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この記事では60代の人が医療保険に加入しようとするとき、どのような保障内容や保険種類を選べば良いのか悩んでいる人に対して、詳しく解説しています。

入院保障や特約の付加など、充実させるためには高い保険料が必要となります。

また60代になると医療保険に対する保険料が高くなってしまうので、ぜひ参考にして最適な医療保険を見つけてくださいね。

この記事を読んで欲しい人
  • 60代でどんな医療保険に加入した良いのか悩んでいる人
  • 60代の医療保険にはどのような保障内容が必要なのか
  • 医療保険に加入するときに参考するポイントを知りたい
この記事を読んでわかること
  • 60代が医療保険に加入する必要性がわかる
  • 60代に必要な医療保障や目安の金額を知ることができる
  • 60代の人が医療保険に加入するときの注意点がわかる

60代は医療保険に加入しようとすると保険料が高くなってしまうので、保険商品の選び方や保障内容の選び方が重要となります。この記事では60代における医療保険の選び方について詳しく解説しています。長期入院が保障されなかったなど後悔しないためにも参考にして下さい。

この記事の目次

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60代の医療保険の選び方を解説


病気や怪我に対するリスクに備えるための医療保険ですが、病気や怪我による治療期間が長期にわたる傾向の60歳以降では、特に医療保険への加入が必要とされますが、選び方が非常に重要です。


60代のひとでも新たに医療保険へ加入する必要があるのか

どんな医療保険が良いのかわからない


このような悩みについて、医療保険の選び方について詳しく解説しています。

ぜひニーズにあった医療保険を見つける参考にしてみてください。

まずは医療保険の必要性を考えよう

病気や怪我によって発生する医療費へのリスクは、年齢が高くなればなるほど備えが必要と言えます。


生命保険文化センター「入院した場合、入院日数は何日くらい?」によると、全体な傷病に対する年齢別の入院日数は以下のとおりです。

入院日数全体の疾病に対する平均入院日数
全年齢32.3日
0~14歳8.9日
15~34歳12.2日
35歳~64歳24.2日
65歳以上40.3日
70歳以上41.7日

65歳を超えると、全年齢に対する平均入院日数を上回り、入院が長期化してしまう傾向があることがわかり、入院日数の長期化による医療費に備えた選び方で入院保障を検討しましょう。


血管性及び詳細不明の認知症では65歳を超えると1,147日アルツハイマー病では274日の平均入院日数となっており、健康保険が適用とならない入院中の差額ベッド代や食事代は、非常に大きな負担となる可能性が高くなります。


また、骨折でも65歳以上だと46日という長期の入院期間となっていることから、病気だけでなく怪我に対する医療費の備えた選び方が必要です。


貯蓄で医療費を補うという方法もありますが、先進医療を受ける場合には技術料は全額自己負担となるため、多額な医療費で老後資金が激減してしまう可能性があることを考えると、医療保険に加入し高額な医療費に備えた選び方が重要だと言えるでしょう。

保障や金額を決めてから商品を選ぼう

医療保険は非常に多くの保険商品が販売されており、商品ごとに保障内容に違いがあります。


そのため、医療保険に加入しようとするときは、どのような保障内容でどれくらいの保障金額を必要とするのか決める選び方から始めましょう。

  1. 病気や怪我による入院や手術などの医療費
  2. がんに対する医療費
  3. 糖尿病や肝硬変などに重篤疾病に対する医療費

一般的な医療保険には、入院と手術保障が基本保障となっており、保険商品によっては先進医療に対する保障が主契約にセットされている場合があります。


がんへの保障などを加えたい場合は、特約として付加しなければなりません。


医療保険を探すときには、保険料が大きな負担とならない程度に、必要な保障や保障金額を選ぶ必要があるため、できるだけ多くの保険商品を比較しながら検討することが大切だと言えます。

基本となる入院給付金日額を決める

保険商品によっても異なりますが、一般的な医療保険では入院日額5,000円プランや10,000円プランとして、入院日額があらかじめ定められた状態で販売されています。


入院日額が多いに越したことはありませんが、保障を厚くすれば保険料は高くなってしまいます。そのため、入院日額はどれくらいの金額が必要なのかと悩んでしまうひとは多くいることでしょう。


生命保険文化センター「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」では、実際に必要となった1日あたりの入院費用について、一番多かったのは10,000~15,000円未満で23.3%、次いで20,000~30,000円未満の16.0%と発表されています。


ただし所得に応じて医療費の自己負担額が決まる高額療養費制度など、公的保障制度を利用することで医療費を軽減することができるので、60代の医療保険では入院日額5,000~10,000円で加入するひとが多い傾向にあります。

入院限度日数を決める

入院保障には、2つの限度日数が設けられています。

  • 1回の入院に対する限度日数
  • 入院の通算支払限度日数
これらの限度日数は、医療技術の発達による短期入院化傾向に合わせて、医療保険による入院限度日数も比例するように短期化されています。

1回の入院に対して60日までの保障が一般的で、なかには120日など長期入院に備える保障もありますが、逆に30日という短い入院限度日数の医療保険も販売されているので、注意が必要です。

若い年代では短期入院が多くなりますが、60代になると入院期間が長くなってしまう傾向があるので、入院限度日数の選び方は、できるだけ長い期間を保障してくれる医療保険の方が安心できると言えるでしょう。

また、一度保険に加入すると通算支払限度日数があるため、保険を更新しても適用されるため、できるだけ限度日数が多い選び方が良いでしょう。一般的には1,095日と設定されていることが多くなっています。

医療保険における入院日数限度額には、保険商品によって以下のような設定があります。

入院支払限度日数保険商品による違い
1回の入院に対する支払限度日数30日、60日、120日、180日、360日、730日
通算支払限度日数700日、730日、1,000日、1,095日

またがんによる長期入院に備えるなら、入院限度日数が無制限のがん保障を検討することが必要となるでしょう。

手術給付金の内容を決める

入院給付金を基準に手術給付金額が設定されている医療保険が多くあります。入院日額をもとにした倍率で手術給付金が支払われるものです。


手術給付金を請求すると、手術名によって5倍~40倍まで支払われることになります。この場合、請求するまで、どれくらいの倍率で支払われるのかが不明瞭だと思われがちです。


しかし、健康保険が適用される1,000種類程度の手術に対応しているケースが多いため、大きな手術となった場合は20倍や40倍が支払われることになります。


手術保障額を決めるときは、入院日額とともに検討する選び方をしましょう。


逆にわかりやすい医療保険では、手術1回に対して手術保障額が定められている保険商品も存在します。


約款などを詳しく見てみると、手術名に対して手術給付金の保障額が変わる場合があり、1回の手術で保障額の全額が支払われるとは限らないケースもあるので、注意して確認しておきましょう。

特約を付けるか決める

医療保険に付加できる特約は、保険会社や保険商品によって様々です。そのため、必要な保障内容を決めて、その特約を付加できる保険商品を探す選び方が大切です。


一般的な特約の種類は以下のとおりです。

特約の種類保障内容
がん特約がんに特化した保障で、一時金やがんに対する入院保障が日数無制限で給付されるなど
先進医療特約先進医療にかかわる技術料に対して、自己負担額と同額が給付される
三大疾病特約がん・心筋梗塞・脳卒中と診断されたときの一時金や医療保障の上乗せなど
七大疾病特約三大疾病に加え、糖尿病・高血圧疾患・肝硬変・慢性腎不全に対する一時金など
通院特約一般的に入院を伴う通院に対する保障
女性疾病特約女性特有の病気に対する医療保障の上乗せなど


もちろん特約を付加すると保険料も比例して高くなってしまいますので、必要性を考えた選び方をするようにしてください。


60代になるとがんを発症するリスクが高くなりますので、貯蓄による医療費のカバーが難しいなら、特約を付加して保障を充実させておきましょう。

保険期間と保険料払込期間を決める

保険期間保険料払込期間には、大きな違いがあり2つに分類されます。

保険商品による違い保険期間保険料払込期間
終身医療保険一生涯の保障・一生涯保険料を支払う
・一定の期間や年齢まで保険料を支払う
定期医療保険・10年間などの定期期間で更新
・所定の年齢まで更新が可能
・更新できる年齢まで保険料を支払う

終身医療保険なら、更新がないため加入時から保険料が変わることなく継続できますが、一生涯の保障という長い期間のため、保険料は割高に設定されています。


定期医療保険の場合、保険料は安く設されていますが、更新ごとに保険料が上がってしまい、一定の年齢や期間を迎えると更新することができず、保障は消滅します。


60代になり年金生活になると、現役時代に比べて収入が減ってしまう可能性が高くなるため、家計にとって大きな負担にならないよう、保険料と比較しながら検討する選び方が重要です。


保険種類によって、保険期間や保険料払込期間に大きな違いがあるので、注意して検討するようにしましょう。

掛け捨てか、貯蓄型にするか決める

一般の医療保険は掛け捨て型が多く、保険期間を満了したり解約しても、満期金や解約返戻金はありません。


反対に、貯蓄型の医療保険には以下のようなタイプがあります。

  • 一定期間ごとにお祝い金が支払われるタイプ
  • 解約返戻金を受け取れるタイプ
  • 一定の年齢に達すると支払った保険料が返金されるタイプ
解約すると解約返戻金を受け取ることで保険は消滅しますが、支払った保険料が返金されるタイプは、受け取ってからも保険料の支払いを継続することで、医療保障を持ち続けることができます。

これら2つの種類に対して気をつけるべきなのは、保険料の違いです。

掛け捨て型の方が保険料は割安に設定されているため、検討がしやすい傾向にありますが、貯蓄タイプは、将来支払うべきお祝い金や解約返戻金などを準備する必要があるため、保険料は高く設定されています。

保険料は継続して支払うものとなりますので、家計に負担を与えない程度に気をつけて、保険のタイプを決める選び方がポイントです。

医療保険に支払う保険料の目安を決める

保険は加入年齢が高くなればなるほど、保険料は高くなってしまいます。


特に50歳を超えると保険料が高くなってしまう傾向があるため、60代になると医療保険の保険は高額になると言えるでしょう。


生命保険文化センター「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査(速報版)」によると、2021年度の調査における年齢別世帯の年間払込保険料は以下のとおりです。

年代世帯の年間払込保険料
40~44歳
34万8,000円
45~49歳
37万5,000円
50~54歳
43万2,000円
55~59歳
43万6,000円
60~64歳38万4,000円
65~69歳43万6,000円
70~74歳33万6,000円
75~79歳31万4,000円
80~84歳28万6,000円
85~89歳35万8,000円
90歳以上25万6,000円

60歳代では、月額3万2,000円~3万6,000円程度となっており、入院日額の選び方において1つの目安にすることができます。


保険料は家計状況に合わせて、無理なく継続できるように設定した医療保険に加入するようにしましょう。

条件に合う医療保険を探して加入する

医療保険は、保険商品によって保険料や保障内容に違いがあるため、1種類だけの医療保険を見て加入する選び方はおすすめできません。


ニーズに合った医療保険を探すためには、以下のポイントに注意して比較しながら検討する選び方が重要です。

  1. 保険期間や払込期間は?
  2. どのような保障が必要となるか?
  3. 貯蓄性を求めるか?
  4. 保険料は適切か?
  5. 支払われないケースはどんな場合か?
60代のひとが新たに医療保険に加入しようとすると、保険料が高くなってしまうため、特に支払われないケースについて確認しておくことは非常に大切です。

せっかく高い保険料を支払っているのに、いざというときに役に立たない医療保険だと意味がありませんよね。

そのため、加入する前に保障内容についてニーズと合っているのかを確認しておくことが重要となるのです。

保険の専門家に相談するのが一番おすすめ

医療保険に限らず、保険は保険商品ごとに定められている約款によって、細かい規程が記載されています。しかし、保険知識がなければ専門用語や仕組みなど、理解しづらい内容となっているのです。


請求したら保障の対象外と言われた

更新できないと言われて保障がなくなった

このような保険に対する悩みは非常に多くあります。


このような悩みを持たないようにするためには、保険へ加入する際に保険の専門家へ相談することをおすすめします。


無料の保険相談を活用することには、以下のようなメリットがあるのです。

  1. 必要とする保障内容に対する数種類の類似商品を比較して検討できる
  2. 約款などに記載されている重要ポイントをわかりやすく解説してくれる
  3. 支払われないケースなど、事前に説明してくれる
保険の専門家だからこそ、豊富な経験と知識を持っているので、医療保険に加入する前にはぜひ保険の専門家に相談し、保険の選び方についてアドバイスをもらいましょう。

60代の方が医療保険を選ぶ際の注意点

医療保険を選ぶとき、60代のひとには気をつけておいて欲しい点をまとめています。

  • 60代は保険料が比較的高額になりがち
  • 医療保険に加入する際の持病
  • 女性特有の病気や持病・既往症に対する保障
  • 割高な保険料払込免除特約はコスパが悪い傾向がある
保障内容や保険料だけでなく、60代はこれまでの持病や既往症にも気をつけて、医療保険を選ぶ必要があるので、選び方には注意しておいてください。

60代で医療保険に加入すると保険料が比較的高額になる


保険料が高いと言われる60代の保険料は、実際どれくらい高くなってしまうものなのでしょうか。


入院給付金5,000円、手術給付金5万円、1回の入院は60日まで保障される、終身医療保険の場合で、男性の保険料を比べてみましょう。

保険料の比較A保険会社
(先進医療保障なし)
B保険会社
(先進医療保障あり)
40歳2,121円1,859円
50歳2,892円2,649円
60歳3,923円4,024円
65歳4,566円4,789円
69歳5,124円5,549円

60代以降は、病気や怪我に対する医療期間が長期に渡るリスクが高くなるため、一般的に保険会社は保険料を高く設定しているのです。


保険継続に大きな影響のある保険料は、必ず保険商品を比較しつつ検討する選び方をしてくださいね。

持病を持っていないか確認

医療保険に加入する際には、健康状態に対する告知が必要となり、告知項目に該当すると保険に加入できなかったり、加入できても条件が付加されてしまうので、持病既往症には注意しておきましょう。


一般的な告知内容は以下のとおりです。

  • がんと診断されたことがある
  • 過去5年以内に病気で入院や手術、検査や治療をおこなった経験がある
  • 過去2年以内に健康診断や人間ドッグで要治療や再検査など指摘を受けた
  • 過去3ヶ月以内に病気や怪我で医師の診察や治療、投薬や検査を受けた
このような内容に該当する場合は、一般の医療保険ではなく、告知項目が3つ程度の引受基準緩和型保険や、告知のない無告知型保険への加入を検討することになります。

ただし、これらの保険は一般の医療保険より保険料が高く設定されており、保障内容も限定的なため、加入時には十分な検討が必要です。

女性特有の病気や持病の保障も検討しよう

60代になると性別にかかわらずがんを発症するリスクが高くなると言われています。


女性の場合、子宮がんや卵巣がん、乳がんなど女性特有の病気に対して備えておく必要性が高くなります。子宮筋腫などの持病や既往症があると、60代以上になるとがん化してしまう恐れもあると考えられているのです。


また男性も含め大腸ポリープや潰瘍性大腸炎などから大腸がんを発症するリスクがあるなど、免疫力が低下しだした60代は、特に持病や既往症、女性特有の病気に対して備えておくことが大切だと言えるでしょう。


すでに手術などで完治した場合でも、良性の大腸ポリープが再発した場合、次はがん化してしまう可能性が60代では高くなってしまうのです。


このような背景から、今までの持病や既往症を踏まえて、保障内容を決めることをおすすめします。

60代での保険料払込免除特約のコスパは比較的悪い

所定の状態に該当した場合に保険料の支払いが免除される保険料払込免除特約ですが、非常に複雑な条件で、該当する状態や該当しない状態について、詳しく理解することが重要となります。


保険料払込免除特約を付加する際には、以下の2点については注意が必要です。

  1. 年齢が高くなればなるほど、特約の保険料が高くなる
  2. 高齢になると残りの保険期間が短くなり、適用された場合でも期間は短い
60代以降に残る保険期間は、若いひとに比べて短くなるため、特約の恩恵を受けることなく保険期間が終わってしまう可能性があるのです。

保険料払込免除特約は掛け捨てで保険料が高く設定されているため、リスクと保険料から考えると、コスパは比較的悪いと言えるかもしれません。

しかし、がんの罹患率など病気の発症リスクが高くなる60代ですので、特約の必要性と支払うことができる保険料を十分検討したうえで、特約の付加を決める選び方がおすすめです。

保障の重複に注意

生命保険にも医療特約を付加できたり、障害保険で怪我に対する医療保障を付加することが可能です。


すでに何らかの民間保険に加入している場合は、新たに加入する医療保険と保障内容が重複しないように気をつけておく必要があります。


医療技術の進歩に合わせて医療保険も保障内容において充実さを増しているため、生命保険の医療特約では不足だと感じて、新しい医療保険に加入するひとも増加しています。


しかし、古い医療特約と新しい医療保険では、すべてが違うわけではなく入院や手術に対する保障が似ているところもあるのです。


とはいえ古い医療保険では、日帰り入院が保障や手術保障が支払いの対象外となってしまうケースも考えられます。


最新の医療保険を検討するときは、重複する保障があると保険料も重複していることに繋がるため、十分に確認することが大切です。

まとめ:60代の医療保険の選び方

60代になって新しく医療保険に加入しようとすると、保険料が高くなる傾向があるため、必要とする保障内容と合っているのか十分確認するようにしましょう。


終身医療保険と定期医療保険の違い、入院の通算限度日数、手術保障、その他の特約など勘違いや確認不足で加入してしまうと、いざというときに後悔してしまいます。


とくに保険料を重視して加入すると、思ってもいない悩みを持ってしまう可能性もあるのです。


60代になると、どんな医療保険が良いのか悩んだときには、無料の保険相談窓口にアドバイスしてもらうことで、相談者に最適な保険商品をピックアップしてもらうことができるのでおすすめです。


ぜひ後悔しない保険料と保障内容の医療保険を、見つけてくださいね。

記事監修者「谷川 昌平」

この記事の監修者谷川 昌平
フィナンシャルプランナー

東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。