「自分の会社はiDeCoに加入できない会社?」「法改正で会社員もイデコに加入しやすくなるって本当?」このような悩みを抱える人は多いでしょう。そこで本記事ではiDeCoができない会社についてのポイントや法改正について解説します。ぜひ最後までご覧ください。
監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
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この記事の目次
- iDeCoに加入できない会社はある?
- iDeCoができない会社についてポイントを解説
- 企業型DCを導入している会社もiDeCoができるように改善された
- 企業型DCのマッチング拠出制度と併用できない
- iDeCoができない会社とは?マッチング拠出制度を解説
- 企業型の拠出額と同額まで
- 企業がコストを負担してくれる
- マッチング拠出しない場合iDeCoに加入可能
- iDeCoの法改正で規制緩和!加入できる人が増える!
- 企業型DC加入者も無条件でiDeCoに加入できるようになる
- 積み立て枠は月2万円
- 現状iDeCoに加入できない人はこんな人
- 国民年金保険料を支払っていない
- 60歳以上
- 海外に住んでいる
- 会社がiDeCoの加入を認めていない
- 農業者年金に加入している
- iDeCoに加入できるが注意が必要な人
- 資産運用について迷ったらお金のプロに相談すべき理由
- まとめ:法改正でiDeCoに加入できる会社員が増える
iDeCoに加入できない会社はある?
こんにちは、マネーキャリア編集部です。
先日、20代男性からこんな質問をいただきました。
今度就職することになった会社がiDeCoに加入できない会社だったようです。
もう二度とiDeCoには加入できないのでしょうか。
iDeCoは個人で加入する確定拠出年金制度であるため、会社によっては加入を禁じられてしまうことを意外に思う方も少なくないでしょう。
しかし実際にそうしたiDeCoに加入できない会社は多くあります。
この記事では、iDeCoに加入できない会社のポイントや法改正を中心に、
- iDeCoができない会社についてポイントを解説
- iDeCoができない会社とは?マッチング拠出制度を解説
- iDeCoの法改正で規制緩和!加入できる人が増える!
- 現状iDeCoに加入できない人はこんな人
- iDeCoに加入できるが注意が必要な人
- 資産運用について迷ったらお金のプロに相談すべき理由
iDeCoができない会社についてポイントを解説
そもそもiDeCoに加入できない会社とはどのような会社なのでしょうか。
ここからは、
- 企業型DCを導入している会社もiDeCoができるように改善された
- 企業型DCのマッチング拠出制度と併用できない
企業型DCを導入している会社もiDeCoができるように改善された
そもそも現行のiDeCoでは、企業型DCとiDeCoを同時加入しようとするのは非常に困難でした。
なぜなら、現状では企業型DCとiDeCoに同時加入できるのは、
- 会社の規約を変更する
- 企業型DCの掛金を減らす
という条件を満たす企業に限定されているからです。
会社側も余計な手間がかかってしまうことを嫌い、ほとんどの企業が同時加入の条件を満たさないままでした。
ところが、法改正によって、こうした条件を無視して本人の意思だけでiDeCoを併用できるようになります。
ただし、
- 企業年金の有無に応じたiDeCoの限度額以内
- 企業型DCの会社掛金とiDeCoの掛金の合計が、企業型DCの限度額以内
といった条件は満たさなければいけません。
それでも今まで認められなかった併用ができるようになったという点で、かなり便利になったと言えるのではないでしょうか。
企業型DCのマッチング拠出制度と併用できない
iDeCoと似ている制度に「マッチング拠出制度」があります。
iDeCoもマッチング拠出制度も掛金を拠出して、加入者自身が老後資金を運用する点が同じです。
ただし全く同じというわけではありません。
iDeCoとマッチング拠出制度の違いは以下の通りです。
iDeCo | マッチング拠出制度 | |
---|---|---|
掛金の財源 | 口座 | 給与から天引き |
掛金の範囲 | 職種・他の年金制度の加入具合による | 会社の拠出する掛金を超えない範囲 |
手数料 | 個人負担 | 会社負担 |
ラインナップ | 自由 | 会社指定 |
このようにiDeCoとマッチング拠出制度は表面上は似ているものの、実際は全く違うものであることが確認できました。
こうした違いがあるにもかかわらず、現状iDeCoとマッチング拠出制度は併用できないものとなっています。
そこまでしてiDeCoと住み分けを図るマッチング拠出制度とは、どういうものなのでしょうか。
以下からはマッチング拠出制度について解説します。
iDeCoができない会社とは?マッチング拠出制度を解説
ここでマッチング拠出制度の特徴をまとめると、
- 給与から天引きされて掛金が拠出される
- 会社が拠出する掛金に加えて、加入者も掛金を上乗せできる
- 運用にかかる手数料は会社が負担
- 商品ラインナップは会社が指定したもの
- iDeCoとの併用はできない
となります。
これらを踏まえて、ここからはマッチング拠出の特徴を、
- 企業型の拠出額と同額まで
- 企業がコストを負担してくれる
- マッチング拠出しない場合iDeCoに加入可能
企業型の拠出額と同額まで
マッチング拠出制度では、加入者が拠出できる掛金が「企業が拠出する金額と同額まで」となっています。
そのため、企業があまり掛金を拠出しない場合は、自動的に自分で拠出する掛金の額も減ることになります。
もしなるべく多くの掛け金を拠出したいと思っていても、企業の方針に従うほかありません。
掛金が少ないと運用益も少なくなり、老後資金がそこまで得られなくなってしまうので、企業の拠出額が少ない場合は注意が必要です。
マッチング拠出制度を利用するにあたっては、企業の拠出額に注目する視点も必要です。
企業がコストを負担してくれる
拠出・運用などマッチング拠出制度にかかる手数料はすべて企業が負担してくれます。
iDeCoのように少額の運用であっても手数料を取られるわけでないので安心です。
手数料が気になる方はiDeCoよりもマッチング拠出制度の方がおすすめです。
マッチング拠出しない場合iDeCoに加入可能
先ほどマッチング拠出制度とiDeCoの併用はできないとお伝えしました。
そのため企業がマッチング拠出制度を指定していた場合、もうiDeCoを利用できなくなってしまうのかと思われた方もいるでしょう。
確かに以前までなら企業の方針に従うほかなく、iDeCoの加入を断念せざるを得ませんでした。
しかし2022年に法改正されると、マッチング拠出を採択している企業に就職・転職した場合であっても、マッチング拠出かiDeCoかを選べるようになります。
すでにiDeCoに加入している人なら、わざわざマッチング拠出に加入する必要がなくなったのです。
まだ併用はできないものの選択肢が広がったということで、かなり大きな変化といえるでしょう。
iDeCoの法改正で規制緩和!加入できる人が増える!
先ほど法改正という言葉が出てきましたが、マッチング拠出とiDeCoの選択が可能になること以外にも、様々な改正がなされました。
例えば、
- 企業型DC加入者も無条件でiDeCoに加入できるようになる
- 積み立て枠は月2万円
企業型DC加入者も無条件でiDeCoに加入できるようになる
2022年10月からは企業型DC加入者であってもiDeCoに加入しやすくなります。
それは、
- 現行制度では諸々の要件を満たさないければ、企業型DCとiDeCoの併用は認められなかった
- 改正後は要件に関係なく、併用できるようになる
というように変わったからです。
現在では企業型DCの加入者は約750万人と言われていますが、そのうちほとんどの人がiDeCoに加入できない状況でした。
しかしこの改正によって、そうした人たちも加入できることになったため、iDeCoの加入者が増えることが予想されます。
積み立て枠は月2万円
現在iDeCoの掛金の限度額は最も高い人で月額6.8万円で、最も低い人で月額1.2万円しかありません。
この最も低い人に当たるのは、
- 公務員
- 企業型DCに入らず、DB等の企業年金に加入している人
月額5.5万円-(企業型DCの事業主掛金額+DB等の企業年金掛金)
公務員などは企業型DCに入っていないので、DB等の企業年金掛金の総額が肝心となります。DB等の企業年金掛金が3.5万円以下の時に限り、掛金2万円までとなります。
現状iDeCoに加入できない人はこんな人
2022年の法改正では以上のような変化をもたらします。
ただ当然ながら改正されるまでは現状のままです。
2022年になるまで加入できない方もいるでしょう。
具体的に現状iDeCoに加入できない人は、
- 国民年金保険料を支払っていない
- 60歳以上
- 海外に住んでいる
- 会社がiDeCoの加入を認めていない
- 農業者年金に加入している
国民年金保険料を支払っていない
国民年金保険料を支払っていない人はiDeCoに加入できません。
これは法改正されても変わりません。
iDeCoが公的な年金制度と定められている以上、変わることはないでしょう。
ここで1点気になった方もいるのではないでしょうか。
それは、
- 自動的に国民年金から脱退する60歳を過ぎればどうなるのか
60歳以上
先ほど申し上げたように、現在のiDeCoは国民年金保険料を支払っていることが前提となっているため、60歳以上は加入できませんでした。
しかし2022年の5月からは法改正によって65歳まで加入が延長されます。
ただし注意しなくてはいけないのは「誰でも65歳まで加入できるようになるわけではない」ということです。
60歳を超えて加入するには各種条件があります。
その条件とは、
- 国民年金被保険者であること(任意加入被保険者でも可能)
- iDeCoの老齢給付金を受給していないこと
- 公的年金を65歳より前に繰上げ受給していないこと
となっています。
これらの条件を満たした場合にようやく60歳を超えても加入が認められます。
またただ単に加入できる年齢が広がっただけでなく、それに伴って掛金拠出できる期間が延長されたことにも着目すべきです。
これまでだと60歳からは掛金拠出がストップして、今ある分で運用するしかありませんでした。
しかし改正後は65歳まで掛金拠出できるので、その分積立金も増やすことができます。
例えば毎月1.5万円の掛け金を拠出していたとしたら、5年間で90万円多く積立できることになります。
これは非常に大きいメリットなので、改正内容のなかでこの改正が一番注目されています。
海外に住んでいる
法改正によって、海外移住した人もiDeCoに加入できるようになります。
ただし、いくつか条件があって、
- 国民年金に加入している
- 国内法人に勤めながら海外赴任する(厚生年金被保険者のまま転勤する)
- 社会保障協定の締結先18ヵ国で短期就労(5年未満)を行う(別途申請が必要)
ことが前提となっています。
それでもこれまでは海外に転居したらiDeCoに加入できなくなっていたので、海外転勤が多い方でもかなり使いやすくなります。
会社がiDeCoの加入を認めていない
再三お伝えしているように、現状ではiDeCoの加入が認められていない会社の場合、iDeCoに加入できません。
そのためiDeCoに加入したいなら、就職・転職する前に事前調査して、iDeCoの加入が認められるかをしっかり確認しておくようにしましょう。
農業者年金に加入している
農業者年金に加入している人も、iDeCoに加入できません。
農業者年金とはiDeCoと似ている制度で、iDeCoとの違いは以下のようになります。
iDeCo | 農業者年金 | |
---|---|---|
掛金の運用成果 | 人それぞれ | 安定運用 |
掛金 | 月額5,000~68,000円 | 月額20,000~67,000円 |
年金の受取 | 80歳までの保証期間付終身年金のみ | 65歳から3つの受け取り方法を選べる |
一番の違いはiDeCoが運用によっては損失するリスクがあるのに対し、農業者年金は安定志向でリスクがほとんどないということです。
運用益をますます増やしたい人はiDeCoで、着実に増やしたい人は農業者年金という使い分けができます。
iDeCoと農業者年金は併用できず、マッチング拠出と似ていると言えるでしょう。
iDeCoに加入できるが注意が必要な人
ここまでiDeCoを中心に解説してきました。
iDeCoは、
- 掛金が全額所得控除の対象
- 運用益は非課税
- 住宅ローンを組んでいる人
資産運用について迷ったらお金のプロに相談すべき理由
iDeCoの法改正によって、今までiDeCoに加入できなかった会社でもiDeCoに加入できるようになります。
このように法改正によって、現行の制度では加入できなかった人が加入するケースが増えることが予想されます。
その一方で法改正されたからと言って、iDeCoに加入するのはやはり不安と感じて加入を思いとどまってしまうケースもあるかもしれません。
確かにiDeCoは個人で加入する制度なので、自分から決断するしかなく、決めづらいですよね。
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まとめ:法改正でiDeCoに加入できる会社員が増える
ここまではiDeCoに加入できない会社のポイントと法改正を中心に見てきました。
この記事のポイントは、
- iDeCoができない会社でも今後加入できるようになる!
- iDeCoとマッチング拠出は今後自由に選択できるようになる!
- iDeCoの法改正で加入できる人が増える!
- 住宅ローンを組んでいる人はiDeCoの加入をじっくり検討するべき
- 資産運用について迷ったらマネーキャリアのFP相談がおすすめ
でした。
先ほどお伝えしたように、FP相談によって抱えている問題を解決するのは非常に大切です。
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