- 就業不能保険は必要ないと思っている人
- 就業不能保険の選び方がわからない人
- 貯蓄が少ない人
- 個人事業主やフリーランスの人
- 就業不能保険が必要な理由
- 就業不能保険の選び方
- 就業不能保険の選び方の注意点
- 就業不能保険を選ぶ際の相談先
監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
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この記事の目次
就業不能保険の選び方
病気やケガで働けなくなると収入がなくなってしまい、生活に困りますよね。
就業不能保険は、病気やケガで長期間働けなくなってしまったときの収入減少リスクに備えられる保険です。
最近はCMなどでもみかけますが、まだまだ認知度は高くありません。
また、就業不能保険は必要ないと考えている人もいるでしょう。
結論から言うと、就業不能保険は必要な人もいます。
全く異なる二つの意見ですが、就業不能保険の知識を身に付ければ、あなた自身にも答えは出てくるでしょう。
本記事では、就業不能保険の選び方について以下の順序で解説していきます。
- まずは就業不能保険の必要性を考えよう
- 付けたい保障と保険料の目安を決めてから商品を選ぼう
- 傷病手当金など公的保障を考慮して休職中に必要な金額を見積もる
- 見積もった必要金額を基に保障金額を決める
- 保険期間を選ぶ
- 保険料の目安を決める
- 条件に合う就業不能保険を探して加入する
- 就業不能保険を選ぶなら保険の専門家に相談するのが一番おすすめ
それでは、就業不能保険の選び方を一つずつ見ていきましょう。
まずは就業不能保険の必要性を考えよう
まずは、就業不能保険の必要性を以下の3つの視点で考えていきましょう。
- 保険の選び方
- 働けなくなるリスクに対する不安
- 就業不能保険の加入率
保険には、万が一の場合に備えての死亡保障、病気やケガのリスクに対する保障、教育費や老後資金に備えた長期的な貯蓄など、さまざまな目的があります。
たくさんの保険に入れば安心かもしれませんが、そのぶんコストがかかります。
よって、保険を選ぶときには加入する目的を明確にし、優先順位が高い保険に入ることをおすすめします。
就業不能保険を検討している人は、働き盛りの20~40代の人が多いでしょう。
まずは、自分や家族の必要とする保障が何かを明確にします。
例えば「20代で貯蓄が少なく病気になったら生活できない→医療保障が必要」「30代で子供が二人いるので自分が死んだら子供が困る→死亡保障が必要」などです。
自分に必要な保障が明確になったら、次に就業不能保険の必要性を考えてみましょう。
就業不能保険は病気やケガなどで働けない場合の収入減少に備える保険です。
まずは「世帯主が働けなくなった場合、経済的備えに不安を感じますか?」という調査結果をご覧ください。
割合 | |
---|---|
非常に不安 | 36.9% |
少しは不安 | 37.8% |
たぶん大丈夫 | 16.8% |
大丈夫 | 3.6% |
不明 | 5.0% |
出典:生命保険文化センター「2021年度 生命保険に関する全国実態調査」
表からわかる通り、8割近くの人が働けなくなる場合のリスクに不安を感じています。
それでは、実際の就業不能保険の加入率を見ていきましょう。
割合 | |
---|---|
29歳以下 | 26.2% |
30~34歳 | 34.6% |
35~39歳 | 30.9% |
40~44歳 | 26.3% |
45~49歳 | 28.7% |
出典:生命保険文化センター「2021年度 生命保険に関する全国実態調査」
表からわかる通り、20~40代の約3割の人が就業不能保険に加入しています。
この結果は予想よりも高い数字だったかもしれません。
以上から、「保険は自分や家族の必要とする保障から優先して入るのがおすすめ。就業不能保険が必要かどうかは人によりますが、働けなくなる場合のリスクに不安を感じている人は多く、就業不能保険の加入率の高さからも加入を検討してみましょう。」というのが結論です。
付けたい保障と保険料の目安を決めてから商品を選ぼう
前項で、就業不能保険の必要性について述べてきました。
この項から就業不能保険の選び方について具体的に解説していきます。
就業不能保険の商品を選ぶときは、いきなり保険ごとに比較するのではなく、自分に最適な保障内容や保険料の目安を決めてから、その条件に当てはまる保険を探すのが良いでしょう。
まず保障内容を決めます。
具体的には、「支払われる保険金額」「何歳から何歳まで加入するか」「どのような場合に保険金が支払われるか」を考えておきましょう。
次に保険料の目安を決めます。
一般的に保険料の目安は給料の5〜10%と言われていますが、20代と40代では保険料の割合が異なるでしょう。
自分の給料や生活費の中から無理なく払える金額を設定してください。
傷病手当金など公的保障を考慮して休職中に必要な金額を見積もる
就業不能保険の選び方では、傷病手当金など公的保障を考慮して休職中に必要な金額を見積もることが大切です。
まず、病気やケガで働けなくなった場合に利用できる公的保障について確認しましょう。
会社員や公務員の場合、加入先の健康保険から傷病手当金が支払われます。
傷病手当金は支給を開始された日から最大で1年6ヶ月、1日あたりの支給金額は概ね給料の3分の2程度と覚えておきましょう。
具体的な計算式は
支給開始日以前12ヶ月間の各標準報酬月額を平均した額/30日×3分の2
となります。
例えば、会社員や公務員の場合、月給30万円の人は、あくまで単純計算ですが1ヶ月に約20万円支給されます。
上記を参考に、会社員や公務員の人は傷病手当金を考慮して休職中に必要な金額を見積もりましょう。
しかし、個人事業主やフリーランスの人が加入している国民健康保険には傷病手当金の制度はありません。
よって、個人事業主やフリーランスの人は会社員や公務員よりも働けなくなった場合のリスクは高く、必要な保証金額も高くなる可能性が高いと言えるでしょう。
見積もった必要金額を基に保障金額を決める
就業不能保険の選び方では、傷病手当金など公的保障を考慮して休職中に必要な金額を見積もり、見積もった必要金額を基に保障金額を決めることが大切です。
必要な生活費は人によって異なりますが、会社員Aさん(35歳)の例で考えてみましょう。
Aさんの月収は約35万円、家族は妻と子供1人、賃貸暮らしで家賃は8万円、1ヵ月の生活費は平均約25万円です。
Aさんはがんと診断され、1ヵ月間の休職を余儀なくされましたが、傷病手当金が約23万円支給されました。
Aさんの場合は1ヵ月に約10万円が民間保険によって支給されれば、普段と同じような生活が無理なく送れることがわかります。
このように、就業不能保険の保障金額は公的保障などを考慮して適切な金額を決めましょう。
保険期間を選ぶ
就業不能保険の選び方では、保険期間を適切に設定することが大切です。
長期間保険に入っていれば安心かもしれませんが、コストがかかります。
就業不能保険は基本的に現役世代の保険ですので、必要な時期だけ加入するようにしましょう。
就業不能保険の保険期間は商品によって異なりますが、50〜70歳までの間から5年単位で設定することができます。
「子供が社会人になるまで」「働いている間はずっと」など保障が必要な期間は人によって違いますので、自分にあった保険期間を選びましょう。
なお、保険会社によっては保険期間が60歳や65歳までの商品もありますので、注意してください。
保険料の目安を決める
条件に合う就業不能保険を探して加入する
就業不能保険を選ぶなら保険の専門家に相談するのが一番おすすめ
就業不能保険を選ぶ際の注意点
就業不能保険について解説してきました。
早速、就業不能保険を検討しようと思った人も多いでしょう。
しかし、就業不能保険の選び方には注意したいことがあります。
この項では、就業不能保険を選ぶ際の注意点について以下の通りに解説していきます。
- 支給条件が厳しすぎないかチェック
- 持病をお持ちでないか確認
それでは、一つずつ見ていきましょう。
支給条件が厳しすぎないかチェック
就業不能保険の選び方では、支給条件が厳しすぎないかチェックすることが大切です。
保険が支払われるためには保険会社が指定する「所定の就業不能状態」に当てはまる必要があります。
どのような状態が支給条件に当てはまるのかは保険会社によって変わりますが、基本的には病気やケガで入院している状態や医師の指示を受けて自宅療養をしている状態になります。
ここで注意したいのは、「就業不能状態の中にうつ病などの精神疾患が当てはまるかどうか」ということです。
保険会社によっては、働けない状態でも精神疾患は対象外という場合があります。
うつ病などの精神疾患の備えも必要な場合は、加入するときに精神疾患が保険の支払いの対象になっているかどうかを必ず確認しましょう。
持病をお持ちでないか確認
就業不能保険の選び方では、持病を持っているかどうか確認することが大切です。
生命保険に加入する際は、健康状態や病歴について正しく申告する必要があります。
「治ったから申告しなくていいかな」「大したことない病気だから大丈夫」などの自己判断で申告を怠ると、保険金が支払われない可能性があります。
持病がある人の場合、健康な人と比べると保険の加入へのハードルが高くなるかもしれません。
しかし、絶対に加入できないという訳ではないので、まずは保険会社に問い合わせてみましょう。
また、保険には一般的に免責期間があります。
免責期間に該当した場合には保険が支払われないこともありますので、あわせて注意してください。
まとめ:就業不能保険の選び方
就業不能保険の選び方で最も重要なポイントは、「保険金の支給条件にうつ病などの精神疾患が当てはまるかどうか」ということです。
就業不能保険は働けなくなったときのリスクに備える保険で、病気やケガで収入が減少したときにあなたや家族を経済的に助けてくれます。
しかし、イザというときに保障内容が自分に合っていなければ意味がありませんので、支払条件や保険金額・回数をよく検討してから加入しましょう。
就業不能保険の選び方でご不明な点がありましたら、無料の相談サービスのマネーキャリアにお気軽に相談してください。