がんになった場合の治療費がいくらかかるのか気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、がんの費用の目安や、がん保険の必要性について紹介しています。日本人の2人に1人ががんになると言われていますので、今後のためにも勉強しておきましょう。
監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
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がんの治療費はいくらかかるのか?
入院治療費の平均額 | 入院外治療費の平均額 | |
---|---|---|
胃がん | 65,055円 | 4,019円 |
結腸がん | 65,405円 | 4,436円 |
直腸がん | 75,374円 | 6,129円 |
肝がん | 62,194円 | 4,482円 |
肺がん | 70,162円 | 10,674円 |
乳がん | 58,602円 | 5,763円 |
子宮がん | 64,109円 | 3,040円 |
実際のところ、公的保障だけで足りるの?
日本では「国民皆保険制度」があり、国民全員が健康保険などの公的医療保険制度に加入しているため、最大でも自己負担3割で医療を受けられます。
また、公的医療保険制度の中には「高額療養費制度」と呼ばれる手厚い制度が設けられています。
これは、1か月で支払う治療費の上限を超えた場合に、超過した治療費が支給される制度です。
1か月の上限は年齢や所得によって決まります。
自己負担3割で済む公的保障でも、治療費が高額になれば家庭の負担は大きくなってしまいますが、高額療法費制度を活用することで負担を軽減できます。
公的医療保険制度だけでも十分な制度と考える人もいますが、がんが発見されたタイミング次第では大きな出費となる可能性もあります。
そのようなときに備えて、まとまった資金を準備しておく必要があるでしょう。
がん保険に入る必要性はあるの?
公的医療保険制度は十分手厚い制度といえますが、それだけではカバーしきれない治療費をカバーするのががん保険です。
保険診療ではなく、先進医療や自由診療など治療費が大きい治療方法が最善の方法の場合もあります。
早期発見、早期治療によって現代ではがんを治せますが、高度な医療技術で治療をする先進医療を受ける場合には保険料の範囲を超える技術料に対しては自己負担となってしまいます。
また、未承認の抗がん剤による自由診療を受ける場合には治療費は全額自己負担となります。
そうなると公的医療保険で賄えず、自己負担の割合が大きくなってしまうので、がん保険に加入して万が一のときに備えておくことが大切です。
公的保障だけではなく、先進医療や自由診療などの高額な治療費がかかる医療を受けたいと希望する場合には、がん保険に加入しておくと良いでしょう。
30代、40代の女性にこそがん保険に入ってほしい
多くのがんの罹患率は60代以降に高くなる傾向にありますが、女性の乳がんに関しては30代から40代で急激に高くなります。
その後横ばいになりますが、他の部位と比べて若い時期にピークを迎えるのが女性の乳がんです。
30代40代といえば多くの方が働き盛りであり、また教育資金や住宅ローンの支出も最大になっている頃かと思われます。
また、子どもが独り立ちをする前の年齢であることが多いと想定されますので、多くの女性は子どものためにもどんな治療でも受けてがんを克服したいと希望するでしょう。
住宅ローンも子育てもないというシングルの女性でも、多くの治療費、長引く治療、減る収入といった事態を、ひとりで受け止めなければなりません。
もちろん60代以降でもがんを克服したいという気持ちに変わりはありませんが、住宅ローンも子育ても終わり、安定した年金収入が確保されていることがほとんどかと思います。
これらのことを考えると、30代40代の女性にとって罹患率がピークの乳がんを患うということは、他の年代と比べるとあまりにもリスクが大きく、だからこそがん保険でしっかりと備えることをおすすめします。
まとめ
今回の記事では、がんになった場合の治療費やがん保険の必要性について紹介しました。
日本人の2人に1人ががんになると言われている現代、公的医療保険だけでも十分手厚い補助を受けることはできますが、最善策とは言い難いでしょう。
特に30代や40代の女性にとっては乳がんになるリスク、教育資金など出費が重なってしまう可能性が高いです。
そのため、最悪の事態に備えるためにも、民間のがん保険に加入して負担を最小限に減らせえるようにしましょう。