トリミングサロン開業に必要な保険とは?【ペット事業者必読】のサムネイル画像

トリミングサロンを運営する際、ペットのケアや美容に加えて、法的リスクにも十分に注意を払う必要があります。一般的に、トリミングサロンではペットのケガやトリマーの事故、さらには顧客への損害賠償リスクが高いと言われています。


しかし、具体的にどのような保険が必要なのかは、トリミングサロンのオーナーにとって悩ましい問題です。たとえば、ペットがトリミング中にケガをした場合や、トリマーが業務中に事故に巻き込まれた場合にどう対応すべきか困ることが多いのではないでしょうか。


そこで今回は、トリミングサロンが加入すべき保険の種類やその具体的なカバー範囲、さらに保険を選ぶ際のポイントについて詳しく解説します。


・トリミングサロンを運営しているが、リスク管理も適切にしなければならないと思っている

・トリミングサロンを開業しようと考えているが、必要な保険がわかっていない


方は本記事を参考にすると、トリミングサロンに必要な保険の知識が深まり、適切なリスク管理を行うための具体的な対策が明確になります。


内容をまとめると

  • トリミングサロンにはペットのケガや店舗の火災などさまざまなリスクがある。
  • ペットに危害を加え、数十万円という損害賠償の事例がある。
  • ペット事業者向けの賠償責任保険など、保険で備えておく必要がある。
  • トリミングサロン向けの法人保険には、個人事業主でも加入が可能だが、必要書類の不備に注意すべき。
  • 一方で、法人保険の知識がないなかでで保険を選定するのは困難なので、法人保険の専門家に無料で何度でも相談ができる「マネーキャリア」を使うトリミングサロンの経営者が増加している。

この記事の監修者「谷川 昌平」

この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー

株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。
>> 谷川 昌平の詳細な経歴を見る

この記事の目次

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トリミングサロンを取り巻くリスク

トリミングサロンを取り巻くリスク



トリミングサロンを運営するには、対象とするのが一般の顧客ということもあり、クレーム対応もリスクのひとつと言えます。


また、ペットサロンでお預かりするペットに万が一のことがあれば、ケガなどの治療費や見舞金を支払う必要があるだけでなく、店舗の信用や評判低下につながる事態となります。


日頃の店舗内のメンテナンスや、管理も重要となりますが、万が一の事故が起こった際にもすぐに対処できるよう、対策をうっておくことが重要となります。


この記事ではトリミングサロン事業者向けに以下の内容を解説します。

  • トリミングサロンを取り巻くリスク
  • ペット関連の事業で実際にあった事故
  • トリミングサロンなどの開業で必要になる損害保険
  • ペット事業運営者が法人保険に加入する方法
トリミングサロンを新規開業される方や、これから開業される方は、どの保険に加入すれば良いかまずは専門家に相談したいという人も多いのです。

そういった方々には、法人保険や、事業のリスク対策について個別相談ができる「マネーキャリア」がおすすめです。

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①預かっている動物に危害を加えてしまうリスク

まずトリミングサロンで最も考えられるのが、預かっている動物に危害を加えてしまうリスクです。


上記のリスクマップでいうと、動物に対する損害は、発生頻度が高く、リスクの影響も大きいものです。


扱うのが生き物ですので、カット中に急に動いたり、トリミング中にテーブルから飛び降りたりと、予期せぬ動きをすることがあります。


また、お預かりしている動物を誤ってトリミング中にペットに怪我をさせてしまったり、逃げ出したり、シャンプーなどの化学物質による皮膚トラブルが発生したりするリスクもあります。


顧客にとっては大切な家族の一員である動物たちに危害があっては、賠償請求されるだけでなく、店の評判にもかかわる事態となります。

②施設や設備不慮のリスク

ペットサロン内の設備などが故障したり損壊するリスクは、上記のリスクマップだと発生頻度も多く、影響が高いリスクです。


トリミングサロンでは、トリミングテーブルやドッグバス、ゲージなどどれも業界特有の設備が多いです。


これらは使用するのが動物たちということもあって、劣化や故障などが比較的早かったり、損傷が激しくなることがあります。


具体的に、シザーやバリカンなどのトリミング機器が故障するリスクがあります。また、シャンプーやトリートメントなどの消耗品の管理も必要です。


また、これら設備の清掃やメンテナンスをこまめに実施しておかないと大切な動物たちを傷つけてしまったり、顧客にも悪い印象を与えることになります。

③火災や爆発のリスク

トリミングサロンでは、火災や爆発のリスクもあります。上記のリスクマップでは、放火は発生頻度は低いものの影響としてはそれなりにあるリスクです。


店舗内で火を使用することはほとんどない一方、放火されてはどうしようもできません。また、近隣店舗が火事にあった場合、近隣店舗からのもらい火も想定されます。


店舗内でどれだけ火元に注意していても、放火やもらい火のように防ぎきれない事故もあります。

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ペット関連の事業で実際にあった事故



トリミングサロンもさまざまなリスクをかかえています。ここからは、ペット関連の事業で実際にあった事故を2つご紹介します。

  1. トリミング中に誤って尻尾を切った事例
  2. 預かっていた動物が行方不明になった事例
上記の事例はネットでも話題になった事例であり、ペット関連事業でのリスク対策は、今日では必須となってきたきっかけの事件とも言えます。

事例1:トリミング中に誤って尻尾を切った事例

トリミング中に誤ってペルシャ猫の尻尾を切ってしまった事例をご紹介します。


ある家族が飼い猫のペルシャ猫のトリミングをサロンに依頼しました。このトリミングサロンでは、あるスタッフが対応し、トリミング中に毛玉を切ろうとしたところ、猫の尻尾を5㎝ほど切ってしまったとのこと。


すぐに動物病院で手術となり、後遺症も残らなかったものの、尻尾がもとに戻ることはありませんでした。


家族は、サロンから誠意ある謝罪を受けなかったとして、治療費や、慰謝料含め40万円を請求しました。判決では、猫を傷つけただけでなく家族にも精神的苦痛を与えたとして慰謝料10万円の賠償請求が言い渡されました。


参考:トリミング中のペットの事故

事例2:預かっていた動物が行方不明になった事例

預かっていた動物が行方不明になった事例です。


ペットホテルに預けたチワワが散歩中に逃げ、そのまま行方不明になってしまった事例が発生しています。こわがりのチワワだったとのことで、飼い主は預ける際に事前に「別の犬と散歩させてほしい」旨をホテル側に伝えていました。


にもかかわらず、ホテル側は飼い主の要望をきかずに他の犬と一緒に散歩させ、さらには逃げたことを飼い主にすぐ伝えず、捜索すらしなかったとのことです。


この事例では、ホテル側に慰謝料など60万円の支払いが命じられました。


参考:ペットホテルに預けた愛犬が行方不明に

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トリミングサロンなどの開業で必要になる損害保険


いずれの事例も数十万円と多額の賠償請求がされてしまった事例でした。いきなり数十万円支払うことになると、店舗の運営にも支障をきたします。


トリミングサロンを運営する際、ペットのケアやリスクに対して、十分に注意を払う必要があります。そのため、ペット保険においても、損害保険の重要性は見逃せません。


ここからは、トリミングサロンなどの開業で必要になる損害保険を解説します。

  1. ペット事業者賠償責任保険
  2. ペット事業者保険
  3. 受託者賠償責任保険
  4. 店舗総合保険
リスクに対応するためには、適切な損害保険に加入することが不可欠です。

①ペット事業者賠償責任保険

ペット事業者賠償責任保険は、トリミングサロンやペットホテルなどのペット関連事業者が運営する際に発生する可能性のあるさまざまなリスクに対して、損害賠償をカバーする保険です。


支払われる保険金は以下の通りです。

  • 法律上の損害賠償金
  • 事故発生時に緊急対応した場合の初期対応費用
  • 弁護士相談費用
  • 突然死した場合の見舞金
  • 捜索費用
そして、たとえば以下のような場合に補償対象となります。

  • お預かりしていたペットに、スタッフが誤ってケガをおわせてしまい、お客様から賠償請求された
  • 散歩中にペットが逃げ出してしまったため、捜索費用がかかった
  • 預かっていたペットが突然死してしまった
どの補償内容も、実際にあった事例で補償される対象です。

さらに、トリミングサロンで加入すべき保険金の支払限度額をまとめた表が以下です。

補償内容支払限度額
(縮小支払割合)
免責金額
ペットのケガに
関する損害賠償金
100万円
(90%)
3万円
初期対応費用100万円
(90%)
なし
弁護士相談費用3万円
(90%)
なし
見舞金5万円
(1匹あたり)
30万円
(1事故あたり)
捜索費用10万円
(90%)
施設賠償責任1,000万円
(100%)


最低限必要な賠償に関する補償はペット事業者賠償責任保険でまかなえます。トリミングサロン事業者や、ペットホテル事業者などは必須の保険です。

②ペット事業者保険

ペット事業者保険とは、「一般社団法人 全日本動物専門教育協会」の会員が加入できる賠償責任保険の名称です。


補償される内容は以下です。

  • 施設や業務遂行に起因した法律上の賠償責任
  • 預かったペットに危害をくわえてしまった場合の賠償責任
  • 預かったペットが突然死した場合の見舞金
  • 事故状況の調査費用などの初期対応費用
  • 訴訟対応費用
上記でご紹介したペット事業者賠償責任保険と補償内容はほとんど変わりませんが、こちらは団体契約なので、必ず「一般社団法人 全日本動物専門教育協会」会員になる手続きが必要となります。

団体契約のメリットは、会員としてのサービスが協会から受けられるだけでなく、団体契約は通常に加入するよりも割安となっていることがあります。

例えば、以下のような場合に補償されます。
  • 清掃途中で床が濡れていたため、店舗に来店したお客様が、滑ってケガをした
  • トリミング中にペットが台から転落し、骨折してしまった

支払限度額をみていきましょう。

補償内容支払限度額免責金額
施設賠償責任3,000万円
(1事故につき)
1万円
ペットのケガに
関する損害賠償金
20万円
(1事故につき)
200万円
(保険期間中)
5千円
見舞金10万円1万円
初期対応費用50万円1万円
訴訟対応費用50万円1万円

③受託者賠償責任保険

受託者賠償責任保険は、第三者から預かったものの損害を補償する賠償保険です。

トリミングサロンでは、ペットを飼い主から預かりますので、ペットが補償対象ということになります。


お支払いされる保険金は以下です。

  • 損害賠償金
  • 初期対応費用
  • お見舞金
  • 捜索費用 など


例えば以下のような場合に補償されます。

  • ペットがトリミングテーブルから落下し、ケガをしてしまった
  • お預かり中、空調設備の不調でペットが熱中症にかかってしまった
  • 散歩中、ペットがくるまにひかれ死亡してしまった

一般的に販売されている受託者賠償責任保険は、動物が補償対象外となっていることがありますので、必ずペット事業者向けに販売されている受託者賠償責任保険に加入するようにしましょう。

受託者賠償責任保険については、以下の記事で詳しい内容をご覧ください。

受託者賠償責任保険についてのサムネイル画像

受託者賠償責任保険とは?保険料や補償内容等をわかりやすく解説

④店舗総合保険

店舗総合保険は、店舗経営者向けの火災保険です。


トリミングサロンの火災リスクだけでなく、水災や台風などの自然災害も補償することができますので必ず加入しておきましょう。


補償される内容は以下です。

  • 火災、破裂、爆発
  • 落雷
  • 風災、雹災(ひょうさい)、雪災
  • 水災
  • 騒擾、集団行動、労働争議に伴う暴力・破壊行為 
  • 水濡れ
  • 盗難
  • 建物外部からの物体の落下、飛来、衝突
補償されるのは、トリミングサロンの店舗自体のリスクだけでなく、店舗内にあるトリミングテーブルやゲージやドライヤーなども対象となります。

火災などが起こった場合、設備や什器だけでも買いそろえるのに相当の費用がかかりますので、店舗総合保険でしっかりと備えておきたいですね。

例えば、特約で以下のような補償を付帯し、補償を拡大することもできます。
  • 店舗賠償責任補償特約:施設の欠陥に起因して生じた事故を補償
  • 借家人賠償責任補償特約:テナントオーナーに対する賠償を補償

テナントの場合は加入が必須となる借家人賠償責任補償特約に加入できるなど、店舗にとっては必ず加入しておきたい保険です。


店舗総合保険については、以下の記事で詳しい内容を記載しています。気になる方はそちらの記事をご覧ください。

店舗総合保険についてのサムネイル画像

店舗総合保険はおすすめ?相場や保障内容も解説

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トリミングサロンでペット保険に加入していると信頼度が向上する?


結論として、トリミングサロンでペット保険に加入していると、信頼度の向上にもつながります


保険に入ることで、サロンはペットがケガをしたり、何か問題が起きたときにすぐに対応できるようになります。たとえば、あるトリミングサロンでペットがケガをしてしまった場合、保険があると治療費をカバーできるため、飼い主は安心です。


この安心感があると、飼い主は「このサロンなら何かあっても大丈夫」と思い、また利用したいと感じるようになります。また、保険に入っているサロンは、正しくリスク管理をしている印象を与えます。


結果として、飼い主は大切なペットを安心して預けることができるため、自然と信頼が高まり、この信頼がリピーターの増加につながるのです。

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個人のペット事業運営者が法人保険に加入する方法

個人のペット事業運営者が法人保険に加入するためには、まず信頼できる保険会社や保険代理店に問い合わせることから始めます。


事業内容やリスクを詳しく説明し、ペット事業に適した法人保険について「マネーキャリア」をはじめとした相談サービスを活用します。具体的な事業内容を伝えることで、適切な保険プランを提案してもらえます。


次に、保険契約に必要な書類を準備します。事業内容を証明するための書類として、事業計画書や営業許可証が必要です。また、個人事業主としての登録証明書も求められることがあります。


上記書類を揃えたら、保険会社から提案された保険プランのなかから、事業に最も適したものを選びます。ペット事業者賠償責任保険や店舗総合保険など、複数の保険を組み合わせることも検討しましょう。

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トリミングサロンに最適な保険やリスクへの準備を簡単に済ませる方法とは


ここでは、トリミングサロンに特化した保険を見つけ、リスク対策を万全にする方法を紹介します。


トリミングサロンでは、ペットのケガや逃走、さらには設備の故障や火災などのリスクが多く存在するため、保険加入が必須といえます。もし、トリミング中にペットがケガをした場合、その治療費や賠償金が発生し、経営に大きな負担をかけることがあります。


しかし、保険の加入・見直しの検討時には、コストだけでなく、カバー範囲や特約内容も慎重に考慮しなければなりません。さらに保険に関する専門知識がなければ、意図せず誤った保険への加入や補償が受けられない事態に陥ってしまうのです。


そこで、トリミングサロンの特性に応じた保険選びをサポートするサービスとして、法人保険のプロへ「無料で何度でも」相談ができるマネーキャリアの活用一択です。


さらに、マネーキャリアは相談実績80,000件以上の豊富な経験と、相談満足度98.6%という高い評価を誇ります。トリミングサロンならではの悩みを解消し、最適な保険選びをサポートするための確かな情報とアドバイスが得られます。

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法人保険の活用事例集

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営業活動を安心して継続するために法人保険の加入は必須となりますが、インターネット上で事例を調べても事例の情報は非常に少ないのが現状です。


したがって、自社にどのような保険が必要か・リスク対策が必要かを「法人保険の事例」を参考に洗い出す必要があります。


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トリミングサロンに必要な損害保険の概要まとめ


ここまで、トリミングサロンを取り巻くリスクと、それに対する損害保険の必要性について詳しく紹介しました。


この記事のまとめです。

  • トリミングサロンにはペットのケガや店舗の火災などさまざまなリスクがある
  • ペットに危害を加え、数十万円という損害賠償の事例がある
  • ペット事業者向けの賠償責任保険など、保険で備えておく必要がある
  • 法人保険には、個人事業主でも加入が可能
また、ペット事業者向けの賠償責任保険や店舗総合保険など、複数の保険を組み合わせることで、リスクに対する備えを強化できます。

そして、保険加入や保険の見直しを行う際には、業務内容の変化や新たなリスク要素を考慮しなければならないうえ、保険に関する専門知識が必要です。

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