- 医療保険に複数加入できるのか知りたい人
- 医療保険に複数加入することのメリットやデメリットを知りたい人
- 医療保険の必要な保障や保障されない場合を知りたい人
- 医療保険に複数加入したときのメリットやデメリットがわかる
- どんな場合に複数の医療保険に加入したら良いかわかる
- 年代や男女別における必要な保障や保障されないケースがわかる
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医療費に備えたいなら医療保険に複数加入する方法があります。複数加入することで不足する部分を補うことができるので、幅広い保障を持てるのです。大きなメリットがある反面デメリットもあるので、年代や男女別で必要な保障や医療保険の保障されないケースも合わせて解説します。
この記事の目次
- 医療保険に複数加入はできる?複数加入のポイントを紹介
- 高額療養費制度は保険に複数加入していても利用できる
- 損害保険の複数加入はメリットが薄い
- 医療保険や生命保険に複数加入するメリットは?
- 給付金を複数受け取れる
- 保険会社のトラブルに対してリスク分散できる
- それぞれの保険の強みを組み合わせられる
- 相談する担当者が増える
- 自分に必要な保険がわかる
- 医療保険や生命保険に複数加入するデメリットは?
- 保険料の負担が増える
- 保障内容が被る可能性がある
- 加入手続きの手間が増える
- それぞれの保険の管理が大変になる
- 保険金・給付金の請求が大変になる
- 【いくつ入ってる?】医療保険に二つ以上の加入がおすすめできる人とできない人
- 年代と男女別にみる医療保険の複数加入例
- 【30~40代の世帯主】医療保険&生命保険
- 【30〜40代の女性】医療保険&女性保険
- 【40代後半〜50代の男女】終身型の医療保険&生活習慣病に備えた保険
- 15歳以下の生命保険には複数加入できる数の上限がある
- 医療保険の給付金を受け取れない例
- 保障の対象期間外だった
- 支払い事由に該当しなかった
- まとめ:医療保険に複数加入はできる?保険を複数加入するメリット・デメリットは?
医療保険に複数加入はできる?複数加入のポイントを紹介
病気や怪我による医療費に備えるなら、医療保険に複数加入することで、手厚い保障を準備することができます。
まずは、複数加入することのポイント覚えておきましょう。
- 高額療養費制度は、保険に複数加入していても利用できる
- 損害保険の複数加入は、メリットが薄い
医療費の自己負担を軽減してくれる高額療養費制度や、自動車保険や火災保険などの補償がある損害保険の特徴について詳しく解説していきます。
特に、損害保険に複数加入すると、大きな損をしてしまう可能性があるので、ぜひ覚えておいてください。
高額療養費制度は保険に複数加入していても利用できる
民間の医療保険とは関係なく、高額療養費制度が利用できます。
高額療養費制度とは、ひと月ごとの医療費が一定額を超えると自己負担額を減らすことができる公的制度です。
もしもの時に備えて加入する民間の医療保険は、自助努力であるため複数加入していたとしても、公的保障には影響がありません。
年齢や所得によって自己負担額の限度額が異なる高額療養費制度は、厚生労働省保険局「高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成30年8月診療分から)」で自分の限度額を知ることができます。
69歳以下 適用区分 | ひと月の上限額 |
---|---|
年収約1,160万円超 | 252,600円+(医療費-842,000円)×1% |
年収約770万円~約1,160万円 | 167,400円+(医療費-558,000円)×1% |
年収約370万円~約770万円 | 80,100円+(医療費-267,000円)×1% |
年収約370万円未満 | 57,600円 |
住民税非課税者 | 35,400円 |
損害保険の複数加入はメリットが薄い
実質の被害を補填を目的とする損害保険は、補償の限度額を超えてしまうと補償額以上は支払われないので、複数の保険に加入するメリットは少ないと言えます。
保険を利用した犯罪を防ぐために、日本損害保険協会では加入者の補償内容を登録し、重複した加入によって限度額以上の補償は支払われません。
他社の加入状態を告知する損害保険では、加入後に限度額の確認が行われるので、一旦は保険へ加入できてしまい、加入後に契約を解除される場合があるのです。
すでに加入している同じ種類の損害保険があるのに、虚偽の告知をして加入すると、告知義務違反として支払った保険料が返還されることなく契約が解除されてしまうので、注意しておきましょう。
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医療保険や生命保険に複数加入するメリットは?
医療保険や生命保険に複数加入しておくことで、保障が手厚くなるなど、様々なメリットがあります。
- 複数から給付金が受け取れる
- 保険会社のトラブルに対するリスク分散ができる
- それぞれの保険の強みを組み合わせられる
- 相談できる担当者が増える
- 自分に必要な保険がわかる
給付金を複数受け取れる
医療保険や生命保険に複数加入していると、支払い事由が発生したときに、それぞれの保険会社から給付金や保険金が支払われるので、大きな保障額が持てるメリットがあります。
1社ごとに、加入できる医療保険や生命保険には限度が設けられており、限度額を決める基準は次の3つとなります。
- 年齢
- 職業
- 年収
保険会社のトラブルに対してリスク分散できる
もしも保険会社が経営破綻してしまった場合でも、複数加入していれば、残っている保険会社から給付金や保険金を受け取ることができます。
保険会社が倒産すると、以下のような流れで生命保険契約者保護機構により保険契約の補償が開始されます。
- 保険契約を引き継ぐ救済保険会社への資金援助をおこなう
- 救済保険会社が現れなければ子会社として継承保険会社を設立
倒産による契約者の不利益を防いでくれる生命保険契約者保護機構ですが、実は責任準備金の90%までしか補償されないのです。
そんなとき、医療保険に複数加入していれば、破綻した保険会社の契約で十分な保障がなくても、他社の保険で医療費などを補填することができます。
ただし複数の医療保険に加入すると、負担する保険料が多くなってしまうので、継続できる保険料の中で、よく検討することが大切です。
それぞれの保険の強みを組み合わせられる
保険商品によって保障の強みが違うため、複数加入することでメリットを組み合わせて必要な保障を準備することができます。
同じ手術名でも保険商品によっては保障の対象外となってしまったり、1回の入院に対する限度日数が異なったりと、比較してみると保険商品には一長一短が見え隠れするのです。
たとえば入院に対する保障を充実させたいなら、複数のプランを組み合わせて備えることができます。
- 一時金タイプの入院保障で短期入院に備える
- 1回の入院限度日数が長い医療保険で長期入院に備える
相談する担当者が増える
医療保険に複数加入するということは、それだけ加入する窓口が多くなり、相談できる担当者が増えることに繋がります。
保険を販売する担当者は保険のプロであるため、保険商品だけでなく必要保障額の考え方や公的保障など、知らない情報を知るきっかけともなるのです。
1社だけの担当者だと、加入している保険会社のメリットの情報ばかりになりがちですが、複数加入していることで、保険会社ごとのメリットや考え方がわかるので、情報を整理しながら学ぶことができるでしょう。
ただし、ネットで手軽に加入できる保険は、保険料が安く設定されていますが、加入者1人1人に担当者がつかない可能性が高く、相談できる担当者は期待しにくくなります。
保険のプロである担当者が欲しいなら、保険料も大切ですが、保険会社の担当者制度を確認しておきましょう。
自分に必要な保険がわかる
複数加入している医療保険の保障内容を見比べてみると、自分にとって必要な保障と、いらない保障を知るきっかけができます。
働き方や家計や貯蓄の状況によって、人それぞれ必要とする医療保険の保障内容には違いがあるため、ライフサイクルに応じて必要となる医療保障が変わるのです。
近年では、終身医療保険に加入するひとも多くなり、保険料が変わらず保障を持ち続けることができるという大きなメリットがあります。
しかし、保険会社では定期的に新しい保険商品や特約が販売され、医療技術とともに発達してきているため、古い保障内容のまま継続していると、いざというときに保障の対象外となってしまう可能性もあるのです。
- 最新の保障を検討
- 古い保障内容がないか確認
- 保障は多すぎたり少なすぎたりしていないか確認
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医療保険や生命保険に複数加入するデメリットは?
医療や生命保険に複数加入した場合、デメリットも発生します。
- 保険料が高くなり負担が増える
- 保障が被ってしまい保険料がもったいない可能性がある
- 加入手続きの手間が増えてしまう
- 保険ごとの管理が大変になる
- 保険金や給付金の請求が大変になる
保険料の負担が増える
複数加入することで、それぞれの保障を継続するために、保険料の負担が大きくなってしまいます。
医療保険の保険料には、保障内容に対する保険料はもちろん、事務手数料なども含まれていることをご存じでしょうか。
そのため、1つの保険を手厚くするよりも、複数加入する方が保険料の総額は高くなってしまいがちなのです。
医療保障を手厚くしたいなら、2つの方法における保険料を比較してみるようにしましょう。
- 複数の医療保険に加入した場合の保険料総額
- 1つの保険で特約を付加した保険料
保障内容が被る可能性がある
医療保険に複数加入すると、それぞれの保険で保障内容が被ってしまう可能性が考えられます。
一般的に、医療保険では主契約となる保障があり、これらは省くことができない保障となっているのです。
たとえば、入院保障は原則として主契約となる医療保険が多く、その他の保障には次のようなものが主契約となっているケースがあります。
- 手術保障
- 先進医療保障
加入手続きの手間が増える
医療保険に加入するときは、必ず加入手続きが必要となり、何度も同じような書類を記入することに煩わしさを感じるかもしれません。
加入手続きには、一般的に次のようなものが必要となります。
- 申込書の記入
- 告知書の記入
- 意向確認書の署名
- 保険料を支払う口座やクレジットカードの手続き
- 本人確認書類の準備
それぞれの保険の管理が大変になる
医療保険に加入すると、保険証券や重要事項説明書、約款などを保管し、加入している保険会社ごとの保障内容を管理しなければなりません。
保険証券は、もしも給付金を請求することになったとき、手続きをスムーズに進めるために必要となるだけでなく、保障内容を確認するときにも使用します。
不足している保障を補うために、複数の医療保険を検討するなら、保険証券を確認しながら3つのポイントに注意して検討しましょう。
- どの保険で、どのような保障があるのか
- 保障されないケースはどんな場合か
- 保障期間はいつまでか
更新タイプか終身タイプによって、保障期間が異なります。
もしも更新タイプばかりで複数加入していた場合、更新後はすべての保険料が上がってしまうことも考えて、加入する保険を考えるようにしましょう。
保険金・給付金の請求が大変になる
もしも加入している保険に、保険金や給付金を請求することになったとき、請求に必要となる書類をたくさん揃えなければならないため、大変になると言えるでしょう。
請求書類は、基本的に原本の提出が求められます。
しかし、請求書類は保険会社ごとに異なることから、1社につき1セットずつ指定される分だけ揃えなければならないのです。
- 保険金や給付金の請求書
- 振込先の指定口座
- 指定する診断書
- 領収証などの写し
請求には診断書が必要となるケースは多く、保険会社ごとに指定される診断書を用意しようとすると、病院に支払う診断書料の負担が大きくなってしまうことが考えられます。
少額の請求となる場合は、診断書料の負担が大きくなってしまい、実際に受け取る保険金や給付金が少なくなってしまう可能性もあるので、注意しておきましょう。
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【いくつ入ってる?】医療保険に二つ以上の加入がおすすめできる人とできない人
みなさんは、これからどのような医療保険に入ろうと考えていますか?
医療保険への複数加入が「おすすめできる人」と、「おすすめできない人」をご紹介します。
複数加入がおすすめできる人
- 遺伝性の病気が不安で、保障を手厚くしておきたい人
- 高い保険料であっても、継続するための資金に余裕がある人
- 保険商品ごとに契約内容を把握し、管理ができる人
- 必要以上に手厚い医療保障が必要ない年代の人
- 保険料の支払いが負担だと感じる人
- 医療保険の保障内容に詳しくない人
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年代と男女別にみる医療保険の複数加入例
医療保険に複数加入する場合、年代や男女別でどのような医療保険を検討すれば良いのか考えてみましょう。
- 【30~40代の世帯主】医療保険と生命保険
- 【30~40代の女性】医療保険と女性保険
- 【40代後半〜50代の男女】終身型の医療保険と生活習慣病に備えた保険
【30~40代の世帯主】医療保険&生命保険
生命保険文化センター「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査」で、全生保の世帯主年齢別を見てみると、30~40代の加入率は以下のようになっています。
全生保の加入率 | 2018(平成30)年 | 2021(令和3)年 |
---|---|---|
29歳以下 | 79.2% | 70.2% |
30~34歳 | 86.7% | 90.7% |
35~39歳 | 88.7% | 89.4% |
40~44歳 | 92.4% | 93.2% |
45~49歳 | 93.3% | 94.0% |
50~54歳 | 93.5% | 93.0% |
30~40歳といえば、病気や怪我のリスクが高くなる年代で、加入率は年々高くなってきています。
家族を持ち、世帯主として保険加入を考えるなら、独身時代のように医療保険だけでなく、万が一に備えて生命保険も検討しましょう。
医療保険は、治療を受けることになったとき、家計へのダメージを軽減できますが、万が一のときには、配偶者の生活費や子供の教育費のために死亡保障が必要となります。
保障は、医療保険では入院や手術保障を手厚くしておき、生命保険では必要保障額をもとに、死亡保険金額を設定するようにしましょう。
【30〜40代の女性】医療保険&女性保険
近年では、若い年代から女性特有の病気を発症するリスクが高いと言われており、30~40歳の女性は、医療保険に加えて女性保険への加入を検討してみましょう。
女性保険とは、子宮がんや乳がん、子宮筋腫など女性特有の病気の場合に備えられる保障で、医療保険に女性特約として付加することが一般的です。
- 子宮がんや乳がんなどのがん(上皮内がんを含む)
- 乳房や子宮などの女性疾患
- 帝王切開や出産時の異常分娩および合併症
傷病名 | 入院日数 | 自己負担額(3割) |
---|---|---|
乳がん | 3.6~11.3日 | 104,000円~593,400円 |
子宮がん | 3.1~13.3日 | 66,900円~441,700円 |
子宮の良性腫瘍(全摘) | 10.0日 | 284,700円 |
女性は40代になると、がんの発症率が高くなってきます。
高額な医療費に備えるためにも、医療保険に女性特約をつけて加入することがおすすめです。
【40代後半〜50代の男女】終身型の医療保険&生活習慣病に備えた保険
40代後半や50歳代になると、男女ともに病気へのリスクが高まり、医療費や生活習慣病に備えた保険を検討する必要があります。
医療保険には更新型と終身型があり、保険料や保障期間の違いが特徴です。
医療保険 | 保険料 | 保障期間 |
---|---|---|
更新型 | ・安く設定されている ・更新後は高くなる | ・一定期間の保障 ・80歳などで保障がなくなる |
終身型 | ・保険料が高めに設定されている ・更新がないので保険料は変わらない | ・一生涯の保障 |
超高齢化社会となった近年では、40代後半以上になると、途中で医療保険がなくならない終身タイプが必要だと言えるでしょう。
保険選びで迷っていませんか?
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15歳以下の生命保険には複数加入できる数の上限がある
損害保険だけでなく、生命保険にも、複数加入した場合における保障金額の上限が設けられています。
それぞれの保険では、保険に加入する目的を逸脱したり、悪質な事件を防ぐために上限が定められているのです。
保険の種類 | 上限のある理由 |
---|---|
損害保険 | 損害を補填する目的のため、原則として損害以上の補償はしない |
生命保険 | ・保険金を目当てとする事件を防ぐため ・加入者の公平性を保つため ・高額な保険料により途中解約を防ぐため |
医療保険の給付金を受け取れない例
医療保険は、どんな場合でも給付金が受け取れるわけではないということをご存じでしょうか。
給付金が支払われない例として、代表的な2つのパターンを紹介します。
- 保障の対象期間外だった
- 支払い事由に該当しなかった
保障の対象期間外だった
医療保険の給付金が受け取れない理由として、以下のような保障の対象期間外だったというケースがあります。
- 更新をせず保険期間満了したあとに、給付金の支払い事由が起きた
- 給付金の支払い事由が起きた日が、免責期間中だった
- 保険の責任開始日以前に、給付金の支払い事由が発生した
- 申込書
- 告知書
- 第1回保険料の払い込み
支払い事由に該当しなかった
保険会社ごとに給付金の支払う規定が異なるため、支払い事由に該当していなければ給付金は受け取れません。
医療保険では、病気や怪我が原因で治療を受けた場合は給付金が支払われますが、保険会社や保険種類ごとに定めた支払い事由に該当していることが条件なのです。
医療保険で支払い事由に該当しない代表的なものとして美容整形がありますが、以下のような例もあるので、覚えておいてください。
- 検査入院をしたが異常はなかったため、支払い事由に該当しなかった
- 怪我で通院したが、入院を伴う通院という支払い事由に該当しなかった
- 日帰り入院をしたが、1日以上の入院という支払い事由に該当しなかった
まとめ:医療保険に複数加入はできる?保険を複数加入するメリット・デメリットは?
医療保険には複数加入することができるので、手厚い保障を持ちたい人は、必要とする保障を分散して医療保険に入れるメリットがあります。
ただし、デメリットとして複数加入することで保険料が高くなってしまうため、余裕のある保険料を設定しながら検討することが大切です。
年代や性別ごとに必要な保障を確認し、いろいろな角度から医療費へのリスクや、保障される場合と保障されない場合も確認しながら、検討しなければなりません。
複数加入するメリットやデメリットをよく考え、医療保険の保障内容について考えてみましょう。