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この記事を読んで欲しい人
  • 就業不能保険が必要か迷っている個人事業主
  • 働けなくなったときのことが不安な個人事業主
  • 会社を辞めて、独立しようとしている人
  • 結婚相手が個人事業主で就業不能保険への加入をすすめたい人
この記事を読んで欲しいわかること
  • 個人事業主に就業不能保険が必要かどうか
  • 個人事業主に就業不能保険が必要な理由
  • 就業不能保険が必要・不要な個人事業主の特徴
  • 就業不能保険のメリット・デメリット
  • 就業不能保険の選び方

個人事業主に就業不能保険が必要か悩んでいませんか。病気やケガで働くことができず収入がなくなったときを考えると不安ですよね。この記事では、個人事業主に就業不能保険が必要な理由や、就業不能保険が必要・不要な個人事業主の特徴などを解説するので、参考にしてください。

この記事の目次

個人事業主に就業不能保険は必要か?必要性が高い理由は?

就業不能保険は必要かどうか悩んでいる個人事業主の方もたくさんいるでしょう。

結論から先に言うと、個人事業主に就業不能保険は必要です。
では、なぜ個人事業主に就業不能保険が必要か、気になりますよね。

個人事業主に就業不能保険の必要性が高い理由は、以下の3つです。

  • 傷病手当金をもらえる可能性が低い
  • 生涯年期や遺族年金の金額が比較的少ない
  • 老齢年金の金額も比較的少ない
それぞれ解説しますので、就業不能保険が必要かどうかを判断する参考にしてください。

理由①傷病手当金をもらえる可能性が低い

理由1つ目は、傷病手当金をもらえる可能性が低いからです。


最初に簡単に日本の公的医療保険制度についておさらいすると、日本国民は全員が健康保険制度に加入する義務があります。


会社員や公務員は「健康保険」や「共済組合」、自営業者や個人事業主は「国民健康保険」です。


傷病手当金とは、「健康保険」や「共済組合」に加入している人が、病気やケガで働けなくなったとき、休業4日目から最長で1年6ヶ月までの間、標準報酬日額の3分の2を支給されるものです。


国民健康保険」は傷病手当金の給付は任意で、市町村の国民健康保険での給付実績はほとんどありません。


よって、個人事業主は病気やケガで働けなくなったときは、貯蓄や保険でまかなう必要があります。

理由②障害年金や遺族年金の金額が比較的少ない

2つ目の理由は、障害年金や遺族年金の金額が比較的少ないからです。


公的年金加入者が病気やケガで一定の障害が生じたとき、等級に応じて障害年金が給付されます。


会社員や公務員は、厚生年金の加入があるので、障害基礎年金に障害厚生年金が上乗せされますが、国民健康保険加入の個人事業主には障害基礎年金しか給付がありません。


表にまとめると、以下の通りです。

国民年金厚生年金
受取る年金障害基礎年金障害基礎年金
障害厚生年金
受取るケース障害等級1級・2級障害基礎年金の受給は左記と同じ 
障害厚生年金では障害等級3級の年金と、
3級より軽い場合の一時金もあり

遺族年金も同じです。

会社員や公務員の勤務経験がない個人事業主の遺族には遺族基礎年金の給付しかありません。


以上のように、個人事業主は会社員や公務員に比べて給付される障害年金や遺族年金の金額が比較的少ないため、個人事業主には就業不能保険が必要かどうかと言えば必要と言えます。

理由③老齢年金の金額も比較的少ない

理由3つ目は、老齢年金の金額も比較的少ないからです。


老齢年金とは、公的年金制度に加入していた人が、老後の資金として原則65歳以上から支給される年金のことです。


会社員や公務員は、厚生年金の加入があるので、老齢基礎年金に老齢厚生年金が上乗せされ支給されます。

しかし、個人事業主は、会社員や公務員の勤務経験がなければ、国民年金の加入しかないので老齢基礎年金しか支給されません。


20歳から60歳までの40年間の国民年金加入期間に応じて支給される年金が計算され、40年間保険料をすべて納めれば、満額年金を受け取れます。

ちなみに、令和4年度の満額年金額は、年777,800円、月64,816円でした。


障害年金や遺族年金と同じように、老齢年金の支給額も個人事業主は比較的少ないです。


個人事業主に就業不能保険が必要な3つの理由をふまえて、個人事業主には就業不能保険が必要かどうか判断してください。


就業不能保険が必要な個人事業主の方

次は、就業不能保険が必要な個人事業主がどんな特徴があるかについて、解説します。


下記の2つが、就業不能保険が必要な個人事業主の特徴です。

  • 収入がなくなった場合に対応できるほどの資産がない方
  • 遺伝的に就業不能保険の対象となる病気にかかる可能性が高い方
就業不能保険が必要かどうか判断材料になりますので、自分が上記の特徴に当てはまるかどうか、解説を読みながら照らし合わせてください。

収入がなくなった場合に対応できるほどの資産がない方

最初の特徴は、収入がなくなった場合に対応できるほどの資産がない方です。


個人事業主は、自身が病気やケガで働けなくなったとき、収入が激減したり、ゼロになったりする可能性があります。


しかし、収入が減っても暮らしていかなければなりません。収入が減った分、支出も減らすために節約を試みても限界はあるでしょう。


さらに就業不能状態がいつまで続くか、その時の病気やケガの状態によるので、予測するのは難しいです。もしかしたら、ずっと働けない状態が続くかもしれません。

さらに、家族構成によっても月々必要な生活費は違います。


収入がなくなった場合に、毎月の生活費を補填することができるくらいの充分な資産がなければ、就業不能保険は必要です

遺伝的に就業不能保険の保障対象となる病気にかかる可能性が高い方

2つ目の特徴は、遺伝的に就業不能保険の対象となる病気にかかる可能性が高い方です。


就業不能状態と認めらる状況は、保険会社によって定義は異なりますが、おおまかには以下の状況です。

  • 病気やケガで、医師が必要と認める治療のために、病院・診療所などに入院または、自宅などで在宅療養をしている
  • 国が定める障害等級1級または2級に認定
  • 所定の障害状態に該当

遺伝子の病気は3種類あると言われていますが、専門的になるのでここでは割愛しますが、その3種類のうち、誰にでも起こりうる割と身近な病気があります。


ガン・高血圧・糖尿病・脳梗塞などです。


よくガン家系や糖尿病家系など血縁者が同じような病気にかかったと言った話を聞いたことはありませんか。


今病気を発症していないからといって今後も発症しないとは限りません。

親がガンだったらガンになる、親が高血圧だったら、自分も高血圧になると想定することは大事です。


病気になり長期間の治療で仕事ができなくなったときの生活費をカバーする就業不能保険は必要と言えます。

就業不能保険が不要・いらない個人事業主の方

次は、反対の就業不能保険がいらない個人事業主の特徴3つを解説します。

  • 資産が十分にあり収入が無くなった場合に対応できる人
  • ご自身が働けなくなった場合でも他に収入がある人
  • 共済などですでに働けなくなった場合の保障を準備している人
こちらも、就業不能保険が必要かどうか判断材料になりますので、解説を読みながら自分が上記の特徴に当てはまるかどうか、確認してください。

資産が十分にあり収入が無くなった場合に対応できる人

最初の特徴は、資産が十分にあり収入が無くなった場合に対応できる人です。


それではどのくらいの資産があれば、就業不能保険は不要でしょうか。


総務省の家計調査(2022年)によると、2022年の二人以上世帯における月の支出平均は、約29万円です。

家族構成や家族の年齢など家庭の状況によっては、それ以上の出費がかかる可能性もあります。


また、就業不能状態がいつまで続くかは、罹った病気やケガにもよるでしょうが、その時になってみないと誰にもわかりませんね。


いずれにせよ、仕事に復帰するまでの毎月の出費をカバーできるほど資産が十分にある個人事業主には、就業不能保険は不要です。


自分の資産状況を確認し、就業不能保険が必要か検討しましょう。

ご自身が働けなくなった場合でも他に収入がある人

次の特徴は、ご自身が働けなくなった場合でも他に収入がある人です。


結婚している個人事業主であれば、働いているパートナーの収入が家族の生活費をまかなえるくらい十分ある人もいるのではないでしょうか。


また、働いている親と同居していたり、子どもがすでに就職して働いている個人事業主には、自分以外の家族収入があります。


さらに、昨今では株式投資投資信託不動産投資などの投資を行っている人も増えてきていますね。投資で得た分を副収入としている人もいるのではないでしょうか。

特に、不動産投資は、ある程度まとまった不動産収入が得られますね。


以上のように、自分以外の家族収入や、投資などの副収入が十分にかつ、安定的にある人にも就業不能保険は不要です。

共済などですでに働けなくなった場合の保障を準備している人

最後の特徴は、共済などですでに働けなくなった場合の保障を準備している人です。


JA共済には「はたらくわたしのささエール」があります。

農業や畜産農家の個人事業主さんにはなじみがあるかもしれませんね。

JA組合員でなくても加入ができます。


こくみん共済の「せいめい共済」は、就業不能保険ではありませんが、死亡保険金に加えて病気やケガで要介護状態なになったときの一時金が受け取れるのが特徴です。


そもそも共済は、組合員がお互いにお金を出し合って、何かあったときに助け合う相互扶助で成り立っているため、保険会社よりも保険料が安いのが特徴です。

ひよ

現在加入している共済が、自分の今の状況に合致している保障内容がどうか確認しましょう。そのうえで、就業不能保険が必要か、検討してください。

個人事業主が就業不能保険が必要か考えるときに把握しておきたいメリット・デメリット

ものごとには二面性があるといわれているように、当然ながら就業不能保険にもあります。


就業不能保険が個人事業主にとって必要か判断するためにもメリット・デメリットを理解することは大事です。


次に、就業不能保険のメリット・デメリットをそれぞれ解説するので、就業不能保険が必要か不要かの判断材料として参考にしてください。

個人事業主が就業不能保険に加入するメリット

個人事業主が就業不能保険に加入するメリットは3つあります。

  1. 公的保障でまかなえない生活費の不足分のカバー
  2. 医療保険でまかなえない不足分のカバー
  3. 経済的不安を軽減できる
前述したように、個人事業主は、会社員や公務員と比べて公的保障で得られるものが少ないです。傷病手当金の受給もなければ、障害年金も障害基礎年金しかありません。

公的保障だけでは十分に家族が生活しているだけの金額をまかなうことは難しいでしょう。

また、医療保険は病気やケガで入院・手術したときの医療費をカバーするものです。退院後の自宅療養などは対象外ですし、生活費までカバーすることができません。

働けなくなったときの一番の心配は、収入がなくなったときの生活費をどうのように工面したらいいのかということではないでしょうか。

就業不能保険に加入すれば、病気やケガで働けなくなったときにも毎月決まった保険金がもらえます。

公的保障や医療保険でまかなえない不足分をカバーすることができますし、経済的な不安を軽減することができます。

個人事業主が就業不能保険に加入するデメリット

個人事業主に就業不能保険が必要かどうか検討するにあたって、2つのデメリットを抑えておく必要があります。

  1. 支払い対象外の待機期間がある
  2. うつ病などの精神疾患は支払い対象外になるところもある

就業不能保険のほとんどは、給付金を支払うまでの待機期間があり、保険会社によって10日間・30日間・60日間の設定が一般的です。

待機期間が短いほど保険料が割高になる特徴があります。


個人事業主は、公的保障で得られる金額も少ないので少しでも早く給付金が欲しいですよね。


また、保険会社によっては、うつ病などの精神疾患支払い対象外にしているところもあります。


なぜなら、精神疾患は罹患や回復の判断が難しく、どこからどこまでを保険適用の範囲とするか根拠が乏しいためです。


厚生労働省の令和2年患者調査によると、入院となった疾病のうち「精神及び行動の障害」で入院した患者が一番多く、約236万人もいました。


いつ自分が精神疾患にかかるかもしれないと思うと不安ですよね。

就業不能保険を選ぶときは、精神疾患も保障の対象になっているか確認しましょう。

個人事業主の就業不能保険の選び方

ここまでで、個人事業主に就業不能保険が必要かどうか判断する材料がととのったのではないでしょうか。


そこで最後に、個人事業主の就業不能保険の選び方を解説します。


次の順番で加入する就業不能保険を選ぶことをおすすめします。

  1. 希望の保障内容を決める
  2. 支払える保険料の目安を決める
  3. 上記の希望に合致した就業不能保険を比較検討する
まずは、給付金額の設定や待機期間をどのくらいに設定するか決めます。
公的保障で支給される金額を考慮して毎月いくら必要かや、なるべく早く給付金を受け取りたいのであれば、待機期間を短くするなどです。

そして、月々の保険料の目安を決めましょう。現在の出費にプラスされることになりますから、無理のない範囲で支払える保険料にすることが大事ですね。

比較検討するときには、ネットの比較サイトを利用すると、自分の希望の就業不能保険を簡単に見つけることができるので、ぜひ利用してみてください。

また、保険のプロに相談するのもおすすめです。

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まとめ:個人事業主に就業不能保険は必要か?

個人事業主に就業保険は必要か、というテーマで解説してきました。


個人事業主は、公的保障で得られる金額も低いため、生活費のカバーをするためには就業不能保険は必要です。


就業不能保険には、メリットだけでなくデメリットもありますが、経済的な不安を軽減するためにも、就業不能保険の加入はしておいたほうが良いでしょう。


自分の家族構成や現在の収入などを考慮し、自分にとって最適な就業不能保険に加入しましょう。