

この記事の監修者 井村 那奈 フィナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナー。1989年生まれ。大学卒業後、金融機関にて資産形成の相談業務に従事。投資信託や債券・保険・相続・信託等幅広い販売経験を武器に、より多くのお客様の「お金のかかりつけ医を目指したい」との思いから2022年に株式会社Wizleapに参画。
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この記事の目次
- 就業不能保険はいらないと言われる理由は?知恵袋でよくある声
- 公的保障が充実している
- 保険金の支払い条件が厳しい
- 保険料が高額になりやすい
- 貯蓄や他の保険で代用できる
- 給付開始までの待機期間が長い
- 働けなくなるリスクが低い
- 会社員や公務員は保障が充実している
- 就業不能保険はいらない?と不安な方は無料FP相談を活用しよう
- 実際どうだった?就業不能保険の加入者に聞いた満足度調査
- 就業不能保険に加入してよかったと思う点は何ですか?
- 就業不能保険に加入して後悔した点・不満に思った点はありますか?
- 就業不能保険を家族や友人におすすめしたいと思いますか?
- これから就業不能保険に加入する方にアドバイスがあれば教えてください
- 就業不能保険の必要性が高い人の特徴
- 自営業者・フリーランスの人
- 貯蓄が少ない人
- 住宅ローンや大きな借金がある人
- 会社の福利厚生が手薄な人
- 専門職・手に職が必要な仕事の人
- 就業不能保険の必要性が低い人の特徴
- 家計の収入源が複数ある家庭
- 退職金や年金など将来の収入が見込める人
- リスク許容度が高い人
- 既に他の保険でカバーできている人
- 就業不能保険はいらないと感じた場合におすすめの保険とは?
- 【まとめ】就業不能保険はおすすめしないといわれる理由とは?
就業不能保険はいらないと言われる理由は?知恵袋でよくある声

ここでは、就業不能保険がいらないと言われる理由として、知恵袋によくある意見として以下の7つを紹介します。
- 公的保障が充実している
- 保険金の支払い条件が厳しい
- 保険料が高額になりやすい
- 貯蓄や他の保険で代用できる
- 給付開始までの待機期間が長い
- 働けなくなるリスクが低い
- 会社員や公務員は保障が充実している
就業不能保険に加入しようか迷っている方は、この意見を参考にしてみてください。
公的保障が充実している
協会けんぽ、健康保険組合、共済組合等会社員や公務員になると、加入できる健康保険には「傷病手当金」があります。傷病手当金とは、病気やけがで仕事ができなくなった場合、一定の条件を満たすと支給される手当金です。
休業して4日目から支給が開始され、最大で1年6ヵ月間まで支給されます(※1)。支給額は1日当たり(月給÷30)×2/3です(※1)。加入している健康保険によっては上乗せ金があったり、期間が延長されたりしているケースもあります。
また、病気やけがで働けなくなった場合は国民年金や厚生年金に加入していれば、「障害基礎年金」や「障害厚生年金」※2が支給されます。支給額は障害の程度によって異なりますが、病気で働けなくなったらすぐに生活に行き詰まる可能性は低いでしょう。
保険金の支払い条件が厳しい
就業不能保険は、商品によって「働けない」と認められる基準が異なります。一例を挙げると「医師による就業不能の診断が必要」「待機期間が長い」などです。就業不能保険への加入を検討しているなら、一度保険金が支払われる条件を丁寧に確認してみてください。
また、商品によっては「うつ病」をはじめとする精神疾患や「頑張れば働ける」等軽度の症状は対象外としているところがあります。
いざというときに備える保険なのに、条件が厳しすぎては十分な活用ができません。そのため「保険料を支払うならばその分を貯蓄に回したほうがよい」といった意見も多いのが現状です。
保険料が高額になりやすい
就業不能保険は、保障が長期間にわたる可能性があるために保険料が高めに設定されている商品が多いです。また、生命保険と同じように年齢によって保険料が変わってくるケースが一般的です。
就業不能になる可能性が低い若い年代の頃は保険料が安価でも、病気のリスクが上がる40代以降になると保険料が高額になると、保障と保険料のバランスが崩れる可能性もあります。
また、就業不能保険は掛け捨てが多いので高額な保険料を払う価値を感じられない場合もあるでしょう。
貯蓄や他の保険で代用できる
定期的に収入がある方ならば、ある程度の貯蓄があるのが一般的です。特に、フリーランスや自営業の場合は万が一に備えて多めに貯蓄しておく方も多いでしょう。また、保険料をNISA口座に積み立てたほうが、万が一の備えになる可能性もあります。
このほか、貯蓄性の高い医療保険や生命保険に加入したほうがカバー範囲が広く、万が一のときは遺族の生活を支えられる商品もあります。
複数の保険を比較し、値段だけでなく保障範囲や保険金が出る条件を確かめたうえで、最適な保険を選びましょう。
給付開始までの待機期間が長い
就業不能保険は「免責期間」や「待期期間」が設けられています。社会保険の傷病手当の場合は、待期期間は3日間※です。
一方、民間の就業不能保険は待機期間が60日や180日の商品もあります。このような商品は、貯金で生活費が賄えなくなった後の生活費のカバーを目的としているケースもあります。
しかし、60日までに仕事に復帰した場合は保険が利用できません。加入を検討している方の中には「傷病手当なみの保障を希望している」と考えている場合もあるでしょう。それならば、入院保険をはじめとする別の保険のほうが適しているケースもあります。
働けなくなるリスクが低い
20~30代ならば、病気やけがで働けなくなるリスクは低めです。そのため、20~30代は保険に入らず保険金に充てるお金を投資や貯蓄に回したほうが、メリットが多いと感じる方もいるでしょう。
健康診断でも持病がなく、検査の数値も正常といった場合は不慮の事故でもない限り長期間働けなくなり、かつ障害年金の対象外といった状況になる可能性は低いでしょう。
就業不能保険は掛け捨ての商品が多いため、保険の中では安めです。しかし、その保険料を長期間貯蓄したり投資に回したりすれば、まとまったお金になる可能性があります。
会社員や公務員は保障が充実している
会社員や公務員は、健康保険と厚生年金に加入しているので傷病手当や障害年金が受給できます。公的保障が充実していれば、さらに民間の就業不能保険に入るメリットは低いでしょう。
健康保険と厚生年金の掛け金も高いため、万が一に備えるならば貯蓄や投資のほうがメリットが多いケースもあります。
気になる方は、一度加入している健康保険の傷病手当の条件等を確認してみてください。
就業不能保険はいらない?と不安な方は無料FP相談を活用しよう

就業不能保険は会社員や公務員にはメリットが少ない一方、フリーランスや自営業は一定のメリットがある保険です。
ただし、すべてのフリーランスや自営業に就業不能保険が適しているとは限りません。
収入、扶養している家族の有無、貯蓄や家計の状況等で就業不能保険へ加入するメリットの度合いがわかります。
迷っている場合は、無料でFPに相談できる窓口を利用して相談してみましょう。個人のお金のプロであるFPならば、おすすめの保険まで幅広いアドバイスが受けられます。

実際どうだった?就業不能保険の加入者に聞いた満足度調査
ここでは、実際に就業不能保険に加入している方に満足度を測るために以下のような質問でアンケート調査を行いました。就業不能保険への加入を検討している方は、実際の加入者の声を聞いて参考にしてください。
- 就業不能保険に加入してよかったと思う点は何ですか?
- 就業不能保険に加入して後悔した点・不満に思った点はありますか?
- 就業不能保険を家族や友人におすすめしたいと思いますか?
※2025年6月18日~2025年6月21日時点での当編集部独自調査による
就業不能保険に加入してよかったと思う点は何ですか?

就業不能保険に加入して後悔した点・不満に思った点はありますか?

就業不能保険を家族や友人におすすめしたいと思いますか?

これから就業不能保険に加入する方にアドバイスがあれば教えてください

40代男性
死亡したとき以外の家族への保障手段として使える

30代男性
子どもが小さい場合は加入するとメリットが大きい
子どもが小さいと配偶者もフルタイムで働けず、生活費もかかります。また、親世代も若いので十分な貯蓄がないケースも珍しくないでしょう。

30代男性
住宅ローンを抱えている場合は備えになる
住宅ローンを抱えている場合、就業できず、かといって死亡してもいない状態になると返済に行き詰まる可能性が高まります。

30代男性
サラリーマンでももしものときの備えになる
サラリーマンは公的な保障が手厚いといわれていますが、傷病手当にも限度があります。例えば、精神的な病気になった場合復帰に数年かかるケースも珍しくありません。

30代男性
保険をもっと考えて選べばよかった
安心感を得るために加入しましたが、思っているより保険料が高く免責期間も長い点に不安を覚えています。掛け捨てですし、もっとよい保険があれば見直したいと考えています。
就業不能保険の必要性が高い人の特徴

ここでは、就業不能保険の必要性が高い人の特徴として、以下の5つを紹介します。
- 自営業者・フリーランスの人
- 貯蓄が少ない人
- 住宅ローンや大きな借金がある人
- 会社の福利厚生が手薄な人
- 専門職・手に職が必要な仕事の人
自営業者・フリーランスの人
自営業者やフリーランスが加入できる国民健康保険には「傷病手当金」などの公的な収入補償制度がありません。自分で貯蓄していざというときに備える必要があります。
また、自営業やフリーランスは失業保険制度に加入していないため、病気やけがで働けなくなるとその日から収入がゼロになる可能性もあり、就業不能保険に加入するメリットは高いでしょう。
貯蓄が少ない人
独立したばかりだったり、子どもが高校や大学に進学したりした等の理由で貯蓄が少ない場合も、就業不能保険に加入するメリットは大きいです。
貯蓄が少なければ、いざというときに動かせる現金が少なく生活に行き詰まる可能性が高まります。保険があれば、収入が途絶えることがありません。少ない貯金を切り崩さずに済む安心感も大きいでしょう。
住宅ローンや大きな借金がある人
住宅ローンや教育ローンなどを組んでいる方は、就労が不能になると返済に行き詰まる可能性が高まります。特に、住宅ローンは支払いが滞ると家が競売にかけられる恐れもあるでしょう。
返済分だけでも就業不能保険でカバーできれば家計の負担を大幅に軽くできます。
会社の福利厚生が手薄な人
会社員であっても会社の福利厚生が手薄なところもあります。できる限り自分で不測の事態に備えたい場合は、就業不能保険に加入すると安心感を得られます。
傷病手当金の期限が切れるタイミングで就業不能保険の保険金が受給できるようにすれば、収入が途切れることなく再就職に向けて体調を整えられるでしょう。
専門職・手に職が必要な仕事の人
医師、歯科医師、美容師、大工、職人、スポーツ選手など、自分が持っている資格や技術で生計を立てている方の場合は、病気やけがで体が動かせなくなるとすぐに仕事ができなくなって生活に行き詰まる可能性があります。
特に、医師や歯科医師、美容師の場合は独立して自分で病院や歯科医院、美容院等を開いている方も多いでしょう。経営状態が順調でも自分の体が動かなくなると、一気に経営ができなくなる可能性があります。
就業不能保険に入っていれば、経営できない期間の生活費の足しになるはずです。
就業不能保険の必要性が低い人の特徴

ここでは、就業不能保険の必要性が低い人の特徴として以下の4点を紹介します。
- 家計の収入源が複数ある家庭
- 退職金や年金など将来の収入が見込める人
- リスク許容度が高い人
- 既に他の保険でカバーできている人
家計の収入源が複数ある家庭
子どもがすでに独立していて夫婦共働きの場合や、不動産をはじめとする不労収入がある場合は、あえて就業不能保険に加入する必要はありません。
いざというときに備えて普段からできるだけ貯蓄をする、無駄遣いをしないなどの家計の見直しをしたほうがいざというときに自由に使えるお金が多くなる可能性があります。
退職金や年金など将来の収入が見込める人
会社員で定年まであと少しであり、退職金、年金がもらえるとわかっている場合は就業不能保険に加入する必要性は低めです。
就業不能保険は60日~180日程度の免責期間がある商品が多いので、免責期間中に退職金が入ったり、年金の受給が始まったりするケースもあるでしょう。また、退職金や年金がもらえる年齢ならば、あえて再就職をしない選択肢もあります。
リスク許容度が高い人
働けなくなったら実家に帰る、生活レベルを下げる等がスムーズにできる場合は、保険に加入する必要性は低めです。例えば、20代で独身、地方から都市部に働きに出ていて実家の親はまだ元気、などのケースが当てはまります。
また、若い年代の場合は一度仕事を退職して失業保険をもらいながら改めて就業を目指す選択肢もあるでしょう。
既に他の保険でカバーできている人
医療保険や生命保険など、他の保険で収入減少時の備えが十分にできている場合は、あえて就業不能保険に入る必要性はありません。特に、貯蓄性の高い生命保険や医療保険に入っている場合、生命保険から貸し付けを受けられます。
すでに複数の保険に入っている場合は、一度保障内容を確認してみましょう。加入が必要かどうかも分かってきます。
就業不能保険はいらないと感じた場合におすすめの保険とは?

保険種類 | 医療保険 | がん保険 | 生命保険 (定期・終身) | 貯蓄型保険 個人年金保険 | 所得補償保険 (短期型) | 傷害保険 |
---|---|---|---|---|---|---|
特徴 | 入院や手術をした場合に 給付金が出る | がん治療で入院・通院した場合に 給付金が出る | 死亡時に遺族に 保険金が支払われる | 将来のために貯蓄しつつ 万が一の時に備えられる | 1年未満の短期 就業不能に備えられる | けがによる入院・通院・手術に対して 給付金が出る |
おすすめの 理由 | 入院後すぐに仕事に 復帰できる場合は 入院期間の生活の足しになる | がんならば、長期治療が必要でも 保険金で経済的負担を軽減できる | 万が一のことがあっても 残された家族の生活を支えられる | 貯蓄が苦手な方が 効率よく貯金したいときに便利 | 入院保険やがん保険と 併せて使っても効果的 けがのリスクが高い職場に 勤めている人向け | けがのリスクが高い職種、 職場に勤めている人におすすめ |
【まとめ】就業不能保険はおすすめしないといわれる理由とは?

就業不能保険は、就業ができなくなった場合に保険金が得られるメリットがあります。
その一方で、会社員や公務員ならば十分に公的な保障でカバーできる、掛け捨てなので貯蓄性がないといったデメリットもあります。また、他の保険に比べると保障範囲が限定されているのも注意点です。
加入するかどうか悩んでいる場合は、マネーキャリアに無料で相談してみましょう。加入がおすすめかどうかはもちろんのこと、家計や保険の見直しや自分に合った保険の相談などお金に関するさまざまな相談が何度でも無料で可能です。

死亡保険は、被保険者が亡くなっていないと保険金が支払われません。死亡していないけれど働けない状況になった場合、家族に大きな負担がかかる可能性があります。