iDeCoの退職所得税の14年・19年ルールをFPが解説【税金シミュレーション】のサムネイル画像
「iDeCoの退職所得控除の14年・19年ルールとは?」
「iDeCoの退職所得控除の改正があったと聞いたけど、いままでと同じように受け取ると税負担が増えるって本当?」
このような疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。

14年・19年ルールとは、退職所得控除の二重適用を防ぎつつ、控除を最大限活用できるように期間を調整する規定です。
▶「退職所得控除を2回使う方法とは?」さらに詳しく読む…

主に「企業型DC(確定拠出年金)や企業退職金」と「iDeCo」を異なるタイミングで一時金として受け取る場合に、それぞれの受取で控除額が減額されないよう期間調整を定めたものです。

この調整期間を意図的に空けることで、人生で最大2回、退職所得控除という非常に強力な税制優遇を活用することが可能となります。 
▶「今まで通りに退職金を受け取ると税金が増える?」さらに詳しく読む…
さらに、2026年以降はiDeCoを先に受け取る場合の「5年ルール」も「10年ルール」に延長されるなど、受取順序と年数に注意が必要となりました。 
この記事では、14年・19年ルールの詳細、 税金シミュレーション、最適な受け取り方法について解説します。
 
iDeCoに加入している方は退職金の受け取り方の出口戦略を見直す必要があります。退職所得控除を最大限活用して、無駄な税負担を避けたいと考えている方は参考にしてください。
この記事のポイント
・税制改正を踏まえて、iDeCoに加入している方が今後どのように退職金を受け取れば所得控除を最大限に活用できるのか?続きを読む…

内容をまとめると

  • iDeCoは受取方法で課税額と手取り額が変動する。
  • iDeCo受取時に思わぬ税負担や受給額の減少が発生する場合がある。
  • iDeCo改正が行われ、退職所得控除ルールは14年から19年、5年から10年へ変更に。
  • 改正によって変化した退職所得の受取に関する出口戦略の見直しは、iDeCoに加入したすべての方が対象。
  • 退職所得控除を最大限に活用する出口戦略のプランは、マネーキャリアの「iDeCoの無料相談窓口」で相談を受け付けている。
マネーキャリアの無料FP相談の相談範囲

この記事の監修者「井村 那奈」

この記事の監修者 井村 那奈 フィナンシャルプランナー

ファイナンシャルプランナー。1989年生まれ。大学卒業後、金融機関にて資産形成の相談業務に従事。投資信託や債券・保険・相続・信託等幅広い販売経験を武器に、より多くのお客様の「お金のかかりつけ医を目指したい」との思いから2022年に株式会社Wizleapに参画。
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この記事の目次

iDeCoの退職所得控除の14年・19年ルールとは?

退職所得控除を最大限活用する方法

iDeCo(個人型確定拠出年金)の一時金を退職金として受け取る際、退職所得控除の優遇を再度適用するために設けられたのが「14年・19年ルール」です。 

このルールは、直前の退職金を受け取ってから、iDeCo一時金(または企業型DCの一時金)を退職所得として受け取るまでの期間を、一定期間(現在は19年)空けることで、控除の重複利用を防ぎ、税負担の軽減措置を公平に利用するためのものです。 

以前は「14年ルール」が適用されていましたが、2022年4月1日以降に受け取る退職金等については「19年ルール」に改正され、期間が延長されています。この期間を空ければ、iDeCo一時金の受け取り時にも、退職所得控除を最大限に活用し、税負担を大きく軽減することが可能です。

 参考:国税庁「前の退職手当等が同一年に複数ある場合の退職所得控除額の計算の特例について」

iDeCo一時金とは?

iDeCoの一時金とは、積み立てた資産を60歳以降75歳までの間に一括で受け取る方法です。一括で受け取らない「年金形式」と比較して、退職所得控除が適用され税制上有利になるのが特徴です。


iDeCoの受け取り方には「一時金形式・年金形式・併用形式」の3種類があり、そのなかでも、「一時金形式」が退職所得控除における19年ルールの対象になります。

▶「iDeCoの受け取り方の『一時金形式・年金形式・併用形式』はどれがおすすめ?適用される税制の違いとは」さらに詳しく読む…

企業型DCとは?

企業型DC(企業型確定拠出年金)とは、 会社が毎月従業員の掛金を積み立て、従業員自身が運用商品(投資信託など)を選んで運用する年金制度です。


60歳以降に一時金(退職金)または年金として受け取ることができ、一定の条件のもとiDeCoとの併用も可能です。

現在の「19年ルール」は、iDeCo(または企業型DC)を一時金として受け取る場合に適用されます。年金形式で受け取る場合は、このルールは適用されず、税制も異なります。 


受け取るタイミングと期間によって税負担が大きく変わるため、ご自身の退職プランに合わせて計画的に受け取ることが重要です。

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iDeCoの相談はどこがおすすめ?人気の無料窓口・失敗しない選び方を解説

iDeCoを受け取るなら知っておくべき5年ルール・10年ルール

5年ルール・10年ルールとは、iDeCo一時金を会社からの退職金より先に受け取った場合、後の会社の退職金に適用される退職所得控除額が一部調整されるルールです。


iDeCo(イデコ)を一時金で受け取る場合、税制上「退職所得」扱いとなり、退職所得控除が適用され税負担が軽減されますが、会社の退職金と同時期に受け取ると控除が重複し、税金が増える可能性があります。


特に、2026年1月以降は「5年ルール」が「10年ルール」に変更され、会社の退職金とiDeCoの一時金の受取間隔を10年以上空けない場合、控除が減額されるため注意が必要です。


参考:国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」

ポイント

会社からの退職金を先に受け取るか、それともiDeCoの一時金を先に受け取るかによって適用される税制ルールが異なります。

  

14年・19年ルールは『退職金を受け取った後にiDeCo一時金を受け取る場合』に適用されますが、5年ルール・10年ルールは『iDeCo一時金を受け取った後に退職金を受け取る場合』に適用されます。

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iDeCoの退職所得控除シミュレーション

iDeCo(個人型確定拠出年金)の退職所得控除は、老後の受取時の税金を大幅に軽減してくれる優遇制度です。

注目

iDeCo一時金における退職所得控除の19年ルールは、iDeCoの一時金を受け取る際の所得控除に関する制約であり、iDeCoの一時金自体が受け取れなくなる制度ではありません


会社からの退職金を先に受け取り、iDeCoの一時金をその19年以内に受け取った場合、iDeCoの一時金に対して退職所得控除を最大限に活用することはできなくなります。そのため、iDeCo一時金受取年の所得税負担額が増え、手取り額は減ります。

ある年に支払を受けた退職手当等がiDeCo一時金であって、そのiDeCo一時金に係る勤続期間等の一部が、その年の前年以前19年内に支払を受けた退職手当等(前の退職手当等)に係る勤続期間等(前の勤続期間等)と重複している場合、どれほど負担する税金が異なるのでしょうか。


ここでは、「退職所得控除の回数」「課税退職所得金額」「所得税+復興特別所得税」の3つの税金についてシミュレーションします。iDeCoの受け取り方について一つずつ詳しく説明するため参考にしてください。

iDeCoの退職所得控除シミュレーション
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退職所得控除額の計算方法

退職所得控除額は、勤続年数(iDeCoの場合は加入期間)に基づいて以下の計算式で決定されます。※勤続年数1年未満の端数は1年に切り上げて計算します。

退職所得控除の計算方法

勤続年数が20年を境に、控除額の算出に用いる年あたりの金額が大きく変わることが特徴です。


勤続年数が20年を超えると、 1年あたりの控除額が40万円から70万円に大幅に増額されるため、優遇効果が高まります。


iDeCoの給付金を受け取る前19年以内に、すでに企業からの退職金を受け取っている場合は、退職所得控除の計算期間に注意が必要です。


この場合、会社員としての勤続期間とiDeCoの加入期間を合算し、一つの退職所得控除額を算出します。ただし、期間の重複を調整するための「重複期間控除」が適用されます。 この計算によって、退職所得控除の優遇措置が二重に適用されないよう調整されます。 


※参照:退職所得控除額の計算方法|国税庁

【受け取り方別】税金の差額シミュレーション


税金の差額シミュレーション

このように、会社からの退職金とiDeCoの一時金を受け取るタイミングを19年以上離すことで、それぞれの受取に対して勤続期間を合算されることなく退職所得控除が適用されます。その結果、控除額が最大化され、受取時の税負担を大幅に軽減することが可能になります。


▼会社からの退職金とiDeCoの一時金の受け取り方によって異なる税負担額

  • 退職金とiDeCoを同時に受け取る場合
  • 「iDeCoを先に」受け取る場合(5年・10年ルール)
  • 「退職金を先に」受け取る場合(19年ルール)

退職金とiDeCoを同時に受け取る場合

会社からの退職金とiDeCoの一時金を同時に受け取ると、それらの加入期間(勤続年数)が合算され、控除額が重複して計算されます。その結果、控除額を上回る課税所得が発生し、税金が増える可能性が高いです。

税負担を軽減するためには…

一時金と年金の併用をしてみましょう。資産の一部を一時金として受け取り、残りを年金形式で受け取ります。


一時金部分には退職所得控除が、年金部分には公的年金等控除が適用され、それぞれの税制優遇を利用して課税額を抑えることができます。

「iDeCoを先に」受け取る場合(5年・10年ルール)

iDeCoの一時金を受け取った後、会社の退職金(一時金)を5年(2026年1月1日以降は10年)以上空けて受け取ると、それぞれの退職所得控除を最大限に利用できます。


例えば、 60歳でiDeCoの一時金を受け取り、会社の退職金は65歳以降に受け取ります。また、10年ルール適用なら70歳以降に受け取ります。


この場合、適用される控除が期間内で重複せず、税負担を大幅に抑えられます。 

税負担を軽減するためには…

・5年ルールが適用される2025年末までに駆け込みでiDeCoを先に受け取る

・10年ルールの適用後に退職金を受け取る

などの方法があります。

「退職金を先に」受け取る場合(19年ルール)

会社の退職金を受け取った後、iDeCoの一時金を受け取る場合、退職金受取の前年以前19年以内に加入・勤続期間が重複していると控除が制限されます。 


例えば、60歳で会社の退職金を受け取り、iDeCoの一時金を80歳で受け取ります。


多くの人が60歳で退職金を受け取るため、退職金の受取後19年以内にiDeCoの一時金を受け取る場合、退職所得として合算されてしまう可能性が高く、退職所得控除を別々に適用することがほぼ不可能になります。

税負担を軽減するためには…

退職金を先に受け取ると、退職所得控除を最大限に活用するには、iDeCoの一時金を受け取るのに19年以上期間を空ける必要があります。


「iDeCoを先に、退職金を10年後に」という順番で、受け取り時期をずらすことを検討しましょう。

退職金とiDeCoの一時金を同時に受け取らず、期間を空けるのがおすすめです。60歳でiDeCoの一時金を受け取り、その後5年(または10年)以上経ってから会社の退職金を受け取るのが、税制メリットを享受しやすい現実的な方法です。


井村FP

まずは『iDeCoの無料相談窓口』に相談して具体的にどのタイミングで受け取るのか検討してみましょう。

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iDeCoの退職所得控除に関するアンケート結果

iDeCoの退職所得控除に関する、以下のアンケート結果を紹介します。

  • 実際にiDeCoをどのように受け取りましたか?
  • iDeCoと退職金を14年以上ずらして受給しましたか?理由も合わせて教えてください
  • iDeCoの受取で最も困った・複雑だった部分はありますか?
  • これからiDeCoの受取を控えている方にアドバイスを教えて下さい
iDeCoの受け取りは複雑な税制が絡みますが、実際の利用者の声からは、専門知識だけではわからない具体的な悩みや選択のポイントが学べます。

これらの事例を通じて、ご自身のケースに合った最適な受け取り方のヒントを見つけてください。

実際にiDeCoをどのように受け取りましたか?

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アンケート結果から、「一時金のみ」と「一時金と年金の併用」がほぼ同じ割合で選択されており、iDeCoの受け取り方が二極化していることがわかります。 

特に「年金のみ」の受取を選択した人が皆無であった点は、多くの加入者が退職所得控除の優遇を最大限に活用するために、老後資金の一括(一時金)確保を優先していることを示唆しています。

また、「一時金と年金の併用」を選ぶ層は、資金の柔軟な引き出しと税負担の分散という、双方のメリットをバランス良く享受したいと考えていると分析できます。

iDeCoと退職金を14年以上ずらして受給しましたか?理由も合わせて教えてください

アンケート画像

会社からの退職金とiDeCoの一時金の受取期間ををずらした方は8割以上でした。


受給期間をずらす理由として、「退職所得控除を最大限活用するため」という理由のみならず、「会社からの退職金もしくはiDeCoの一時金のみである程度の期間は生活が賄えるから」など、複合的な理由が挙げられました。

60代女性


ずらして受け取った方の理由

会社の退職金と同じ時期に個人年金を受け取ると、税金が多くかかってしまうと聞いたので、受け取る時期をずらしました。税金のことはよく分からず不安もありましたが、受取時期を工夫したことで手取りが増えたと思います。結果的に少し節約できて良かったです。

60代男性


ずらさずに受け取った方の理由

退職のタイミングでiDeCoの資産がまとまった金額になっていたので、子供の教育費や住宅ローンの返済に使うために受け取ることにしました。退職金と同じ時期に受け取ったので税金は少し多くかかりましたが、生活に必要な資金を優先しました。

受給方法によって、退職所得控除が適用できる額は異なります。


「生活の質を維持しながらいくら税負担を軽減できるのか」をシミュレーションするなら、マネーキャリアの『iDeCoの無料相談窓口』にお問い合わせください。

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iDeCoの受取で最も困った・複雑だった部分は?

アンケート画像

iDeCoの一時金受け取る際に「困った・複雑だった」と感じた方の約半数は、『iDeCo一時金受取時の税金計算』でした。続いて、『退職所得控除の適用』『受取手続きの複雑さ』があがります。


約8割以上が税務上の問題に直面していることから、今後、退職金とiDeCoを受給する方は、税金計算や退職所得控除をプロに無料で相談できる、『iDeCoの無料相談窓口』を活用することをおすすめします。


『iDeCoの無料相談窓口』は、複雑で面倒な税金計算や退職所得控除の計算を、オンライン上で試算できるFP(ファイナンシャルプランナー)相談サービスです。

これからiDeCo一時金の受け取りを控えている方へのアドバイス

60代女性


一時と年金受け取りどちらが有利か、退職金や公的年金とのバランスも考慮すること

iDeCoは一時金と年金、どちらで受け取るかによって税金のかかり方が違うので、よく調べておくべきだと思います。受け取り時期をずらしたり、両方を組み合わせたりすることで税金を抑えられる場合があると知り、退職金や年金のタイミングと合わせて選ぶのが良いと感じました。

60代女性


税理士や金融機関に相談しておくと安心

税金の仕組みをよく知らずに年金を受け取ると、思ったより多く税金を払うことになります。退職金や企業年金と重なる時期によって税金が変わるので、事前に金融機関やFPに相談しておくのがおすすめです。自分だけで判断せず、専門家に相談して準備しておくと安心できると思います。

井村FP

iDeCo一時金の受け取りには、会社からの退職金と合わせて退職所得控除の計算を行う必要があります。税金の計算は専門知識が必要になるうえ、計算が難しく大幅に時間がかかったという方も少なくはありません。


そのため、無料でFPに退職所得控除の計算をお願いできる『iDeCoの無料相談窓口』を活用して、退職所得控除を最大限に活用しつつ、税金の計算も簡単に終わらせてみましょう。

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確定拠出年金(iDeCo)の受給方法は3種類!受け取り方で税金が変わる

確定拠出年金(iDeCo)の受給方法3種類
iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)の受給方法は、大きく分けて下記の3つがあります。

受け取り方税金の種類
年金として受け取る雑所得
一時金として受け取る退職所得
年金と一時金の併用雑所得・退職所得

受け取り方によって、税金の扱いが変わるため、注意しましょう。
ここからは3つの受け取り方について詳しく解説していきます。

3つのパターンはどれくらい受け取れる金額が変わるのでしょうか?
井村FP
受け取り方次第では、数十万円単位で金額が異なる場合もあります。

それはかなり大きな違いですね!

「年金」「一時金」「年金と一時金の併用」のどれがいちばん自分に合っているのでしょうか?

井村FP

受取人のiDeCo積立額や会社への勤務年数によってお得な受け取り方は異なります。


まずはマネーキャリアの『iDeCoの無料相談窓口』を使い、自分のケースではどの受け取り方法が税負担を軽減できるのか、またいくら軽減できるのかを確認しましょう。

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年金として受け取る(雑所得)

iDeCoで積み立てた資産は、退職一時金として一括で受け取る方法のほか、年金形式(分割)で受け取ることも選択可能です。 

年金受け取りの回数や期間は金融機関や個人の設定によって柔軟に選択でき、公的年金や他の所得とのバランスを考慮しながら、計画的に老後資金を受け取ることができます。

年金として受け取る最大のメリットは、公的年金等控除の対象になる点です。これにより、まとまった資金を受け取ることで退職所得控除を使い切ってしまう人や、資金の管理に不安を感じる人にとって、税負担を分散しながら安定した生活費を確保できます。 

ただし、年金で受け取る際は、まだ引き出していない残りの資産は引き続き運用されます。これにより受取額が増える可能性がある一方で、相場変動による元本割れのリスクも継続することに留意が必要です。 
年金として受け取るときの税金の扱い

iDeCoを年金形式の分割で受け取る場合、その年金額は「雑所得」として扱われます。


この雑所得に対し、公的年金等控除が適用され、控除後の金額が他の所得と合算されて課税対象となります。控除額は、公的年金等の収入金額の合計額と年齢によって段階的に変わりますが、最低でも以下の金額が適用されます。


▽控除額の目安

  • 65歳未満:年金収入が60万円以下の場合、60万円
  • 65歳以上:年金収入が110万円以下の場合、110万円 

例えば、65歳未満でiDeCo年金以外の年金収入がない場合、年金収入が60万円以下であれば公的年金等控除により課税されません


さらに、基礎控除(48万円)などを加味すると、年間約108万円(60万円+基礎控除48万円)程度の年金収入までは、所得税・住民税などの税金が非課税になる可能性が高いです。 

一時金として受け取る(退職所得)

iDeCoで積み立てた資産は、退職一時金として60歳以降75歳までの間に一括で受け取ることが可能です。


iDeCoの一時金を一括で受け取るには、原則60歳以降である必要がありますが、例外として資産が少ないなどの一定の条件を満たせば「脱退一時金」として60歳前に受け取れる場合があります。


ただし、iDeCoを「脱退一時金」として60歳前に受け取る場合、退職所得控除は適用されず「一時所得」として課税されるため、iDeCoを退職所得として受け取る税制上のメリットはなくなります。 

一時金として受け取るときの税金の扱い

iDeCoで積み立てた資産を一時金として受け取る場合、その全額は「退職所得」として扱われます。


退職所得は「分離課税」方式が適用されるため、給与所得や事業所得など他の所得と合算され、低い税率で優遇されます。


この計算では、以下の二段階の優遇措置が適用されます。

  • 退職所得控除:まず収入金額から勤続年数(加入期間)に応じた控除額を差し引きます。
  • 2分の1課税:控除後の残額(課税退職所得金額)をさらに2分の1にし、これが最終的な課税対象額となります。

これらの優遇措置により、実際に課税される金額は大幅に抑えられ、手取り額が最大化されます。 


ただし、iDeCoを受け取る前19年以内に、勤務先から退職金を受け取っている場合は、iDeCoの加入期間と合算して退職所得控除額が計算される点に注意が必要です。この合算計算により、控除額が減る可能性があるため、受取時期の戦略的な調整が重要になります。

▶「iDeCo一時金の受け取りタイミングはいつが最適?退職所得控除を最大限活用する方法をとは」さらに詳しく読む…

年金と一時金の併用(雑所得+退職所得)

iDeCoでは、積み立てた資産の一部を一時金として、残りを年金形式で受け取る併用受取が可能です。 


例えば、一時金で住宅ローン残債など大きな支出に充て、残りの資産を年金として毎月の生活費に充てるなど、個々のライフプランに合わせた柔軟な資金配分を実現できます。 


併用受け取りの最大の利点は、一時金に「退職所得控除」を適用しつつ、年金に「公的年金等控除」を適用できるため、それぞれの税制優遇枠を二重で活用できる点です。 

  • 一時金部分: 退職所得として分離課税の対象となり、退職所得控除が適用されます。
  • 年金部分: 公的年金等の雑所得として、他の所得と合算されて課税されます。 

この併用により、一時金ですべての控除枠を使い切ってしまうリスクや、年金受取だけで公的年金等控除の枠を超過するリスクを軽減し、税負担の最適化を図ることが可能です。 

iDeCoの受け取り方法は、年金と一時金を組み合わせることもできるんですね!

でも、たくさんの種類がありすぎて、どれが自分に適しているのかわからなくなってきました。

井村FP

そんなときはマネーキャリアの『iDeCo無料相談窓口』を利用して、FPに相談しながら進めた方が安心です。


お金の専門家であるFPに相談することで、あなたのiDeCo運用状況や退職金との兼ね合いなどを整理しながら、受け取り方法別のシミュレーションを作成して、どれがいいのか比較できますよ!

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iDeCoの年金受取時は他の所得や手数料に注意

iDeCoの年金受取時の注意点
iDeCoの年金受け取りを選択する際には、税制上の優遇を最大限に活かし、不必要な費用を避けるために以下の点に注意が必要です。 

iDeCoの年金は「雑所得」として扱われ、国民年金・厚生年金などの公的年金も同じく雑所得として扱われます。これらすべての年金収入に対して公的年金等控除が適用され、控除後の金額が課税対象となります。 
  • 課税リスク: 公的年金等の収入がすでに公的年金等控除の枠を多く使っている場合、iDeCo年金が加わることで控除枠を超え、結果として所得税や住民税の負担が増えることになります。 
  • 社会保険料:所得(雑所得)が増えることで、国民健康保険料や介護保険料などの社会保険料の算定基準額が上がり、これらの負担も増加する可能性があります。 
現在、多くの金融機関では、年金を受け取る際の「給付手数料」は廃止されています。

ただし、以下の手数料は引き続き発生します。 
  • 口座管理手数料:年金支払いが続いている期間中、iDeCoの口座に資産が残っている限り、毎月または毎年、口座管理手数料が発生します。 
  • 信託報酬:運用を継続している資産に対しては、信託報酬が引き続きかかります。 
これらの費用は、年金支払い期間を長く設定するほど累積するため、受け取る期間と手数料のバランスを考慮した計画が不可欠です。 
井村FP

複数の年金を同時に受け取ると、受取人の勤務年数や受取金額によっては、負担する税金が増えたり、そのために実際に受け取れる額が減ったりすることがあります。

え、そうなんですか?複数の年金って、国民年金とか厚生年金とか、そういうものですか?それともiDeCoも関係ありますか?
井村FP
その通りです。年金に加えて、iDeCoを年金として受け取る場合も同様です。他の所得と合算されることで、思わぬ税負担が発生したり、受け取れる年金の金額が調整されたりする可能性があります。
そうなんですね…なんだか複雑で、自分だけで判断するのは難しそうです。
井村FP

そうですよね。だからこそ、マネーキャリアの『iDeCo無料相談窓口』を利用して、年金を受け取る前に注意すべき点についてアドバイスを受けるのがおすすめです。オンラインなどで手軽に相談できます。

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確定拠出年金(iDeCo)の退職所得控除額でわからないことがある場合

井村FP
確定拠出年金(iDeCo)の退職所得控除額について疑問をお持ちなのですね?
はい。制度が複雑で、控除額がどうなるかよく分からなくて困っています。専門家の方に相談したい気持ちはあるのですが、なんだかハードルが高そうで…。有料だったり、高額な相談料がかかるイメージもあります。
井村FP
そう思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。でも、ご安心ください。「マネーキャリア」のような窓口では、何度も納得いくまで、しかも無料でお気軽に相談できるんです。
え、無料なんですか?それは嬉しいですね!退職手当を過去14年以内に受け取っている場合でも、相談に乗ってもらえるんでしょうか?
井村FP
はい、もちろん大丈夫です。「マネーキャリア」には、お金のプロであるFP(ファイナンシャルプランナー)が在籍しており、14年以内に退職手当の支給を受けている場合の対処法についても、無料で丁寧にサポートしてくれます。これまでお話ししてきた『iDeCoの無料相談窓口』と同様に、専門家のアドバイスが気軽に受けられるという点では共通していますね。
それはとても心強いです!無料であれば、気軽に相談できますね。
井村FP

はい。あなたの疑問や不安を解消するために、ぜひマネーキャリアの『iDeCo無料相談窓口』を活用してみてください。

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  • iDeCoの受給方法3種類とそれぞれにかかる税金は自分の場合いくらなの?
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  • 所得に沿って専門家がiDeCo退職所得控除額の計算
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マネーキャリアのFPを利用した人の声

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【まとめ】確定拠出年金(iDeCo)の退職所得控除額

iDeCoの受け取り時におすすめの専門家


iDeCoの給付金を受け取る際は、税制上の優遇を最大限に活用することが、将来の手取り額を左右する最大のポイントです。今回の記事の重要なポイントを再確認しましょう。

  • 3つの受取方法と異なる課税:一時金(退職所得)、年金(雑所得)、併用の3つの方法があり、それぞれ適用される控除の種類や税率が大きく異なります。
  • 退職職所得控除と2分の1課税:一般的に、一時金として受け取り退職所得控除をフル活用することが、最も強力な節税効果を生み出します。 
  • 合算ルールの重要性:過去19年以内に勤務先からの退職金を受け取っている場合は、iDeCoの加入期間と退職所得控除の期間が合算されるため、受取時期の調整が必須です。  

最も高い節税効果が見込めるのは一時金ですが、最適な受取方法は個々人の状況によって異なります。 


例えば、公的年金等控除の枠に余裕がある専業主婦や転職経験者は、年金(雑所得)として受け取ると非課税になる可能性が高まります。


また、早期退職者は、企業の退職金とiDeCoの控除枠を効率的に使い分けるために、併用が最適となるケースもあります。 


最終的な判断には、ご自身の「公的年金・退職金の受取状況」と「老後資金のニーズ」を照らし合わせることが不可欠です。

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