

この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!」
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この記事の目次
- 結婚によって節税できる5つのパターン
- 配偶者が専業主婦(主夫)やパートの場合【配偶者控除】
- 医療費が一定額を超えたとき【医療費控除・セルフメディケーション税制】
- ペアローンで住宅購入する場合【住宅ローン控除】
- 夫婦ともに自営業で所得に差がある場合【社会保険料控除】
- 配偶者以外の親族(子や親)がいる場合【扶養控除】
- あなたにぴったりの節税対策は?無料FP相談でまずは家計の見直しから始めよう
- 結婚による贈与についての節税制度
- 共働き夫婦におすすめの節税対策3つ
- ふるさと納税を活用する
- iDeCo・NISAを活用して節税しながら資産運用する
- 子どもの扶養は年収が高い方に入れる
- 【まとめ】結婚による節税効果は夫婦の働き方次第!使える控除はフル活用しよう
結婚によって節税できる5つのパターン
結婚によって活用できる主な節税方法には「配偶者控除」「医療費控除(セルフメディケーション税制)」「住宅ローン控除」「社会保険料控除」「扶養控除」の5つがあります。
配偶者が専業主婦(夫)・パートの場合、医療費が多い場合、住宅購入時、夫婦の所得差が大きい場合、扶養家族(子や親)がいる場合など、それぞれの状況に応じて適用できる控除制度です。
以下で詳しく見ていきましょう。
- 配偶者が専業主婦(主夫)やパートの場合【配偶者控除】
- 医療費が一定額を超えたとき【医療費控除・セルフメディケーション税制】
- ペアローンで住宅購入する場合【住宅ローン控除】
- 夫婦ともに自営業で所得に差がある場合【社会保険料控除】
- 配偶者以外の親族(子や親)がいる場合【扶養控除】
配偶者が専業主婦(主夫)やパートの場合【配偶者控除】
配偶者が専業主婦(主夫)やパートで収入が少ない場合、扶養者は「配偶者控除」を活用して税負担を減らせます。配偶者控除は、配偶者の所得が一定額以下であれば、あなたの課税所得から最大38万円を差し引ける税の優遇制度です。
適用条件は配偶者の年間所得が48万円以下(給与収入のみなら年収約103万円以下)、かつあなた自身の合計所得が1,000万円以下であることです。
48万円を超えても、年収約201万円までは「配偶者特別控除」として段階的に控除が受けられます。つまり、パート収入がある程度あっても一定の範囲内であれば税負担軽減を受け続けられるのです。
以下は配偶者の収入と受けられる控除額の目安です。
配偶者の年間所得 (給与収入目安) | 適用される控除 | 控除額 |
---|---|---|
48万円以下 (年収~103万円以下) | 配偶者控除 | 38万円 |
48万円超~133万円以下 (年収~103万超~201万円以下) | 配偶者特別控除 | 最大38万円 (配偶者所得に応じ減少) |
133万円超 (年収~201万円超) | 控除なし | 0円 |
医療費が一定額を超えたとき【医療費控除・セルフメディケーション税制】
家族の医療費が高額になった年は「医療費控除」を活用すると、税金の一部を取り戻せます。医療費控除は、その年に支払った医療費(家族の分を合算可)が10万円を超えた場合に、超えた分を所得から控除できる制度です。
たとえば、1年で合計30万円の医療費を支払った場合、10万円を差し引いた残り20万円が医療費控除の対象となり、その分所得が減るため所得税・住民税が軽減されます。
共働きの場合は夫婦いずれか一人しか控除を申請できませんが、医療費は世帯で合算し、収入が高い方がまとめて申告したほうが節税効果が大きくなります。
ペアローンで住宅購入する場合【住宅ローン控除】
マイホーム購入時に利用できる代表的な節税策が「住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)」です。住宅ローン控除とは、住宅ローンを借りて家を買った場合に毎年の年末ローン残高の一定割合(目安として1%)を所得税額から差し引いてくれる制度で、控除期間は原則10年間(条件により13年間)です。
結婚して夫婦2人で住宅ローンを組む「ペアローン」を利用すると、住宅ローン控除を夫婦それぞれで受けられます。ペアローンでは一つの住宅に対して夫婦が別々にローン契約を結ぶため、双方が控除適用者となり減税効果を2人分受けられるのがメリットです。
下表は、借入総額6,000万円を単独借入とペアローンで利用した場合の控除額を比較したものです(控除率1%、控除期間10年で試算)。
ローン借入方法 | 借入額の内訳 | 年間の税額控除額 | 10年間の総控除額 |
---|---|---|---|
単独で6,000万円借入 | 6,000万円(夫) ※控除対象上限4,000万円 | 約40万円/年 | 約400万円 |
ペアローンで6,000万円借入 | 3,000万円(夫) +3,000万円(妻) | 約60万円/年 (夫30万+妻30万) | 約600万円 |
夫婦ともに自営業で所得に差がある場合【社会保険料控除】
夫婦がともにフリーランスや自営業の場合、所得に差があるご家庭では「社会保険料控除」を活用した節税が可能です。社会保険料控除とは、国民年金保険料や国民健康保険料など、自分や家族のために支払った社会保険料の全額を所得から控除できる制度です。
たとえば、夫婦とも自営業で夫の年間所得600万円・妻の所得100万円の場合を考えます。夫婦それぞれ毎月1万6千円程度の国民年金保険料を支払っているとすると、1年間の保険料は一人あたり約19万円です。
本来であれば夫・妻それぞれが自分の19万円を社会保険料控除として申告します。しかし、妻は所得が低いため控除を活かしきれない可能性があります。
そこで、夫が妻の分も含めて2人分(約38万円)の国民年金保険料を支払えば、夫の社会保険料控除額は合計38万円です。所得が高い夫に控除額が集まることで、夫婦トータルの税負担をより減らせる結果になります。
配偶者以外の親族(子や親)がいる場合【扶養控除】
結婚して扶養すべき家族が配偶者以外にもいる場合「扶養控除」を受けられます。扶養控除とは、納税者に控除対象扶養親族(16歳以上の子どもや両親など配偶者以外の親族)がいる場合に、一定額を所得から差し引ける制度です。
対象となる扶養親族は、その年の12月31日時点で16歳以上であり、かつ年収が103万円以下(所得48万円以下)で生計を一にしている親族です(配偶者や自身の事業専従者は対象外)。扶養控除の控除額は、扶養親族の年齢区分によって異なります。
下表のとおり、大学生など19~22歳の子どもや、同居する70歳以上の親などは控除額が大きく設定されています。
扶養親族の区分 | 控除額 |
---|---|
一般の控除対象扶養親族(16~18歳、23~69歳) | 38万円 |
特定扶養親族(19~22歳) | 63万円 |
老人扶養親族(70歳以上、別居) | 48万円 |
同居老親等(70歳以上、同居) | 58万円 |
あなたにぴったりの節税対策は?無料FP相談でまずは家計の見直しから始めよう

結婚後の節税対策にはさまざまなパターンはありますが「自分たちにはどれが一番効果的なのだろう?」と悩まれる方も多いでしょう。節税の効果は夫婦の働き方や収入バランス、家族構成によって大きく変わります。
収入や支出の内訳を洗い出し、適用できる控除や節税策を整理すると、無駄なく税負担を減らす第一歩が踏み出せます。とはいえ、自分たちだけで家計を見直したり節税プランを立てたりするのは難しいと感じるかもしれません。
そんなときは、お金のプロであるファイナンシャルプランナー(FP)に相談してみましょう。中立的な立場から専門家が家計を診断してくれるため、自分では気づかなかった改善ポイントが見つかることも多いです。

結婚による贈与についての節税制度
結婚や子育て資金を親・祖父母から援助してもらう場合、一定額まで贈与税がかからない特例制度があります。「結婚・子育て資金一括贈与の非課税制度」を利用すれば、直系尊属から最大1,000万円(結婚関連費用は300万円まで)を非課税で受け取ることが可能です。
非課税枠を使えば、結婚式や新居の費用、出産・育児費用などに充てる資金を税金を気にせず受け取れるため、大きな節税メリットです。
共働き夫婦におすすめの節税対策3つ

共働き夫婦の場合、控除以外にも共働きだからこそ得する節税対策があります。おすすめの3つの方法を紹介します。
以下の3つの対策は、共働き夫婦ならではのメリットがある節税対策です。
- ふるさと納税を活用する
- iDeCo・NISAを活用して節税しながら資産運用する
- 子どもの扶養は年収が高い方に入れる
ふるさと納税を活用する
共働き夫婦にぜひ活用してほしい節税策の一つが「ふるさと納税」です。ふるさと納税とは、自分が選んだ自治体に寄付すると、寄付額のうち2,000円を超える部分について所得税や住民税が控除される制度です。
実質2,000円の自己負担で寄付先の地域の特産品などが「返礼品」として受け取れるため、節税と地域貢献、返礼品によるお得感を同時に味わえる人気の制度となっています。
ふるさと納税のメリットは、本来なら国や自治体に納める税金の使い道を、応援したい地域に振り向けられることです。年間で合計5万円をふるさと納税すると、自己負担の2,000円を引いた4万8千円分がその年の税金から控除されるイメージです。
寄付先からお米やお肉、お酒など魅力的な返礼品が届くため、多くの人が家計の節約も兼ねて利用しています。
iDeCo・NISAを活用して節税しながら資産運用する
将来に備えつつ節税もしたい共働き世帯には「iDeCo(個人型確定拠出年金)」や「NISA(少額投資非課税制度)」の活用がおすすめです。
iDeCoは自分で積み立てる年金制度で、毎月の拠出金が全額所得控除となるため、その分所得税・住民税を軽減できます。運用益も非課税で再投資されるため、税負担を気にせず長期的な資産形成が可能です。
一方、NISAは株式や投資信託の運用益に税金がかからない制度で、投資で得た利益や配当金を非課税で受け取ることができます。共働きで収入にゆとりがある場合、iDeCoやNISAを活用して効率的に資産形成をしながら節税しましょう。
iDeCoで毎月2万円積み立てれば年間24万円が所得控除となり、税率20%の方なら約4.8万円の節税効果が得られます。NISAでも運用益への20%課税がゼロになるため、将来得られる利益が丸ごと手元に残ります(2024年から非課税投資枠が大幅拡大)。
子どもの扶養は年収が高い方に入れる
共働きでお子さんがいるご家庭の場合、子どもの扶養控除は「年収が高い方の親」が受けるようにしましょう。扶養控除は誰が控除を受けても控除額自体は同じですが、所得税や住民税の税率は収入に応じて異なるため、高収入の親が控除を受けたほうが節税効果が大きくなります。
38万円の扶養控除を適用する場合、年収の高い夫が控除を受ければ約7.6万円の節税になりますが、年収の低い妻が控除を受けた場合は約1.9万円の節税にとどまります。
同じ38万円の控除でも、誰が受けるかによってこれだけ税額軽減効果に差が生じるのです。そのため、共働き世帯では基本的に所得の高い方が子どもの扶養控除の申告をおすすめします。
【まとめ】結婚による節税効果は夫婦の働き方次第!使える控除はフル活用しよう

結婚による節税効果は、夫婦の働き方や家族構成によって大きく変わります。本記事で解説したように、専業主婦家庭であれば「配偶者控除」によって所得税・住民税が軽減され、共働きであれば2人分のふるさと納税やiDeCo・NISAの活用で節税効果を高められます。
夫婦それぞれの収入バランスやライフプランによって、優先すべき節税対策は異なるのです。「うちの家庭ではどの控除を使うべき?」と悩んだら、専門家の力を借りるのが確実です。無料FP相談サービスのマネーキャリアでは、経験豊富なFPがあなたのご家庭の状況をていねいにヒアリングし、最適な節税プランを提案してくれます。
マネーキャリアは累計相談件数100,000件以上、顧客満足度98%と高い実績を誇る信頼できるサービスです。相談はオンラインで完結し、何度でも無料で利用できます。結婚を機に家計を見直し、使える控除はすべて活用すると、将来へのお金の不安は小さくなるはずです。
プロのアドバイスも取り入れながら節税に取り組み、ご夫婦の新生活を安心してスタートさせましょう。節税で浮いたお金を将来の教育資金や老後資金に回すと、家計にゆとりが生まれます。ぜひ二人で協力して賢く節税に取り組んでください。
