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生命保険(死亡保険)は20代から60代まで幅広い世代にとって必要な保険です。ただし、加入者の年齢によって必要な保障内容は異なるうえ、個人や家族の状況に応じて適切な保険を選ぶ必要があります。しかし、そうはいってもどのように選べば良いかわからないという方も多いかもしれません。

そこでこの記事では、生命保険(死亡保険)の選び方について、具体的な検討手順や選び方のコツ・注意点についてまとめました。

▼この記事を読んで欲しい人
  • 生命保険に初めて加入しようと思っている人
  • 生命保険の選び方がわからない人
  • 生命保険を見直そうとしている人

この記事では、生命保険の選び方に関する重要なポイントをまとめました。正しい手順で生命保険を検討し、自分や家族にとってコストパフォーマンスの高い生命保険を選びましょう。生命保険に関する年齢別のデータもまとめているのでぜひ参考にしてください。

この記事の目次

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生命保険(死亡保険)の選び方をステップごとに解説!



初めて生命保険(死亡保険)に加入しようとする場合、選び方はどうすればいいか悩むかもしれません。そこで以下では、生命保険の選び方について、7つのステップに分解して解説します。


  1. ご自身に生命保険が必要か考える
  2. 加入する生命保険の種類を決める
  3. 資産運用を目的にする場合は利回りの目安や運用する通貨を決める
  4. 保険金をいくらにするか決める
  5. 支払う保険料の目安を決める
  6. 保険料の支払い方法を決める
  7. 比較サイトなどで条件に合う生命保険を探す


①ご自身に生命保険が必要か考える

この記事で解説する「生命保険(死亡保険)」とは、加入者が亡くなった際に遺族に一定の保険金を支払うものです。しかし、こういった生命保険に加入する際は、まず本当に加入が必要かどうかを検討することが重要です。


もしもの場合の家族の経済的な安定を考える場合は、死亡保険が有効になります。主要な収入源である加入者が亡くなった場合、生活費や子供の教育費などの継続的な支出が困難になる可能性があるからです。このような場合、生命保険は遺族の経済的な支えになるでしょう。


また、借金や住宅ローンなどの負債がある場合も生命保険が役立つでしょう。もしもの時に遺族がこれらの負債を一括返済できる保険金を受け取れば、経済的な負担を軽減することができます。


ただし、家族やご自身の状況と心配するリスク内容によっては、医療保険やがん保険などの別の保険への加入が適切な場合もあります。生命保険は死亡保険だけではないので、健康面のリスクや将来の医療費を考慮し、自分に本当に必要な保険プランを検討しましょう。

②加入する生命保険の種類を決める

生命保険(死亡保険)にはさまざまな種類があり、「定期保険」「終身保険」「収入保障保険」などが挙げられます。それぞれの特徴を理解し、自身のニーズや予算に合わせて適切な種類を選びましょう。


定期保険は、一定期間の契約で保障を受けるタイプの生命保険です。契約期間内に加入者が亡くなった場合に、保険金が受取人に支払われます。特徴は、保険料が比較的安価であることです。そのため、子育て中や住宅ローン返済期間などの特定の期間において保障が必要な場合に適しています。


終身保険は、一生涯にわたって保障が受けられるタイプの生命保険です。加入者が亡くなった場合に、保険金が受取人に支払われます。終身保険は定期保険より保険料が高めですが、長期的な保障を重視する人に適しています。また、解約返戻金の設定がある場合も多いため、保障と資産形成を同時に考えたい方にもおすすめです。


収入保障保険は、おもに収入の維持を目的とした生命保険です。加入者が亡くなった場合には、一定期間にわたる収入が受取人に支払われます。将来にわたって収入の維持が必要な場合は、収入保障保険を検討してみるとよいでしょう。

③資産運用を目的にする場合は利回りの目安や運用する通貨を決める

生命保険に加入する場合、保障とともに将来の資産形成を目的とするケースもあるでしょう。この場合、保険の内容などに加えて、利回りの目安や運用する通貨を慎重に考慮する必要があります。


例えば、日本円建ての保険商品と外貨建ての保険商品を比較してみましょう。日本円建ての場合、円安になることで外貨の価値が上昇し、保険金の支払い時には受取額が増える可能性があります。一方、円高になると外貨の価値が下がり、受取額が減少するリスクがあります。このように、外貨建ての保険は為替リスクを伴うため、為替相場の変動に敏感な方や為替リスクへの理解が必要な方に向いているといえます。


ただ、利回りの高い商品はリスクも高い傾向にあります。運用通貨の選択はリスクとリターンのトレードオフであり、個々の投資家のリスク許容度や運用目的、将来の資金需要によって異なります。運用商品の選択肢や運用方針、過去の運用実績を確認し、将来の収益性を見極めましょう。

④保険金をいくらにするか決める

生命保険の保険金額は、もしもの時に必要な資金をカバーするために適切に設定する必要があります。将来の家族の生活費や教育費、借金の返済などを考慮し、必要な保険金額を見積もりましょう。もちろん保険金額は多ければ多いほど助かりますが、その分納める保険料も高くなります。支出が許される範囲内で、必要な保障として確保できるラインを見極めることが必要です。


なお、保険金の金額を決める際には、家族が死亡した場合の公的な保障や特典を受けられる可能性についても考慮しましょう。例えば、公的年金、児童手当や育児に関する無償化制度、住宅ローンの団体信用生命保険(団信)などの保障が考えられます。これらの保障を受けても不足すると考えられる部分を生命保険の保険金によってカバーするのが基本です。


保険金の金額は個々の状況やニーズに合わせて柔軟に設定することができます。家族構成や将来の計画、所得水準などを考慮し、必要な保障をきちんと確保するようにしましょう。

⑤支払う保険料の目安を決める

入りたい生命保険について本格的に商品を検討する前に、まずは自身が支払える保険料の目安を決めておきましょう。長期的な負担を軽減するために、予算を考慮しながら、支払える範囲内で適切な保険料を設定します。また、保険料の目安を決める際は、毎月の家計だけでなく、将来的な子供の学費やライフイベントにかかる費用も忘れずに考慮しましょう。


生命保険は、保障内容が手厚ければ手厚いほど保険料が高くなります。自分や家族のために必要な保障を確保するのは前提ですが、重要なのは家計を圧迫せず、無理のない保険料を設定することです。家計が苦しくなったり、まとまった出費が必要な際に手元にお金がなければ、せっかくの生命保険を解約する事態にもなりかねません。


そのような事態に陥らないためにも、入りたい保険商品を選ぶ前に保険料の目安を決定しておきましょう。先に目安を決めておくことにより、入りたい保険を優先して経済的な負担に目をつぶってしまう失敗を防げます。


⑥保険料の支払い方法を決める

保険料の支払い方法は、年払いや月払いなど複数の方法があります。自身の経済状況や予算に合わせて最適な支払い方法を選択しましょう。


例えば、年払いは年間の保険料を一括で支払う方法です。保険会社によっては、年払い選択によって総支払額が少なくなる場合があるのがメリットです。また、一括で支払うことで、支払いの手続きが煩わしくなくなる利便性もあります。ただし、一度に大きな金額を支払う必要があるため、家計への負担が大きい場合や、将来の経済状況に不安がある場合は慎重に考えましょう。


一方、月払いは月ごとに保険料を支払う方法です。毎回の支払い額が少額になるため、家計への負担を分散することができます。ただし、月払いの場合は総支払額が年払いよりも高くなる場合があります。また、毎月の支払い手続きが必要になるため、煩わしく感じることもあるかもしれません。


どの支払い方法が適しているかは、個人の状況や好みによって異なります。将来の経済状況や収入の安定性も考慮しながら、自分にとって負担の少ない支払い方法を選びましょう。

⑦比較サイトなどで条件に合う生命保険を探す

これまで検討してきた内容を踏まえて、具体的に条件に合う生命保険を探しましょう。その際、気になる保険を個別に調査するのも一つの手ですが、多くの保険会社や商品があるため、探すのに時間がかかってしまうかもしれません。そのため、インターネット上にある保険の比較サイト情報サイトを活用して、効率的に検討するのがおすすめです。


比較サイトで複数の保険商品を比較して、保障内容や保険料、特典などを確認し、自分の要件に合致するものを探しましょう。条件に合う保険商品を絞り込んだら、それぞれの詳細を確認します。契約条件や免責事項、特約内容など、細かな部分も見逃さずにチェックしてください。また、保障内容や保険料だけでなく、保険会社の信頼性やサービス面に対する評価も大切です。


なお、比較サイトや保険情報サイトの利用に際しては、信頼性の高いサイトを選ぶよう注意してください。情報が定期的に更新されているなど、適切にメンテナンスされているサイトを参考にして客観的な情報を得ることで、より良い選択ができるでしょう。

生命保険を選ぶ際には保険のプロに相談しよう!



ここまで解説してきたとおり、生命保険の選び方にはいくつかのポイントがあります。また、保険商品にはさまざまな種類があり、細かい条件の見極めなども必要なため、慣れない人にとっては選ぶのが難しいかもしれません。


そのため、生命保険を選ぶ際には、保険のプロに相談するとよいでしょう。保険の専門知識や経験を持つプロフェッショナルは、相談者のニーズや目標に合った最適な保険商品を提案してくれます。


もう一つ、インターネット上の生命保険比較サイトを活用することもおすすめです。比較サイトを利用すると、簡単に自分に合った保険商品を見つけることができます。保障内容や保険料を一覧で比較できるため、自分の条件にマッチした保険を選びやすくなります。


マネーキャリアでは生命保険の比較ページを提供していますので、ぜひ活用してみてください。以下のリンクから終身保険、定期保険、収入保障保険の比較ページにアクセスできます。それぞれのページでは、人気のある保険商品をランキング形式で紹介しています。


終身保険の比較ページはこちら


定期保険の比較ページはこちら


収入保障保険の比較ページはこちら


保険のプロのアドバイスと比較サイトの情報を組み合わせることで、より的確な判断ができるでしょう。大切な未来や家族のために、さまざまな情報をしっかりと検討し、最適な生命保険を見つけてください。

年代ごとに生命保険(死亡保険)の選び方を解説



ここまで、一般的な生命保険の選び方について解説してきましたが、実際は、年代ごとに必要となる保障の内容や大きさが異なります。自分が何歳なのかによって、ライフスタイルは大きく違うため、保険に求める内容も異なってくるのです。


そこでここでは、年代ごとに生命保険の選び方と注意すべきポイントを解説します。


  • 20代の生命保険の選び方と注意点
  • 30代の生命保険の選び方と注意点
  • 40代の生命保険の選び方と注意点
  • 50代の生命保険の選び方と注意点
  • 60代の生命保険の選び方と注意点

20代の生命保険の選び方と注意点

20代の方々にとって、生命保険は将来の安心と安定を築くために重要な要素です。若い世代であっても、生命保険の加入は考慮すべきです。


第一に、保険料は若いうちに加入するほど低くなる傾向があります。20代で生命保険に加入すれば、将来的な保険料の負担を軽減できるでしょう。また、年齢を重ねると健康状態によって入れない保険や保険料が大幅に高くなる保険もあります。若くて健康なうちであれば、入れる保険の選択肢も多く、手頃な保険料のものも探しやすくなるでしょう。


20代が生命保険に加入する際の注意点としては、以下のような点が挙げられます。


  • ライフスタイルにより必要な保障内容は異なる
  • 将来の変化への柔軟性


まず、現在の家族状況および将来の家族計画の具体的なニーズに合わせた保障内容を選ぶことが重要です。独身・既婚(子どもなし)・既婚(子どもあり)によってライフスタイルはかなり変わるでしょう。万が一の場合に、保険によって何をどれくらい守りたいかが人によって異なるため、自分の状況に応じて、適切な保障範囲や保険金額を検討しましょう。


また、20代は将来の変化が多分に見込まれる時期です。そのため、結婚や転職などライフステージの変化に伴って、保険の見直しや追加加入の必要性が生じることがあります。そのため、柔軟性を持った保険商品や支払い方を選ぶことで、将来の変化へも対応できるようにしておきましょう。

30代の生命保険の選び方と注意点

30代になると、人生の重要な節目や責任が増えてくる時期です。そして、がんや心疾患といった重篤な病気のリスクが上昇しだす時期でもあります。一方で、万が一の際に貯蓄だけで乗り切れる方はまだまだ少ないため、生命保険でリスクをカバーしましょう。30代は健康面の問題がない方も多く、入れる保険の選択肢も多いので、早めに検討しておくのがおすすめです。


30代で生命保険に加入する際に注意すべき点は以下のとおりです。


  • 具体的な家族計画や将来の目標をもとに検討する
  • 所得補償の重要性
  • ライフスタイルごとに重要な保障は異なる


30代になると将来の家族計画や借金返済などのニーズがより具体化します。将来の目標や家族の状況に応じて、適切な保障範囲や保険金額を選びましょう。


一方、30代では収入が安定し、将来のキャリアや収入の成長が期待できる時期です。その分、万が一の事故や疾病によって収入が途絶えた場合に備え、所得補償を確保しておくことも重要になります。


また、30代は結婚や子供の誕生、キャリアの変化など、まだまだ人生の変化が多い時期です。それだけに、医療保険やがん保険など、死亡保険以外の重要性も見逃せません。そのため、既婚か未婚か、子どもの有無などの状況に応じて、限られた予算内でどこを手厚くするか検討する必要があります。

40代の生命保険の選び方と注意点

40代に入ると、人生の中でも家族や財務の安定がますます重要になる時期です。また、30代と比べて生活習慣病などの病気リスクも上昇する世代です。


さらに、40代では、住宅ローンの返済に加え、子供の教育費用増大や老後の備えなど、経済的な負担や家族の将来への不安が増えてきます。将来の安定や家族の保護を考えると、適切な生命保険の加入が重要です。


40代で生命保険に加入する際は以下のような点に注意しましょう。


  • 家族構成に合わせた保険の見直し
  • 不要な保障の見直し


40代は最初に保険に加入したときとは家族の状況が変わっていることが多いでしょう。子供が増えていれば、保障範囲や保険金額を見直す必要があるかもしれません。逆に、子供が成長していれば、以前より死亡保険の保障を減らして、医療保険のほうを手厚くするなども一つの手です。


住宅購入や子供の学費などで支出も増えている場合が多いため、不要な保障は外す判断も必要です。例えば、若いころに入った保険にいくつも特約を付けていた場合、重要性が薄れているものがないか見直してみましょう。


また、貯蓄性の高い保険に入っている場合、保険料が家計を圧迫しているかもしれません。状況に応じて掛け捨て型の保険に切り替えるなどして、支出を減らしつつ保障を確保する方法もあります。

50代の生命保険の選び方と注意点

50代は、これまでにないライフスタイルの変化が訪れる時期であり、自分自身の老後が本格的に気になりだす時期ともいえるでしょう。


50代も生命保険の必要性は依然としてありますが、その意味はこれまでとは異なってくる可能性があります。これは、子供の独立や結婚、親の介護など、家族構成や状況が変化する可能性が高い時期だからです。また、近い将来の定年退職による収入の減少も考えられます。これらの変化に応じて、適切な生命保険の加入が重要です。


50代で生命保険に加入する際には以下の点に注意しましょう。


  • 保険の見直し


50代は、以前加入した保険商品の見直しを行なうことが重要です。家族構成や経済状況が変わっている可能性が高いので、保障内容や保険金額を見直しましょう。


例えば、子供が独立した場合、今後必要なお金は減るため、保障は以前よりも減らして良い可能性があります。また50代で定期保険の契約が切れる場合、自身の状況によって更新すべきかの検討も必要となるでしょう。ただし、50代で定期保険を更新すると保険料は跳ね上がることが多いので注意が必要です。定期保険の契約が切れても、万が一の際に困ることがないよう、最低限の終身保険で備える方法なども含め、検討しましょう。

60代の生命保険の選び方と注意点

60代では、老後の生活費や医療費などのリスクが増えてきます。また、介護の必要性や遺産相続の問題など、家族への経済的な負担も考慮する必要があります。一方で、定年退職などによって収入は減るケースが多いため、不要になった保障があれば整理し、保険契約をスリム化することも必要かもしれません。


60代で生命保険に加入する際に注意すべき点は以下のとおりです。


  • 死亡保障の減額
  • 資産形成も視野に


60代も保障内容の見直しが重要な時期です。老齢基礎年金受給額が減少傾向にあることも考え、無理のない支出で無駄のない保障を確保しましょう。


例えば、子供が独立したのであれば、高額な死亡保障は見直しても良いでしょう。万が一の際の保障が手厚い定期保険に加入している場合、今後の生活に必要かどうか見極めます。定期保険解約や契約更新しない場合、お葬式代など最低限の出費に備えるため、終身保険に切り替えるのもおすすめです。


一方で、老後の生活資金や相続対策に備え、資産形成も視野に入れた保険選びも必要です。自身のライフプランを再度確認し、老後にいくら備えるべきかを含めて検討しましょう。ただし、若いころと違って加入できる保険の選択肢は少なくなってくるため、ご自身が加入条件を満たしているか確認する視点は必要になってきます。


生命保険を選ぶ際の注意点



次に、生命保険を選ぶ際の注意点について解説します。保障内容が気に入ったり、保険金額が魅力的であっても、条件によっては別の商品を選んだほうが良いかもしれません。以下の注意点には気を付けて、自分にとって最適な保険商品を選びましょう。



  • 手数料が高すぎないかチェックする
  • 健康面や職業の告知が必要な商品がある
  • 外貨建て保険に加入する場合は為替リスクを理解する


保険は人生のなかでも大きな支出の一つなだけに、自身の保険ニーズや予算、リスク許容度を考慮し、慎重に比較検討することが必要です。

手数料が高すぎないかチェックする

生命保険を選ぶ際には、手数料についても注意が必要です。手数料は保険会社に支払う費用であり、保険料に含まれています。


手数料が高すぎると、保険料全体が増加し、将来的に負担が大きくなる可能性があります。そのため、手数料の適切な水準を把握し、比較検討することが重要です。手数料の高さも含めたコストパフォーマンスを考慮して、慎重に生命保険を選びましょう。


手数料の妥当性を見るためには、複数の保険会社の商品をチェックしましょう。多くの保険会社では、手数料の情報を開示してもらえます。もちろん、手数料が安いだけで保障内容が不十分だと、保険の本来の目的を果たせない可能性があるので、バランスが大切です。


また、当初の手数料の安さだけでなく、手数料の仕組みにも注目しましょう。一時的に手数料が安くなっていても、あとあと販売手数料が変動する仕組みになっている場合もあります。契約書や保険案内の細かな文字に目を通し、手数料の変動や条件について確認しましょう。


健康面や職業の告知が必要な商品がある

生命保険を選ぶ際には、自身の健康状態や職業に関する情報の告知が必要な場合があります。健康面や職業の告知が必要な商品は多く存在し、適切な保障を受けるためにも正確な情報提供が求められます。

まず、健康面についての告知です。保険会社は契約者の健康状態を評価し、リスクを把握するために健康診断や健康質問票の提出を求めることがあります。これには、既往症や病気の治療歴、現在の健康状態、喫煙状況などが含まれます。

正確な情報提供が求められる理由は、保険会社がリスクを正確に評価し、適切な保険料を設定するためです。告知漏れや虚偽の情報提供は、将来的な保障に影響を及ぼす可能性があります。

同様に、職業に関する告知も重要です。一部の職業にはリスクが伴うため、保険会社は保険料や保障内容を適切に設定するために職業の詳細を把握する必要があります。例えば、危険物取扱業や高所作業などのリスクの高い職種では、保険料が上昇する場合があります。また、特定の職業によっては保障の範囲が制限されることもあります。そのため、正確な職業情報の提供が必要となるのです。

外貨建て保険に加入する場合は為替リスクを理解する

外貨建て保険は、保険料や保険金の支払いが外貨で行なわれる保険商品です。外貨建て保険には魅力的な特徴がありますが、加入する際には為替リスクを理解することが重要です。


外貨建て保険のメリットとしては、日本円以外の通貨で資産を持つことによるリスク分散や、比較的高い海外の金利で運用できる点が挙げられます。もし、自国の通貨が外貨に対して強くなっている場合、日本円で運用するより低コストでリターンを得ることができるでしょう。


一方で、為替変動は外貨建て保険のリスクでもあります。為替相場の変動によって、保険料や保険金の支払い額も変動するため、自国通貨の価値が下がると保険料や保険金が相対的に高くなる可能性があります。特に、長期にわたる保険契約では、為替リスクの影響が膨らみがちです。


このことから、外貨建て保険を検討する際には、自身の経済状況やリスク許容度、為替リスクを考慮した判断が必要といえます。必要に応じて、保険のプロに相談するなどして慎重に検討しましょう。

生命保険を選ぶ際に参考になるデータをご紹介



ここまで、生命保険の選び方や注意点について解説してきました。しかし、実際にどの程度の割合の人が生命保険に加入しているか、他の人がどれくらい保険料を払っているかが気になる方もいるかもしれません。

そこでここでは、実際のデータを引用して、以下の3点について生命保険の実状をご紹介します。各項目について年代別のデータを紹介しますので、ご自身の生命保険検討にお役立てください。


  • 生命保険の加入率
  • 生命保険の平均保険料
  • 生命保険の死亡保険金額


生命保険の加入率

生命保険文化センターが調査したデータによると、年齢別に見た世帯主の生命保険加入率は以下のとおりです。


世帯主年齢加入率
29歳以下63.5
30〜34歳87.8
35〜39歳83.3
40〜44歳88.6
45〜49歳89.6
50〜54歳90.3
55〜59歳91.8
60〜64歳89.3
65〜69歳90.8
70~74歳82.4
75~79歳79.1
80~84歳68.1
85~89歳56.6
90歳以上30.4


参考:2021(令和3)年度 生命保険に関する 全国実態調査|生命保険文化センター


※〈図表Ⅰ− 7〉 世帯主の加入率(世帯主年齢別)をもとに作成

※民保(かんぽ生命を含む)、簡保、JA、県民共済・生協等を含む

※90歳以上はサンプルが30未満


30代に入ると加入率はぐっと上昇、その後は90%前後を推移し、70代以降は徐々に下がっています。特に「50~54歳」、「55~59歳」、「65〜69歳」では9割を超えており、もっとも加入率が高かったのは、55~59歳の91.8%でした。

生命保険の平均保険料

生命保険文化センターが調査したデータによると、世帯主の年齢別に見た世帯年間払込保険料は以下のとおりです。


世帯主年齢世帯年間払込保険料
29歳以下21.5万円
30〜34歳26.2万円
35〜39歳38.2万円
40〜44歳34.8万円
45〜49歳37.5万円
50〜54歳43.2万円
55〜59歳43.6万円
60〜64歳38.4万円
65〜69歳43.6万円
70~74歳33.7万円
75~79歳31.4万円
80~84歳28.6万円
85~89歳35.8万円
90歳以上25.6万円
全体37.1万円

参考:2021(令和3)年度 生命保険に関する 全国実態調査|生命保険文化センター


※〈図表Ⅰ-52〉世帯年間払込保険料(全生保)(世帯主年齢別)をもとに作成

※民保(かんぽ生命を含む)、簡保、JA、県民共済・生協等を含む

※90歳以上はサンプルが30未満


世帯年間払込保険料の水準がもっとも高いのは「55~59歳」、「65~69歳」 で、ともに43.6万円となっています。

生命保険の死亡保険金額

生命保険文化センターが調査したデータによると、世帯主の年齢別に見た生命保険の死亡保険金額は以下のとおりです。


世帯主年齢普通死亡保険金額
29歳以下1,440万円
30〜34歳1,793万円
35〜39歳1,945万円
40〜44歳1,964万円
45〜49歳2,040万円
50〜54歳1,650万円
55〜59歳1,545万円
60〜64歳1,215万円
65〜69歳772万円
70~74歳788万円
75~79歳592万円
80~84歳580万円
85~89歳557万円
90歳以上353万円


参考:2021(令和3)年度 生命保険に関する 全国実態調査|生命保険文化センター


※〈図表Ⅰ−36〉 世帯主の普通死亡保険金額(世帯主年齢別)をもとに作成

※民保(かんぽ生命を含む)、簡保、JA、県民共済・生協等を含む

※90歳以上はサンプルが30未満


上記データによると、死亡保険金額がもっとも高いのは「45~49歳」で、2,040万円となっています。

まとめ:生命保険の選び方

生命保険の選び方には、いくつかのポイントがあります。加入したい保険商品をいきなり探すのではなく、まずは自分や家族の死亡保障に関する必要性やニーズはどの程度なのかを見極めましょう。そのうえで、家計に無理のない範囲の保険料目安を設定し、条件にあった保険商品を探すのがコツです。実際の保険商品探しでは、比較サイトなどを活用して効率的に進めるとよいでしょう。


保険会社や保険の種類によっては、手数料の高さや外貨建て保険に加入する場合の為替リスクなど、注意点もあります。各種特約や細かい条件など、初心者には見極めにくい部分もあるかもしれません。必要に応じてプロの助言も活用し、将来の安心を守るために最適な生命保険を選びましょう。