
「ドル建て保険は円安の時に解約するべき?」
「ドル建て保険を解約したいけどタイミングがわからない」
とお悩みではないでしょうか。
結論、ドル建て保険は円安の時に解約するべきですが、解約時に注意点があります。
この記事では、ドル建て保険の解約のタイミングについて詳しく解説します。
ドル建て保険の途中解約の注意点や円安・円高がドル建て保険に与える影響についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!」
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この記事の目次
- ドル建て保険は円安時に解約すべき
- 円安・円高がドル建て保険に与える影響
- ドル建て保険を解約すべき判断基準5つ
- 家計の収支バランスが崩れている場合
- 加入目的と現在のニーズが合っていない場合
- 円安が進行して解約返戻金が大幅に増加している場合
- より良い代替商品への乗り換えが可能な場合
- 資産全体に占めるドル建て資産の比率が大きい場合
- ドル建て保険を解約する際の注意点
- 加入期間が短いと解約返戻金が少なくなる
- 解約返戻金にも税金・受け取り手数料がかかる
- いつ時点の為替レートが適用されるかは商品ごとに異なる
- 解約時に円高になると元本割れのリスクがある
- ドル建て保険の仕組み
- ドル建て保険を解約すべきか迷ったらマネーキャリアに無料相談!
- ドル建て保険は円安時に解約すべき!【まとめ】
ドル建て保険は円安時に解約すべき
ドル建て保険は円安時に解約すべきです。
なぜなら、円安時には保険料の負担と解約返戻金が増額するためです。
「円安」「円高」については、「円安=円の価値が低い(安い)」「円高=円の価値が高い」と考えると理解しやすいです。
1ドル=130円だったと仮定して、翌日1ドル=135円に触れた場合、「円安」になったと言えます。
円安の場合、ドルで支払う保険料は増えて生活を圧迫しますが、その代わりに円で受け取る解約返戻金も増えます。
したがって、円安時はドル建て保険を解約する方が有利になります。
円安・円高がドル建て保険に与える影響
円安・円高がドル建て保険に与える影響は以下の2つあります。
- 保険料の負担
- 解約返戻金
為替相場 | 保険料負担 | 解約返戻金 |
---|---|---|
1ドル=100円 | 10,000円/月 | 5,000,000円 |
1ドル=120円 | 12,000円/月 | 6,000,000円 |
1ドル=150円 | 15,000円/月 | 7,500,000円 |
ドル建て保険を解約すべき判断基準5つ
ドル建て保険を解約すべき判断基準は以下の5つあります。
- 家計の収支バランスが崩れている場合
- 加入目的と現在のニーズが合っていない場合
- 円安が進行して解約返戻金が大幅に増加している場合
- より良い代替商品への乗り換えが可能な場合
- 資産全体に占めるドル建て資産の比率が大きい場合
家計の収支バランスが崩れている場合
判断基準の1つめは、家計の収支バランスが崩れている場合です。
ドル建て保険の支払いにより、家計を圧迫しているようであれば解約を検討しましょう。
確かにドル建て保険は資産形成も兼ねることができますが、それは余剰資金で行うべきであり、収支バランスが崩れているときに無理に行うべきではありません。
ドル建て保険の他に保険に入っているのであれば、現状の家計に合わせた保険に乗り換えることをおすすめします。
加入目的と現在のニーズが合っていない場合
判断基準の2つめは、加入目的と現在のニーズが合っていない場合です。
例えば、元々は円建て保険よりも保険料が安かったため契約したが、現在は円安が進み保険料が高くなってしまったのであれば、より安い保険に乗り換えるべきです。
また、子どもの教育資金のために加入したが、子どもが進学を希望しなくなった場合や、老後資金として考えていたが別の投資で十分な資産を形成できた場合なども、ニーズと合わなくなっています。
例のように保険料の安さが加入目的の場合、定期的に保険料の見直しを行い、現状の最適な保険に入ることをおすすめします。
円安が進行して解約返戻金が大幅に増加している場合
判断基準の3つめは、円安が進行して解約返戻金が大幅に増加している場合です。
当初の目的が資産形成である場合、解約した段階で解約手数料や税金を考えても大幅に利益が得られるなら解約を検討しましょう。
判断基準として為替差益が30%以上ある状態と決めておくと、解約するタイミングがわかりやすいです。
ただし、いつの為替レートが解約時に反映されるのかは確認しておきましょう。
数円の差が大きく為替差益に影響する可能性があります。
より良い代替商品への乗り換えが可能な場合
判断基準の4つめは、より良い代替商品への乗り換えが可能な場合です。
目的が資産形成の場合、NISAやiDeCoへの乗り換えにより、為替変動よりもリスクを抑えた運用が可能です。
また、高金利での運用が目的の場合、さらに良い条件の保険商品が出てきたら、乗り換えの検討をおすすめします。
目的に応じて、より良い商品がないかは定期的に確認することで、解約タイミングを決めましょう。
資産全体に占めるドル建て資産の比率が大きい場合
判断基準の5つめは、資産全体に占めるドル建て資産の比率が大きい場合です。
ドル建て資産が多ければ多いほど、為替変動時に評価額の変動が大きくなり、為替変動によるリスクが上がります。
ドル建て資産が多すぎるのであれば、分散投資も視野に入れるべきなので、解約して別の商品に分散することをおすすめします。
資産全体の半分をドル建て資産が占めたら解約など、基準を決めておくと解約タイミングがわかりやすくなります。
ドル建て保険を解約する際の注意点
ドル建て保険を解約する際の注意点は以下の4つあります。
- 加入期間の長さによって解約返戻金が変動する
- 税金・受け取り手数料が発生する
- 為替レートの適用タイミングはその商品次第
- 解約時の為替は読めない
加入期間が短いと解約返戻金が少なくなる
ドル建て保険に限らず、保険全般の話しになりますが、一般的に保険の加入期間が短ければ短いほど、解約返戻金は少なくなる傾向があります。
たとえ円安のタイミングで途中解約したとしても、もともと戻ってくる解約返戻金の額が少ないのでは元も子もありません。
解約返戻金の原資となるドルが少なければ、受け取れる円の額も少なくなり、支払った保険料に満たない(元本割れ)となるケースも想定できます。
加入期間と解約返戻金の取り決めは、加入する保険によって異なるので、みなさんが加入している保険の契約内容をよく確認してみてください。
場合によってはあまりに短期で途中解約した場合、解約返戻金自体が受け取れない商品もあります。
新たにドル建て保険を契約しようとしている方についても、これらの点を理解したうえで検討するようにしてください。
解約返戻金にも税金・受け取り手数料がかかる
解約返戻金は満額受け取れるわけではないので、注意してください。
外貨建て保険を解約し、解約返戻金をもらえるとなった場合には、課税される可能性も考慮する必要があります。
保険に限らずですが、税金は利益に対してかかります。
もらえた解約返戻金が払い込んだ保険料の合計額より多い場合、この多い部分が利益とみなされ、原則税金がかかります。
保険料を支払う人と解約返戻金を受け取る人が同じ場合は所得税(一時所得)が、違う場合は贈与税が原則かかります。
また手数料も気にする必要があります。
ドルを円に換える場合やドルのまま受け取る場合、保険会社や振込先の金融機関によって手数料が発生するケースがあります。
解約返戻金を受け取れると試算できたとしても、その全額が手元に残るわけではないことを理解しておいてください。
いつ時点の為替レートが適用されるかは商品ごとに異なる
途中解約の手続きした日の為替レートで、解約返戻金の円ベースの金額が確定すると思っていませんか?
実は解約手続きをした日ではなく、いつの時点の為替レートで計算されるかは、それぞれの商品によって異なります。
ですので想定していた金額が受け取れるとは限りません。運よく想定金額よりも多くなるケースもありますが、運悪く少なくなってしまうケースもあります。
為替レートがどのように動くかを予想することは難しいですが、途中解約の手続き日のレートからブレがあることだけは把握しておきましょう。
事前にブレがあることを想定しておけば、実際に解約返戻金を受け取る際にも焦りません。
そしてレートの計算日はそれぞれの保険商品によって異なるので、途中解約を行う前に確認をしておきましょう。
解約時に円高になると元本割れのリスクがある
特に最近では、日本政府の為替介入によって大きく円高になる日もありました。(為替介入とは、日本政府が保有する多額のドルを円に換えることで、円の需要を高めて円高にする行為のこと)
為替介入のような大きなイベントは少なくても、為替市場がどのように動いていくか予測することは困難です。
途中解約のタイミングによっては元本割れしてしまうことも想定しておきましょう。
解約返戻金をドルのまま受け取れる商品もあるので、いったんドルで受け取ってしまった方が、市場の動向をある程度見ながら円に交換できるかもしれません。
ただし円高傾向が続き、円への交換のタイミングが長く訪れない可能性も考慮する必要はあります。
ドル建て保険の仕組み
外貨建て保険は、保険会社が保険料の一部を外貨(米ドル、豪ドルなど)で運用する保険のことを指し、外貨がドルであればドル建て保険となります。
加入者が支払った保険料(円)で、保険会社はドルを購入し、ドルを使って外国の資産を購入します。
また、保険会社が解約返戻金を加入者に支払う場合、資産を売却し、受け取ったドルを円に交換しています。


ドル建て保険を解約すべきか迷ったらマネーキャリアに無料相談!
ここまでドル建て保険の途中解約を中心に、特徴などを解説してきました。
ドル建て保険の解約タイミングは、円安が進んでいるからといって簡単に判断するべきではなく、さまざまな注意点があるため、判断に悩んでしまっている方も多いと思います。
そんな方々に向けて、マネーキャリアでは無料相談を行っています。
保険の専門家(FP)が、解約の判断に必要なことを詳しく解説し、解約タイミングについてもアドバイスします。
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ドル建て保険は円安時に解約すべき!【まとめ】
ドル建て保険を途中解約したい場合「円安時」に行うのが良いですが、解約の判断基準を明確に持つべきです。
この記事のポイントは以下のとおりです。
- ドル建て保険途中解約は「円安」時が有利
- ドル建て保険途中解約の判断基準は「家計の収支バランス」「為替差益」「より良い代替商品」「総資産におけるドル建て資産の割合」
- ドル建て保険途中解約時の注意点は「加入期間」「税金・手数料」「為替レートの適用時期」
- ドル建て保険のメリットは「保険料の安さ」と「為替差益」、デメリットは「元本割れリスク」と「変動制の保険料」
円安は円の価値が低くなること、解約返戻金はドルから円に換金されるので、円安時の方が実際にもらえる円の金額は多く有利です。
逆に毎月支払う保険料は、ドルで設定されているため、より多くの円を払わなければならない円安時は不利です。
この円安傾向はこの先も続いていくとは限りません。円安が止まり円高へ動くと、もらえる解約返戻金が減っていくこともあります。
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