養老保険をおすすめしない人は?メリット・デメリットから考えるのサムネイル画像
▼この記事を読んで欲しい人
  • 「養老保険」というものに興味がある人
  • 養老保険と他の生命保険との違いを知りたい人
  • 保険によりリスクヘッジと貯蓄を両立させたい人

内容をまとめると

  • 養老保険は貯蓄も兼ねた生命保険
  • 養老保険の掛け金は他の保険と比べてかなり高い
  • 養老保険は終身保険ではなく、期間が設定されている
  • 養老保険をおすすめする人、おすすめしない人がはっきり分かれる
  • マネーキャリアは満足度93%以上の、お金の無料相談サービス

養老保険は貯蓄性があり、元気に満期を迎えれば「満期保険金」を受け取れます。その一方で、月々の掛け金が高く、2万円~3万円かかるため、通常の生命保険などを掛けながら貯蓄や投資を分けたい人にはおすすめしないことになります。興味がある方は専門家に聞いてみましょう。

記事監修者「谷川 昌平」

この記事の監修者谷川 昌平
フィナンシャルプランナー

東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

この記事の目次

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結論:養老保険をおすすめしない人は?

養老保険はすべての人向きの保険ではなく、おすすめしない人もいます。


養老保険をおすすめしない人はこのような人になります。

  • 保険・貯蓄・投資を明確に分けたい人
  • 一生涯の保障が欲しい人
なぜこの人たちについては養老保険をおすすめしないのかは、養老保険のメリットとデメリットを理解することが必要です

補足:養老保険とは

養老保険とは貯蓄性のある生命保険です。終身保険ではなく、期間を定めます。


被保険者(保険契約をしている人が)が保険期間中に亡くなった場合は、生命保険として、死亡保険金受取人に「死亡保険金」として支払われます。


一方、養老保険が満期になるまで元気に生きていた場合、満期保険受取人に「満期保険金」が支払われます。死亡保険金と満期保険金は同額です。


つまり、途中で亡くなった場合には生命保険として家族に保険金を残すことができ、当初設定した期間満期まで生きれば、預金を積み立てているのと同じようにお金が戻ってきます。


養老保険は生命保険なので「生命保険控除」を受けられます。


普通の銀行への積み立てよりも税制上のメリットもあり、ご自身な亡くなった時のリスクヘッジもできます。

養老保険のメリット・デメリットを比較

通常の医療保険や生命保険ではなく「養老保険」というものに加入するメリットとデメリットをそれぞれ押さえておきましょう。


養老保険についてメリットが大きいなら加入を検討していただき、デメリットが大きいと感じるならばおすすめしないことになります。


メリットとデメリットを比較した表が以下になります。


養老保険のメリット養老保険のデメリット
意識しなくても毎月貯蓄できる保険料が高い
保険料が上がらない早期解約すると元本割れになる
万が一に備えつつ資産形成ができる保障が一生続くわけではない


メリットもデメリットも結構あります、それらについて、もう少し詳しく見ていくことにしましょう。

養老保険のメリット


養老保険はほかの健康保険や終身保険にはないメリットがあります。


掛け捨てではなく、自分が生きているうちにその恩恵を受けられます。


しかも、医療保険のように実際に病気やけがで入院した場合など「不健康な時に恩恵がある」ことに加え、健康で病気やけがをしなかった場合にも「満期保険金」という形でお金が返ってきます。


健康で過ごし、けががないことは素晴らしく、その際にもお金を受け取れるというのは、日常生活を送るモチベーションアップにつながります。

メリット①:意識しなくても毎月貯蓄できる

養老保険は満期になると「満期保険金」という形でお金が戻ってくるタイプの保険です。


保険料として毎月定額を銀行口座などから引き落としになります。


ここまでは普通の保険と同じですが、実際に病気やけがにならなければ戻ってくるお金が戻ってきます。つまり、毎月定期預金を積み立てているのとあまり変わらず、途中で解約しなければ、コツコツ意識せず毎月の貯蓄ができます。


生命保険料として支出するので、年末調整や確定申告時に「生命保険料控除」も利用できます。生命保険控除は特定の計算公式で控除額を決定します。


最高で40,000円の控除ですが、普通に定期預金を積み立てるよりも節税になります。利息がほぼゼロの現在ならば、養老保険で貯蓄し税金を取り戻すのも1つの方法です。

メリット②:保険料が上がらない

生命保険(医療保険なども含む)の場合、終身加入で保険料が変わらないタイプと数年おきに保険料の見直しがあり、保険料が高くなっていくタイプがあります。


後者の保険の場合、年齢とともに保険料がどんどん高くなっていき、かつ、病気やけがで入院や手術したときの保険金額は変わらないので、「コスパ」が悪くなっていきます。


しかし養老保険の場合、加入時に設定した月額保険料が満期になるまでそのまま継続します


毎月の支出について、事前にしっかり計算したうえで保険に加入できます。


保険料が上がらないというのが、養老保険の大きなメリットになります。

メリット③:万が一に備えつつ資産形成ができる

養老保険は死亡保険ですので、保険料を支払っている最中に何かあった場合、家族に死亡保険金を残せます。


死亡保険金の金額は満期保険金と同額であり、満期になるまで元気で暮らせれば生命保険料控除のある(節税になる)積み立てになります。


もし途中で亡くなってしまった場合は、家族へ財産を残せます。


つまり、

  • 貯蓄性と節税効果のある資産形成
  • 万が一の死亡保険金(家族へお金を残せる)
2つの性質を養老保険は持ちます。

よって、自分で貯蓄をして老後に備えることと、万が一のための生命保険に両方加入する必要がなくなり、毎月の支払面でも楽になります。

これは養老保険だから可能なことともいえるでしょう。

養老保険の3つのデメリット|おすすめしないと言われるのはなぜ?

養老保険がメリットばかりであれば、みなさん加入しているはずです。


しかし、養老保険という言葉自体を今回初めて耳にした人もいるかもしれません。


それほど社会に養老保険が広まっていないのは、デメリットも多いからなのかもしれません。


養老保険のデメリットは以下の3つです。

  • 保険料が高い
  • 元本割れのリスクも有る
  • 保障が一生続くわけではない

デメリット①:保険料が高い

養老保険は掛け捨て型の生命保険、医療保険と比べてかなり保険料が高くなっています。


通常の生命保険の場合、毎月の保険料は(プランにもよりますが)3,000円~5,000円というものが多いはずです。


若いころに加入していれば、月額2,000円を切るケースもあります。


しかし、養老保険の月額保険料はとても高く、いくら満期になって満期保険金としてかえって来ても、家計を圧迫するため払えないことがあります。


おすすめしないのはこの月額保険料の高さにあります。何社か、養老保険の月額保険料を列挙します。


(35歳男性の場合)

養老保険会社月額保険料
K生命29,000円
S生命36,450円


一般的な生命保険と比較して約10倍の保険料になっています。満期に返ってくるとは言えかなりの出費です。


余裕がないと養老保険の貯蓄ができないといえます。

デメリット②:早期解約すると元本割れになる

養老保険は途中で早期解約することもできます。掛け捨てではないので、それまで支払ってきた保険金は返ってきます。


しかし、全額ではありません。


早く解約してしまった場合、支払った保険料の累計額より解約返戻金が少なくなってしまう可能性があります。


いつでも自由に引き出せるわけではないので注意してください。養老保険は貯蓄性があるといっても、銀行の定期預金ではありません。


あくまで貯蓄にもなる保険なので、解約した場合、全額元本が保証されるわけではないので注意してください。


もちろん、途中で何かあればその際には満期保険金相当額が支払われます。


貯蓄メインで考えていて途中で解約する可能性がある人にはおすすめできないことになります。

デメリット③:保障が一生続くわけではない

養老保険は終身保険ではありません。10年、15年、20年と保険料を払い込む期間が決まっているタイプ、あるいは70歳、75歳など満期になる年齢が決まっているタイプがあります。


終身保険ではなく、一定の保険期間の制限があります。


当然、年齢が上になればなるほど病気やけがで亡くなる(保険の対象になる)リスクが上がります。健康なうちの貯蓄はできても、本当に病気やけがで亡くなってしまう時に保険の対象にならない可能性があります。


一生涯続くわけではない養老保険です。


もし、貯蓄や満期保険金の積み立てにこだわるならば、養老保険ではなく定期預金(利息はほぼ0ですが)やiDeCoなどにお金を振り分けるべきです。


そんな方には養老保険はおすすめできないと言えます。

養老保険をおすすめしない人とその理由

養老保険はこのようにメリットとデメリットがはっきりしています。す


べての人に勧められるわけではなく、おすすめしない人も多いです。万人におすすめできる保険ではなく、「癖のある保険」と言い換えることもできそうです。


おすすめしない人は無理をして養老保険に入らず、通常の生命保険などでOKなのですが、どういう人がおすすめしないのか、簡単にまとめてみました。

保険・貯蓄・投資を明確に分けたい人

保険はあくまで何かあった時のリスクヘッジのための手段。


そうではなく貯蓄は貯蓄、余裕があれば投資に回したい人は養老保険をおすすめしないです。


上記のように養老保険の毎月の掛け金は高く、3万円前後します。掛け捨ての生命保険に3,000円くらいで加入し、残りを貯蓄(金融機関の定期預金など)や株式投資、FXなどに回した方がいい人もいます。


養老保険はそれだけで家計の負担になってしまう可能性があり、さまざまなマネーゲームをしたい人や、保険・貯蓄・投資を明確に分けたい人にとってはおすすめしないことになります。

一生涯の保障が欲しい人

養老保険は保険の対象期間、あるいは満期の年齢が決まっています。一生保障が続くものではありません。


もし、ずっと保障が続く保険に入りたいなら、養老保険はおすすめしないことになります。


生涯保障される保険の方が、月々の掛け金を抑え、いざという時に家族へお金を残せます。


あとは個人の価値観ですが、おすすめしないことの大きな理由になります。

養老保険に加入するのがおすすめな人とその理由


一方、養老保険に入った方がいい人、おすすめしたい人もいます。


  • 保障と貯蓄をセットにしたい方
  • 着実にお金を貯めたい方

こういう方は、ぜひ養老保険への加入を検討してみてください。


そしてその場合は、ご自身だけで判断せず、保険の専門家などへ相談し、アドバイスを受けて見ると良いでしょう。

保障と貯蓄をセットにしたい方

保険・投資・貯蓄を分けたいという人もいますが、逆にそれらを分けて管理するのが面倒だという人もいます。


後者の場合、何かあれば保険金が支払われ、そうではなく健康に過ごせた場合は、知らない間に貯蓄されていた、という養老保険のほうがおすすめできます。


保険、貯蓄、(+投資)を別々に行うのは結構時間やコストがかかります。養老保険ならばそれらをまとめて一括でできるので、コスパがよくなります。


あとは月額保険料を支払えれば問題ありません。保障と貯蓄をセットにしたい人には養老保険がおすすめできます。

着実にお金を貯めたい方

養老保険は保険料として毎月掛け金を納めます。この方法によって半強制的にお金を積み立てられます。


貯蓄の習慣がなく、貯蓄が苦手で、手元にお金を持っていると使ってしまうタイプの方の場合、養老保険に加入することもおすすめです。


いざという時の保険を解約することはかなりの心理的なハードルになります。


したがって(やむなく)保険料を払い続けることになるはずです。


結果的に自然とお金を積み立てられるようになり、最終的には満期になるまで貯蓄できます。


もちろん、その間に何かあれば保険金が下ります。着実にお金を貯めたい人にとっては、養老保険はうってつけと言えるでしょう。

養老保険について不安や悩みはプロに相談してみよう

このように養老保険にはさまざまなメリットとデメリットがあり、すべての人におすすめというものではなく、それぞれの方のライフプランや価値観に影響される部分もあります。


魅力的でははないな、と感じる人がいてもまったく問題ありません。


養老保険がご自身の人生設計に合うかどうかはその人次第です。


もし少しでも養老保険について興味がある方はマネーキャリアをぜひご利用ください!


専門家がみなさんの希望に合った養老保険や他の生命保険などを提案します。

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