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iDeCoは派遣社員でも加入できる?派遣社員でもiDeCoに加入することは可能です!派遣社員がiDeCoに加入するメリットやデメリット、派遣社員でiDeCoがおすすめな人の特徴、iDeCoの加入手続きや掛金を解説!転職・退職した場合のiDeCoについても紹介。

この記事の目次

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派遣社員だけどiDeCoに加入したい!加入できるの?

こんにちは、マネーキャリア編集部です。


先日30代の男性の友人から、こんな相談がありました。


派遣社員として働いているんですけど、派遣社員でもiDeCoに加入することができるのか教えてほしいです。


ここ数年、派遣社員がiDeCoに加入するメリット・デメリットやiDeCoの加入手続き・掛金の上限などのiDeCoに関するご相談が非常に増えています。


「iDeCoについてもっと早く知りたかった」


日本では、学校での金融教育が不十分との声を聞きます。

実際、日本証券業協会が実施した「中学校・高等学校における金融経済教育の実態調査」によると、約6割の教員が金融経済教育の授業確保時間について不十分であると回答しているのです。


今回は、知る機会のなかった派遣写真のiDeCoについて、体系的に解説していきます。


派遣社員でもiDeCoに加入できるのか、iDeCoに加入するためにはどうすればいいのか、で悩んでいる方の道しるべになれば幸いです。

派遣社員でもiDeCoには加入できる!メリットを紹介

結論から言うと、派遣社員でもiDeCoには加入できます。


そのため、非正規雇用であっても老後の資金を蓄えることが可能です。


まずこの項目では、派遣社員がiDeCoを利用する場合のメリットについて解説していきます。


解説内容は、以下の2つです。

  1. 退職金・企業年金がないので老後資金の積み立てに便利
  2. 掛金・運用益・受取時に税制優遇のメリットがある

それぞれ解説していきます。

退職金・企業年金がないので老後資金の積み立てに便利

派遣社員や契約社員には退職金・企業年金がないので、自分で老後の資金を蓄えるしかありません。


しかし、毎月のわずかな貯金だけでは、将来必要な額を貯められるかどうか不安になるでしょう。


そこで有効活用できる仕組みがiDeCoなのです。


iDeCoであれば、後述する3つの税制優遇メリットを受けながら老後資金を積み立てることができます。

掛金・運用益・受取時に税制優遇のメリットがある

iDeCoには、以下3つの税制優遇メリットがあります。

  1. 掛金が全額所得控除
  2. 運用益は非課税
  3. 受け取り時は公的年金等控除、退職所得控除の対象

iDeCoを一言で言えば、「かなりお得に老後資金を形成できる仕組み」になります。


1.掛金が全額所得控除


掛金が全額所得控除となるため、課税所得が減り、所得税や住民税などの税金を低く抑えることが可能です。


簡単に言えば、貯金するだけで税金が安くなると言うことになります。


2.運用益は非課税


iDeCoの掛金を元本確保型商品である「定期預金と保険」、元本変動型商品である「投資信託」の3つのいずれかで運用します。


その際に生まれた運用益は全て非課税になるのです。


本来、運用益がでた場合には、20.315%の税率をかけて税金を納めなくてはなりませんが、iDeCoであればその必要がなくなります。


3.受け取り時は公的年金等控除、退職所得控除の対象


iDeCoは、原則60歳以降に引き出すことが可能です。


その際に、

  1. 一時金(退職所得控除の対象)
  2. 年金(公的年金等控除の対象)
  3. 一時金と年金の併用(退職所得控除+公的年金等控除の対象)

のいずれかから受け取り方法を選びます。


一時金は一括での受け取り、年金は分割での受け取りとなり、いずれの受け取り方を選んでも各種控除の対象になるので、一定額まで非課税となります。

派遣社員がiDeCoを利用する場合の注意点やデメリットも紹介

iDeCoメリットの次は、派遣社員がiDeCoを利用する場合のデメリットについて解説します。


解説内容は、以下の3つです。

  1. 60歳まで引き出せないことが負担になるケースも
  2. 投資信託を選ぶと元本割れのリスクがある
  3. 派遣契約がなくなった場合は別途で手続きが必要になる

それぞれ解説していきます。

60歳まで引き出せないことが負担になるケースも

先ほどお伝えした通り、iDeCoは原則60歳まで受け取れません。


そのため、派遣社員として働いている時にお金が入り用になったり、派遣社員を辞めて無職になったりした場合に、今まで積み立ててきたお金を当てにすることができないのです。


全額はもちろんのこと、一部でさえも引き出せません。


例外として、高度な障がいになった場合は障害給付金として、亡くなった場合は一時金として遺族が受け取ることができます。

投資信託を選ぶと元本割れのリスクがある

iDeCoには、元本確保型商品である「定期預金と保険」、元本変動型商品である「投資信託」があります。


元本確保型商品とはその名の通り元本が保証される商品で、元本変動型商品は、元本割れするリスクが伴う商品のことです。


※元本確保型商品でも、満期まで保有しなければ元本割れする恐れがあります


投資信託を運用商品として選んだ場合は、掛金が減ることもあるので注意が必要になります。

派遣契約がなくなった場合は別途で手続きが必要になる

iDeCoに加入するためには、派遣先からではなく派遣元からの証明が必要になります。


しかし、派遣契約がなくなった場合には派遣元からの証明ができなくなるため、無職の状態でも加入できる別の加入資格に変更しなければなりません。


短期間で何度も派遣元を変更するとなれば、面倒な手続きを何回もしなくてはならないため、注意が必要です。

派遣社員でiDeCoの加入がおすすめな人の特徴を紹介!

派遣社員でiDeCoの加入がおすすめな人は、

  1. 1つの派遣先で働き続けようと考えている人
  2. 十分な収入や貯蓄があり節税効果が期待できる人

になります。


それぞれ詳しく解説していきます。

1つの派遣先で働き続けようと考えている人

先ほど解説した通り、頻繁に派遣元を変更する人は手続きが面倒であるためおすすめできません。


逆に、1つの派遣先で働き続けようと考えている人にはおすすめです。


仕事に集中したり休日はゆっくり休んだりできる上に、老後の資金を着実に貯めることができるので、そういった方にはiDeCoの加入が向いています。

十分な収入や貯蓄があり節税効果が期待できる人

iDeCoは、途中で掛金を引き出すことができないので、有事の際に困らない程度の収入や貯蓄がある方がおすすめです。


派遣社員の場合、派遣先がない状態が続いて収入が減少することもあるので、余裕がない方にはおすすめできません。


また、収入が低いとiDeCoの税制優遇メリットの恩恵を受けられずに、なおかつ生活が苦しくなる可能性があるので、無理に加入することだけは控えておきましょう。

実際に派遣社員でiDeCoに加入している方の体験談を紹介!

〈派遣社員Bさん:毎月23,000円積み立て、年収300万円〉


40歳の派遣社員として働いているのですが、2年半ほど前にiDeCoでの積み立てを始めました。


結果的に、約10万円ほどの運用益がでて、1年あたりの税金(所得税、住民税)が4万円ほど安くなったので良かったです。


〈派遣社員Kさん:毎月23,000円の積み立て、年収340万円〉


私は元々、毎月3〜7万円を貯金に回していたのですが、iDeCoに興味を持って始めることにしました。


貯金よりも効率よくお金を貯めることができて、年間41,400円の控除が効くので、老後の心配が少しはなくなりました。

派遣社員がiDeCoに加入する場合の掛金について解説!

この項目では、派遣社員がiDeCoに加入する場合の掛金について解説します。


解説内容は、以下の2つです。

  1. 派遣社員だと掛金の上限額は月々2万3000円
  2. 掛金はできれば上限までかけておくのがおすすめ!

それぞれ解説していきます。

派遣社員だと掛金の上限額は月々2万3000円

iDeCoは、職業等によって掛金の上限額が異なります。


派遣社員の場合は、月々2万3000円、年間27万6000円が掛金の上限です。


ちなみに、自営業者がもっとも高く、月額6万8000円の年間81万6000円になります。



掛金はできれば上限までかけておくのがおすすめ!

収入も安定しており、余裕のある生活を送っている方は、掛金を上限いっぱいの2万3000円に設定しておきましょう。


掛金を上限までかけておくことで、税制優遇の恩恵を最大限受けることができるからです。


また、お金を手元に残しておくと、ついつい浪費してしまうこともあるので、iDeCoにお金を入れておくことで節約にも繋がります。

派遣社員がiDeCoに加入する場合の手続きについて解説!

派遣社がiDeCoに加入するメリット・デメリットや掛金の上限がわかったところで、次は派遣社員がiDeCoに加入する場合の手続きについて解説します。


手続きの流れは、以下の通りです。

  1. 金融機関から申し込み書類をもらう
  2. 必要事項を記入し「事業主の証明書」と一緒に返送
  3. 申請が受理されると引き落としスタート
それぞれ順番に解説していきます。

①金融機関から申し込み書類をもらう

まずは、iDeCoを取り扱っている金融機関を選びます。


基本的には、手数料が安いSBI証券楽天証券などのネット証券がおすすめです。


金融機関を選んだら、申し込み書類をもらったりネットから印刷したりします。

②必要事項を記入し「事業主の証明書」と一緒に返送

申し込み書類に自分で書ける範囲で必要事項を記入し、派遣元の会社に「事業主の証明書」を記入してもらいます。


一通り記入が終わったら、全ての関係書類をまとめて返送します。

③申請が受理されると引き落としスタート

書類に不備がなく申請が受理されることで、いよいよ引き落としが始まります。


口座にお金が入っているかどうかを確認しておきましょう。

派遣先で年末調整をするとiDeCoで簡単に節税できる!

派遣元で年末調整をすると税金の還付を受けられます。


年末調整の手順は、以下の通りです。

  1. 10月〜1月の間に「小規模企業共済等掛金払込証明書」が届く
  2. 勤務先から「給与所得者の保険料控除申告書」を受け取る
  3. 「小規模企業共済等掛金払込証明書」に記載の金額を「給与所得者の保険料控除申告書」に記入する
  4. 「給与所得者の保険料控除申告書」を派遣元に提出

これだけで簡単に節税できます。

派遣社員が転職して会社員になるとiDeCoはどうなる?

それでは、派遣社員が会社員になるとiDeCoはどうなるのでしょうか。


わからない人も多いと思うので、この項目では転職した際の手続きについて解説します。


解説内容は、以下の3つです。

  1. 転職先で企業型確定拠出年金に加入する場合
  2. 転職先で企業型確定拠出年金に加入しない場合
  3. 転職先に確定企業給付年金がある場合

それぞれ解説していきます。

①転職先で企業型確定拠出年金に加入する場合

企業型確定拠出年金に移管するか、iDeCoと同時に加入するかを選べます。


ただし同時加入は、転職先の企業型確定拠出年金規約で認められている場合に限ります。


企業型確定拠出年金に移管する場合


派遣社員が転職して企業型確定拠出年金に加入した場合、基本的に

  1. 加入者資格の喪失手続き
  2. 移換手続き(勤務先の企業型確定拠出年金に資産を移動)

の2つを行います。


加入者資格喪失届を金融機関に提出し、移管手続きについては人事や労務などの担当者に確認しましょう。


iDeCoと企業型確定拠出年金に同時に加入する場合


同時に加入する場合は、国民年金の被保険者種別、または登録事業所(勤務先)変更の手続きが必要です。

②転職先で企業型確定拠出年金に加入しない場合

転職先で企業型確定拠出年金に加入しない場合であっても、国民年金の被保険者種別、または登録事業所(勤務先)変更の手続きが必要です。


国民年金に加入している第1号被保険者や第3号被保険者の方は、第2号被保険者に変わるので、「加入者被保険者種別変更届」「事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書」の二つを合わせて、運営管理機関に提出します。


一方、すでに第2号被保険者の方は、「加入者登録事業所変更届」と「事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書」の二つを合わせて、運営管理機関に提出します。

③転職先に確定企業給付年金がある場合

転職先の確定企業給付年金の規約に、iDeCoの資産を移管できる旨が定められている場合、確定企業給付年金に移管することが可能です。


詳しくは転職先の担当部署に確認してみましょう。

転職後にiDeCoの手続きをしない場合に起こることを解説!

上の項目で説明した内容を見てもらえればわかる通り、手続きが非常に煩雑です。


しかし、いくら面倒だからと言っても、転職後にiDeCoの手続きをしないと損をすることになりかねません。


そこでこの項目では、具体的に何が起こるのかについて解説します。


解説内容は、以下の3つです。

  1. iDeCoの加入資格に変更があった場合は手続きが必要
  2. 変更しないと引き落としが停止されるケースがある
  3. 派遣社員で派遣元が変わる場合も手続きを行う

それぞれ解説していきます。

iDeCoの加入資格に変更があった場合は手続きが必要

iDeCoの加入資格とは、第1号被保険者(自営業者)や第2号被保険者(会社員、公務員等)、第3号被保険者(専業主婦)のことを指します。


この加入資格に変更があった場合は、つまり、職業や勤務先が変わった場合は、速やかに手続きを行いましょう。

変更しないと引き落としが停止されるケースがある

では、変更手続きを行わないとどうなるのか。


放置しておくと、掛金の引き落としが停止されるケースもあります。


そのため、iDeCoの税制優遇メリットの一つである「全額所得控除」の恩恵をその分受けられなくなるので、注意が必要です。

派遣社員で派遣元が変わる場合も手続きを行う

派遣元が変わるということは、勤務先が変わるということになるので、手続きが必要になります。


ちなみに、派遣先が変わっても派遣元が変わらない限り手続きは不要です。


仕事が忙しくて手がつけられない状況でも、優先して処理しておきたいところです。

派遣社員が退職するとiDeCoはどうなる?

iDeCo加入者である派遣社員が退職してもiDeCoを継続できます。


ただし手続きが必要で、派遣会社を退職した後の職業によって手続きが異なります。


この項目では、退職した後の職業別に手続き方法を解説します。


解説内容は、以下の2つです。

  1. 自営業者など(国民年金第1号被保険者)になる場合
  2. 専業主婦・主夫(国民年金第3号被保険者)になる場合

それぞれ解説していきます。

①自営業者など(国民年金第1号被保険者)になる場合

自営業者や無職、学生になる場合は、「加入者被保険者種別変更届(第1号被保険者用)」をiDeCoを運用している金融機関に郵送すればOKです。


1ヶ月半から2ヶ月半程度で反映されます。

②専業主婦・主夫(国民年金第3号被保険者)になる場合

専業主婦・主夫になる場合は、「加入者被保険者種別変更届(第3号被保険者用)」をiDeCoを運用している金融機関に郵送すればOKです。


国民年金第1号被保険者と同様に、1ヶ月半から2ヶ月半程度で反映されます。


参考:無職でiDeCoに加入するメリットはある?

結論から言うと、無職でiDeCoに加入するメリットはあまりありません。


なぜなら、収入がなく全額所得控除のメリットを受けられないからです。


無職の方の場合は、税金が発生する103万円の壁を超えないので、所得税や住民税を納める必要がありません。


iDeCoでは、掛金のすべてを課税所得から引いて節税できますが、そもそも課税所得がないのでメリットを享受できないのです。


もちろん運用益が非課税になるメリットは受けられますが、最大限のメリットを受けられるわけではないので、貯金がある場合は生活の資金に回した方が良いでしょう。

まとめ:派遣社員のiDeCoについて

この記事では、派遣社員がiDeCoに加入できるのか、派遣社員がiDeCoを利用する場合のメリット・デメリット、iDeCoの手続きなどについてお伝えしてきました。

  • 派遣社員がiDeCoを利用する場合のメリットは、「1.掛金が全額所得控除」「2.運用益は非課税」「3.受け取り時は公的年金等控除、退職所得控除の対象」の3つ
  • 派遣社員がiDeCoを利用する場合の注意点やデメリットは、「1.原則60歳まで引き出せない
  • 」「2.投資信託を選ぶと元本割れのリスクがある」「3.派遣契約がなくなった場合は別途で手続きが必要になる」の3つ
  • 派遣社員でiDeCoの加入がおすすめな人は、「1.一つの派遣先で働き続けようと考えている人」「2.十分な収入や貯蓄があり節税効果が期待できる人」になる
  • 派遣社員の掛金の上限は23,000円

老後2000万円問題もあって、iDeCoなどの税制優遇制度の重要性が再認識されています。


しかし、iDeCoのメリットやデメリットを理解しておかなければ、iDeCoを有効活用することはできないでしょう。


派遣社員の方は、iDeCoの仕組みをきちんと理解した上で、自分の将来のためにiDeCoをぜひ活用してみてください。

記事監修者「谷川 昌平」

この記事の監修者谷川 昌平
フィナンシャルプランナー

東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。