
・二世帯住宅の住宅ローンを組むときはどんな方法がある?
・自分の家族はどの住宅ローンを組むと一番効率よく返済できる?
といったお悩みをお持ちではないでしょうか。
この記事では、主に3種類ある二世帯住宅の住宅ローンについて詳しく解説するほか、二世帯住宅で失敗しないコツやよくある質問を紹介します。
二世帯住宅の住宅ローンを検討している方は、家族と話し合いのうえ、この記事を参考にしてみてください。
なお、どんな方法が自分と家族に合っているのか迷ったら、マネーキャリアの無料FP相談がおすすめです!

この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!」
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この記事の目次
- 二世帯住宅の住宅ローンの組み方|3つのパターンを紹介
- 収入合算でローンを組む方法
- 親子ペアローンを組む方法
- 親子リレーローンを組む方法
- 二世帯ローンは慎重な計画が必要!後悔しないために今すぐFPに相談しよう
- 二世帯住宅の住宅ローンで失敗しないために注意すること5つ
- ライフプランを見据えた返済計画を立てる
- 持分割合と出資比率を合わせる
- 相続方法について家族全員で話し合っておく
- 固定資産税・維持費などのコストも考慮する
- 同居解消時の返済方法を決めておく
- 無料FP相談を活用して自分たちにぴったりな返済計画を立てよう
- 二世帯住宅の住宅ローンでよくある質問
- 二世帯住宅で住宅ローン控除(減税)される条件は?
- 二世帯ローンのデメリットは?
- 二世帯住宅は将来的に売却できますか?
- 【まとめ】二世帯ローンは家族でよく話し合って慎重な計画を立てよう
二世帯住宅の住宅ローンの組み方|3つのパターンを紹介
- 収入合算でローンを組む方法
- 親子ペアローンを組む方法
- 親子リレーローンを組む方法
まずは3つの方法を表で比較してみましょう。
項目 | 収入合算 | 親子ペアローン | 親子リレーローン |
---|---|---|---|
契約本数 | 1 | 2 | 1 |
住宅ローン控除 | 子のみが対象 | 親と子それぞれが対象 | 親と子それぞれが対象 |
団信の適用 | 子のみに適用 | 親と子それぞれに適用 | 子のみの場合が多い |
メリット | 借入可能金額が大きい | 借り入れ可能金額が大きい 住宅ローン控除が受けられる | 返済期間を長く設定できる |
デメリット | 親が亡くなると負担が大きくなる | 契約手数料が2倍 | どちらかの収入がなくなるなど 不測の事態に備えづらい |
おすすめのケース | 親がすでにリタイアしているなど 年収が低い場合 | 親が現役世代で 控除を受けたい場合 | 親が年齢制限で ローンを組めない場合 |
この表からわかる通り、親が現役世代で住宅ローン控除を受けたい場合には親子ペアローンがおすすめです。
そうでない場合には、契約本数が1本で手数料などを安く抑えられる、収入合算や親子リレーローンをおすすめします。
収入合算でローンを組む方法
収入合算とは、親と子の収入を合算して子の名義でローンを組む方法です。
収入を合算した額でローンの借入可能額が決まるため、より大きな金額を借り入れできるのがメリットです。
また、収入合算する相手は連帯債務者となり、親と子どちらかの収入が急に途絶えてもローンを支払い続ける必要がある点はデメリットと考えられるでしょう。
収入合算では、子のみが団体信用生命保険に加入することが多く、その場合には親が亡くなっても返済が続きます。団信の対象である子が亡くなった場合の扱いは団信や住宅ローンの契約によって異なるため、確認が必要です。
収入合算でのローンは、親がすでにリタイアしていて収入が少ない、または年齢制限や健康上の問題により住宅ローンを契約できない、といった状況の人におすすめです。
親子ペアローンを組む方法
親子ペアローンとは、親子それぞれが1件の住宅に対してローンを組む方法です。夫婦ペアローンと同じ仕組みと考えられるでしょう。
収入合算と同じく、単一のローンよりも借入可能額が大きいことがメリットです。
また、2本のローンを組んでいるため住宅ローン控除や団信への加入も親と子の両方が対象となります。
デメリットとしては、他の方法と比べて契約手数料などの費用も2倍になることが挙げられます。また、ペアローンの支払い額と物件の所有割合が一致していないと贈与税が発生する可能性があり、注意が必要です。
親子ペアローンは親が現役世代で住宅ローン控除を受けたいという場合におすすめの方法です。
親子リレーローンを組む方法
親子リレーローンとは、1つの住宅ローンを始めは親世代が返済し、退職などのタイミングで子に引き継ぐリレー形式のローンのことです。リレーローンは、条件を満たしていれば孫世代でも引き継ぐことができます。
子の名義でローンを組むため、親の年齢や健康上の理由で住宅ローンが組めなくてもリレーローンであれば契約が可能です。また、親子それぞれが返済割合に応じて住宅ローン控除を受けられるのも大きなメリットで、子世代は自分の返済が始まる前から控除の対象になるのが嬉しいポイントです。
親子でリレーして返済するため、返済期間を長く設定でき、月々の支払額を低くできるのもメリットになります。
デメリットとしては、多くの場合に子のみが団信に加入するため、親世代が急に亡くなっても保障がないことです。親が団信の加入条件を満たしていない場合には、民間の保険などで万が一の備えをしておくと安心できるでしょう。
親子リレーローンは、親世代が単独で住宅ローン契約ができない人や、返済期間を長く設定したい人におすすめの方法です。
二世帯ローンは慎重な計画が必要!後悔しないために今すぐFPに相談しよう

二世帯住宅の住宅ローンでは、単独のローンとは違う複雑な点が多く、慎重な計画が必要です。
まずは親と子がローンを組めるのかどうか、団信に加入できるかどうか、また住宅の登記はどのような扱いにするのか、事前に決めることはたくさんあり、関係する人が多いほど決定は難しくなるでしょう。
ローンの返済だけでなく、維持費・贈与税・相続税などのお金の問題も発生するため、専門家への相談がおすすめです。

二世帯住宅の住宅ローンで失敗しないために注意すること5つ
- ライフプランを見据えた返済計画を立てる
- 持分割合と出資比率を合わせる
- 相続方法について家族全員で話し合っておく
- 固定資産税・維持費などのコストも考慮する
- 同居解消時の返済方法を決めておく
ライフプランを見据えた返済計画を立てる
二世帯住宅の住宅ローンでは、親世代と子世代、両方のライフプランを考えることが重要です。
親世代がリタイアするタイミングや、孫世代の教育費用など資金が必要な時期、さらには子世代がリタイアするタイミングなど、返済に影響する要素を事前に考えておくのがおすすめ。
無理のない返済計画を立てるため、親子でライフプランを共有しておきましょう。
持分割合と出資比率を合わせる
持分割合とは、1つの不動産を複数の人が共同で所有する場合の、それぞれが所有する割合のことです。
例えば、住宅ローンの返済を親世代が4割、子世代が6割負担するケースでは、持分割合も負担に合わせた比率にして登記するのがおすすめです。
持分割合と出資比率にずれがある場合、住宅ローンの返済に充てたお金に贈与税がかかる可能性があるため、持分割合と出資比率は合わせておきましょう。
相続方法について家族全員で話し合っておく
二世帯住宅では、親世代が亡くなった際の相続方法が複雑になります。
特に子世代に兄弟がいるなど、同居していない相続人がいる場合には関係する人全員で相続について事前の話し合いが必要です。
二世帯住宅の共有部分を公平に相続するには、相応の金額を支払う、または不動産を売却してそのお金を分ける方法を取ります。
どんな方法を取るにしても、話し合いの結果を書面にして残しておくといざという時に慌てずにすむでしょう。
固定資産税・維持費などのコストも考慮する
住宅建設後の固定資産税や維持費の支払いはどのように扱うのか、事前に話し合っておくといいでしょう。
完全分離型の住宅でない限り、光熱費や通信費、食費などの支払いも明確に分けられないケースがほとんどです。それら生活費の支払いについても、同居前に明確にしておくのをおすすめします。
同居解消時の返済方法を決めておく
将来、事情が変わって同居を解消することになった場合、住宅ローンの残債はどう扱うのかも話し合っておきます。
子の名義でローンを組んだものの、子世代が二世帯住宅を出る可能性もあります。同居解消時に誰が住宅ローンを返済するのか、住宅を売却したり貸し出したりして返済するのか、といった点を話し合っておくといいでしょう。
無料FP相談を活用して自分たちにぴったりな返済計画を立てよう

ここまでで、二世帯住宅で住宅ローンを組む際に話し合っておくといい点について紹介しました。
二世帯住宅を親と子で共有するには、単独の住宅ローンよりも決めるべきことが多いため、話し合いが難航したり、知識不足で迷ったりする場面も多くなるでしょう。
そのため、ローンの検討段階から無料のFP相談の活用がおすすめです。お金のプロから、ローンの返済や関係する税金などについて詳しく聞くことで、最適な方法が選べます。

二世帯住宅の住宅ローンでよくある質問
- 二世帯住宅で住宅ローン控除(減税)される条件は?
- 二世帯ローンのデメリットは?
- 二世帯住宅は将来的に売却できますか?
二世帯住宅で住宅ローン控除(減税)される条件は?
収入合算、親子ペアローン、親子リレーローンのうちどの住宅ローンを選んでも、子世代は住宅ローン控除が受けられます。
親世代が住宅ローン控除を受けるには、親子ペアローンまたは親子リレーローンを選ぶといいでしょう。
どちらの方法を選ぶとしても、親子それぞれが控除を受けるためには住宅の登記を共有登記または区分登記とする必要があります。
二世帯ローンのデメリットは?
二世帯住宅ローンのデメリットには、次のようなものがあります。
- 関係する人が多くローンの契約内容を変更しづらい
- ローン返済や維持費などお金の話をするのが難しい
- 契約によっては親が住宅ローン控除を受けられない
- 親が亡くなった場合に子の負担が大きくなる
そのほか、契約内容の変更や同居の解消、どちらかの収入が大幅に減少したときなどのシミュレーションをしながら話し合っておくといいでしょう。
二世帯住宅は将来的に売却できますか?
はい、売却できます。
ただし、名義人のみが売却できるため、共有登記や区分登記の場合は親か子どちらかの単一名義にしてから売却するのが一般的です。
また、二世帯住宅のような広い物件のニーズが少ないため、買い手が付きづらいと予想しておきましょう。
【まとめ】二世帯ローンは家族でよく話し合って慎重な計画を立てよう

この記事では、二世帯住宅の住宅ローンを契約する際の3種類の方法を紹介し、それぞれのメリットやデメリットについて見てきました。
さらに、建てて終わりではない二世帯住宅の維持費や、予期しない出来事など慎重な話し合いが必要な点についてもお伝えしました。
ローンを契約する親と子だけでなく、他の同居人や同居しない兄弟姉妹も交えて事前に話し合い、ベストな計画を立てましょう。
ローンや税金など、どんなことを決めればいいのか迷ったらマネーキャリアでの無料相談がおすすめです。
お金のプロであるFPが、住宅ローンの契約だけでなく、節税方法や二世帯住宅での生活費など、マネープランを立てるお手伝いをしてくれます。
オンライン相談や訪問相談で何度でも無料で相談できるため、ローンの完済までずっとサポートが受けられるでしょう。
