- 生命保険(死亡保険)の必要額はどのように考えたらよいかわからない人
- ライフステージ別の生命保険(死亡保険)で軸になる考え方が知りたい人
- 生命保険(死亡保険)はいつ見直ししたらよいか悩んでいる人
- 生命保険(死亡保険)の必要額の基本的な考え方
- ライフステージ別の一般的な保障額
- 生命保険(死亡保険)の必要額の計算方法
- 生命保険(死亡保険)の見直しのタイミング
生命保険(死亡保険)の必要額はどのように決めたらいいのかということを軸に、ライフステージ別の一般的な必要保障額や必要額の計算方法を紹介しています。また、生命保険(死亡保険)の見直しのタイミングのポイントについても解説している記事です。
この記事の目次
生命保険(死亡保険)の必要額はいくら?
万が一被保険者が亡くなった時に支払われる死亡保険金。これが生命保険(死亡保険)ですね。漠然と死亡保険は必要だと思い、加入している人も多いのではないでしょうか。
この生命保険(死亡保険)の死亡保険金の必要額はいくらなのか?すなわち遺族に残すべき金額はいくらのなのか。ということをしっかりと把握したうえで加入していますでしょうか?
どのように必要額を決めていったらいいのか、自分にとっての必要額はいくらなのか考えていきましょう。
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生命保険(死亡保険)の保険金の平均額はいくら?
まずは生命保険(死亡保険)の保険金の平均額を見ていきましょう。
公益財団法人生命保険文化センターの2022年度「生活保障に関する調査」によると、男性の平均死亡保険金額は1,373万円、女性の平均死亡保険金額は647万円となっています。(いずれも全生命保険会社、郵便局、JA、共済、生協含む)
また年齢別のデータでは、30代男性が2065万円が最も高く、女性の場合は40代女性が807万円となっています。
こちらの金額はライフステージを考慮しない全体、年齢別の平均金額となっていますので、あくまでの参考値と言えるでしょう。
実際は年齢、家族構成などのライフスタイルに応じて必要額というものは変わってきますのであらためてそちらを見ていきたいと思います。
独身で養っている家族がいない場合
ここからはライフスタイル別に必要な生命保険(死亡保険)の保険金の一般的な必要額を見ていきたいと思います。
まずは独身で養っている家族がいない場合についてです。
養っている家族がいないということであれば、大きな保障は必要ないと考えておいてよいでしょう。
葬儀にかかる費用というものは一般的には分割払いなどができません。またいつ起こるかわからないものですし、一括でまとまっと金額を払わなくてはなりませんから、独身の方も葬儀にかかる費用は遺族に残した方がよいですね。
葬儀にかかる費用としては、一般的には200万円程度と言われています。葬式や告別式の基本費用、参列者への飲食接待費用、寺院へのお布施やお礼費用がかかります。
独身で養っている家族がいる場合
続いては独身で養っている家族がいる場合についての必要額です。
親がご自身の収入で暮らしている場合などが当てはまります。親の生活を賄っている収入源がなくなってしまったら生活に困ってしまいますね。そのため、養っている家族がいるということであれば、それなりの金額の生命保険(死亡保険)に加入する必要があるでしょう。
その場合死亡保険金の使い道として葬儀の費用はもちろんですが、当面の生活費に充てると考えると1000万円ほどの死亡保険金があれば安心と言えるでしょう。
ですが、その時点での親の年齢によっては年金をもらっている場合も大いに考えられます。その場合は現在の生活費と照らし合わせてみて必要額を算出する必要があります。
また、遺族年金も受け取れるとこになるでしょうから、遺族年金も勘案して生活に不足している金額がどのくらいなのか、保険金で賄うべき金額はいくらなのかをしっかり算出したほうがよいでしょう。
既婚で子供がいる場合
区分 | 費用 |
---|---|
すべて公立 | 1,022万円 |
大学だけ私立 | 1,363万円 |
すべて私立 | 2,652万円 |
既婚で子供がいない場合
続いては既婚で子供がいない場合の必要額についてみていきます。
子供がいないが場合、葬儀にかかる費用、配偶者の生活費が主に必要な費用となります。
配偶者の年齢などにもよりますが、夫婦二人ともフルタイムで共働きの場合は万が一相手の収入がなくなってしまったとしても自分の収入だけで生活してくことが可能となりますので、大きな死亡保障は不要と考えられます。
例えば夫が亡くなり、妻はパートタイムでの勤務などで十分な収入がないなどの条件の場合は1000万円ほどの生命保険(死亡保険)があればよいと考えられますが、専業主婦など全く収入がない方はもっと多くの金額が必要になるかもしれません。
またそういった場合は遺族年金も支払われます。遺族年金については「遺族厚生年金」「遺族基礎年金」の2種類になりますが、年齢や妻の年収によって受け取れるかどうかが決まってきます。
30歳以上は一生涯受け取れますが、30歳未満で子供がいない場合は5年間の需給になるので注意が必要です。また、夫婦共働きで妻の年収が850万円以上の場合は受給条件に該当しないなど条件がある点も認識しておく必要があるでしょう。
専業主婦の場合
最後に専業主婦の場合の必要額についてみていきましょう。
この場合は、専業主婦である妻(夫)がなくなった場合に生命保険(死亡保険)がいくら必要になるかということです。
基本的に生活をしていく上での収入源という観点でいうと葬儀費用が必要なくらいで、遺族となる夫(妻)が引き続き働いていくということであれば大きな生命保険(死亡保険)は不要と考えることが一般的です。
ですが、これまで専業主婦である妻(夫)が担ってきた家事や親の介護がある場合は異なる考えができそうです。今後自分だけでは対応できず、家事の代行サービスや介護サービスなどを外部業者使って頼みたいという場合はその分の費用が必要になりますので、200万円~500万円程度の死亡保険金があるとよいのではないでしょうか。
そもそも生命保険はなんのために必要なの?
ライフステージ別にいくらくらい必要なのかということについて解説してきましたが、そもそも生命保険はなんのために必要なの?ということですが、残された遺族が金銭的に不自由な思いをしないためということになります。
かかる費用別にそれぞれの費用は一般的にいくらくらい必要なのかという観点で解説していきたいと思います。
葬儀費用
人が亡くなった際に必ず行われるのが、葬儀となります。
この費用は独身で養っている家族がいない人から専業主婦まで等しく必要と考えられます。一般的に200万円程度と言われていますが、ここではもう少し詳しく内容別にどのくらいの費用がかかるのか見ていきましょう。
一般的に葬儀の費用に掛かる内訳は以下に分類されます。
- 葬儀一式費用
- 飲食接待費
- 宗教者への謝礼
「第4回お葬式に関する全国調査」鎌倉新書(2020年3月)によると、葬儀一式費用の平均費用は119万1,900円で飲食接待費は65万1,400円。宗教者の謝礼は23万6,900円という結果が報告されています。
最近は家族葬など規模の小さい葬儀も増えてきており、その場合は飲食接待費などはもう少し減少しますが、その分香典代も少なくなります。葬儀の費用は分割で支払うことができない場合がほとんどですので、備えておく必要がある費用です。
遺族の生活費
続いて遺族の生活費になります。生計を担っていた大黒柱がなくなってしまった場合は遺族の今後の生活基盤が一気に揺らぐことになります。
生活にかかわる費用すべてですので、家賃などの住居費用からすべて生活にかかわる費用の収入源がなくなることになるので大きな問題です。また、妻一人だけなら自分で働くことで生活費を稼ぐこともできますが、子供がいる家庭では生活費も多くかかりますし、すぐに働くこともできない場合がありますので、当面の生活費の心配がないように死亡保険金で備えておく必要があります。
ただし、このような場合は遺族年金が受給できすので、必要金額については遺族年金がいくらくらいになるのかというところから、必要金額を算出するとよいでしょう。
子どもの教育費
最大の費用と考えられるのが子供の教育費です。
先ほどの子供のいる場合の必要額でも触れたように、子供の人数、末子の年齢によって費用に大きく違いはありますが、教育費には多大な費用がかかります。
幼稚園から大学まで最低でも1000万円ほどの費用がかかります。すべて私立になると一人2500万円以上になるので、この費用をどのように備えるのかという点はよく検討する必要があります。
まとまった費用として生命保険(死亡保険)で死亡保険金で備えることはもちろんのこと、学資保険なども一つの備えと言えます。
学資保険では、保険料払い込み期間中に契約者が死亡した場合は以後の保険料の払い込みが不要になり、支払いになる祝金はそのまま受け取れるという保険です。
うまく組み合わせて万が一に備えることが重要と言えるでしょう。
介護・家事サービス費用
最後は介護・家事サービス費用です。
生計を共にして生きた家族が担ってくれていた介護や家事があり、その方が亡くなってしまった場合その対応を残された遺族が担わくてはなりませんね。
仕事の都合などでどうしても対応できないなどの事情もあることも考えられます。そういった場合は介護サービスを活用したり、家事代行サービスを活用することが可能です。
専業主婦であった妻が亡くなったなどの場合、子供もいるとなると食事を作ってもらう料理代行や掃除洗濯などの家事代行などもそれなりの費用がかかります。
専業主婦の年収は約400万と言われていますので、直接的な収入がないとしてもとても軽んじられるものではないという認識が必要です。
生命保険の必要額の計算方法は?
それでは、実際に生命保険(死亡保険)の必要額はどのように算出したらよいでしょうか。一般的に考えれている計算方法についてご紹介します。
必要保障額の目安=遺族の支出―遺族の収入
この計算式になります。具体的に遺族の支出とは何かといいますと、以下の支出が該当します。
- 生活費
- 子供の学費
- 住居費用
- 葬儀費用
- 相続税 など
基本的には現在の支出を基準に、被保険者だけにかかっている現在の費用を差し引いたものが今後も必要となる支出と考えられます。
具体的な算出が難しい場合は、現在の支出の7,8割程度と考えればよいでしょう。
また、遺族の収入とは以下の収入が該当します。
- 遺族基礎年金
- 老齢基礎年金
- 企業保障
- 遺産(貯金・株・不動産など)
- 配偶者の収入 など
受け取れるであろう年金や、現在の働いて得ている収入などを足して全体でいくらくらいの収入が見込まれるかを算出しましょう。
そうして、支出に対し収入はいくら不足するのか、何年間の計算とするのかを確認します。例えば子供の大学卒業までがあと何年間だからなどの考え方もできるでしょう。
そうすることで具体的な必要額が見えてくるでしょう。あくまで見込みをもとに算出しているので、安心できる金額を設定できるとよいかと思います。
生命保険の必要額を見直すタイミング
生命保険(死亡保険)の必要額の具体的な計算の仕方がわかったところで、今度はいつこの必要額を見直したらよいのかということを考えていきましょう。
ライフステージが変わると必要な保障というのは変わってくるものです。しっかりと見直すことで最適な保障内容を継続していくということが重要です。
結婚したとき
見直しのタイミングの1つ目としては結婚したときです。
結婚することにより、生活スタイルは大きく変わりますね。今まで自分だけの生活が成り立っていればよかったものですが、結婚すると配偶者と2人の生活を考える必要があります。
結婚のタイミングでは夫婦で今後子供を持つのか持たないのか、持つのであれば何人ほしいのか、マイホームを購入するのかどうかなどライフプランを検討することでプランを立てやすくなります。
そうなると生命保険(死亡保険)の必要額が変わってきますので、見直しのタイミングといえるでしょう。 生命保険(死亡保険)だけでなく、特に女性の場合は今後の妊娠、出産の可能性もありますので、医療保険についても見直しできるとよいでしょう。
子供ができたとき
次の見直しのタイミングとしては子供ができたときです。
必要額がいくらなのかという箇所でもお伝えしたとおり、子供がいる家庭というのは一番生命保険(死亡保険)の必要性、必要額が高くなります。
見直しの際にはライフプランをあらためて検討しましょう。子育ては妻(夫)が専念するのか、それとも共働きで協力しながら育てていくのか、子供の教育方針はどうするのか。公立重視なのか私立重視なのか、習い事などはさせていくのか。今後の住居は賃貸なのか分譲を購入する方針なのか。などの大まかなライフプランを立てることで必要保障額が見えてくるものです。
夫婦2人のときとは大きく変わりますし、また子供の人数が変わる際ににもあらためて見直すとよいでしょう。
転職によって収入が変化したとき
また、見直しのタミングのポイントとしては転職によって収入がかわったときというのも考えられます。
転職により年収や生活スタイルが変わることがなければあまり見直す必要はないかもしれませんが、転職により収入が下がってしまった場合などについては、保険料の節約のために見直しの必要があります。
また、転職といっても会社員からフリーランスや自営業になった場合も注意が必要です。会社員の場合は社会保険が手厚いので大きな保障に入らなくても十分な場合もありますが、自営業になると国民健康保険、国民年金のみになり、遺族年金も遺族基礎年金のみになってしまうため保障が少なってしまいます。
収入や公的保障の状態をよく検討して見直すことが重要です。
子供が独立したとき
そのほかの見直しとしてのタイミングは子供が独立したときです。
子供が学生のうちは、教育費や生活費のことを考えて手厚い保障で備えていた方も子供が独立することにより、必要な保障額は大きく変わってきます。
基本的には、夫婦だけで子供がいない場合に近い状態の保障で問題ないことがほとんどです。結婚したばかりのときのように夫婦共働きでということはない場合もありますので、現在の収入から万が一亡くなった際の葬儀の費用や、配偶者の生活費で困らない程度の保障があれば十分になります。
この後は老後の生活がありますので、子供が独立したあとの保障は速やかに見直しを行い、無駄な保険料を支払うことのないようにしたいですね。
まとめ:生命保険(死亡保険)の必要額はいくら?
生命保険(死亡保険)の必要額はいくらなのかということで、ライフステージ別、そもそもかかる費用区分、生命保険(死亡保険)の見直しのタイミングなどについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
人生100年時代で死亡するリスクより長生きするリスクなどと言われていますが、やはり人が亡くなるときには必要な費用が色々と見えてくるものです。
適切なタイミングでしっかり見直して万が一に備えておくことが重要と思われます。