【2024年】外貨建て保険(ドル建て保険)の今後の活用法は?円安の今入るべき?のサムネイル画像
この記事を読んで欲しい人

  • 外貨建て保険と円建て保険の違いについて知りたい人
  • 外貨建て保険のメリットとデメリットを知りたい人
  • 円安の今、外貨建て保険に加入すべきか迷っている人

内容をまとめると

  • 外貨建て保険とは保険料を外貨で運用していく保険で、保険料や解約満期時の受取りも外貨で受け取るが、日本円で受け取るためには為替差益が生じる
  • 外貨建て保険のメリットは、円建てと比べて金利が高く、保険料も安いことである
  • 外貨建て保険のデメリットは、為替変動に伴うリスクであり、円安時は保険料が高くつき、円高時は満期や解約時の受取り金額が少なくなるので見極めが必要である
  • マネーキャリアで、外貨建て保険について相談するのがおすすめ!
  • 今ならスマホ1つで無料オンライン相談ができるので、外貨建て保険への加入のタイミングなど、疑問点を解決しましょう!

「保険の営業マンからドル建て保険を勧められたけど今加入すべきなの?」「ネットではおすすめしないと書いてあるけど外貨建て保険の仕組みって?」と悩んでいる方が多いようです。米国債券が過去10年で最も利率が高い水準な一方で、円安の影響を受けて保険料が上がっている状況の今、外貨建て保険に加入すべきなのか、本当にやめた方が良いのか、をわかりやすく解説します。

記事監修者「谷川 昌平」

この記事の監修者谷川 昌平
フィナンシャルプランナー

東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

この記事の目次

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結論:今外貨建て保険に入るのはおすすめしない!


日本はマイナス金利が続いており、返戻率が低いために、利率が高いと言われている外貨建て保険に今後加入を考えている人も多いと思われます。

現在、24年振りの円安ドル高水準にあり、今後もこの水準が続くのであれば、ドル建て保険に加入した方がよいのでしょうか?

結論から申し上げますと、今、外貨建て保険に加入するのはおすすめできません。

外貨建て保険の場合は、ドルで保険料を支払うため、ドルを円に換算して保険料を支払うことになります。

円安とは、円の価値が低いということなので、この時期に加入すると、保険料が高くなってしまうため、今加入するのは考えた方が良いからです。

なお、外貨建て保険に関して知りたい方のために、今回の記事では次のことを説明します。
  • 外貨建て保険とはどんな保険?メリットとデメリットは?
  • 円安とは?外貨建て保険に与える影響
  • 現在の為替の状況と今後について
  • 円安時には外貨建て保険をおすすめしない詳しい理由
最後まで読むと、外貨建て保険についてわかり、今加入すべきかどうか、また今後どうすべきかの参考になります。

ぜひ、ご覧ください。

そもそも外貨建て保険ってどんな保険?


外貨建て保険と円安の関係性や今後の活用法について説明する前に、外貨建て保険についてご存じでしょうか?


簡単に言うと、保険に加入するときの保険料を外貨で支払い、解約や満期時の受取金を外貨で受け取る保険のことです。


ではなぜ、日本円を外貨に換算するのでしょう?それには、日本の超低金利情勢が関係しています。


日本の金利が低いために、資産を運用するにはアメリカなど、金利の高い外貨建てを考えるからです。


ここでは、外貨建て保険について、次の点について説明します。

  • 外貨建て保険の特徴
  • 外貨建て保険の種類
  • 外貨建て保険のメリット
  • 外貨建て保険のデメリット

ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

外貨建て保険の特徴

外貨建て保険の仕組み

外貨建て保険の仕組み

外貨建て保険は、保険料を外貨で運用していく保険です。


主に、利率の高い米ドルや豪ドルで支払います。ドル建て保険とも言います。そして、解約時や満期時に原則として外貨で受け取ります。


なお、特約をつけることによって、支払う保険料や受取り額を日本円で受け取ることが可能です。


この際、外貨から日本円に換算するときに、為替差益が生じます。


為替相場は毎日変動していますので、その時点での為替レートによって受取り額が変わるため、今日解約したのと明日解約したのとでも金額は異なります。


このように、加入するときや今後解約するときのタイミングを図ることも重要になる商品です。


また、日本円で加入するときには必要のない、為替手数料をはじめ、外貨を取り扱うためにさまざまな費用がかかるので、利率が良いと思って加入していざ解約しようとしたら、手数料が引かれて結果的に赤字になったというケースも散見されます。


ですから、外貨建て保険の場合、円建て保険よりも内容が複雑なことを覚えておきましょう。

外貨建て保険の種類

外貨建て保険には主に次の3種類があります。

  • 外貨建て終身保険
  • 外貨建て養老保険
  • 外貨建て個人年金保険

払込方法は、一時払と平準払いがあります。


いずれの商品も、為替相場や金利などで保険料や満期時、解約時の受取り額も変わってきます。


為替相場の影響を受けるため、受取り額が常に変動するところが、円建て保険との大きな違いとなります。


では、種類ごとに簡単に商品内容を説明していきます。


外貨建て終身保険

終身保険は、保障が一生涯続く保険で、満期がありません。


死亡した場合に所定の死亡保険金が受け取れます。


保険料払込期間は、年・歳満期と期間が定められている有期型と終身に渡って支払い続ける終身型があります。


有期型の場合、払込期間を過ぎてから解約すると返戻率が100%を超えるケースが多いので、貯蓄や運用を目的とするなら払込期間終了後に解約をするのがベストです。


外貨建て養老保険

養老保険は、死亡時と満期時に所定の保険金額が受け取れます。


一般的に、死亡時と満期時の受取り金額は同じです。


保険料払込期間は、年・歳満期と有期型のみです。


外貨建て養老保険の中で「リタイヤメントインカム」という特殊養老保険があります。


これは、一定期間は、通常の養老保険よりも死亡保険金が少なめに設定されています。


その理由は、死亡時の金額を減らすことにより、その分を貯蓄的要素に回すことができるため、最終的な受取り額が多くなる仕組みとなっています。


なお、満期保険金は、年金として分割してもらうことも可能です。


外貨建て個人年金保険

満期時に年金を10年などの一定期間や、保障期間付きの終身年金で受け取れます。


保険料払込期間は、年・歳満期と有期型のみです。


また、保険料払込期間中に被保険者死亡の場合は、払込保険料相当額が死亡給付金として受け取れます。

外貨建て保険のメリットは「保険料」と「金利」

外貨建て保険のメリットは、金利の高さとそれに伴う保険料の安さです。


バブル時代は金利が年7~8%と高金利だったので、特に工夫をしなくても通帳にお金を入れておけば自然と資産が増えていました。


しかし、2024年現在、定期預金金利(10年物)は0.002%が主な銀行の金利で、ネット銀行などの比較的利率の高い銀行でさえ、0.1%~0.51%と1%を切る低金利です。

(*2023年11月より一部銀行は定期預金金利(10年物)を0.2%に引き上げ)


この状態では、もはや預金するだけでは資産を増やすことは難しくなっています。


一方、アメリカでは、外貨建て保険の主な運用先である、10年国債の金利は約3%と、日本と比較すると、かなり高い水準の金利となっています。


このように、外貨建て保険は資産を運用する上で大きく増やせる可能性が高くなっています。


また、金利が高いということは、運用する上での収益が多く見込まれるため、保険料の割引率となる予定利率が高くなるので、支払う保険料も円建て保険と比べると安く抑えることができます。

外貨建て保険のデメリットは「為替変動リスク」

一方、外貨建て保険のデメリットは、為替変動によるリスクと諸費用の高さです。


外貨保険の場合、保険料を支払うときも、解約や満期時にお金を受け取るときも外貨を日本円に換算して受け取るのが一般的です。


ですから、そのときの為替相場の動きで、円に換算したときの金額が大きく変わる可能性があります。


例えば、円安のときに加入しようとすると、円の価値が低いので通常よりも高い保険料を支払わなければならなくなります。


逆に、解約するときに円高で解約すると、受取り額が減ってしまいます。


円安や円高については後述しますが、為替相場を常に頭に入れておかないと、思わぬところで大損してしまう可能性も秘めています。


また、外貨建て保険は、諸手数料が円建て保険と比較して高いというリスクがあります。


外貨建て保険は、外貨を円に換算するときに、為替手数料がかかります。


また、短期で解約すると、解約控除金が多くとられ、利率が良くても元本割れしてしまうので、短期運用には向きません。


ですから、例えば、今後、ますます円安傾向が続いたとしても、途中解約をした場合は市場価格調整によって利益が左右されるので、必ずしもたくさんの利益が見込めるわけではないのです。


なお、市場価格調整とは、解約返戻金を受け取るときに、市場金利に応じて、運用資産の価格変動が解約返戻金額に反映される仕組みのことです。

参考:市場価格調整を利用した生命保険とは?| 生命保険文化センター


例えば、契約時と比べて市場金利が上がっていれば解約返戻金は減り、市場金利が下がっていれば解約返戻金は増える場合があります。


市場金利に左右されるため、解約返戻金が元本割れして大損する可能性もあります。


このように、目先の金利だけに目を奪われて契約してしまうとトラブルの元になるので、特にデメリットはしっかりと把握しておく必要があります。

円安の今、外貨建て保険に入るべき?



外貨建て保険は、為替変動リスクが伴うので、為替相場の動きを把握することが大切なことがわかりました。


ところで、2024年現在、24年振りの円安状況が続いており、今、外貨建て保険に加入するべきなのか、それともやめたほうがよいのでしょうか?


結論から申し上げますと、やめたほうがいいです。むしろやってはいけないと言ってもよいでしょう。


円安時は、ドルで支払う保険料を円に換算するとき、円の価値が低いため、通常よりも高い保険料で支払わなければならないからです。


また、今後の円安状況はどうなっていくと予想されるのかも気になるところですよね。

そこで、次の点について説明します。

  • そもそも円安とは?
  • 円安が外貨建て保険に与える影響
  • 現在の為替状況は?
  • 円安はいつまで続くのか?

ひとつずつ解説します。

そもそも円安とは?

先ほどから、円安になると、という事が言われていますが、そもそも円安とはどのようなことなのでしょうか?


日銀によると、円安とは、円1単位で交換できる他通貨の単位数が相対的に少ない状態のことを言います。


対して、単位数が相対的に多い状態を円高と言います。

参考サイト:日本銀行|円高、円安とは何ですか?


海外旅行をしたときのことを思い浮かべるとわかりやすいでしょう。


アメリカに行って買い物をするとき、円をドルに両替します。


1万円を両替するときの為替相場が1ドル=100円のときは、

10,000円÷100=100ドル

為替相場が1ドル=120円のときは、

10,000円÷120=83ドル

となり、上記と比べると同じ1万円でも17ドル少なく両替されるので、相対的に少ない状態なので円安ということになります。


このように、円の相場が外国通貨の相場と比べて低くなることであり、円の価値が低いということになります。

円安が外貨建て保険に与える影響

では、円安によって外貨建て保険に与える影響はどのような事でしょうか。


保険料の支払いや、満期などで保険金を受け取るとき、ドルを円に換算しますが、そのときの為替レートによって、損得が出てくることです。


具体例をあげてみます。


1ドル=110円を基準として考えてみます。


①月払い保険料が100ドルの時、円に換算した場合の保険料

基準円安円高
1ドル=110円1ドル=130円1ドル=90円
11,000円13,000円9,000円


保険料を外貨100ドルで支払った場合、基準では11,000円ですが、円安の場合は13,000円と高くなり、円高の場合は9,000円と安くなります。


全く同じ保障の保険に加入するのに、ひと月で2,000円高くなったり安くなったりすることがわかります。


円安のときは保険料が高くなるので注意が必要です。


②満期保険金が5万ドルのとき、円に換算したときの受取額

基準円安円高
1ドル=110円1ドル=130円1ドル=90円
550万円650万円450万円


円安時の受取り額は、基準時よりも100万円多くなり、円高時は100万円減ります。


満期時に円安で受け取るのと円高で受け取るのとではかなりの差が出ることがわかります。


このように、保険料を支払うときは、円安のときは高くて損であり、受取りのときは、円安のときはたくさん受け取れて得になります。

現在の為替状況は?円安はいつまで続くのか

外貨建て保険に加入するかどうかを考えるとき、気になるのは、現在の為替状況はどうなのだろう?ということではないでしょうか。


現在の為替状況は、24年振りの円安が続いています。


2022年1月4日時点では1ドル115円だったものが、2024年1月7日には144円と円安が加速しています。


また、7月半ばには、1ドル139円と、140円台にあと少しと迫ってから、8月に入って130円と急落し、また上がるといった具合に、一進一退の状態が続いています。


この、ドル高円安は、アメリカの金利上昇に連動したものだったので、今後はアメリカの金利が上がるかどうかによって変わってくると思われます。


今後の見通しはなかなか難しいですが、アメリカの景気が後退する懸念があるのと、インフレが鈍化し、利上げも後退するのではないかという予測があります。


アメリカの景気が後退するのに伴って、FRBの利上げも鈍化して逆に利下げを始める可能性もあります。


しかし、急に円高ドル安に進むことは考えにくく、円安に進む可能性も否定できません。


10月以降は、アメリカの景気が減速する気風が高まっており、円は、一進一退しながらも、少しずつ下値をさげていくのではないでしょうか。


年末には、1ドル131円ほどになるのではとの予想があります。

円安の今、外貨建て保険をおすすめしない理由


ここまでで、円安の今、外貨建て保険はおすすめしないとお伝えしてきましたが、それはなぜでしょうか?


理由は、次の2つです。

  • 支払う保険料が割高になり、損をするから
  • 金利が上がるタイミングで加入すべき

外貨建て保険を考えるときには、為替の変動状況や金利の上昇などにアンテナを貼って見ていることが大切です。


では、ひとつずつ詳しく説明していきます。

おすすめすしない理由①支払う保険料が割高になり、損をする

1つ目の理由は、円安時には支払う保険料が割高になるため、損をしてしまうからです。


円安のときは、円の価値が下がるため、外貨建てで支払うドルを円に換算するとより多くの保険料を支払わなければならなくなります。


例えば、米ドルで保険料が月に100ドルだとします。


円高で1ドル90円としたとき、円に換算すると9,000円になります。


これが円安で1ドル130円としたときに、円に換算すると13,000円になります。


この例で行くと、ひと月の保険料の差が4,000円もあります。


これはちょっと極端な例かもしれませんが、円安傾向が進んでいるときは、同じ保障額の保険に加入する場合の保険料に大きな差がでます。


保険は長期間掛けていくことを考えると、加入時期を誤ると、大損してしまう可能性もあります。


ですから、円安傾向が続いているときは加入を控えた方がよく、今後の為替の動向を見る必要があるでしょう。

おすすめすしない理由②金利が上がるタイミングで加入すべき

2つ目の理由は、外貨建て保険の金利が上がるタイミングで加入することを考えないと損をするということです。


現在の日本の10年物の定期預金金利は、0.002%が主な銀行の金利で、非常に低金利です。 


一方、アメリカの10年国債金利は約3%と、日本と比べると高金利となっているため、外貨建て保険に加入を考える人が増えているのも事実です。


外貨建て保険の金利は、今後の社会情勢によって変化していきます。


金利が上がると保険料を構成している予定利率が上がります。

予定利率があがれば、保険料が安くなります。


日本と比べてアメリカは高金利ではあるけれど、同じ保障の保険に加入するのでしたら、保険料が少しでも安く加入できた方がよいので、外貨建て保険の金利が今後上がるタイミングを見て加入するのがベストです。


外貨建て終身保険で、今後時期が来て解約をしようとしたとき、金利が上がったタイミングで加入しておけば、少ない保険料で多くの解約金が受け取れることになります。

専門家の意見をご紹介


さて、ここで円安時に外貨建て保険に加入すべきかやめたほうがよいか、FP資格をもつ専門家の意見をご紹介します。


専門家としても、やはり今の円安の現状では加入すべきでないという結論を出しています。


その理由としては、過去に5回ほど、円安円高の波があったので、今回の波も、一時的な可能性があります。


ですから、今後のことも考えると、今はそのタイミングとは言えないと思われます。


また、外貨建て保険は運用は、アメリカ長期国債でされている部分が大きいです。


この長期国債の利率は、2020年から下がっていたのですが、2022年に入り、FOMCにより上がりました。


これは、今後の外貨建て保険の金利にも影響が出ると考えられ、金利が上がったタイミングで加入するのが得なので、もう少し様子を見た方が良いという見解です。

外貨建て保険を検討中の方におすすめ!


ここまで、外貨建て保険の今後の活用方法と、円安の今、加入すべきかをお伝えしましたがいかがでしたか?


円安の今の状況では、やめたほうがよいとか、おすすめしないという見解がされました。


円に換算すると保険料が高くなることや、金利が上がったときに加入した方が良いからです。


しかし、外貨建て保険は、保険の内容を自分で検討しようとしても複雑で、なかなかわかりづらい商品です。


しかも、今後の金利や今後の円安状況などを把握するのはかなり難しいことと思われます。


そのようなときに、マネーキャリアなら、保険のプロであるFPに相談できます。


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