

この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!」
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この記事の目次
- ふるさと納税とiDeCoはどっちが得?年収500万円の場合でシミュレーション
- ① 年収500万円のふるさと納税の上限額は?
- ② iDeCoで年間12万円積み立てたときの所得控除額は?
- ③ 返礼品の価値と所得控除額を比較する
- 【結論】基本的にはiDeCoの方が得!可能なら併用がおすすめ
- あなたにぴったりの方法は?FPと一緒に最適な活用法を見つけよう
- ふるさと納税とiDeCoを併用する際の注意点
- iDeCoを利用するとふるさと納税の上限額が下がる
- ワンストップ特例制度や年末調整での申告を忘れずにおこなう
- 家計に無理のない金額を考えて利用する
- iDeCoとふるさと納税のバランスで迷ったら無料FP相談を活用しよう!
- 【実際どうだった?】ふるさと納税とiDeCoの利用者の体験談
- 現在、ふるさと納税とiDeCoのどちらか、または両方を利用していますか?
- ふるさと納税とiDeCo、どちらを優先して利用しましたか?その理由も教えてください
- 併用している方で、よかった点や難しかった点があれば教えてください
- 【まとめ】ふるさと納税とiDeCoは無理のない範囲で賢く活用しよう
ふるさと納税とiDeCoはどっちが得?年収500万円の場合でシミュレーション
節税をするとき「ふるさと納税」か「iDeCo」どちらにすべきなのか、疑問に思ったことはありませんか?
ここからは、どちらがお得なのか、加入年齢30歳年収500万円の場合を例に、以下の3つの視点から見てみましょう。
- ①年収500万円のふるさと納税の上限額は?
- ②iDeCoで年間12万円積み立てたときの所得控除額は?
- ③返礼品の価値と所得控除額を比較する
① 年収500万円のふるさと納税の上限額は?
返礼品 | 金額 | 市場価格 (参考) |
---|---|---|
肉 | 10,000円~20,000円 | 約5,000〜10,000円 |
フルーツ | 15,000円前後 | 約5,000〜10,000円 |
雑貨・日用品 (タオル) | 10,000円~19,000円 | 約5,000〜7,000円 |
魚介・海産物 | 10,000円前後 | 約5,000〜12,000円 |
② iDeCoで年間12万円積み立てたときの所得控除額は?
掛け金を年間12万円(毎月1万円)を積み立てた場合
- 所得税:12,000円
- 住民税:12,000円
合計で24,000円軽くなる計算です。(※)つまり、実質96,000円で12万円の積み立てが可能となります。
控除された金額は、それぞれ返ってくるタイミングが異なる点は注意が必要です。
- 所得税控除:早ければ12月もしくは翌年の1月に給与と一緒に還付される
- 住民税控除:翌年の6月以降の住民税に反映(控除額に応じて安くなる)
また、これらの還付を受け取るには、年末調整や確定申告での手続きが必要ですので、忘れずに行いましょう。詳しくはこちらで解説しています。
③ 返礼品の価値と所得控除額を比較する
ふるさと納税では、寄附した自治体から地域の特産品など「返礼品」が届きます。この返礼品は、実際に購入するとなるといくら相当になるのか?という点がお得感を判断するポイントです。
たとえば、61,000円を寄附して30,000円相当の特産品を受け取れたとすると、自己負担2000円を差し引いても28,000円分お得です。
この場合、iDeCoの控除額を前述した条件の24,000円とすると、ふるさと納税の方が4,000円分の得をした計算となります。
ふるさと納税は、節税+地域応援+実用品がもらえる「一石三鳥」の制度です。うまく活用すれば、家計へのメリットも大きくなります。
【結論】基本的にはiDeCoの方が得!可能なら併用がおすすめ
一般的には、ふるさと納税よりもiDeCoの方が節税効果は大きいとされています。iDeCoは掛け金の全額所得控除だけでなく、運用益にも税金がかかりません。さらに、受け取り時にも控除が適用される場合があるなど、多くのメリットがあります。
一方、ふるさと納税は自己負担が発生しますが、返礼品をうまく選べば実質的に得になります。両者はそれぞれ違ったメリットがあるので、各制度の特徴を活かして、無理のない範囲で併用するのがベストです。
あなたにぴったりの方法は?FPと一緒に最適な活用法を見つけよう

iDeCoとふるさと納税は、どちらも「税金を減らせる」制度です。しかし、メリットの大きさは年収・家族構成・将来の計画などによって大きく変わります。
また、節税制度は「知っているか」よりも「正しく使えるか」で家計に大きな差が出ます。しかし、自分ひとりで調べて判断するのは意外と難しく、間違った活用をして損をする人も少なくありません。
両制度を最大限に活かすためには、FPのアドバイスを受けながら「いまの自分にとって本当に必要な対策」を見つけることが大切です。

ふるさと納税とiDeCoを併用する際の注意点

ふるさと納税とiDeCoを両方利用したいと考えている方も少なくありません。しかし、知識のない方が節税になるからと言って、何も考えずに行うのは危険です。
ここでは、これから実施しようと考えている方が、併用する際に気を付けるべき点を解説しています。
- iDeCoを利用するとふるさと納税の上限額が下がる
- ワンストップ特例制度や年末調整での申告を忘れずにおこなう
- 家計に無理のない金額を考えて利用する
iDeCoを利用するとふるさと納税の上限額が下がる
iDeCoの掛金は全額所得控除となるため「課税所得が減少=ふるさと納税の控除上限も下がる」仕組みとなっています。
そのため、iDeCoを始めると昨年までと同じ金額をふるさと納税に使えなくなる可能性があります。ふるさと納税を行う前には必ず最新の収入や控除状況でシミュレーションを行いましょう。
また、医療費控除や住宅ローン控除など他の控除も併用する場合、課税所得が大幅に減ることで「控除枠が使い切れない」ケースも。過度な節税で損をしないためにも、全体のバランス確認が大切です。
ワンストップ特例制度や年末調整での申告を忘れずにおこなう
手続き方法 | 対象 | 必要なタイミング | 申請方法 |
---|---|---|---|
ワンストップ特例制度 | ・寄附先が5自治体以内 ・ほかに確定申告するものがない | 寄附ごとに申請書を提出 ※翌年1月10日必着 | ・オンライン ・郵送 |
確定申告 | ・寄附先が6自治体以上 ・医療費控除などと併用する場合 | 毎年2月〜3月に申告 (確定申告期間) | ・オンライン ・郵送 ・税務署へ持参 |
手続き方法 | 対象 | 必要なタイミング | 申請方法 |
---|---|---|---|
年末調整 (会社で処理) | 会社員や公務員 | 年末調整の書類提出時 | 勤務先へ提出 |
確定申告 | ・自営業 ・年末調整に間に合わなかった方 (年末調整で処理できなかった場合など) | 毎年2月〜3月に申告 (確定申告期間) | ・オンライン ・郵送 ・税務署へ持参 |
家計に無理のない金額を考えて利用する
iDeCoは原則60歳まで引き出せない「老後資金」なので、生活費に余裕がない場合は無理して拠出するのは禁物です。長期で資金拘束されることを考慮し、毎月の生活費・急な出費に対応できる貯金をしっかり確保したうえで取り組みましょう。
一方、ふるさと納税も税金の前払い+2,000円の自己負担があるため、一時的に家計からお金が出ていきます。どのタイミングで還付されるのか、把握した上で利用を検討しましょう。
どちらも「お得」ではありますが、目先のメリットだけで判断せず、自分の生活に合った金額での利用をおすすめします。
iDeCoとふるさと納税のバランスで迷ったら無料FP相談を活用しよう!
家計管理や節税対策は、人によって最適なバランスが異なります。例えば「住宅ローンがある人」「子どもが生まれたばかり」など状況に応じて優先すべき対策は違います。
iDeCoとふるさと納税はどちらも魅力的な制度ですが、以下のことが気になっている方も多いでしょう。
- 併用したらどうなる?
- 私はどちらを優先すべき?
そんなときは、無料のFP相談サービスの利用を検討してみてください。FPは、プロの視点で一人ひとりの年収や家計状況に合わせたアドバイスを行っています。無駄なく安心して制度を活用したい人にとって、有効な選択肢となるはずです。

【実際どうだった?】ふるさと納税とiDeCoの利用者の体験談
そんなとき、実際の体験談ほど参考になるものはありません。生の声に耳を傾けることで、自分にとってのメリットとデメリットがはっきりと見えてくるでしょう。
今回は、以下の項目についてリアルな体験談を集めてみました。
- 現在、ふるさと納税とiDeCoのどちらか、または両方を利用していますか?
- ふるさと納税とiDeCo、どちらを優先して利用しましたか?その理由も教えてください
- 併用している方で、よかった点や難しかった点があれば教えてください
現在、ふるさと納税とiDeCoのどちらか、または両方を利用していますか?
一番多い回答が、ふるさと納税とiDeCoを両方活用している人で、全体の56.7%と半数を超えていました。
ふるさと納税だけの利用者(30%)やiDeCoのみの利用者(13.3%)と比べても、節税や資産形成に対して積極的な人が増えている傾向が見て取れます。
ふるさと納税とiDeCo、どちらを優先して利用しましたか?その理由も教えてください
また、優先した理由も合わせて調査したので、それぞれ詳しく紹介します。

20代女性
返礼品が目的で始めました

20代男性
特産品を選ぶ楽しみも感じられます
iDeCoと迷いましたが、受取開始年齢が決まっているので、早く効果が実感できるふるさと納税を選びました。制度自体が分かりやすかったのと、特産品を選ぶのが楽しくて、子供と一緒に探しています。投資のような構えも必要ないし、節税しながら楽しめるところが気に入っています!

40代女性
老後資金のために利用しています
iDeCoはふるさと納税よりも節税効果が高いと感じているので、老後資金を着実に貯めるために優先的に利用しています。ふるさと納税も良い制度ですが、iDeCoは税金が減るだけでなく、将来の資産形成にも役立つので、継続して積み立てていこうと思います。

30代女性
確実に節税になるiDeCoを優先しました
ふるさと納税のシュミレーションをしましたが、限度額がそこまで高くなかったので、あまりメリットを感じなかったんです。その代わり、掛け金が全額控除になるiDeCoを優先しました。確実に節税になるので、とてもありがたいです。将来のためにも賢い選択だったと思います。
併用している方で、よかった点や難しかった点があれば教えてください

40代女性
家計に余裕がない中でも取り組めた
出費が多くて生活が苦しい時期もありましたが、iDeCoは少額から始められるし、節税メリットが大きいので続けています。ふるさと納税は、日用品や食品を中心にできるだけお得になるものをチョイス。将来の備えと今のお得、どちらも得られて安心感があります。

30代男性
ふるさと納税のわかりやすさが魅力
併用していて思うのが、正直ふるさと納税の方が「得した感」は強いです。手出し2,000円でお肉や果物が届くのは嬉しい。iDeCoは将来のためとはいえ、仕組みがちょっと複雑で理解に時間がかかりました。手軽さではふるさと納税に軍配です。

30代女性
手続きは面倒でも、得られるメリットは大きい
制度の知識がなかったので、やるまでは少し手続きが面倒でした。でも調べながらでも始めてみると、節税の効果は想像以上。iDeCoは貯金感覚でコツコツ続けられるし、ふるさと納税は返礼品が豪華で買い物感覚。手間はあったけど、その分ちゃんと得があると実感しています。今思うと、はじめる前に専門家に相談しておけば、もっとスムーズだったかな。
【まとめ】ふるさと納税とiDeCoは無理のない範囲で賢く活用しよう

ここまで、ふるさと納税とiDeCoはどっちがお得なのか、併用するならどんなことに注意したら良いのかを紹介してきました。
どちらも「税金の負担を軽くしながら、将来に備えられる」優秀な制度で、それぞれ違った魅力を持ち合わせています。そのため、目的に合わせて併用することで、大きな効果を発揮できます。
ただし、両制度を併用する場合は「iDeCoの控除によってふるさと納税の控除上限が下がる」といった注意点もあるため、事前のシミュレーションやマネープランの見直しが欠かせません。
「どちらを優先すべきか分からない」「自分の場合はどう使えばいい?」という疑問があれば、FPへの相談でより自分に合った節税&資産形成プランが見えてきます。

返礼品が届く楽しみがあって、すぐに“お得感”を実感できるのが魅力ですね。iDeCoは将来のためになるとは思いつつも、受け取りまでに時間がかかるので、今の生活にメリットを感じられるふるさと納税を選びました。家族で返礼品を楽しめるところもやってよかったなと思っています。