20代でiDeCoに加入するのは早すぎる?デメリットしかないの?iDeCoに20代の早いうちから加入するのは実はおすすめです。20代からiDeCoに加入するメリットや加入率、iDeCoの掛金の範囲や平均、ポートフォリオも解説!20代におすすめの資産運用も紹介。
監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
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この記事の目次
- 20代からiDeCoを始めるのは早すぎる?メリットはある?
- 20代でiDeCoを始めるメリットについて徹底解説!
- 掛金・運用益・受取時に、それぞれ税制優遇の措置がある
- 運用期間が長い分、積み立てる金額は多くなる
- 複利効果も運用期間が長ければ長いほど高くなる
- 20代でiDeCoを始める注意点やデメリットも紹介
- iDeCoは60歳まで引き出すことができない
- 特に貯蓄の少ない20代のうちだと負担になる可能性が高い
- 掛金を変更(増額・減額)できるのは年に1回まで
- まず知っておきたいiDeCoの基本情報を解説!
- iDeCoは個人型確定拠出年金とよばれる年金制度のこと
- iDeCoの対象商品は投資信託・定期預金・保険の3つ
- そもそもiDeCoって何歳から何歳まで加入できるの?
- 現在は20歳から59歳までの人ならiDeCoに加入できる
- 2022年法改正により加入年齢範囲が64歳までになる!
- 20代からのiDeCoの加入率を解説!
- iDeCoの20代の加入者は2020年で約90000人いる
- 20代の加入者は4年間で約12倍にも増加している
- iDeCoの掛金の範囲は?20代だと掛金の平均はいくら?
- iDeCoは月々5,000円を最低金額として始められる
- iDeCoの掛金の上限は個人の属性(職業)で異なる
- iDeCoの掛金の平均も職業で変わる!20代でもいろいろ
- 20代でiDeCoを始める場合のポートフォリオを解説!
- ポートフォリオは分散投資を目的とする資産配分のこと
- 分散投資により、資産の大きな値下がりを回避する効果がある
- 投資信託を選ぶならポートフォリオを考えることが大切
- 20代でのおすすめは株式中心のポートフォリオ
- 【注意】ポートフォリオは定期的にリバランスしよう
- iDeCoの開始手続きや金融機関を選ぶポイントを紹介!
- ①iDeCoの口座を開設する金融機関を決める
- ②申し込み書類を取り寄せて必要事項を記入する
- ③口座のある金融機関に申し込み書類を返送する
- ④手続き完了の案内が届いたら引き落とし開始
- 参考:20代でiDeCoの他におすすめの資産運用を紹介!
- 投資信託ならつみたてNISAがおすすめ!理由を解説
- つみたてNISAとiDeCoを徹底比較!
- まとめ:早い20代のうちからiDeCoに加入するのはおすすめ
20代からiDeCoを始めるのは早すぎる?メリットはある?
20代でiDeCoを始めるメリットについて徹底解説!
- 掛金・運用益・受取時に、それぞれ税制優遇の措置がある
- 運用期間が長い分、積み立てる金額は多くなる
- 複利効果も運用期間が長ければ長いほど高くなる
掛金・運用益・受取時に、それぞれ税制優遇の措置がある
iDeCoでは、掛金・運用益・受取時に以下の通り税制上のメリットがあります。
- 掛金は全額、所得控除
- 運用益:非課税
- 受取時:一定の金額まで税負担が軽減
運用期間が長い分、積み立てる金額は多くなる
iDeCoで資産を運用していくにあたり、運用期間を長く取れる20代は、非常に有利です。
iDeCoはもともと、長期で運用することが推奨されているためです。
一般的に投資では、長期で運用した場合、短期の場合と比べて収益の振れ幅が小さくなります。
短期的には下落していても、長期的に見れば上昇傾向であることは、頻繁にあります。
iDeCoの公式サイトでも言われている通り、長期的な投資は20代だからこそ取り組みやすいと言えます。
複利効果も運用期間が長ければ長いほど高くなる
iDeCoでは、複利の効果が期待できます。
20代と早いうちからiDeCoに加入しておけば、複利の恩恵を長い間受けられることになります。
複利とは、利子にさらなる利子がつくことです。
複利とは逆の意味で、単利という言葉も存在します。
単利とは、元本のみに利子が付くことです。
例えば、100万円を元本として金利2%で運用を開始します。
1年後には、利子がついて102万円になります。
ここで、複利がはたらくと、さらに1年後は104万円ではなく104万400円に。
利子の2万円に、さらに利息として400円がつきました。これが複利です。
20代からiDeCoを開始すると、この複利の効果が雪だるま式に大きくなります。
20代でiDeCoを始める注意点やデメリットも紹介
- iDeCoは60歳まで引き出すことができない
- 特に貯蓄の少ない20代のうちだと負担になる可能性が高い
- 掛金を変更(増額・減額)できるのは年に1回まで
iDeCoは60歳まで引き出すことができない
iDeCoは、60歳まで資金が拘束されてしまいます。
年金制度の一環なので、安易に引き出せてしまっては意味がないためです。
例えば「子どもの教育資金として、まとまった金額が必要だ」と思っても、iDeCoに回していた資金をあてることはできません。
逆に言えば、簡単に引き出せないからこそ、老後資金が守られるとも言えます。
資金が引き出せないことを考慮に入れて、iDeCoへ加入しましょう。
特に貯蓄の少ない20代のうちだと負担になる可能性が高い
iDeCoの毎月の掛金が、負担になってしまうことがあります。
20代は給与が他の年代に比べて少なめ。
それに伴い、貯蓄もあまりできていない傾向があります。
あまり余裕がないうちにiDeCoに加入したり、掛金額を高めに設定したりすると、家計の負担となってしまうことも。
収支を把握して、無理な加入や掛金の設定は避けましょう。
掛金を変更(増額・減額)できるのは年に1回まで
iDeCoは掛金額の変更ができますが、年に1回までです。
家計への負担や、将来の受取金額を考えて設定しましょう。
掛金額の変更は、ご自身のiDeCoの運営や管理をしている機関で手続きを行ってください。
まず知っておきたいiDeCoの基本情報を解説!
- iDeCoは個人型確定拠出年金とよばれる年金制度のこと
- iDeCoの対象商品は投資信託・定期預金・保険の3つ
iDeCoは個人型確定拠出年金とよばれる年金制度のこと
iDeCoは、個人型確定拠出年金の通称で、自分で老後資金を準備する年金制度のことです。
自分で毎月掛け金を拠出して、自分で運用します。
年金受取額は、運用成績によって変わります。
iDeCoの対象商品は投資信託・定期預金・保険の3つ
iDeCoの対象商品には、投資信託・定期預金・保険の3つがあります。
投資信託は元本割れの可能性があります。
投資である以上、元本は保証されません。
その分、投資信託は利益に期待が持てます。
定期預金・保険は、元本が保証されています。
しかし、金利は銀行の普通預金とほとんど変わらず、利益が大きくなることもありません。
iDeCoを始めるなら、多少のリスクを冒しても投資信託を選ぶことをおすすめします。
ただ銀行に預けているだけでは得られない利回りで、運用できる可能性があります。
投資信託と一口に言っても、その中で長期で見れば元本割れしやすい商品・しにくい商品があります。
商品を見極めて運用すれば、大きな利益になり得ます。
マネーキャリアの記事を参考に、どの商品を選ぶべきか、考えてみましょう。
そもそもiDeCoって何歳から何歳まで加入できるの?
- 現在は20歳から59歳までの人ならiDeCoに加入できる
- 2022年法改正により加入年齢範囲が64歳までになる!
現在は20歳から59歳までの人ならiDeCoに加入できる
iDeCoは20歳から59歳までの人が加入できます。
一部、加入できない方はいますが、基本的に受取が開始される60歳までの人が加入できます。
2022年法改正により加入年齢範囲が64歳までになる!
2022年5月からの法改正で、加入できる年齢が64歳までになります。
改正により、掛金の運用期間が長くなります。
長期的な投資がしやすくなり、リスクが小さくなる点は大きなメリット。
また、加入をためらっている50代の方も、iDeCoをに加入しやすくなると言えます。
加入年齢が引き上げられた分、掛金の所得控除が受けられる金額も増えることになります。
20代からのiDeCoの加入率を解説!
- iDeCoの20代の加入者は2020年で約90000人いる
- 20代の加入者は4年間で約12倍にも増加している
iDeCoの20代の加入者は2020年で約90000人いる
20代の加入者は4年間で約12倍にも増加している
「加入者は20代のうちの0.7%」と言うと少なく思えます。
しかし、2016年と比較すると、加入者は12.6倍の増加。
他の世代の伸びは約6倍なので、20代の加入者数は非常に増えていると言えます。
増加の背景には、老後資金2,000万円問題、生涯未婚率が2040年で4割になる予測が話題になったことが挙げられます。
iDeCoの掛金の範囲は?20代だと掛金の平均はいくら?
- iDeCoは月々5000円を最低金額として始められる
- iDeCoの掛金の上限は個人の属性(職業)で異なる
- iDeCoの掛金の平均も職業で変わる!20代でもいろいろ
iDeCoは月々5,000円を最低金額として始められる
iDeCoの掛金は、月5,000円から拠出限度額の間で、自由に決められます。
平均的な掛金は、16,222円になっていますが、職業や年齢によって掛金の平均は大きく異なります。
iDeCoの掛金の上限は個人の属性(職業)で異なる
iDeCoの掛金の上限は、以下の通り職業によって違います。
- 自営業者:6.8万円
- 専業主婦、企業年金等がない会社員:2.3万円
- 企業年金等がなく、企業型確定拠出年金に加入している会社員:2万円
- 公務員、勤務際に企業年金等がある会社員:1.2万円
iDeCoの掛金の平均も職業で変わる!20代でもいろいろ
- 自営業者:27,202円
- 専業主婦:14,989円
- 企業年金等がない会社員:16,072円
- 企業年金等がある会社員、企業型確定拠出年金に加入している会社員:10,676円
- 公務員:10,907円
20代でiDeCoを始める場合のポートフォリオを解説!
- ポートフォリオは分散投資を目的とする資産配分のこと
- 分散投資により、資産の大きな値下がりを回避する効果がある
- 投資信託を選ぶならポートフォリオを考えることが大切
- 20代でのおすすめは株式中心のポートフォリオ
- 【注意】ポートフォリオは定期的にリバランスしよう
ポートフォリオは分散投資を目的とする資産配分のこと
ポートフォリオとは、金融商品の組み合わせを意味します。
分散投資をするうえでは、どのような割合で、どのような商品を購入するかを考えることを「ポートフォリオを組む」と言います。
分散投資により、資産の大きな値下がりを回避する効果がある
分散投資は、1つの商品が下落しても、他の商品にも投資していることで、資産の値下がりを防ぐことができます。
分散投資の王道で言うと、株式と債券を取り入れる方法が挙げられます。
株式と債券は逆の値動きをするためです。
国内や外国という区分で分散投資することも、方法の一つです。
投資信託を選ぶならポートフォリオを考えることが大切
投資信託では、ポートフォリオを考えることは非常に重要です。
投資信託は、元本が確保されていません。
資産を減らさないよう、ポートフォリオをよく考えることで、元本割れを避けられます。
自身の年齢や状況に応じて、ポートフォリオを組みましょう。
20代でのおすすめは株式中心のポートフォリオ
20代は株式を中心としてポートフォリオを組むことをおすすめします。
株式は大きな利益が期待できます。
その反面、短期で見ると元本割れの危険も高め。
しかし、長期的な運用ができる20代であれば、安定したリターンを得られる可能性が大いにあります。
その中でも、外国株式は為替リスクもありますが、長期的な運用であれば、収益が見込めます。
国内と外国の株式を多めに持ち、債券は抑えめにした、積極的な運用がおすすめです。
【注意】ポートフォリオは定期的にリバランスしよう
ポートフォリオは、時々リバランスすることをおすすめします。
リバランスとは、資産を再配分することです。
例えば、外国株式が当初の比率より多くなった分、売却する。
国内債券の比率が減少した分、購入する。
市場の変化によって、資産の比率も変化します。
一度ポートフォリオを組んだら、それで終わりではありません。
リバランスすることでリスクが高くなりすぎること、リターンが見込めない事態を防ぎましょう。
iDeCoの開始手続きや金融機関を選ぶポイントを紹介!
- ①iDeCoの口座を開設する金融機関を決める
- ②申し込み書類を取り寄せて必要事項を記入する
- ③口座のある金融機関に申し込み書類を返送する
- ④手続き完了の案内が届いたら引き落とし開始
①iDeCoの口座を開設する金融機関を決める
iDeCoの講座開設をする金融機関を決めましょう。
商品の品揃え、窓口やコールセンターの対応、ウェブサイトの充実度。
決める時の基準は様々ですが、手数料の安さで決めることをおすすめします。
手数料が高いと、せっかく運用がうまくいっても、利益が減ってしまいます。
手数料の中には、毎月かかってくるものもあります。
できるだけ手数料を抑えて、利益を最大限受け取れるように金融機関を選びましょう!
②申し込み書類を取り寄せて必要事項を記入する
金融機関から申し込み書を取り寄せて、必要事項を記入します。
厚生年金の加入者は、勤務先に「事業主の証明書」へ記入してもらう箇所があります。
③口座のある金融機関に申し込み書類を返送する
④手続き完了の案内が届いたら引き落とし開始
申し込んだ金融機関から、手続きが完了した通知が来ます。
申し込み書の提出から1~2か月ほどかかります。
口座開設のお知らせや、パスワードが送られてくるので確認しましょう。
いよいよ引き落としが開始されます。
参考:20代でiDeCoの他におすすめの資産運用を紹介!
- 投資信託ならつみたてNISAがおすすめ理由を解説
- つみたてNISAとiDeCoを徹底比較!
投資信託ならつみたてNISAがおすすめ!理由を解説
投資信託をするなら、つみたてNISAの利用をおすすめします。
理由は以下の通りです。
- 運用益が非課税
- 運用期間が最大20年
- 金融商品があらかじめ厳選されている
つみたてNISAとiDeCoを徹底比較!
つみたてNISAとiDeCoを比較してみました。
iDeCo | つみたてNISA | |
---|---|---|
年間投資額 | 14.4~81.6万円 | 40万円 |
非課税期間 | 60歳まで | 20年 |
途中で引き出し | 60歳まで不可 | いつでも可能 |
手数料 | かかる | かからない |
つみたてNISAでは、年間投資額が40万円までとiDeCoより上限が低め。
ただ、iDeCoの上限額は職業によります。
年間の掛金額が40万円以下で良ければ、つみたてNISAで充分かもしれません。
非課税期間は、つみたてNISAは20年。
20代の方であれば、60歳まで非課税期間がもたない可能性はあります。
つみたてNISAのメリットとしては、途中で引き出すことが可能な点。
iDeCo最大のデメリットである資金の拘束が気がかりだった方は、つみたてNISAが向いていると言えます。
もう一点のメリットである手数料がかからない点も、iDeCoのデメリットをカバーしています。
状況や立場によって、iDeCo・つみたてNISAのどちらを選ぶのが良いか、変わってきます。
ぜひ、上記の比較表やマネーキャリアの記事を参考に、どちらが向いているか考えてみてください。
まとめ:早い20代のうちからiDeCoに加入するのはおすすめ
今回は、20代のiDeCo加入について以下の通り解説しました。
- 20代からiDeCoへ加入するのはメリット多数!
- 20代は運用期間が長い分、積み立てられる金額が多くなる
- 運用期間の分、複利効果が高くなる
- 最大のデメリットは、資金が拘束される点
- 貯蓄が少ないと、家計の負担に
- iDeCoの加入者は増加傾向
- 20代は積極的な運用が可能
いかがだったでしょうか?
「20代のうちから老後資金について考えるなんて、気が早いのでは?」と思った方がいるかもしれません。
確かに、20代にとっては、まだ先のこと過ぎて想像ができないかもしれません。
老後資金に回すお金があるなら、他のことに使いたい気持ちもあると思います。
しかし、若いうちから老後の準備を始めておけば、積極的な資産運用ができます。
利益が大きくなる可能性もアップします。
自分の楽しみや若いうちの経験に使うお金も、将来のためのお金も、どちらも重要です。
一番考えるべきは「何にいくら使うか」のバランスではないでしょうか。
今回の記事が、老後資金について考えるきっかけになれば幸いです。
マネーキャリアでは、他にも年金や投資に関する情報を配信しているので、ぜひご覧ください。