本変動型(投資信託)」のiDeCo
それぞれのメリットやリスクについて確認しておいてください。

①「元本確保型(保険・定期預金)」のiDeCo

iDeCoの元本確保型商品は、保険と定期預金です。iDeCoの掛金は所得控除できますので節税メリットはありますが、定期預金の利率は0.1%ほどであることは認識しておいてください。


絶対に資産を減らしたくない、という方には元本確保型は有用ですが、一定以上には増えることがありません。増える喜びや資産形成の楽しみは、それほど味わえないでしょう。 

②「元本変動型(投資信託)」のiDeCo

iDeCoの元本変動型商品は、投資信託になります。自分で運用商品を選んで投資を行うことで、資産を増やせる可能性があります。


ただし、運用状況によって元金よりも減ってしまう可能性もありますので、リスクは十分に理解しておいてください。 

30代のiDeCo運用は投資信託がおすすめ!理由を解説

投資信託は長期運用が鉄則です。30代でiDeCoを運用していれば、この先20年は現役で安定した収入を得られると想定できます。


元本よりも減ってしまうリスクのある投資信託ですが、増やせる可能性があるのも投資信託です。


30代のiDeCoに元本確保型よりも投資信託をおすすめする理由をこれから解説します。

世界的な低金利環境によりiDeCoの運用益が出にくい

日本では、バブル崩壊後の90年代後半から低金利が続いています。また、2008年のリーマンショック以降、世界的にも低金利の状態となっているのです。低金利ということは、銀行にお金を預けていてもほとんど増えないということです。


定期預金だけで資産を増やすことは期待できません。今こそ投資信託でリターンを狙うべきでしょう。 

元本確保型だとインフレリスクに対応しにくい

元本確保型の商品の場合、予定利率が決まっています。確実にその利率分の資産を増やすことができますが、当然、それ以上に増えることはありません。


例えば将来2%のインフレが起きたとき、1%の利益を得たとしても実質はマイナスになります。100万円だったものが102万円出さなければ買えなくなるからです。


同じ金額でもお金の価値が変わってしまうのがインフレです。

長期的な運用になるので多少の値動きも気にせずにすむ

30代からiDeCoを始めると、20年あまりの長期運用が可能です。ハイリスクな運用を行えば、多少資産がマイナスになることもあるでしょう。


しかし、長い期間があればプラスに転じる可能性があります。短期的な資産の変動に惑わされず、余裕を持って待つことが大切なのです。 

iDeCoの投資信託(ファンド)について徹底解説!

iDeCoの投資信託で何を選べばいいかわからないという方へ、それぞれの特徴をご紹介します。


全ておまかせのバランスファンドもありますが、理解して選ぶのと、何もわからず選ぶのとでは違います。


リスクやリターン、手数料のことなど理解した上で選ぶようにしてください。

リスクとリターンはどの金融商品を選ぶかによって変わる

金融商品にも色々ありますが、それぞれの特性を知っておくことは大切です。それを持つことでどういうリスクとリターンがあるのかをご紹介します。 


株式投資とは

会社が発行する株式を購入し、購入金額よりも値段が上がれば、値上がり分が利益となります。株価は需要と供給のバランスによって変動し、売りたい人が多ければ価格は下がり、買いたい人が多ければ価格が上がります。


リスクとしてはその企業の業績が下がったり、不祥事が起きたりすると株価が急激に下がることがあります。


債権投資とは

債権とは国や企業が発行する有価証券です。これは発行元が資金の借り入れのために発行するもので、満期がくれば額面の金額を払い戻し、利子を支払います。


債権は額面プラス利子を受け取ることができる、比較的安全な投資です。


REIT投資とは

REIT(リート)とは不動産投資信託のことです。不動産投資法人を通して運用され、発生した利益を得ることができます。


不動産価値の下落や自然災害による建物の損壊などで、収益が変動するリスクがあります。


コモディティ投資とは

コモディティとは、金やプラチナなどの貴金属や、農産物などの商品のことです。商品先物市場で取引を行います。


インフレが起きれば物の価格が上がりますので、コモディティ投資はインフレに強いと言われています。ただし、価格変動が予測しにくいことがリスクとなります。 

ファンドによってそれぞれの特徴があることにも注意

インデックスファンドとは、日経平均株価やTOPIXなどの指数に合わせた値動きになるよう運用されるものです。


対してアクティブファンドとは、指数を上回る利益を出すことを目的としています。 アクティブファンドは高い運用成果を上げるために銘柄の選択など様々な手間がかかるため、運用コストが高くなります


インデックスファンドよりもアクティブファンドの手数料が高いのはそのためです。


バランスファンドというのは、株式や債券などの複数の資産に分散投資するものです。投資の対象を分散することでリスクを下げることができます。 

無難に運用するならiDeCoのバランス型ファンドがおすすめ

iDeCoは自分で運用商品を選ぶ必要がありますが、バランス型ファンドなら基本的にほったらかしで大丈夫です。


各金融商品を均等に詰め込んだファンドのため、それ一つで分散投資ができるのです。


リスクを抑えた分散投資をおまかせで行ってくれるため、投資初心者や、忙しくて資産配分を見直す時間がない方におすすめです。 

iDeCo口座を開く金融機関を選ぶためのポイントを解説!

iDeCoの口座を開く金融機関は慎重に選ぶ必要があります。長い付き合いになりますので、納得できる金融機関を選ばなくてはいけません。


ポイントは3点あります。

  • 投資できる商品の選択肢が広い
  • 投資信託にかかる信託報酬(運用管理費用)が安い
  • スマホなどからでも手軽に運用管理ができる
では詳しく見ていきましょう。

①投資できる商品の選択肢が広い

金融機関によって、取り扱い商品は異なります。自分が目指す運用を行いやすい商品を取り扱っているか確認しましょう。


積極的な運用をしたいのに、安定した商品が多いところでは希望の運用ができません。将来安定した運用に切り替えたいとき、アクティブな商品が多ければ選択肢の幅が狭まります。


自分に合った商品を取り扱っているか、またその種類が豊富であるかは、最初に確認するポイントです。

②投資信託にかかる信託報酬(運用管理費用)が安い

信託報酬とは、投資を運用するファンドマネージャーなどに支払われるものです。資産に対して年○%という形で決まっていますので、金額が大きくなるほど信託報酬も高くなります。


口座管理手数料は毎月固定の金額がかかりますが、信託報酬は積立金額に比例して増えていきますので、最も気をつけるべきポイントです。 

③スマホなどからでも手軽に運用管理ができる

iDeCoの資産運用は自分で行いますので、その管理のしやすさも重要になってきます。スマホからでも運用管理ができるなどの、手軽さがあるかどうかがポイントです。


相談窓口やWebサイトなどへのアクセスがしやすいか、使いやすいかをチェックしておいてください。 

30代ならiDeCoとNiSAの併用もOK!ポートフォリオを紹介

30代である程度収入が安定してきたら、毎月5万円ほどを投資にまわせると想定します。会社員の場合、iDeCoの掛金の上限が2.3万円ですから、残りはNISAで投資を行うこともおすすめです。


つみたてNISAは年間40万円まで、20年間非課税になります。iDeCoの運用益も全て非課税で、どちらも大きな節税の効果が得られるのです。


iDeCoで2万、つみたてNISAで3万の計5万を毎月の掛金として、ポートフォリオをご紹介します。   

こちらはあくまで一例です。参考


つみたてNISA(バランス型)
(3万円)
iDeCo
(2万円)
全体
(5万円)
国内株式:12.5%(3750円)-国内株式:7.5%(3750円)
先進国株式:12.5%(3750円)先進国株式:100%(20000円)先進国株式:47.5%(23750円)
新興国株式:12.5%(3750円)-新興国株式:7.5%(3750円)
国内債券:12.5%(3750円)-国内債券:7.5%(3750円)
先進国債券:12.5%(3750円)-先進国債券:7.5%(3750円)
新興国債券:12.5%(3750円)-新興国債券:7.5%(3750円)
J-REIT:12.5%(3750円)-J-REIT:7.5%(3750円)
先進国REIT:12.5%(3750円)-先進国REIT:7.5%(3750円)


つみたてNISAではバランス型を選択します。表内には細かく分けていますが、これらを1つずつ選ぶのではなく、均等に複数の株式や債権を組み合わせたものをひとまとめにされた商品になっています。


iDeCoの方では、全てを先進国株式にしました。分散投資しなくていいのかと不安になるかもしれませんが、iDeCoとNISAで既に分散投資をしていますので問題ありません。


全体を見ると、先進国株式を47.5%という割合となっています。

参考:iDeCoの加入は20代の方がおすすめ!理由を解説

20代でiDeCoを始めることをおすすめする最大の理由は、節税効果です。


30代から始めて20年あまりの運用を行うことでも十分に利益を出すことはできます。しかし、税制面の効果は早く始めるほど恩恵を受けられるのです。


まずiDeCoの掛金は60歳までずっと全額所得控除になります。積立年数が長いほど、所得税、住民税が安くなるのです。


また、iDeCoは運用益も非課税となります。通常は20.315%かかるものなので、運用期間が長いほど利益も増え、節税効果が高くなります。

まとめ:30代のiDeCoのポートフォリオについて

30代のiDeCoのポートフォリオをご紹介してきました。


考え方としては、

  • 30代では資産を増やすことを目標にする
  • 60歳まで20年あまりの投資期間があるので余裕がある
  • 投資金額・目標金額・利回りを考え、それに沿った運用を決める
ということです。

30代のうちは、守るより攻めの投資信託がおすすめです。


ポートフォリオとしては、

  • 運用益が大きく出る可能性がある株式を中心にする
  • 若いうちはある程度のリスクを取っても大丈夫
  • 目先の値動きに惑わされない
といったことを意識して配分してください。

iDeCoとNISAの併用もおすすめです。

30代はこれから資産を増やせる余裕のある年代です。iDeCoを活用し、資産形成に役立ててください。