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▼この記事を読んで欲しい人 
  • 40代の介護保険は必要ないと思っている人
  • 40代の介護保険の選び方がわからない人 
  • 貯蓄が少ない人 
  • 介護にかかる費用がわからない人

▼この記事を読んでわかること
  • 介護にかかる費用
  • 40代の介護保険の必要性
  • 40代の介護保険の選び方
  • 40代で介護保険を選ぶときの相談先

40代では介護保険の必要性があるかどうか疑問に思う人も多いでしょう。しかし、80歳以上になると、4人に1人が介護が必要になるというデータもあります。超高齢化社会の日本、将来に備えて40代から介護保険の必要性を検討してみてはいかがでしょうか。

この記事の目次

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40代の介護保険の必要性が高い方は?


民間介護保険は、名前の通り、介護にかかる費用に備える保険です。

40代では介護はまだ先の話だと思っている人も多いでしょう。

また、介護状態になるかどうかはわからないので、介護保険は必要ないと思っている人も多いのではないでしょうか。


結論から言うと、40代でも介護保険の必要性が高い人はいます。

40代の介護保険の必要性が高い人は以下の通りです。


  • 介護費用を賄えるだけの貯蓄が十分にない方
  • 家族や親族からの介護が受けられそうにない方
  • 超高齢化社会に伴って公的介護保険が見直されると考える方


それでは、一つずつ見ていきましょう。

介護費用を賄えるだけの貯蓄が十分にない方

40代の介護保険の必要性が高い方は、介護費用を賄えるだけの貯蓄が十分にない方です。


そもそも介護にはどれくらいお金がかかるのでしょうか。

生命保険文化センター「2021年金生命保険に関する全国実態調査」を元に、試算してみましょう。


同調査によると、介護状態になったときにかかる費用は、住宅のリフォームや介護用ベッドの購入などの一時費用の合計が平均74万円、介護に必要な1ヶ月の費用が平均83,000円です。

また、介護期間の平均は約5年となっています。

上記から介護費用を計算すると 83,000円×12ヶ月×5年=4,980,000円となります。


よって、介護費用には約500万円かかることがわかりました。

介護費用に加えて、一時費用74万円が必要になる可能性もあります。


介護には予想以上にお金がかかりますので、介護費用に使える貯蓄が十分にない人は、介護保険の必要性は高いでしょう。

家族や親族からの介護が受けられそうにない方

40代の介護保険の必要性が高い方は、家族や親族からの介護が受けられそうにない方です。


介護してくれる人がいない場合、介護状態になったら有料の介護サービスを多く利用するしかありません。


生命保険文化センター「2021年生命保険に関する全国実態調査」によると、在宅介護の場合、介護費用は1ヶ月平均48,000円ですが、施設で介護を行った場合は、1ヶ月平均122,000円となっています。


自宅で有料の介護サービスを受ける場合もお金が必要ですが、施設で介護サービスを受けるとさらにお金がかかる可能性が高いでしょう。

よって、介護してくれる人がいない場合、介護保険の必要性は高いと言えます。

超高齢化社会に伴って公的介護保険が見直されると考える方

40代の介護保険の必要性が高い方は、超高齢化社会に伴って、今後、公的介護保険が見直されると考える方です。


介護保険制度は3年に1度、大きな見直しが行われています。

次の改正は2024年で、政府内ではすでに見直しの議論が進んでいると言われています。


特に大きな影響があると見られるのは、以下の3つです。

  • 利用者負担の原則2割化
  • ケアプランの有料化
  • 要介護1・2の総合事業への移行


少し難しいかもしれませんが、上記の中で特に負担が増えると思われる「利用者負担の原則2割化」について説明します。

介護保険の利用者負担は、制度が始まった時点では原則1割負担でした。

しかし、その後制度を持続させるために、所得が高い層には2割以上の負担を導入しています。

そして今後は、所得に限らず、利用者の負担が2割になるかもしれません。 


言うまでもなく、日本は超高齢化社会です。

2000年に始まった介護保険制度は今までも制度改正が行われてきましたが、今後さらに利用者の負担が増えるよう改正される可能性があります


以上の理由により、40代の方で公的介護保険の負担が今後増えると考える人は、民間介護保険の必要性が高いと言えるでしょう。

介護保険の必要性が低い40代の方


介護保険の必要性が高い40代の方を解説してきました。

一方、介護保険の必要性が低い40代の方もいます。


以下に当てはまる人は介護保険を検討する必要性は低いかもしれません。

  • 介護費用を賄えるだけの貯蓄が十分にある方
  • 家族や親族からの介護が確実に受けられる方


それでは、その理由を一つずつ見ていきましょう。

介護費用を賄えるだけの貯蓄が十分にある方

介護保険の必要性が低い40代の方は、介護費用を賄えるだけの貯蓄が十分にある方です。


先述した通り、介護には1ヶ月の平均で83,000円もの費用がかかります。

生命保険文化センターの調査によると介護期間の平均は5年ですが、これより長くなる可能性もあるでしょう。

さらに介護費用に加えて、最初にリフォームなどに使うための一時費用74万円が必要になるかもしれません。


しかし、貯蓄が十分にあれば、お金の問題は解決します。

在宅介護もしくは施設介護で、十分な介護サービスを受けられるでしょう。


よって、生活費などとは別に、介護に使える費用が約600万円ある方は、介護保険の必要性は低いと言えます

家族や親族からの介護が確実に受けられる方

介護保険の必要性が低い40代の方は、家族や親族からの介護が確実に受けられる方です。


介護費用は在宅と施設では大きな差があり、施設で介護を行った場合は、1ヶ月平均122,000円ですが、在宅では1ヶ月平均48,000円となり、施設の半分以下で済みます。

この金額なら貯蓄で賄えるという人も多いのではないでしょうか。 


また、在宅で家族や親族から介護を受けられることは、経済面だけではなく、精神的な意味でも安心と言えるでしょう。 

よって、家族や親族からの介護が受けられる人は介護保険の必要性は低く、そのぶん貯蓄に回すことをおすすめします。 

40代の方が介護保険に加入するか判断するうえで参考になるデータ


介護保険の必要性が高い40代の方と低い40代の方の特徴がわかったことと思います。

しかし、まだ介護保険への加入を迷っている人は多いのではないでしょうか。


この項では、40代の方が介護保険に加入するか判断するうえで参考になるデータを以下の通り紹介します。


  • 年齢別の介護リスク
  • 民間介護保険の世帯加入

それでは、一つずつ見ていきましょう。

年齢別の介護リスク

最初に、40代の方が介護保険に加入するか判断するうえで、年齢別の介護リスクを見ていきましょう。

下の表は、厚生労働省「介護給付費等実態統計月報」、総務省「人口推計月報」の2021年のデータを元に作成した、年代別人口に占める要支援・要介護認定者の割合です。


年齢割合
40~64歳0.4%
65~69歳2.9%
70~74歳5.8%
75~79歳12.7%
80~84歳26.4%
85歳以上59.8%


表からわかる通り、75歳以上は7人に1人、80歳以上では4人に1人、85歳以上になると3人に2人の人が何らかの支援や介護を必要としています。

つまり、将来介護状態になる可能性は極めて高いでしょう。


よって、40代から介護に備える必要性は高く、貯蓄なども大切ですが、介護保険はひとつの有効な選択肢になると言えます。

民間介護保険の世帯加入率

次に、40代の方が介護保険に加入するか判断するうえで、民間介護保険の世帯加入率を見ていきましょう。

下の表は、生命保険文化センター「2021年生命保険に関する全国実態調査」のデータを元に作成した、介護保険・介護特約の世帯加入率の割合です。


割合
平成18年16.1%
平成21年13.7%
平成24年14.2%
平成27年15.3%
平成30年14.1%
令和2年16.7%


表からわかる通り、世帯加入率約17%と6人に1人の割合で介護保険に加入しています。 

これは思ったより高い数字ではないでしょうか。


データから、介護状態になるリスクに対する不安や公的介護保険に対する懸念を読み取ることができます。

また、介護状態になると家族に負担をかけてしまう可能性は高く、介護保険への加入は自分だけではなく家族の安心にもつながると言えるでしょう。

40代の介護保険の選び方



40代の方が介護保険を検討する際は、以下の流れで選ぶことをおすすめします。

  1. 付けたい保障内容や特約を決める
  2. 自分が支払える保険料の目安を決める
  3. 上記で出した条件に合った介護保険を複数比較検討する

順番に説明していきます。


 1.付けたい保障内容や特約を決める

具体的には「支払われる保険金額」「支払い条件」「一括か年金か」「何歳から何歳まで加入するか」などを明確にしましょう。


 2.自分が支払える保険料の目安を決める

 一般的に保険料の目安は給料の5〜10%と言われています。 

40代の方は他の保険にも加入していると思いますので、他の保険の保険料も考慮して決めましょう。


 3.上記で出した条件に合った介護保険を複数比較検討する

比較検討する際には、いきなり保険ごとに検討するのではなく、介護保険の比較サイトを利用すると、簡単に自分に合った介護保険を見つけることができます。 

また、迷ったときは保険のプロにどの介護保険にすべきか相談することをおすすめします。


マネーキャリアでは、無料の保険相談サービスを提供しています。 

保険のプロに相談したいという方はマネーキャリアをクリックして、お気軽にご相談ください。

まとめ:40代の介護保険の必要性


40代の介護保険の必要性はそれほど高くはありませんが、
  • 介護費用に賄えるお金が用意できない人 
  • 介護をしてくれる家族や親族がいない人 
上記に当てはまる人には必要性が高い保険と言えるでしょう。
 
将来、介護状態になる可能性は非常に高く、また公的介護保険制度は今後利用者の負担が増えるような改正がされるとも考えられます。 
そのため、40代から介護保険の必要性を検討し、必要があれば加入することをおすすめします。

わからないことがありましたら、無料で保険の相談ができるマネーキャリアにお気軽にご相談ください。
記事監修者「谷川 昌平」

この記事の監修者谷川 昌平
フィナンシャルプランナー

東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。