内容をまとめると
- 役員借入金の利息や利率は自由に設定できる一方で、役員貸付金の利息や利率は国税庁が定めている明確なルールがある(年次ごとに割合は変わる)。
- トラブル防止のために、法人・役員間での金銭の貸借には「金銭消費貸借契約書」を作成し、事実確認を書面で残しておく必要がある。
- 役員借入金・役員貸付金いずれの対策でも、法人向け生命保険を活用できる。
- しかし、会社によって最適な生命保険は異なるので、「丸紅グループが運営するマネーキャリア」のような無料相談窓口サービスを有効活用し、自社のリスクに備える会社も増えている。
監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
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この記事の目次
役員借入金の利息や利率とは
役員借入金は原則、利息や利率は任意で設定できるので、役員個人の同意があれば無利息で役員から借り入れが可能です。
過去には「パチンコ平和事件」と呼ばれる、経営者個人が持つ上場企業株を譲渡する際に、株の購入資金として役員が持つ有限会社へ3,450億円もの株式を無利息・無担保・無期限で譲渡し、裁判にて合理性が認められず認定課税を受けた事件がありました。
役員貸付金の利息や利率とは
経営者自身や役員の資金繰りが悪く、法人から資金を借り入れするケースで発生する役員借入金ですが、役員借入金とは異なり国税庁が定めるルールがあります。
国税庁の「No.2606 金銭を貸し付けたとき」によると、役員貸付金に次の利息がかかることがわかります。(2024年5月現在)
会社がほかから借り入れた金額を役員に貸し付ける場合以外であれば、貸付けを行った日の属する年に応じた、下記の利率がかかります。
利率 | |
---|---|
平成22年から25年中に貸付けを行ったもの | 4.3% |
平成26年中に貸付けを行ったもの | 1.9% |
平成27年から28年中に貸付けを行ったもの | 1.8% |
平成29年中に貸付けを行ったもの | 1.7% |
平成30年から令和2年中に貸付けを行ったもの | 1.6% |
令和3年中に貸付けを行ったもの | 1.0% |
令和4年から令和5年中に貸付けを行ったもの | 0.9% |
仮に、役員より返済される金額に対する利息が、上記の利率よりも低いケースは、差額分が役員の給与課税となります。ただし、以下のケースでは給与課税はされません。
- 災害や病気などをはじめとした合理的な理由があり、適正な金額と返済期間で貸し付けたケース
- 合理的(※)な貸付利率を定めて役員に貸し付けたケース
- 上記の表で計算した利息の額と、実際の利息の額の1年間の差が5,000円を下回るケース また、役員の場合に限り貸付金は損金算入が認められない点に注意しましょう。
※合理的な金利は、平均調達金利を参考に求められ、一般的には以下の計算式になります。
前事業年度の支払利息合計÷前事業年度の借入金平均残高=平均調達金利
役員借入金・役員貸付金に必要な金銭消費貸借契約書とは
役員借入金・役員貸付金には、その金額について株主総会などで承認を受けたのちに、承認を受けたことの証拠として正しく議事録を残さなければなりません。
また、具体的な金額や弁済方法、期限などが記載された「金銭消費貸借契約書」を作成する必要があります。金銭消費貸借契約書がなければ後々トラブルの原因となってしまうので、必ず作成しておきましょう。
フォーマットは任意で良いものの、以下の項目が記載されていなければなりません。
- 氏名:法人の氏名、経営者の氏名、役員の氏名を記載します。
- 借入・貸付金額:役員借入金・役員貸付金の金額を記載します。
- 契約日:金銭の貸借がいつから始まったかの日付を記載します。
- 弁済期日:いつまでに弁済が完了させなければならないかを記載します。
- 弁済方法:返済がどのようにしてされるかを記載します
- 利息や利率:役員借入金・役員貸付金にかかる利息や利率を記載します。
また、双方の信用度によっては、弁済が遅れた場合の遅延損害金を明記したり、期限の利益喪失が記載されるケースもあります。上記のように、民法上の権利関係も明確にしておくことが大切なのです。
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法人・役員間で金銭を貸借する場合の注意点とは
法人・役員間で金銭貸借する場合(役員借入金・役員貸付金)の注意点もあります。
<役員借入金の場合>
経営者や役員に万が一のことがあった場合に、相続財産が発生することとなり、相続税が加算されます。
一方で、役員や遺族が「返済不要」の意向を出すと、法人は債務免除益を計上しなければなりません。そのため、法人税がかかる点にも注意が必要です。
<役員貸付金の場合>
役員貸付金は、適切な金額の利息を徴収しなければなりません。
しかし、法人がほかの機関から借り入れた金額をそのまま貸し付けた際の利率、もしくは国税庁の定める利率のルールに則って利息を徴収しなければ、実際に徴収した利息との差額分は「役員報酬」としてみなされ源泉所得税が追加でかかってしまうのです。
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役員借入金・役員貸付金の解消には生命保険が使える?
役員借入金・役員貸付金を解消するためには、法人向け生命保険の活用が挙げられます。
役員借入金では、生命保険を活用すると役員に万が一のことがあった場合のリスクにも対応できるうえ、解約返戻金のあるタイプでは保険の途中解約(ピーク時による)をすると受け取れる「解約返戻金」を使って相続税と相殺できます。
一方、保険金の受取人が誰になるかで、経理処理も変わるので注意しましょう。 役員貸付金でも同様に生命保険が活用できますが、清算するためには、役員貸付金を保健資産に転換させる必要があります。
そこで、法人で生命保険に加入していると、加入した保険を担保として質権を金融機関に設定できます。そして役員返済が完了した段階で、質権は抹消させる仕組みが使えます。
上記の仕組みでは役員給与が増加するので「役員の所得税や住民税が上がってしまうこと」、そして、役員による「金融機関への金利支払いが発生すること」に注意しましょう。
とはいえ、生命保険は役員借入金・役員貸付金を解消する策としてだけではなく、経営者や役員の万が一へのリスク対策や退職金準備などにも用いられます。そのため、マネーキャリアのような法人向けに特化したFPへの無料相談窓口を使って、自社にマッチする保険を選ぶ企業も増えているのです。
関連記事:生命保険の法人と個人の名義変更ルールとホワイトデーショックとは?
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加入すべき法人向け生命保険が無料で簡単にわかる方法
以下では、加入すべき法人向け生命保険が、簡単に無料でわかる方法を紹介します。
役員借入金や役員貸付金はそれぞれで、利息や利率のルールが異なるので、金銭消費貸借契約書を作成して、法人と役員間で正しく認識を合わせていなければなりません。
なかでも、生命保険を活用する方法は、役員借入金・役員貸付金の対策に使えるだけでなく、事業リスクへの対策にも使えるのです。とくに、掛け捨てでなければ解約返戻金(割合はピーク時による)を使って相続税への返済にも活用できます。
しかし、業態業種がさまざまななかで、専門知識が必要な「保険」に関して、自社にマッチする生命保険を経営陣が独断で選ぶのは極めて困難です。
そこで、プロのファイナンシャルプランナーへ「無料で何度でも相談できる」マネーキャリアの利用が必須です。
丸紅グループが運営するマネーキャリアは、独自のスコアリングで厳選した「法人保険のプロ」のみ在籍しており、「中立の立場で意見を得られることが少なく、そもそも法人向け保険に関する情報がインターネット上にあまりない」と悩む方にも柔軟に対応できます。
最適な法人生命保険が無料で簡単にわかる:マネーキャリア(丸紅グループ)
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マネーキャリア:https://money-career.com/
<マネーキャリアのおすすめポイントとは?>
・お客様からのアンケートでの満足度や実績による独自のスコアリングシステムで、法人保険のプロのみを厳選しています。
・保険だけではなく、総合的な事業リスクへの対策を踏まえて「自社の理想の状態を叶える」提案が可能です。
・マネーキャリアは「丸紅グループである株式会社Wizleap」が運営しており、満足度98.6%、相談実績も80,000件以上を誇ります。
<マネーキャリアの利用料金>
マネーキャリアでは、プロのファイナンシャルプランナーに 「無料で」「何度でも」相談できるので、相談開始〜完了まで一切料金は発生しません。
役員借入金・役員貸付金の利率や利息まとめ
ここまで、役員借入金・役員貸付金の利率や利息や、貸借に必要な金銭消費貸借契約書から生命保険で役員借入金・役員貸付金貸借をする方法まで解説しました。
役員借入金の利息や利率は任意で設定できるのに対し、役員貸付金は国税庁が定めたルールのなかで利息や利率を設定しなければならず、役員に限り貸付金の損金算入はできません。
いずれのケースでも、トラブル防止のために金銭消費貸借契約書を作成する必要があります。また、解消方法としては生命保険の活用がおすすめであり、事業リスクの備えと資産形成が同時にできるので、今日多くの企業で採用されている手法です。
役員借入金・役員貸付金は膨らみすぎると、すぐの解消が困難な科目であるので、今のうちから対策をしておくことが重要です。そこで、評判のよいファイナンシャルプランナーへ「無料で何度も相談できる」マネーキャリアを使うのが鉄則です。
無料登録は30秒で完了するので、ぜひマネーキャリアを使い、役員借入金・役員貸付金への対策とともに、万が一の事業リスクへと備えておきましょう。