
「共働きなのに家計管理がうまくいかない」「共有口座を作ってみたもののうまく活用できていない」とお悩みではないでしょうか。
結論、共働き夫婦には共有口座を活用した効率的な家計管理がおすすめです。
この記事では、共働き夫婦にとっての共有口座のメリットや運用のポイントを紹介します。
また、共有口座を使った家計管理の仕組みや、無理のない分担方法についても解説するのでぜひ参考にしてください。

この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!」
>> 谷川 昌平の詳細な経歴を見る
この記事の目次
- 共働き夫婦は共有口座がいい?家計管理のポイントを解説
- 共有口座とそれぞれの貯蓄用口座を作るのがおすすめ
- 共有口座の名義は夫婦どちらか一方になる
- 毎月いくらずつ振り込むかは収入ベースで決める
- 迷ったら無料FP相談!効率的に自分たちに合ったルールを見つけよう
- 共働き夫婦の共有口座の作り方・運用のコツ
- 共有口座を選ぶ
- 入金方法を決める
- 支出ルールを決める
- 共働き夫婦の共有口座におすすめの銀行3選
- ゆうちょ銀行
- 三井住友銀行
- 楽天銀行
- 共働き夫婦が共有口座を作るメリット
- 支出が一元管理できてわかりやすい
- 計画的に貯蓄できる
- 家族のお金と自分のお金を区別できる
- マネーキャリアの無料FP相談で将来のためのマネープランを立てよう
- 共働き夫婦が共有口座を作るデメリット
- 共有口座のお金の使い方を明確にする必要がある
- 口座の残高管理が必要になる
- 別居・離婚したときにトラブルになる可能性がある
- 共有口座に関するよくある質問
- 夫婦間の共有口座の資金移動で贈与税がかかることはありますか?
- 結婚前の同棲カップルでも共有口座を作れますか?
- 共有口座で家計管理が失敗する原因は何ですか?
- 【まとめ】共働き夫婦は共有口座で賢くお金の管理をしよう!
続きを見る
共働き夫婦は共有口座がいい?家計管理のポイントを解説
共働き夫婦の場合、共有口座を活用することで効率的に家計管理をおこなうことが可能です。
家計管理とともに貯蓄もするためには、以下の3つのポイントが重要になります。
ここからは、それぞれのポイントについて詳しく解説します。
共有口座とそれぞれの貯蓄用口座を作るのがおすすめ
共働き夫婦には、共有口座とそれぞれの貯蓄用口座を組み合わせた家計管理がおすすめです。
共有口座で管理をすることで、夫婦間で生活費をまとめて管理しやすく、食費や住宅費などの共同出費における支払い漏れが防げます。
しかし、その一方で「貯金していると思っていたら、実は貯蓄が進んでいなかった」という事態に陥る場合もあります。
共有口座にあるお金は使いやすく、思った以上に資金が消耗してしまう可能性も否定できません。
また、自分の意思で貯金しなければならないため、計画どおりに進まないケースもあります。
共有口座の名義は夫婦どちらか一方になる
共有口座の名義は、夫婦どちらか一方にするのが一般的です。
日本の金融機関では、法的に共有名義の口座を設ける仕組みがありません。
そのため、どちらの名義にするかを事前に話し合うことが重要です。
名義の決定方法としては、家計管理の役割分担や収入の安定性を考慮するようにしましょう。
毎月いくらずつ振り込むかは収入ベースで決める
共有口座とそれぞれの貯蓄用口座を併用する場合、毎月の振込額を収入ベースで決めるようにしましょう。
たとえば、夫の月収が30万円、妻の月収が20万円とします。
家計全体の生活費が20万円の場合、夫が12万円(全体の60%)、妻が8万円(全体の40%)を共有口座に振り込む設定が考えられます。
このように、世帯収入に応じた割合を基準にすると、お互いに過度な負担を感じずに運用が可能です。
迷ったら無料FP相談!効率的に自分たちに合ったルールを見つけよう

共働き夫婦が家計管理のルールを決める際、自分たちだけで話し合うと意見がまとまらなかったり、お金の使い方に対する考え方の違いが表面化してしまうことがあります。
こうした悩みを抱える場合、ファイナンシャルプランナー(FP)に相談することで、第三者の客観的な視点から適切なアドバイスを得られます。
たとえば、毎月の生活費や貯蓄額をどう配分すればよいのか、突発的な出費に備えるためにはどの程度の緊急資金が必要なのかといった、実践的なアドバイスを提供してくれます。

共働き夫婦の共有口座の作り方・運用のコツ
共働き夫婦が家計管理を効率的にするためには、共有口座の作り方とその運用方法が重要です。
ここでは、以下の3つのポイントに分けて共有口座の選び方から入金、支出の管理方法まで詳しく解説します。
次に、それぞれの詳細を見ていきましょう。
共有口座を選ぶ
共有口座を選ぶ際には、以下のポイントが大切です。
- 口座間の資金移動時に手数料がかからない
- キャッシュカードは2枚発行可能かどうか
- ATM手数料が無料、もしくは低コストで利用できる
- ネットバンキングで簡単に残高確認ができる
とくに手数料は長期的にみると大きな負担となる可能性があるため、日常的に発生する送金や引き落としのコストを確認する必要があります。
入金方法を決める
共有口座にお金を入金する方法には、いくつかの選択肢があります。
一般的には給与からの自動振込、手動による都度入金などが考えられます。
給与からの自動振込は、毎月一定額を自動的に共有口座へ振り込む方法です。
手間をかけずに計画的な資金移動ができるため、多くの家庭で利用されています。
支出ルールを決める
共有口座の運用で最も重要なポイントの1つは、支出ルールの設定です。
支出ルールを明確にすることで、無駄な出費や家計トラブルを防げます。
まず、生活費や共同の固定費(住宅ローン返済、家賃、光熱費、インターネット代など)をすべて共有口座から引き落とす手続きをしましょう。
共働き夫婦の共有口座におすすめの銀行3選
共働き夫婦が家計管理をスムーズにおこなうには、共有口座に適した銀行を選ぶことが重要です。
ここでは、以下の3つの銀行を紹介します。
各銀行の手数料体系やサービスの違いを知り、家計のスタイルに合った共有口座を選ぶことが大切です。
次に、それぞれの銀行について具体的な情報を確認しましょう。
ゆうちょ銀行
ゆうちょ銀行は、全国の広範囲にATMがあり、手数料の安さが魅力的な銀行です。
生活圏内にATMがあるため日常的な引き出しや入金がしやすく、共働き夫婦が共有口座として利用するには利便性が高いといえます。
ATM利用手数料 | ゆうちょ銀行ATMでの入出金は基本無料 (一部の提携ATMも無料) |
---|---|
振込手数料 | 同行間:無料~146円
他行宛:165円~880円 |
自動入金サービス | なし |
自動送金サービス | 1件につき125円
他行振込の場合は金額により550円または770円 |
家族カード(代理人カード)の作成費 | 初回無料 |
デビットカード | あり |
三井住友銀行
三井住友銀行は、家族カードの発行やATM手数料の優遇など、共有口座としての利便性が高い点が特徴です。
安定したネットワークと大手ならではのサポート体制もあり、日常的な資金管理から大きな出費まで幅広く対応できます。
ATM利用手数料 | 三井住友銀行または三菱UFJ銀行ATMは条件次第で無料 |
---|---|
振込手数料 | 同行間:無料~990円 他行宛:無料~990円 |
自動入金サービス | Oliveアカウント契約口座のみ無料で利用可能 |
自動送金サービス | 1件につき110円 + 振込手数料 |
家族カード(代理人カード)の作成費 | 初回無料 |
デビットカード | あり |
楽天銀行
楽天銀行は、ネット銀行ならではの利便性と高い金利が魅力です。
また、楽天市場での買い物や提携サービスを利用することでポイント還元を受けられ、家計にお得感をもたらします。
ATM利用手数料 | 提携ATMでの入出金が条件次第で無料 |
---|---|
振込手数料 | 同行間:無料
他行宛:無料~145円 |
自動入金サービス | なし |
自動送金サービス | 無料
他行振込の場合は1件につき145円 |
家族カード(代理人カード)の作成費 | 家族カードの発行なし (デビット機能またはクレジット機能付きのキャッシュカードを追加発行は可能) |
デビットカード | あり |
共働き夫婦が共有口座を作るメリット
共有口座を導入することで、生活費の管理や貯蓄がスムーズになり家計の見通しが立てやすくなります。
ここでは、共有口座を活用する3つのメリットを紹介します。
それぞれのメリットについて、家計管理の具体的な方法や効果を詳しく見ていきましょう。
支出が一元管理できてわかりやすい
共働き夫婦が共有口座を利用する最大のメリットの1つは、すべての支出が一元管理できる点です。
日々の生活費や住宅費、光熱費などの固定費が1つの口座から支払われるため、家計全体の状況が明確になります。
また、収支をひと目で把握でき、無駄な出費を見直す機会も増えて家計管理の精度が向上します。
計画的に貯蓄できる
共有口座を利用すると毎月の生活費が明確になり、計画的な貯蓄がしやすくなります。
生活費や固定費のみを振り分け、それ以外の余剰資金をそれぞれの個人の貯蓄用口座に積み立てる仕組みを作るとさらに効率的に管理可能です。
この方法によって生活費の見通しが立つだけでなく、貯蓄ペースを維持できます。
家族のお金と自分のお金を区別できる
共有口座を導入してもそれぞれの給与振込口座はそのまま維持できるため、個人のプライバシーが保たれます。
夫婦がそれぞれ自由に使えるお金を確保する場合でも、給与が入金される個人口座を通じて管理することが可能です。
この仕組みのおかげで、夫婦間で干渉しすぎることなく、適切なバランスを保ちながら家計を管理できます。
マネーキャリアの無料FP相談で将来のためのマネープランを立てよう

共働き夫婦が家計管理をおこなう際、現在の収支だけでなく将来のライフプランを考慮することが大切です。
マイホームの購入や子どもの教育資金、老後の資産形成など、長期的な視点での資金計画が必要になります。
しかし、これらをすべて夫婦だけで考えようとすると、見落としや意見の不一致が生じることもあります。
そのため、第三者であるファイナンシャルプランナー(FP)のサポートを受けることを推奨します。

共働き夫婦が共有口座を作るデメリット
共有口座は家計管理を効率化する一方で、いくつかの注意点やデメリットも存在します。
共有口座を作る場合は、以下のデメリットを理解した上で運用ルールを整えることが重要です。
それぞれのデメリットと対策について、詳しく見ていきましょう。
共有口座のお金の使い方を明確にする必要がある
共有口座を活用する際には、お金の使い方を明確にするルールが欠かせません。
共有口座に入ったお金は夫婦それぞれが自由に使えるものではなく、決めた用途に沿って使用することが基本です。
家賃や光熱費、食費といった生活費の支払いに限定し、個人的な趣味や贅沢品への使用を避けるなど、明確な線引きをする必要があります。
口座の残高管理が必要になる
共有口座は夫婦の共同出費のメイン口座になるため、残高管理が重要な課題となります。
生活費や固定費の引き落としが頻繁に行われると、残高不足になると支払いが滞る可能性があります。
とくに、想定外の支出やまとまった出費が発生した場合には、迅速に対応する必要があります。
別居・離婚したときにトラブルになる可能性がある
共有口座は夫婦共同で管理するため、別居や離婚時にトラブルが発生する可能性があります。
とくに、別居や離婚を突然迎えた場合、共有口座に残っているお金をどのように分けるかで意見が対立するケースがあります。
お互いが引き出してしまい、結果的に残高が不足するという事態も考えられます。
共有口座に関するよくある質問
共有口座を活用する際に、多くの方が疑問に思うポイントについて解説します。
贈与税や同棲カップルでの利用、家計管理での注意点など、共有口座をうまく運用するための情報をまとめました。
それぞれの疑問に対する回答と、失敗を防ぐための方法を詳しく見ていきましょう。
夫婦間の共有口座の資金移動で贈与税がかかることはありますか?
夫婦間で共有口座に資金を移動する際、一般的な生活費の範囲内であれば贈与税はかかりません。
住宅費や食費、光熱費などの日常生活を維持するための支出については、贈与税の対象にはならないとされています。
ただし、生活費を大きく超えるような金額や、明確な理由がない多額の資金移動を行った場合には税務署から贈与とみなされるリスクがあります。
結婚前の同棲カップルでも共有口座を作れますか?
結婚前の同棲カップルでも、共有口座を作ることは可能です。
日本の銀行制度では正式な共同名義口座は作成できませんが、実質的な共有管理が可能なサービスを活用できます。
とくに結婚資金を計画的に貯めたい場合や、生活費を二人で分担して管理したい場合にはおすすめです。
共有口座で家計管理が失敗する原因は何ですか?
共有口座を活用した家計管理がうまくいかない原因には、いくつかの共通点があります。
以下に、失敗する主な原因とその対策をまとめます。
- 支出ルールが曖昧
- 残高を把握していない
- 貯蓄と支出の区分が不十分
- 定期的な見直しができていない
【まとめ】共働き夫婦は共有口座で賢くお金の管理をしよう!
共働き夫婦が安定した家計管理をおこなうためには、共有口座の導入がおすすめです。
生活費や固定費を1つの口座に集約し、それぞれの貯蓄用口座と組み合わせて運用することで、無駄な支出を防ぎながら効率的に資産を増やせます。
支出ルールや残高管理を徹底し、トラブル防止策を正しく取り入れることで、長期的な家計の安定が期待できます。
