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▼この記事を読んで欲しい人
子どもが生まれたばかり、もしくは小さい子どもがいる人
収入保障保険が必要か悩んでいる人
どのようにして収入保障保険を選べばいいかわからない人
死亡保障保険の見直しを考えている人

▼この記事を読んでわかること
収入保障保険の必要性
収入保障保険を検討する上で考えるポイントと手順

遺された家族が不自由なく生活するために、亡くなった人から毎月給与のように受け取れるのが収入保障保険です。この記事では、いくつもある収入保障保険からどうやって自分にあうものを選べばよいかの手順をお伝えします。後悔のない保険選びのためにも、最後までお読みください。

監修者「谷川 昌平」

監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー

株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。
>> 谷川 昌平の詳細な経歴を見る

この記事の目次

収入保障保険の選び方

収入保障保険の必要性から順を追って、8つのポイントごとに選び方を解説します。


収入保障保険はかけすての死亡保障であるため、契約途中の解約や、保障期間が終了しても戻ってくるお金はありません。また死亡保障や高度障害状態のみに支払われる保険であることから、医療保障もありません。


収入保障保険の特徴をおさえたうえで、どのように収入保障保険を選ぶか確認していきましょう。

まずは収入保障保険の必要性を考えよう

収入保障保険は被保険者が死亡したときに、遺された家族に対して毎月○万円のように支払われる保険です。遺された家族の生活を守る必要があれば、第一優先で収入保障保険が必要といえます。


特に収入保障保険の必要性が高いのは以下のような人です。

  • 生まれたばかりの子ども、もしくは小さい子どもがいる共働き夫婦
  • 専業主婦(夫)の配偶者
  • 貯金がなく負債がある人
  • 親の生活費を負担している人
いずれの人も、亡くなったあとに遺された家族の生活に経済的な影響があります。もし貯蓄があったとしても、その金額で何年くらい生活が可能か考えてみて足りるのかどうかを確認しましょう。

保険には収入保障保険以外にも、以下のような備えのできる保険の種類があります。
  • 3大疾病などの治療費への備え
  • 入院時の医療費への備え
  • 病気やけがで働けないリスクへの備え
  • 介護状態になったときの備え
様々な保障がある中で、亡くなったときに経済的な負担がある家族がいる人は収入保障保険の優先度が高くなります。次に生きているときに起きうるリスクに備えます。

すべての人に必要な保険ではありませんが、一部の人には必須と言える保険です。

付けたい保障と保険料の目安を決めてから商品を選ぼう

収入保障保険を選ぶときは、ネットで調べて出てくるおすすめなどで選ぶのは控えましょう。それぞれの収入保障保険の特徴や毎月の保険料を比較してから、自分にあっている保険を選びます。


基本保障が死亡時の保障なので大きな差はありませんが、以下のポイントも注意しながら保障内容や商品を決めていきます。

  • 死亡+高度障害状態でも支払われるか(高度障害状態が支払い対象外になっていないか)
  • 魅力的な特約があるか
  • タバコを吸っていないか
  • 健康診断結果に異常がないか
年齢や喫煙の有無、健康状態によって保険料が大きく変動するのが収入保障保険です。支払いに無理のない金額で保険料を設定しましょう。

失業保険など公的保険を考慮して失業後に必要な金額を見積もる

亡くなった人が生命保険に入っていなくても、状況によっては遺族年金が受け取れます。遺族年金は亡くなった人が「どんな年金の種類にいくら支払っていたか」で変わるため、全員が同じくらいのお金を受け取れるわけではありません。


【受け取れる遺族年金】

  • 遺族基礎年金
  • 遺族厚生年金
遺族基礎年金は、年額795,000円+子の加算額(1人につき228,700円)です。亡くなった人が自営業やフリーランス、会社員、公務員などの、どんな職種でも遺された家族は遺族基礎年金を受け取れます。

遺族厚生年金は、亡くなった人が会社員や公務員でなければ受け取れません。平均標準報酬額(4~6月の収入の平均額)で受け取れる遺族厚生年金が決まるので、収入が高ければ高いほど受け取れる額が大きくなります。

オリックス生命の遺族年金早見表で、いくらくらいの遺族年金が受け取れるのか確認し、不足する生活費を算出しましょう。足りない分が収入保障保険で必要な金額です。

見積もった必要金額を基に年金月額を選ぶ

毎月遺族年金がいくら受け取れるのかがわかったら、足りない分を保険金額で設定します。


例えば、遺族年金が毎月約10万円受け取れる場合。毎月の生活費や教育費など、家族が生活していくための費用として20万円が必要であれば、遺族年金の不足している10万円を収入保障保険の保険金額とします。


将来必要となる子どもの教育費については、生活費と合算するのではなく別で考えるのがわかりやすいでしょう。教育費用のための死亡保障を用意する、もしくは貯蓄で備えておき、収入保障保険はあくまでも生活するための保険として考えます。


家族がどんな生活を送って欲しいのかイメージすることが大事です。

健康に自信がある人や喫煙しない人は健康体・非喫煙割引のある保険がお得

収入保障保険は大きく以下の3つに分かれます。

  • 非喫煙・健康体
  • 非喫煙・標準体
  • 標準体
タバコを1年以内に吸っていない人と、2年以内に健康診断を受けており検査結果に異常がない人は保険料の割引があります。

タバコは吸っていないけれど健康診断で異常が見つかった人は、非喫煙割引のみを使える収入保障保険もあります。健康診断で異常が見つかっても割引が絶対使えないことはありません。

結果の内容や、再検査の結果次第では健康体の割引が使える可能性もあります。現状の告知内容を調べたり専門家に確認したりすることをおすすめします。

  • 非喫煙・健康体の割引が大きく保険料が安い
  • 標準体なら○○生命の収入保障保険が安い
などの特徴が各商品にあるので、自分が割引のきく状態にあるのかを確認して1番保険料が抑えられる商品がなにかを調べることが大事です。

保険期間を選ぶ

保険金額が決まったら保険期間を決めます。つまり「いつまで保障してもらうか」「何歳までの間に死亡したら受け取れるのか」を検討します。


保険期間をいつまでにするか決めるにはいくつかポイントがあり、以下のような内容です。

  • 子どもの独立まで
  • 妻(もしくは夫)が老齢年金を受け取れる年齢になるまで
  • 妻(もしくは夫)が退職する年齢に達するまで
考えやすいのは1番お金が必要となりやすい子どもが大学卒業するまでの期間です。卒業後は妻(もしくは夫)だけの生活費がまかなえればよいため、自分の収入だけで足りると考えられます。

他にも、一部の人は「負債の支払いが完了するまで」「親の生活費が必要な一定時期まで」などのタイミングを目処に保険期間を設定します。

保険料の目安を決める

おおよその毎月の保険料の予算を立てましょう。


収入保障保険はかけすての保険なので、保険期間が終わり満期になってもお金が戻ってくることはありません。途中で解約しても同様です。


収入保障保険では、特約として3大疾病(がん・心疾患・脳血管疾患)の保障をつけたり、就業不能(働けないときの保障)をつけたりできます。死亡保障以外の部分も保障するのかで保険料が大きく変わります。


毎月もしくは毎年支払いするものなので、無理のない金額で保障が続けられるように考えて保険料を決めましょう。ただし「保険料の優先度が高くなりすぎて、死亡時に必要な保険金の受取ができない」事態は避けましょう。

条件に合う収入保障保険を探して加入する

収入保障保険は各社から販売されており数がとても多いので、ひとつひとつの商品を自分で調べるのは現実的に難しいといえます。そこで、収入保障保険の比較サイトを使って自分にあった収入保障保険を見つけましょう。


例えば、マネーキャリアという比較サイトでは年齢と性別を入れるだけで収入保障保険の一覧がでてきます。保険料の概算もあるのでおおよその保険料もわかるでしょう。


それぞれの保険商品の特徴もわかるようになっており、商品比較が楽になります。非喫煙や健康体の割引があるのか、保険料以外の特徴に違いがないのか、必ず保険料に影響のあるポイントを比較してから決めてください。


マネーキャリアはこちらから

収入保障保険を選ぶなら保険の専門家に相談するのが一番おすすめ

比較サイトを使っても商品が多かったり、保険会社によって特約の内容が違っていたりして「自分で決めるのは難しい」と感じる人もいるでしょう。各社で表現の仕方に違いがあり、単純に同等の内容なのか判断できず比較がしにくいと感じる人もいます。


ネットでは保険料の見積もりが出せない、保険会社や代理店などで相談しないと紹介できない収入保障保険もあり、ネット上だけで決めるのはもったいないです。そもそも収入保障保険は非喫煙かどうかの判断や健康診断結果を提出しないと保険の手続きができないこともあるので、ネットでの申込みがしにくいこともあります。


保険のプロに「どの収入保障保険がいいのか」「そもそも保険金額や保険期間はこの設定でいいのか」「その他特約はつけるべきか」などの相談をしてから決めると、さらに安心感が増すでしょう。


無料で保険のプロに相談しよう

収入保障保険を選ぶ際の注意点

収入保障保険を選ぶときに注意すべき点は以下の2つです。

  • 仕事を休業するリスクにも備えたい人は就業不能状態の保障も付けておく
  • 支給条件が厳しすぎないかチェック
生きているときに起こりうるリスクに備えておきたい人は、就業不能特約のある収入保障保険も検討しましょう。どんな状態で保険が受け取れるのかを確認することも重要なので、詳しく解説していきます。

仕事を休業するリスクにも備えたい人は就業不能状態の保障も付けておく

収入保障保険の基本保障は、死亡したときに遺族に毎月保険金が支払われるという内容です。生きているときに病気やけがで働けなくなると、生活費はそのままに医療費がプラスされて、これまであった収入がなくなるという状況になります。


もし働けないリスクにも備えておきたい場合は、就業不能特約が付けられるもので検討すると良いでしょう。また、就業不能だけではなく3大疾病(がん・心疾患・脳血管疾患)になったときに受け取れるものもあります。


どんな状態のときに保険があったら安心か、イメージをして特約をつけるか考えましょう。


もちろん不要であれば無理に付ける必要はありませんし、就業不能保険や3大疾病保険という単体で加入できる保険で検討も可能です。

支給条件が厳しすぎないかチェック

収入保障保険は、基本保障が死亡時と高度障害状態時なので各社支給条件が異なることは原則ありません。しかし、商品によっては高度障害状態のときの保障がないものもあるので、気をつけておく必要があります。


就業不能の特約をつけるときは、各社で保険金の支給条件が異なるため必ず受取りやすい条件になっているかチェックします。


例えば、以下のような細かな条件を見ておきましょう。

  • 入院日数は何日間必要なのか
  • 精神疾患は対象となるのか
  • 障害等級の認定が必須なのか
就業不能の特約を付帯する場合、保険料も大きく変わるので受取条件が優しいもので検討することが大切です。

まとめ:収入保障保険の選び方

収入保障保険は、遺された家族の生活費を遺族年金で足りない分だけ保障する保険です。よって、遺族年金がいくらもらえるのかをチェックすることが大切になります。


いくら必要になるかがわかったら、各社の商品を比較して自分にあった商品を探します。しかし、非喫煙割引や健康体割引などの収入保障保険特有の割引があるため、自分で各社の商品を調べるのは時間がかかってしまうでしょう。


収入保障保険の比較サイトを使ったり保険のプロに無料で相談したりして、自分にあった収入保障保険を見つけてください。