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内容をまとめると

  • iDeCoの事業主払込と個人払込は、事業主払込のほうがおすすめです。年末調整や確定申告などの手間が省けます。
  • iDeCoの事業主払込のメリットは、給与天引きで自動的に払い込まれるため、自分で確定申告や年末調整をする必要がなく、手続き面で非常に楽です。
  • iDeCoの個人払込のメリットは特にありませんが、以下の違いを知ることが重要です。
  1. 事業主払込も個人払込も所得控除に変わりはない
  2. 事業主払込と個人払込の大きな違いは誰が掛金を納付するか
  3. 個人払込の場合源泉徴収票の記載に注意が必要
  • iDeCoの払い込みに必要な手続きを簡略化するならマネーキャリアに相談!iDeCoをするなら必ず知っておかなければならない注意事項を解説します。
監修者「谷川 昌平」

監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー

株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。
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この記事の目次

iDeCoは事業主払込と個人払込のどっちにすべき?

こんにちは、マネーキャリア編集部です。 


先日30代の女性の友人から、こんな相談がありました。


iDeCoを利用しようと考えているのですが、掛金の払込方法は事業主払込と個人払込のどっちにすべきですか?


ここ数年、iDeCoにおける掛金の払込方法やiDeCoの掛金上限、iDeCoの税制優遇についてなどiDeCoに関するご相談が非常に増えています。

iDeCoの掛金の払込方法についてもっと早く知りたかった

日本では、学校での金融教育が不十分との声を聞きます。

実際、日本証券業協会が実施した「中学校・高等学校における金融経済教育の実態調査」によると、金融経済教育の授業確保時間について約6割の教員が不十分であると回答しているのです。


この記事では、iDeCoは事業主払込と個人払込のどっちにすべきかについて、体系的に解説していきます。


事業主払込と個人払込どっちにすればいいのか、事業主払込のメリット・デメリットは何なのか、で悩んでいる方の第一歩のお手伝いになれば幸いです。

iDeCoの掛金の積立には事業主払込と個人払込がある

iDeCoの掛金の積立には「事業主払込」と「個人払込」の二つの支払い方法があります。


企業に勤めている場合は、事業主である企業の口座から引き落としで毎月の掛金を国民年金基金連合会に支払うことができます(事業主払込)。


一方、個人口座から引き落としで毎月の掛金を国民年金基金連合会に支払うことも可能です(個人払込)。


どっちを選んでも問題ありませんが、事業主払込の場合は引き落とし口座を設定しなければなりませんので、企業の担当者に相談する必要があります。


ただ、事業主払込であれば年末調整や確定申告などの手間が省けるので、個人払込よりも事業主払込のほうがおすすめです。

しかし、iDeCoの払い込み方法は、個人の職業や年収によってメリットとデメリットが異なります。自身に適した方法で支払うには、簡単30秒でできる『iDeCoの無料相談窓口』にご相談ください。


だからこそ、「iDeCoの無料相談窓口」のような簡単30秒で国家資格を保有した専門家に相談ができるサービスを利用して、ご自身に適した方法を選択することが大切です。 


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iDeCoの仕組みや特徴について確認しておこう

iDeCoの事業主払込と個人払込についてはわかりましたが、「そもそもiDeCoってどんな仕組みなの?」「iDeCoのメリットやデメリットを詳しく知りたい!」と思う方もいるでしょう。


そこでこの項目では、iDeCoの仕組みや特徴について解説します。


解説内容は、以下の4つです。

  1. iDeCoには加入条件と加入区分ごとの掛金上限額が決まっている
  2. iDeCoの3つの節税メリットを活用しよう
  3. iDeCoを利用した場合の控除額の計算例を紹介
  4. iDeCoのデメリットについても確認しておこう

それぞれ解説していきます。

iDeCoには加入条件と加入区分ごとの掛金上限額が決まっている

働き方によって掛金の上限額が異なります。

掛金上限額
自営業者月額6.8万円
(年額81.6万円)
会社に企業年金がない会社員&専業主婦(夫)月額2.3万円
(年額27.6万円)
企業型DCに加入している会社員月額2万円
(年額24万円)
DBと企業型DCに加入している会社員&DBのみ加入の会社員&公務員等月額1.2万円
(年額14.4万円)

DCとは確定拠出年金のことで、DBとは確定給付企業年金、厚生年金基金のことを指します。

iDeCoの3つの節税メリットを活用しよう

iDeCoには、「1.掛金は全額所得控除」「2.運用益は非課税」「3.受け取り時に退職所得控除、もしくは公的年金等控除の対象」の3つの節税メリットがあります。


1.掛金は全額所得控除


一定額以上の所得がある場合は、課税所得から掛金分を差し引いて、所得税住民税などの税金を軽減することが可能です。


2.運用益は非課税


本来、運用益には20.315%の税率をかけて税金を算出しますが、iDeCoでの運用益は非課税になります。


3.受け取り時に退職所得控除、もしくは公的年金等控除の対象

iDeCo受け取り時に、一括受け取り(退職所得控除の対象)か分割受け取り(公的年金等控除の対象)、もしくは一括と分割の併用のいずれかを選べます。


人によっては受け取り時に税金が全くかからないこともありますが、個人の所得によって異なるので、『iDeCoの無料相談窓口』で専門家に確認しましょう。


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iDeCoを利用した場合の控除額の計算例を紹介

先ほど説明した1番の「掛金は全額所得控除」を例に控除額を紹介します。


年収350万円で毎月の積立額が1万2000円の場合、1年あたり4万3200円もの税金が安くなり、年収500万円で毎月の積立額が2万3000円の場合は、1年あたり8万2800円も税金が安くなります。


※シミュレーション結果は概算値です。住民税は一律10%で計算しています


ただし、税金を納めていない無職の方などの場合は、そもそも課税所得がありませんので、全額所得控除の恩恵を受けられません。

iDeCoのデメリットについても確認しておこう

iDeCoには、3つのデメリットがあります。


原則60歳以降まで資産を受け取れない


重度な障がい状態になったり、亡くなったりしない限りは、基本的に原則60歳以降まで資産を受け取れません。


そのため、有事の際にお金を工面できない可能性があります。


口座管理手数料がかかる


iDeCoには、一般的に「加入時:2,829円」「掛金を拠出する月:171円」「掛金を拠出しない月:66円」「給付時に440円」の手数料が発生します。


損をする恐れがある


iDeCoには、元本確保型である「定期預金と保険」、元本変動型である「投資信託」の計3つの金融商品を運用できます。


その中の投資信託は、資産減少のリスクがあるので注意しておきましょう。

iDeCoの事業主払込と個人払込の違いについて解説

それでは、事業主払込と個人払込は具体的に何が違うのでしょうか。


この項目では、iDeCoの事業主払込と個人払込の違いについて解説します。


解説内容は、以下の3つです。

  1. 事業主払込も個人払込も所得控除に変わりはない
  2. 事業主払込と個人払込の大きな違いは誰が掛金を納付するか
  3. 個人払込の場合源泉徴収票の記載に注意が必要

それぞれ解説していきます。

事業主払込も個人払込も所得控除に変わりはない

事業主払込と個人払込どっちの支払い方法を選んでも、所得控除は適用されます。


つまり、どちらかを選ぶことによって損をするということはないわけです。


まれに損をすると勘違いされる方がいるので、注意しておきましょう。


どっちの支払い方法を選んでも所得控除に変わりはありませんが、所得控除を受けるために誰が年末調整の手続きを行うかに違いがあります(詳しくは後述します)。

事業主払込と個人払込の大きな違いは誰が掛金を納付するか

所得控除を受けられることに変わりはありませんが、誰が掛金を納付するかに違いがあります。


事業主払込の場合は、給与から掛金を天引きの上、事業主の口座から引き落とされますが、個人払込の場合は、加入者の口座から掛金が引き落とされます。



個人払込の場合源泉徴収票の記載に注意が必要

所得控除を受けるためには、「年末調整」「確定申告」が必要です。


事業主払込の場合は、年末調整時に企業が手続きを行ってくれます。


一方、個人払込の場合は、1年間の掛金を支払った証明書(小規模企業共済等掛金払込証明書)が届くので、そこに記載の掛金を勤務先からもらう「給与所得者の保険料控除申告書」に記入しなければ年末調整で所得控除を受けられません。


つまり、自分で手続きを行う必要があるということです。


年末調整でiDeCoの掛金が所得控除として適用されたかどうかは、源泉徴収票の「社会保険料等」で確認できます。


源泉徴収票に掛金額が記載されていない場合は、所得控除が適用されていないことになります。


その際には、自分で税務署に確定申告をしなければなりませんので、担当者にしっかり確認しておきましょう。

iDeCoで事業主払込にするメリットを解説

iDeCoの事業主払込と個人払込の違いについて解説しましたが、どっちを選んでも大差がないように思えます。


しかし、事業主払込には個人払込にはないメリットが存在するのです。


そこでこの項目では、iDeCoで事業主払込にするメリットを解説します。

  1. 掛金の残高不足の心配がない
  2. 年末調整の際に手続きが楽である

それぞれ解説していきます。

掛金の残高不足の心配がない

事業主払込の場合は給与からの天引きになるので、毎月必ず掛金を納付できます。


しかし個人払込の場合は、残高不足により掛金を納付できない恐れがあるのです。


掛金を納付できないと、積立額が減り、所得控除に影響がでてしまうのですが、事業主払込であればその心配はなくなります。


毎月の支払いが多く、口座の残高を定期的にチェックしない方にとっては大きなメリットになり得るでしょう。

年末調整の際に手続きが楽である

事業主払込を選択すると、年末調整の際に掛金を書類に記入しなくて済むので、手続きが非常に楽になります。


なぜなら、会社がiDeCoの掛金を控除する手続きを行ってくれるからです。


生命保険控除や住宅借入金等特別控除などの、控除を受けるために提出しなければならない書類が多い方にとっては、一つでも手続きが減ったほうが嬉しいでしょう。

iDeCoで事業主払込にするデメリットを解説

次に、iDeCoで事業主払込にするデメリットを解説します。


解説内容は、以下の2つです。

  1. 給与の天引きと払込は会社が行うため会社の負担が大きい
  2. 掛金額変更の際に会社に申告しなければならない

それぞれ解説していきます。

給与の天引きと払込は会社が行うため会社の負担が大きい

零細企業や中小企業の場合は、総務が様々な業務を横断して行っている傾向にあります。


ただでさえ日常業務の負担が大きいのに、給与の天引き掛金の払込を行うとなると、さらに負担が重くのしかかります。


そのため、会社側がiDeCoの事業主払込を積極的に推進しないこともあるのです。


規模が小さい会社に勤めている方は、会社側に事業主払込について理解してもらう必要があります。

掛金額変更の際に会社に申告しなければならない

事業主払込で掛金を納付しているため、当然、掛金額を変更する際には会社に申告しなければなりません。


そうしないと、変更前の掛金が自動的に天引きされることになります。


個人払込の場合は、掛金額を変更する手続きが比較的に簡単なので、事業主払込はその点がデメリットと言えるのです。


掛金を後から追加で支払うことができませんので、注意しておきましょう。

iDeCoで個人払込を選び確定申告をすると所得税を実感できる機会になる

確定申告は、会社勤めの方には基本的に縁がないものです。


しかし、iDeCoで個人払込を選択し、何らかのトラブルで年末調整時に手続きができない場合は、所得税の還付を受けるために確定申告を行わなければいけません。


副業を行わずに会社員として働いている人にとっては、所得税は給与からの天引きとなり税金を納めている実感が湧きづらいので、新鮮な体験になるでしょう。

iDeCoを個人払込にすると勤務先に証明書の提出が必要である

iDeCoの個人払込を選択して、所得税の還付を受けるためには「年末調整」で手続きを行わなければいけません。


そこでこの項目では、年末調整の一連の流れを解説します。


流れは、以下の通りです。

  1. 「小規模企業共済等掛金払込証明書」の受取り
  2. 勤務先から記入書類を受け取って必要事項を記入
  3. 証明書を勤務先に提出

それぞれ解説していきます。

①「小規模企業共済等掛金払込証明書」の受取り

10月〜1月の間に国民年金基金連合会から「小規模企業共済等掛金払込証明書」というハガキが送られてきます。


これは、iDeCo加入者が支払った1年間の掛金を証明する書類です。


この書類がないと年末調整時に所得控除を受けられずに、自分で確定申告を行わなければならなくなるので大切に保管しておきましょう。


ちなみに、小規模企業共済等掛金払込証明書が送られてくる時期は、初回の掛金を支払った月によって異なります。

届く時期
1月~9月10月頃
10月
11月頃
11月12月頃
12月1月頃

掛金を支払ってから大体1ヶ月後くらいに届くことを覚えておきましょう。


加えて12月に初回の掛金を支払った方は、年末調整に間に合わない可能性があることを頭に入れておく必要があります。

②勤務先から記入書類を受け取って必要事項を記入

勤務先から「給与所得者の保険料控除申告書」という年末調整に必要な書類を受け取り、必要事項を記入していきます。


記入すべき箇所は、小規模企業共済等掛金控除の「確定拠出年金法に規定する個人型年金加入者掛金」と「合計(控除額)」の欄で2つです。


「小規模企業共済等掛金払込証明書」に記載されている1年間で支払った金額を記入しましょう。

③証明書を勤務先に提出

金額を記入した「給与所得者の保険料控除申告書」「小規模企業共済等掛金払込証明書」を添付して、勤務先に提出すれば手続きは完了です。


年末調整後にもらえる「源泉徴収票」には、iDeCoの掛金が「社会保険料等の金額」に含まれています。

年末調整を忘れてしまったら確定申告をすればiDeCo所得控除を受けられる

「年末調整を忘れてしまった」「所得控除をできると知らずに何の手続きもしなかった」という人も中にはいるでしょう。


しかし、なんらかの理由で年末調整ができなかったとしても、税務署への確定申告で所得税の還付を受けることができます。

さらに5年以内であればさかのぼって確定申告ができるので、過去の掛金分を申告したい方はぜひ利用してみてください。

確定申告でiDeCoの所得控除を受けるまでの流れは、以下の通りです。
  1. 「小規模企業共済等掛金払込証明書」の受取り
  2. 確定申告書Aを取り寄せて必要事項を記入して税務署へ提出
それぞれ順番に解説していきます。

①「小規模企業共済等掛金払込証明書」の受取り

年末調整の時と同様に、「小規模企業共済等掛金払込証明書」を受け取り、無くさないよう保管しておきます。


万一、無くしてしまった場合には、書類で再発行の手続きを行うことができるので問題ありませんが、書類の提出後から再発行までに2週間程度かかりますので、できる限り早めに書類を提出したほうがいいでしょう。

②確定申告書Aを取り寄せて必要事項を記入して税務署へ提出

まずは「確定申告書A 第一表」を用意して、左中部分にある「小規模企業共済等掛金控除⑦」の項目に「小規模企業共済等掛金払込証明書」に記載されている掛金の総額を記入します。


次に、「確定申告書A 第二表」の右上部分にある「⑦小規模企業共済等掛金控除」の項目に掛金の種類(個人型確定拠出年金)と掛金の合計額を記入します。


最後に、小規模企業共済等掛金払込証明書と源泉徴収票を添付した「確定申告書A」を所轄の税務署に提出すれば完了です。


確定申告の提出期限は、原則2月16日から3月15日の間ですので、忘れないように注意しておきましょう。

iDeCoや資産運用に関する悩みはFPに相談すべき理由

準備中

まとめ:自分に合ったiDeCoの掛金払込方法を選ぼう

この記事では、iDeCoの掛金払込方法である事業主払込と個人払込のどっちにすべきかやiDeCoの仕組みや特徴、iDeCoで事業主払込を利用するメリット・デメリットなどについてお伝えしてきました。

  • 事業主払込であれば年末調整や確定申告などの面倒な手間が省けるので、個人払込よりも事業主払込のほうがおすすめ
  • 事業主払込の場合は、給与から掛金を天引きの上、事業主の口座から引き落としされる(年末調整の手続きは事業主が行う)
  • 個人払込の場合は、加入者の口座から毎月の掛金が引き落としされる(年末調整もしくは確定申告を行う必要がある)
  • iDeCoには、「1.掛金は全額所得控除」「2.運用益は非課税」「3.受け取り時に退職所得控除、もしくは公的年金等控除の対象」3つの節税メリットがある

iDeCoの掛金払込方法をどっちにすればいいか悩んでいる方で、毎月の掛金を変更する予定がない場合は「事業主払込」がおすすめです。


ただ、事業主払込と個人払込にはどちらにもメリット・デメリットがあり、人によって好みは変わるので、自分の性格に合った掛金払込方法を選んだほうが良いです。


その点を理解して、iDeCoで老後の資産形成を始めましょう。