内容をまとめると
- 役員退職金を準備する方法は4つあるが、法人保険が一番おすすめである。
- 法人保険は勇退退職金と死亡退職金を同時に準備でき、さらに税負担の軽減効果や契約者貸付を利用できるメリットがある
- 役員退職金や法人保険の準備には、将来のリスク予測と自社で払い続けられる保険料など、さまざまな要素を考慮する必要がある。
- さらに、経営陣の独断で法人保険を選定するのは困難なので、マネーキャリアのように、法人保険のプロへ「無料で何度でも」相談できるサービスを使って、退職金を準備する会社も増えている。
経営者や役員の退職金は法人保険で準備することが大切です。法人保険の利用によってゆとりのあるセカンドライフに必要な勇退退職金や経営者に何かあった際の死亡退職金を準備できるのと同時に税負担の軽減効果や契約者貸付を利用することができます。
この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
>> 谷川 昌平の詳細な経歴を見る
この記事の目次
- 勇退退職金と死亡退職金の2種類の準備が必要
- 役員退職金を準備する方法4選
- 退職金準備方法①:法人保険に加入する
- 退職金準備方法②:預貯金を利用する
- 退職金準備方法③:有価証券や不動産などに投資をする
- 退職金準備方法④:小規模企業共済制度を活用する
- 役員退職金を法人保険で準備するメリット3つ
- 法人保険のメリット1:勇退退職金と死亡退職金を準備できる
- 法人保険のメリット2:法人税の負担が減る
- 法人保険のメリット3:契約者貸付を利用できる
- 役員退職金を法人保険で準備するデメリット2つ
- 法人保険のデメリット1:キャッシュフローの悪化
- 法人保険のデメリット2:タイミングによって解約返礼率が低い場合がある
- 退職金の準備におすすめの法人保険の種類3選
- 法人保険1:逓増定期保険
- 法人保険2:長期平準定期保険
- 法人保険3:養老保険
- 退職金を法人保険で準備する際の注意点
- 保障や退職金準備の法人保険の活用法がすぐにわかる方法とは
- リスク対策に関する悩みがすぐに解決できる:マネーキャリア(丸紅グループ)
- 法人保険の活用事例集
- 退職金を法人保険で準備する方法やメリットまとめ
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勇退退職金と死亡退職金の2種類の準備が必要
退職金には生きている間に本人が受け取ることができる「勇退退職金」と、亡くなってしまった時に家族が受け取ることができる「死亡退職金」がありますが、いずれも重要です。
勇退退職金はセカンドライフを豊かにするために重要ですが、何かあった際の備えとして死亡退職金も準備しておく必要があります。
勇退退職金を準備していないと年金だけが頼りの生活になりかねないうえ、死亡退職金
を準備していなければ、もしもの時に家族に悪影響が出る可能性もあります。
後継者がすでに決まっているなら「勇退退職金」を、退職する年齢になっても経営を続けていきたいという人は「死亡退職金」をより入念に準備する必要があります。
しかし、いつ何が起きるかわからないので、「勇退退職金」と、「死亡退職金」いずれも準備しておくことは大切なのです。
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役員退職金を準備する方法4選
役員退職金を準備する方法の中には、次の4つの種類があります。
- 法人保険に加入する
- 預貯金を利用する
- 有価証券や不動産などに投資をする
- 小規模企業共済制度を活用する
退職金準備方法①:法人保険に加入する
退職金準備方法の中で最もおすすめなのが法人保険に加入することです。
なぜなら法人税に加入するだけで、先ほど解説した「勇退退職金」と「死亡退職金」を両方準備したことになるだけでなく、「損金算入」になるので法人税の負担が軽減し、さらに契約者貸付制度を活用できるからです。
ほかの退職金準備方法のなかにもこの中の一部のメリットがありますが、法人保険に加入すれば上記すべてのメリットがありますので、経営者や役員の方におすすめです。
退職金準備方法②:預貯金を利用する
2番目の退職金準備方法は預金をすることですが、この方法はあまりおすすめできません。
デメリットはほとんどなくある意味確実な方法ではありますが、メリットもあまりないからです。
特に現在預金金利は非常に低く、預金残高がほぼ増えず、法人保険のように損金算入対象にはならないので法人税も変わりません。
したがって、もし退職金のために預貯金を利用する予定であれば、実際に必要な退職金を準備するまでに定額を長期間にわたって預貯金し続ける必要があるのです。
退職金準備方法③:有価証券や不動産などに投資をする
3番目の退職金準備方法は有価証券や不動産などに投資をすることですが、こちらもあまりおすすめではありません。
預貯金と違って預けた額が大きく増えることもありますが、逆に大きく減る可能性もありますので注意が必要です。また損金算入にもなりません。
有価証券や不動産などに投資をしたいなら、必要な退職金を準備するために予想以上に時間がかかることを覚えておきましょう。
最悪必要な時に必要な額が準備できなかったというデメリットも想定しておく必要があります。
退職金準備方法④:小規模企業共済制度を活用する
4番目の退職金準備方法は小規模企業共済制度を活用することで、小規模経営者の方で、最低でも20年以上積みたてる予定のある人にはおすすめできます。
小規模企業共済制度は次のように、積立期間が短いと解約手当が低くなってしまうからです。
積立期間 | 解約手当割合 |
---|---|
12ヶ月未満 | 0% |
12ヶ月〜84ヶ月 | 80% |
84ヶ月〜240ヶ月 | 80〜100% |
240ヶ月〜 | 100〜120% |
参考:小規模企業共済
掛け金は月1,000〜70,000円(年間12,000〜84,000円)の範囲で自由に選択できますし、支払う掛け金は全額所得控除となりますので100%の解約手当でもメリットとなります。
一方積立期間が短いと全額戻ってこないばかりか、保険会社から戻ってくるのが0%になってしまうこともあるので注意が必要です。
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役員退職金を法人保険で準備するメリット3つ
このように役員退職金を準備する方法は様々ですが、役員退職金を法人保険で準備するのが最もおすすめといえるのは、次の3つのメリットがあるからです。
- 勇退退職金と死亡退職金を準備できる
- 法人税の負担が減る
- 契約者貸付を利用できる
法人保険のメリット1:勇退退職金と死亡退職金を準備できる
法人保険の大きなメリットのひとつは、一つの保険で勇退退職金と死亡退職金を準備できることになるからです。
すでに解説した通りひとことに「退職金を準備する」といっても、退職金には「勇退退職金」と「死亡退職金」の2種類があり、どちらも必要です。
他の方法で退職金を準備していると考えていても、「死亡退職金」を忘れているというケースは少なくありませんが、法人保険ならいずれも正しく準備できます。
法人保険のメリット2:法人税の負担が減る
法人保険のなかで見逃せないメリットは、法人税の負担が減るというものです。
法人保険は一定の条件を満たせば支払った保険料が「損金算入」となるので、その分法人税の負担が軽減されます。
2019年の税制改正があってからは保険料の損金算入に関して以下のように、「解約返戻金のピーク時の返戻率に応じて損金算入割合を決める」というルールになりました。
ピーク時の払戻金 | 損金算入割合 |
---|---|
50%以下 | 全額損金 |
51%~70%(被保険者1名あたりの 年間保険料が30万円以下の場合) | 全額損金 |
51%~70%(被保険者1名あたりの 年間保険料が30万円を超す場合) | 60~164%損金 |
71%超~85% | 40~196%損金 |
86%以上 | 最初の10年間とその後の払戻率による |
このように損金できる割合は解約返戻金のピーク時の返戻率に応じて変わる複雑さはあるので実際にいくらになるかを知っておく必要はあるものの、法人税の負担はかなり軽減されます。
法人保険のメリット3:契約者貸付を利用できる
法人保険のもうひとつのメリットは、法人保険の期間中であれば契約者貸付を利用できることです。
基本的には退職後に備えての保険ですが、万が一退職前に会社が経営危機に陥ったとしても新たに審査することなく気軽に借入ができます。
借入とはいえ、預けたお金を使う心理的安心感は、実際の借金と比べて大きく異なります。さらに、利子は2〜6%程度なのでカードローンと比べて利子が安く、解約までに利子を返せば元通りの解約払戻金を受け取れます。
法人保険に加入すると、退職後に備えて「勇退退職金」と「死亡退職金」を同時に準備できるだけでなく、退職前にももしもの時の備えとなるのです。
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役員退職金を法人保険で準備するデメリット2つ
- キャッシュフローが悪化する可能性がある
- 解約返礼率が低くなる可能性がある
法人保険のデメリット1:キャッシュフローの悪化
法人保険は高額になりますので、保険に加入した分だけお金の流れが悪くなります。
単純に考えて本来他の事業や投資に使えるお金を法人保険にまわすことになるので、それだけ経営に影響を与えることになります。
最悪の場合「法人保険を利用することによって借金をすることになった」ということさえあります。契約者貸付を利用できるとはいえ、法人保険の利用によって会社の経営が圧迫されるリスクは避けなければなりません。
法人保険に費用をどれだけかけるかを決めるときは、専門家への相談が大切です。
法人保険のデメリット2:タイミングによって解約返礼率が低い場合がある
法人保険は解約するタイミングを間違えると、解約返礼率が低くなるデメリットがあります。
法人保険は加入当初は解約返礼率が低く、徐々に高まってピークを超えると、今度はまた解約返礼率が低くなってしまいます。
一方、ピーク時に解約すればいいわけではなく、解約したときに得られる資金は「益金算入」となり、法人税がかかってしまいます。上記デメリットを極限に減らすために、法人税がピークになるタイミングで退職して、すぐに後継者にかわってしまう必要があります。
最適なタイミングで解約できるようにするために、出口戦略を正しく整えておく必要があります。
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退職金の準備におすすめの法人保険の種類3選
退職金の準備のためにおすすめの法人保険は次の3種類があります。それぞれの特徴とおすすめしたい人は次の通りです。
法人保険の種類 | 特徴 | おすすめの人 |
---|---|---|
逓増定期保険 | ピークが早く短く死亡保険金の 増加率が高く保険料は高め | 10年以内に退職を予定している経営者・役員 |
長期平準定期保険 | ピークが遅く長い | 10年〜20年以上後に退職を 予定している経営者・役員 |
養老保険 | 全従業員対象、亡くなったら死亡保障、 満期になったら満期保険を受け取れる | 従業員にも保険をかけたい、 解約のタイミングが検討つかない人 |
このように同じ法人保険でも特徴が全然違ううえ、対象も違うので、それぞれの特徴をさらに理解しておくことは大切です。
法人保険1:逓増定期保険
逓増定期保険は解約返礼率のピークが早い特徴があるので、10年以内に退職を予定している経営者や役員におすすめの生命保険です。
長期平準定期保険は10年以上、小規模企業共済制度は20年以上がピークですが、逓増定期保険の払い戻しのピークは5〜10年と早いからです。短期間の契約を想定している保険ですので、死亡保険金の増加率も高く、「最大で5倍」まで増加します。
ただし、ピークが早く保険料が割高なので、長く払い続けると保険料の総額がかなり高額になってしまうことになります。
逓増定期保険に加入する際は、会社の経営状態を把握しておくことに加えて、10年以内に退職して後継者に引き継げるような準備が大切です。
法人保険2:長期平準定期保険
長期平準定期保険は解約返礼率のピークが遅くピークが長い特徴があるので、まだまだ現役で続ける予定がある経営者や役員ににおすすめの生命保険です。
長期平準定期保険のピークは10年〜20年と逓増定期保険と比べて遅く、期間も倍になるので、高額の解約払戻金をもらえる可能性が高い保険といえます。
一方で保険支払期間が長期に渡るので、総額保険料も高くなることからも、長い期間保険料を支払える体力が必要となります。
現在会社にどれほど余裕があるかを正しく把握しておく必要があるものの、将来的にも保険が払えないほど経営が苦しくなる可能性の有無も精査しておきましょう。
法人保険3:養老保険
養老保険は経営者や役員だけでなく全従業員が対象特徴の保険なので、従業員にも保険をかけておきたい場合におすすめの保険です。
解約するタイミングを考える必要がないのも特徴で、亡くなってしまった場合は死亡保障を、満期を迎えた時には満期保険を受け取れるシンプルな仕組みです。
養老保険はすべての従業員が対象となるので、保険料が高額になりがちです。保険料の総額がどれくらいになるのか、会社は保険を払い続ける余裕があるのかを正しくと見極める必要があります。
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退職金を法人保険で準備する際の注意点
退職金を法人保険で準備する際は、解約返戻金が払い込み保険料を下回る可能性があるということを常に注意しておくことが大切です。
法人保険は、解約返戻金が100%を下回ったとしても条件次第で損金算入ができます。しかし、タイミング次第では、損金算入として法人税の負担が減った以上に、保険会社からもらえる解約払戻金が下回る可能性があります。
そのため、起こりうるリスクに対しての保険加入だけではなく、会社が直面するリスクそのものに対しても専門家からのアドバイスを受けながら対策を進める必要があるのです。
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保障や退職金準備の法人保険の活用法がすぐにわかる方法とは
本記事では、保障や退職金準備の法人保険の活用法が、すぐにわかる方法を紹介します。
退職金制度の導入や運用には、従業員の長期勤続促進と企業の財務負担のバランスを取る必要があるため、経営者は退職金制度以外のリスク対策全体を考慮しなければなりません。しかし、退職金制度だけでなく、事業承継や役員の退任、従業員の死亡・高度障害といった予期せぬ事態にも備える必要があるため、経営者は総合的なリスク管理を提供するサービスを選択すべきです。
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法人保険の活用事例集
退職金を法人保険で準備する方法やメリットまとめ
今回は経営者や役員の退職金を準備するための法人保険について解説しました。
退職金を準備するためには、勇退退職金と死亡退職金の2種類の準備が必要ですが、法人保険に加入するだけでその両方を準備できます。さらに、損金算入として法人税の負担が減る、契約者貸付を利用できるなどのメリットもあります。
一方、法人保険は高額なので保険料が高く、タイミングを間違えると解約返礼率が低くなるデメリットがあるので、加入する前に会社の経営状態や退職するタイミングを正しく考慮しなければなりません。
しかし、経営陣が独断で退職金のための保険を検討するのは困難なので、今日では「マネーキャリア」のように、経験豊富な法人保険の専門家による包括的なアドバイスを「無料で何度でも」受けられるサービスの活用が必須です。
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