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内容をまとめると

  • iDeCoと住宅ローン控除の併用をすると、「節税効果」が期待できます。
  • iDeCoは所得控除が可能で、住宅ローンは税額控除ができます。
  • たとえば、世帯収入が620万円、ローン残高が2,000万円ほどある場合、併用で約43万円の節税ができます。
  • 自身の条件でいくら節税できるかはマネーキャリアの「iDeCoの無料相談窓口」に相談!さらには自身が使える他の節税制度も相談員がアドバイスします。
監修者「谷川 昌平」

監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー

株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。
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この記事の目次

iDeCoと住宅ローン控除の併用は可能?メリット・デメリットは?

こんにちは、マネーキャリア編集部です。


少子高齢化が進む中、老後の心配といえばやはり年金問題。


そんな中、年金受給額を確保するためによく利用されているのがiDeCo(個人型確定拠出年金)です。


iDeCoは掛け金全額が所得控除の対象となるので、確定申告の際に所得控除を申告している人も多いかと思います。


では、家を買ったため住宅ローン控除を受けている人は、iDeCoの所得控除と併用することは可能なのでしょうか。


答えは、iDeCoと住宅ローン控除の併用は可能です。


iDeCoと住宅ローン控除を併用することで節税対策が期待でき、税金の負担を減らすことができます。


この記事では、iDeCoと住宅ローン控除の併用について、その仕組みやメリット・デメリットについて詳しく解説しています。


また、iDeCo以外の所得控除についても紹介していますので、ぜひご覧ください。

iDeCoと住宅ローン控除の併用は可能である【それぞれ仕組みを解説】


iDeCoも住宅ローンも、確定申告では同じく控除の対象です。


ではなぜ、iDeCoと住宅ローン控除の併用は可能なのでしょうか。


節税対策をする前に、まず初めにiDeCoと住宅ローン控除についてそれぞれ税金の仕組みを解説していきます。

iDeCoは「所得控除」という性質を持っている

まず、iDeCoは「所得控除」という性質を持っています。


所得控除は、所得から決められた金額(基礎控除額や社会保険料など)を差し引くことで総所得を減らすことにより、課税対象額を減らす効果があります。


課税対象額が減ることで、結果として税金が安くなります。

住宅ローン控除について解説【例をもとに解説】

そもそも住宅ローン控除とはどういったものか、まずは住宅ローン控除について解説します。


住宅ローン控除とは、その年のローン残高全体の1%が税額控除される制度です。


例をもとに解説していきます。

  • <例>年収500万円  住宅ローン額:1300万円
この場合の課税所得を以下の式に当てはめると、

課税所得 = 給与収入 – 給与所得控除 – 所得控除(基礎控除 + 社会保険料控除) = 500万円 – 144万円 – (48万円 + 71万円) = 237万円

となり、237万円が課税所得になります。

年収500万円の所得税率は10%のため(詳細は国税庁HPを参照)、

所得税額 = 237万円 × 10% – 9.75万円 = 13.9万円

となります。(所得税は累進課税制度のため9.75万円が控除されます)

よって、住宅ローンがない人は、この13.9万円を納税しなければなりません。

ですが、住宅ローンがある人はここから住宅ローン控除が発生します。

住宅ローン控除、いわば税額控除とは、その金額相当の税金を支払う必要がなくなるということなので、

13.9万円 – 13万円 = 0.9万円

になるため、住宅ローン控除を申告した場合、実際に払う所得税額は0.9万円となります。

このように住宅ローン控除とは、自分の給与収入から導き出される所得税額から、住宅ローンの1%を差し引くことができる(税額控除)制度になります。

住宅ローン控除は「税額控除」という性質を持っている

先ほどもお話ししたように、住宅ローン控除は「税額控除」という性質を持っています。


所得税額から住宅ローンの1%をダイレクトに減らす効果があるため、住宅ローン額が高ければ高いほど税額控除額は上がります。

住宅ローン控除のみと住宅ローン控除とiDeCo併用を比較


では次に、

  1. 住宅ローン控除のみ
  2. 住宅ローン控除とiDeCo併用

の2つの場合について、減税額の比較をしていきます。


iDeCoを併用するのとしないのとでどれだけ納税額に差が出るのか、実際に数字を通して見ると実感が湧くと思いますよ。


また、

  • 住宅ローン控除とiDeCo併用をしても節税効果がない場合
について、住宅ローン控除とiDeCo併用で効果がある場合とない場合についてもまとめて解説していますので、ぜひご覧ください。

住宅ローン控除のみの適用した場合の住民税

では実際に住民税の比較をしていきます。


まずは、「住宅ローン控除のみの適用」した場合の住民税についてです。


ここでは全体を通して、下記の共通のモデルケースを用います。

  • 夫:会社員 年収500万円
  • 妻:パート 年収120万円
  • 子ども:小学生2人 
  • 住宅ローン名義:夫 
  • ローン残高:4,000万円
先ほどもお話ししましたが、住宅ローン控除額は年末住宅ローン残高の1%です。

ちなみにですが、住宅ローンには控除上限額があります。

認定長期優良住宅等などの特別な場合を除き、一般的な住宅は住宅ローンの控除上限額は住宅ローン残高に関係なく40万円となりますので覚えておくといいですよ。

よって、このモデルケースの場合の住宅ローン控除額は40万円になります。

では次に所得税や住民税を出すために税金の計算をしてみます。
  • 年収500万円に対する所得控除:305万円(給与所得控除含む)
  • 課税所得額:195万円
この課税所得から導き出される所得税と住民税は、
  • 所得税:10万円
  • 住民税:20万円
になります。

この所得税、住民税の税額に対し住宅ローン控除(40万円)が適応されます。

まずは所得税から住宅ローン控除を差し引きます。

すると、

住民税(10万円)−住宅ローン控除(40万円)=0円

となり、所得税は0円に減額となります。

しかしながら、住宅ローン控除額40万円のうち、所得税に適応されたのは10万円分だけなので残りの30万円分の住宅ローン控除額が残っています

そこで次に、住民税から住宅ローン控除を差し引きます。

ここでポイントなのが、住民税の控除額には13.65万円という控除上限額が存在します。

そのため、住民税に対し適応される住宅ローン控除額は、

住民税(20万円)ー控除上限額(13.65万円)=約6万円

となり、実際に支払う税金(住民税)は約6万円となります。

そのため、住宅ローン控除のみを適応した場合、結果として約24万円の節税になりました。

住宅ローン控除とiDeCo併用した場合の住民税

次に、住宅ローン控除とiDeCoを併用した場合の住民税を求めていきます。


先ほどと同じモデルケースを使います。

  • 夫:会社員 年収500万円 
  • 妻:パート 年収120万円 
  • 子ども:小学生2人 
  • 住宅ローン名義:夫 
  • ローン残高:4,000万円 
年収から割り出される税金等については次の通りになります。
  • 年収500万円に対する所得控除:332.6万円(給与所得控除含む)
  • 課税所得額:167.4万円
  • 所得税:8万円
  • 住民税17万円
先ほどの住宅ローン控除のみを適応する場合と違うのは、課税所得額がiDeCoを併用した方が低いところです。

iDeCoは掛け金の全額が所得控除の対象です。

企業年金などがない会社に勤めている場合、iDeCoの掛金上限額は年間27.6万円になります。

掛金上限額で計算すると、課税所得がくが167.4万円となり、住宅ローン控除のみを適用した場合に比べ課税所得額が27.6万円低くなります。

先ほどと同様、住宅ローン控除額の計算式に当てはめると、

所得税(8万円)ー住宅ローン控除(40万円)=0円

となり、所得税は0円になります。

また、住民税も限度控除額で計算すると、

住民税(17万円)ー控除上限額(13.65万円)=約3万円

となるため、実際に支払う税金は約3万円になります。

このように、住宅ローン控除のみを適用する場合よりも、住宅ローン控除とiDeCo併用で申告した方が役3万円近い節税になるのです。

所得税だけを考えると節税メリットはなさそうに見えがちですが、住民税も含めて考えると節税メリットは十分にあります。

住宅ローン控除は年末残高が減ることに比例して控除額が下がり、期間も最長10年となっています。

一方で、iDeCoは60歳まで拠出し続けるため、iDeCoに加入することで得られる節税メリット十分あると考えていいでしょう。

住宅ローン控除とiDeCo併用でも節税効果がない場合

さて、先ほどのiDeCoを併用するかしないかの比較では、年収500万円の人が4000万円以上の住宅ローン残高がある場合に節税効果があるとお伝えしました。


では、年収が変わるとどうなるのでしょうか。


例えば年収が400万円だとすると、所得税と住民税は

  • 所得税:67,400円
  • 住民税:142,100円
となります。

先ほどと同じ計算で住宅ローン控除額を差し引くとなると、

所得税(6.7円)ー住宅ローン控除(40万円)=0円 

住民税(14万円)ー控除上限額(13.65万円)=3,500円


となり、住宅ローン控除だけで所得税と住民税を賄える結果になります。


そのため、iDeCoを始めたとしても住宅ローン控除以上の節税メリットはほぼないと考えられます。


補足ですが、年収400万円の人が4,000万円を借り入れるということは、金利1%で考えた場合に借り入れ可能額いっぱいでローンを組んでいることになってしまいます。


そのため、収入に占めるローン返済比率が高くなってしまいます。


このような場合、iDeCoを併用する・しないで節税を図るより、まずは借り入れ内容から改善する必要があるかもしれません。

住宅ローン控除とiDeCo併用で効果がある場合とない場合まとめ

住宅ローン控除とiDeCo併用で効果がある場合とない場合についてまとめると、

納税額>税額控除の上限

の場合、税額控除だけでは納税額が0円になりません。

そのため、iDeCoを併用し課税所得を下げることで節税に効果があると考えられます。

一方で、

納税額<税額控除の上限

の場合、税額控除が余ってしまいます。

この場合、住宅ローン控除の効果も半減してしまい、iDeCoによる節税効果も所得税では効果なく、住民税で効果が出ることになります。

iDeCoと住宅ローン控除の併用のデメリットは?


さて、ここまでは住宅ローンにiDeCoを併用した方が効果がある場合とそうでない場合について解説してきました。


では、iDeCoと住宅ローン控除を併用するデメリットは何なのでしょうか。


最も大きなデメリットとして考えられるのは、

  • iDeCoで拠出したお金は原則60歳まで引き出すことができない
ということです。

iDeCoを住宅ローンと併用する場合、途中で住宅ローンの繰り上げ返済をしたいといった場合に、iDeCoに拠出しているお金は繰り上げ返済へまわすことができません

そのため、家庭全体での金融資産や住宅ローンの残高、金利などの借入条件を総合的にみながら判断していくことが重要です。

iDeCo以外の所得控除について解説


ここまでは、住宅ローンにiDeCoを併用した場合などの控除について解説してきました。


ですが、iDeCo以外にも同様の計算方法が適用される所得控除があります。


次に、iDeCo以外の所得控除について

  • 寄附金控除(ふるさと納税)
  • 医療費控除
  • 生命保険料控除
  • 地震保険料控除
上記4点について解説していきます。

寄附金控除(ふるさと納税)

テレビCMなどでもよくやっているふるさと納税は、寄附金控除という形で所得控除が受けられます。

ふるさと納税の仕組みは、自分の選んだ自治体に寄附(ふるさと納税)を行った場合に、寄附額のうち2,000円を越える部分について、所得税と住民税から原則として全額が控除される制度になります。(一定の上限はあります。)

その年の年収によって寄付できる控除上限金額が決まっており、年収の差や独身か世帯持ちかなどでその金額は変わってきます。

例えば、年収500万円の独身の人が30,000円のふるさと納税を行ったとします(この場合の寄付金上限金額は約6万円です)。

すると、2,000円を超える部分である28,000円(30,000円-2,000円)が所得税と住民税から控除されます。  

そのため、年明けの確定申告で寄附金控除申告をすれば、実質年間2,000円の負担で自分の選んだ地域を応援できるだけでなく、寄付額に合わせた返礼品を受け取ることができます。

医療費控除

医療費控除も所得控除の一種です。


医療費控除とは、確定申告をする年の1月〜12月にかかった医療費の合計が10万円を越えた場合に利用できる所得控除です。


申告者の医療費の負担を少しでも減らすことが目的としており、申告者のみならず、かかった医療費の合計は申告する人の世帯の合計金額(生計を一としている人)が10万円を超えれば控除を受けることができます。


また、同居していなくても別居している親の生計も負担しているのであれば、その親にかかった医療費も合算することができます。


他にも、健康の維持増進のために対象の医薬品購入額が年間8万円を超えた場合に利用できる、セルフメディケーション制度というものもあり、年間にかかった医療費によってはどちらかを選んで控除を受けることもできます。

生命保険料控除

生命保険料控除とは、納税者が生命保険料、介護医療保険料及び個人年金保険料を支払った場合に、一定の金額の所得控除を受けることができる制度です。


会社員ならば、年末調整の時に加入している生命保険などの内容を記入し、控除証明書の提出をすればその年の生命保険料控除として控除を受けることができます。


もし申告し忘れてしまったとしても、年明けの確定申告にて申告すれば控除が受けられます。


ただしこの生命保険料控除は、平成24年1月1日より前か後に契約したかで控除の上限額が変わってきます


控除を受ける際には、自分の加入している保険が平成24年より前なのか後なのかを事前に確認し、控除を受けるようにしましょう。


なお、保険期間が5年未満の生命保険など、中には控除の対象とならないものもありますので注意してください。

地震保険料控除

地震大国と言われている日本では、平成19年1月より、地震災害による損失への備えに係る国民の自助努力を支援するため、従来の損害保険料控除が改組され、地震保険料控除が創設されました。 


地震保険料控除は、その払込保険料に応じて一定の額がその年の契約者(保険料負担者)の課税所得金額から差し引かれる所得控除です。


これにより、所得税が最高50,000万円、個人住民税が最高25,000円を課税所得金額から控除することができるようになりました。

iDeCoに関する不安はマネーキャリアの無料相談サービスで解決

ここまでで住宅ローン控除とiDeCoの併用について詳細に解説してきました。


とはいえ、

そもそもiDeCoに加入すべきなのだろうか。。。自分に最適な資産運用の方法や、最もお得な控除はなんなんだろう。

このような悩みを持っている方は多いでしょう。


このような悩みを抱える方は多いでしょう。 


結論から言うと、そのような方はお金のプロであるFP(ファイナンシャルプランナー)に相談することをおすすめします。


FPは、iDeCoだけではなく、様々な金融商品を比較検討しながら、相談者の資産状況や、家計の状況に合わせて最適な提案をすることができます。 


もちろん、控除についてもアドバイスをもらうことができます。


特に、マネーキャリアの無料FP相談サービス3,000名のFPと提携している日本最大級のFP相談サービスです。 


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まとめ:iDeCoと住宅ローンの併用はあり?メリットを解説

今回の記事では、iDeCoと住宅ローン控除の併用について解説してきました。


記事のポイントとしては、

  • iDeCoと住宅ローン控除とは
  • 住宅ローン控除のみとiDeCoを併用した場合の節税効果
  • iDeCoを併用した場合のメリット・デメリット
でした。

結果として、iDeCoを併用した方が住民税の税負担が少なくなり、節税が期待できることがわかりました。

ですが、年収やローン残高によってはiDeCoを併用しても節税メリットがない場合もあります。

その場合は先ほど紹介したiDeCo以外の所得控除の利用も検討し、節税メリットを見出せるといいと思います。

マネーキャリアでは、iDeCoに関する記事だけでなく保険に関する記事をたくさん掲載していますのでぜひご覧ください。

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