パーソナルトレーナーとして活動する際、顧客の体調管理やトレーニングの指導に加え、法的リスクにも十分に注意を払う必要があります。一般的に、トレーニング中の事故やケガが発生するリスクがあるため、適切な保険に加入することが重要だと言われています。
しかし、顧客がトレーニング中にケガをした場合の対応や、賠償責任が発生した際にどうすれば良いのか困ったり、具体的にどのような保険が必要かに悩んだりする方も多いのではないでしょうか。
そこで今回はパーソナルトレーナーが加入すべき保険の種類やその具体的なカバー範囲、さらに保険を選ぶ際のポイントについて詳しく解説します。
・パーソナルトレーナーとして活動しており、リスク管理に関心がある方
・これからパーソナルトレーナーとして独立を考えており、必要な保険について知りたい方
は本記事を参考にすると、パーソナルトレーナーに必要な保険の知識が深まり、適切なリスク管理を行うための具体的な対策が明確になります。
内容をまとめると
- パーソナルトレーナー事業には、リスクに対して損害保険で備えることが大切であり、過去の事例から、加入すべき損害保険を検討する必要がある。
- パーソナルトレーナー事業には、法人向け火災保険や個人損害賠償保険など、様々な損害保険が必要。
- 個人事業主も、法人向け保険に加入できる。
- しかし、独断で過不足なく保険契約をするのは困難なので、今日では法人向け保険や事業のリスク対策に関して、法人保険のプロに「無料で何度でも」相談できるマネーキャリアを活用するパーソナルトレーナーの方も増えている。
この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
>> 谷川 昌平の詳細な経歴を見る
この記事の目次
パーソナルトレーナーを取り巻くリスク(損害保険は必要!)
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「最適なリスク対策ができているか不安…」
業態業種問わず、法人保険のプロに無料で何度でも相談ができる「マネーキャリア」
▼マネーキャリア(丸紅グループ)の公式サイト
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近年のフィットネスジムは、ターゲット層を増やすため、パ-ソナルジムや24時間ジムなど、様々なコンセプトを売りにして拡大傾向となっています。
なかでも、トレーナーが個別対応でサポートするパーソナルトレーニングの市場は、今後さらなる成長が見込まれており、フリーランスとしてトレーナーになる方も増えてくることでしょう。
しかし、個人事業でパーソナルトレーニングを営むには、数々のリスクを理解したうえで備えておくことが大切です。
リスクの影響や発生頻度はリスクマップに置き換えることができますが、特に3つのリスクについては経営悪化に直結してしまう可能性があるので、しっかりと備えておかなければなりません。
- 顧客がケガをするリスク
- 施設や設備の不具合による損害リスク
- 火災や爆発などに対するリスク
①顧客が怪我をするリスク
パーソナルトレーナーはトレーニングのプロですが、マンツーマンで指導する顧客はトレーニグについて素人といっても過言ではありません。
そのため、トレーナーがつきっきりで指導したとしても、顧客がけがをしないと断言することはできません。
パーソナルトレーナーとして事業を継続するためには、新規顧客を獲得し続けることが大切ですが、もしも事故が起きて顧客がけがをしてしまったときの信用低下は、経営に大きな打撃を与えてしまうリスクも考えられます。
顧客がけがをしないように、徹底した安全対策も大切ですが、すべての危険を避けてトレーニングをおこなうことは難しいですよね。
もしもの事故に備えるためには損害保険に加入し、治療費や損害金を支払えるよう準備しておくことが大切だと言えるでしょう。
②施設や設備の不慮による損害リスク
顧客がトレーニングに使用する施設や設備は、パーソナルトレーナーが管理しなければなりません。
- ダンベルやウエイトなどのトレーニング器具
- エアコン設備
- 電気・水道設備
③火災や爆発に関するリスク
頻繁に起こることではありませんが、火災や爆発などに対するリスクに備えておくとも大切です。
もしもトレーニングで火災や爆発がおこった場合、中長期にわたって事業をおこなえなくなってしまうリスクは、経営の立て直しが困難となってしまうことがあります。
どんなに火気の取扱いに注意していても、放火や地震による火事や爆発も、事業のリスクとして考えておくべきだと言えるでしょう。
- 火事で怪我をしたひとへの治療費や賠償
- 損傷した施設や建物の復旧
- 延焼による他の施設への賠償
仮に、経営する施設が火事や爆発となった原因でなくても、経営の立て直しに加えて風評被害に対する懸念もあると言えます。
スポーツクラブの場合、規模や時間帯によっては多くのひとが集まる施設となるので、大きな規模になればなるほど、火事になったときの避難経路の確保や安全対策の徹底をしておくことが大切です。
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パーソナルトレーナーに実際にあった損害事例
これからパーソナルトレーナーとして事業をはじめようと思っているひとは、どのようなリスクに備えたら良いのでしょうか。
考えられるリスクに対して備えるには、過去の事例を参考にすると、より具体的なリスクを考えることができます。
- 過度なトレーニングによる損害
- スポーツクラブでの火災
これらについて、スポーツジムやパーソナルトレーナーが、実際に負った損害事例をご紹介します。
リスクは、いつ事故となって牙を剥くかわかりません。
損害や発生リスクが少なくても、少しでも経営に影響があると考えられるリスクについては備える方法を考えておくべきだと言えるため、過去の事例はぜひ参考にしておいてください。
事例1:過度なトレーニングによる損害
トレーナーにより過度なトレーニングを強要され、腰椎椎間板などを発症したとして、利用者がスポーツクラブを相手取り、損害賠償を請求した裁判例があります。
訴えをおこした顧客は、レッグプレスにおけるトレーニング後、およびその後のトレーニングで、左腰から足先までの痛みを訴え続けたが、トレーナーからまともな回答を得られず、それからもトレーニングに通ったが、身体状態が悪化したというものでした。
スポーツクラブは、顧客からのクレームに対し、事実関係を明確にさせるためにも、負傷した経緯や通院治療による医師の診断書があれば、交通費や治療費を支払う旨を文書で交付しましたが、損害賠償請求を巡る裁判へと発展したのです。
結果として、損害賠償の請求は認められないという裁判結果になりましたが、この事例における棄却理由は、以下のような内容がポイントでした。
- 痛みを訴えたあとも、引き続きスポーツクラブに通いトレーニングを実施
- 最大の痛みであるはずのレッグプレストレーニングも実施
- キャンセルした予約を再予約してトレーニングに通う
- トレーナーが、どのようなパーソナルトレーニングをおこなっているのかを記録しておくことは、指導内容について虚偽報告をされないことへの抑止力
- クレーム内容を記録化は、クレームが途中で不自然な変化をしていないか検証するときに重要な材料となる
事例2:スポーツクラブでの火災
お隣の韓国では2017年に、スポーツクラブのある9階建ての商業施設で火災が発生し、29人が死亡し36人が負傷する事故が起きました。
29人中20人が、2階の浴場にあるサウナ利用者で、ドアが開かずサウナから逃げ出せずに死亡に至ったのです。
1階の吹き抜け天井が出火元となった火事ですが、大惨事となった背景には3つの不幸が重なったこともありました。
- スプリンクラーが作動しなかった
- 燃えやすい材質が外壁に使用されていた
- 路上駐車に阻まれて消防車の侵入に遅れが出た
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パーソナルトレーナーに必要な損害保険
法人や個人事業主として、パーソナルトレーナー事業を営むなら、万が一に備えて損害保険へ加入することも検討してください。
- 個人賠償責任保険
- 施設賠償責任保険
- 法人向けの火災保険
- 個人情報漏洩保険
法人として規模の大きな事業にするなら、幅広いリスクに備える必要がありますが、個人事業主として事業をおこなうなら、リスクの高いものから損害保険へ加入すべきだと言えるでしょう。
もちろん月々の保険料をなるべく抑えたいという考えもあると思いますが、もしも事故が発生してしまったときには、莫大な損害賠償金を背負ってしまう可能性もあるのです。
ここでは、4つの損害保険について詳しく解説しているので、パーソナルトレーナー事業を経営するには、どの保険を検討すべきなのかを考えるときの参考にしてみてください。
また、自社で必要な保険について、専門家に相談したい方は「マネーキャリア」をご利用ください。
①個人賠償責任保険
個人賠償責任保険とは、パーソナルトレーナー自身がなんらかの行動を起こし、その結果顧客に対して損害を与えてしまった場合の賠償金を補填する損害保険です。
マンツーマンで指導する顧客から、身体への損害などを理由に賠償責任を問われたときに必要となる補償で、治療費や交通費、休業損害や慰謝料などをパーソナルトレーナーに代わって損害保険で支払うことができます。
仮に「トレーニング中に起こった事故に対する責任は負いません」という文言のある同意書を顧客から取り付けていたとしても、事故が起こって顧客が怪我をした場合、パーソナルトレーナーの指導に起因するものであれば、責任を負う義務が発生します。
賠償責任があるにも関わらず賠償金を支払わずにいると、顧客との信頼関係も壊れ、トレーニングジムの顧客離れにも繋がってしまいます。
顧客との信頼関係を築き、安定したものにするためには、万が一のときにはきちんと賠償責任を果たせるよう、損害保険へ加入しておく必要があるのです。
②施設賠償責任保険
パーソナルトレーナー事業では、施設に関する事故リスクに対して損害保険に加入しておくことも大切です。
- 施設の維持や管理不備が原因で、賠償責任を負った
- 施設や設備の構造上の欠陥が原因で、損害賠償が発生した
- 施設を使用した業務により、損害賠償を背負った
③法人向けの火災保険
- 火災や爆発、落雷
- 風災や水災などの自然災害
- 電気的・機械的な事故
- 給水設備や排水設備による損害
- 騒擾や集団行為による損害
- 盗難
- 飛来物
④個人情報漏洩保険
パーソナルトレーナー事業では、契約書を締結したり、健康状態や緊急連絡先などを記入してもらったりするため、個人情報には厳重な取扱いが必要となります。
万が一個人情報が漏洩してしまった場合には、該当する顧客から損害賠償を請求されるだけでなく、パーソナルトレーナー事業としての信用は失墜してしまうことに繋がります。
万が一、個人情報の管理をおこなうコンピューター管理で情報が漏洩してしまった場合、個人情報漏洩保険で以下のような損害を補うことはできますが、失った信用を取り戻すことはできません。
- 損害賠償金の補償
- 個人情報漏洩にかかわる対応費用を補償
- 情報漏洩となった対象者への見舞金やお見舞品の購入費用を補償
- 個人情報漏洩に対する再発防止対策の構築費用を補償
個人情報保護法は3年おきに見直されていくため、常に規定を新しく見直し、情報管理に敏感になっておくことが大切だと言えるでしょう。
個人情報漏洩保険について詳しい内容を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
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パーソナルトレーナーが損害保険に加入する方法とは
パーソナルトレーナー事業に必要な損害保険へ加入する方法は3つあります。
- 該当する損害保険を販売している保険会社に相談する
- 該当する損害保険を取り扱っている代理店に相談する
- 資格団体の会員となって会員特典から損害保険に加入する
JATI(日本トレーニング指導者協会)のように、トレーニング指導に携わるひとたちが相互研鑚を通じて専門性を高め合う団体では、会員登録することで損害保険へ加入できます。
- JATI(日本トレーニング指導者協会):賠償責任保険・所得補償保険
- NESTA(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会):賠償責任保険
- JHCA(日本ホリスティックコンディショイング協会):賠償責任保険
- NSCAジャパン:賠償責任保険
NESTAでは年会費(12,000円)のみで賠償責任保険(1事故:最大1億円)へ加入することができますが、他の団体では年会費に加えて保険料の支払いも発生するため、会員登録するまえに必ず確認しておきましょう。
しかし、パーソナルトレーナー事業では、個人賠償責任保険だけでなく、他のリスクに対する備えも含めて検討しなければなりません。
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個人事業主のパーソナルトレーナーでも法人保険に加入できるか
法人保険に関する無料相談では、「そもそも個人事業主でも法人保険に加入できるのか?」という相談もよく耳にしています。
法人保険とは、法人企業だけが対象ではなく、事業をおこなっていれば個人事業主であっても法人向け保険に加入できるのです。
法人・個人といった企業形態ではなく、経営者向けの保険と考えておきましょう。ただし、加入しようとする損害保険によっては、企業形態が関係する場合もあります。
そのため、自身が経営する事業に対して、リスクと補償で悩んだときには、法人保険の専門家をパートナーとして相談する必要があるのです。
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パーソナルトレーナーのリスク対策への不安を簡単に解消できる方法とは
ここでは、パーソナルトレーナーが直面する保険の悩みとその解決策について紹介します。
パーソナルトレーナーは、顧客がトレーニング中にケガをしたり、トレーニング指導中にトレーナー自身がケガをするリスクがあるため、自費で多額な支出を抱えないためにも保険が必要になります。
たとえば、クライアントがトレーニング中にケガをした場合、賠償責任が発生することがあり、適切な保険がないと大きな負担となる可能性があります。しかし、保険を見直す際には、コストだけでなく、カバー範囲や保険内容の充実度も考慮しなければなりません。
パーソナルトレーナーの特性を理解し、リスク管理をサポートするサービスが必須となりますが、インターネット上で調査しても得られる情報は限定的なのが現状です。
そこで、パーソナルトレーナーの特性に応じたニーズを満たすサービスとして、法人保険のプロに「無料で何度でも」相談ができるマネーキャリアが必須です。
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パーソナルトレーナーに必要な法人保険まとめ
ここまで、パーソナルトレーナーが直面する保険の必要性とその選び方について詳しく紹介しました。
しかし、どのような事業にもリスクはつきものであり、パーソナルトレーナー事業も例外ではありません。
- パーソナルトレーナー事業は、損害保険への加入が必要不可欠
- 過去の事例を参考にして、どのような損害保険に加入すべきか考える
- パーソナルトレーナー事業は、法人向け火災保険や個人損害賠償保険など、様々な損害保険を検討しなければならない
- 個人事業主であっても、法人向け保険に加入することができる
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