「高度異形成で円錐切除手術を受ける場合の費用は?」
「高度異形成円錐手術の保険金はおりるのか知りたい」
とお悩みではないでしょうか。
- 結論、高度異形成の円錐切除手術は健康保険が適用され、自己負担額は約3~10万円程度であり、加入している保険によっては手術給付金を受け取ることができます。
この記事では高度異形成の円錐切除手術にかかる費用や保険適用について詳しく解説します。
この記事を読むことで、高度異形成の治療費に関する不安が解消され、適切な保険活用ができるようになるので、ぜひご覧ください。
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この記事の監修者 井村 那奈 フィナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナー。1989年生まれ。大学卒業後、金融機関にて資産形成の相談業務に従事。投資信託や債券・保険・相続・信託等幅広い販売経験を武器に、より多くのお客様の「お金のかかりつけ医を目指したい」との思いから2022年に株式会社Wizleapに参画。
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この記事の目次
高度異形成円錐切除手術にかかる費用は?
高度異形成の円錐切除手術にかかる費用は、入院の有無によって大きく異なります。
前提として、子宮頸がんは20代~30代の若い世代に多く発症し、2019年全国がん登録罹患データによると40代でピークを迎えます。高度異形成は子宮頸がんの前段階であり、がんではありませんが適切な治療が必要な状態です。
円錐切除術の費用は医療機関によってばらつきがありますが、以下のような目安となります。
| 治療方法 | 保険適用 | 費用目安 |
|---|---|---|
| 入院(1泊2日) | あり(3割負担) | 3~4万円 |
| 入院(2泊3日) | あり(3割負担) | 4~5万円 |
| 日帰り手術 | なし(自費診療) | 7~10万円 |
円錐切除術の費用は以下の項目で構成されます。
- 手術費用:約2~3万円(3割負担時)
- 入院費用:約1~2万円(1泊2日の場合)
- 検査費用:約5,000円~1万円
- 薬剤費:約3,000円~5,000円
日帰り手術を希望する場合は保険適用外となり、全額自己負担で10万円前後の費用がかかります。
一方、入院を伴う手術では保険が適用されるため、患者の負担を大幅に軽減できます。
ただし、入院日数が長くなるほど費用は増加するため、医師と相談して最適な治療方法を選択することが重要です。
高度異形成円錐切除の費用は保険が適用になる?保険金は出る?

高度異形成円錐切除術の費用が保険の適用になるかどうか気になりますよね?
また、民間の医療保険に加入していれば保険金が出るかどうか気になるでしょう。
高度異形成円錐切除術について、以下の4つを解説していきます。
- 円錐切除術は、公的医療保険の適用あり
- 手術などの費用が高額の場合、高額療養費制度が使える
- 限度額適用認定証で負担額を軽減できる
- がん保険では対象となる可能性が高い
公的医療保険が適用される
高度異形成円錐切除術は、公的医療保険の対象です。
公的医療保険は、年齢や収入によって負担割合が異なります。
- 3割負担…70歳未満、70歳以上の現役並み所得者
- 2割負担…70~74歳、75歳以上で一定以上の所得がある方
- 1割負担…75歳以上
- 入院時の食事代
- 個室利用の差額ベッド費用
- 交通費や日用品購入代
高額になったら高額療養費制度が使える
円錐切除術にかかる治療費用が高額になったら、高額療養費制度が使えます。
高額療養費制度とは、治療費が同じ月で自己負担の1~3割を超えた場合、超えた金額が後から返ってくる制度です。
円錐切除術の費用は、治療内容や病院によって異なりますので、高額療養費制度の対象になるかどうか以下の表を参考にしてください。
70歳未満の3割負担の人のひと月の医療負担額の目安
| 年収 | ひと月の医療費の目安 |
|---|---|
| 1,160万円~ | 252,600円 |
| 770万~1160万円 | 167,400円 |
| 370~770万円 | 80,100円 |
| ~370万円 | 57,600円 |
| 住民税非課税 | 35,400円 |
例えば、年収が400万円の人で、ひと月の医療費負担額が80,100円を超えた場合、高額療養費制度の対象になります。
高額療養費は、ご自身が加入している公的医療保険(健康保険組合や協会けんぽ、市町村の国保など)に高額療養費の支給申請書を提出することで受けられます。
限度額適用認定証で負担額を軽減

限度額適用認定証で窓口負担を軽減することができます。
高額療養費制度では、上限額を超えた医療費が申請で後日戻ってきますが、超えた医療費が戻ってくるまでに少なくとも3ヶ月程度かかるとされており、戻ってくるとはいえ、一時的な支払いは大きな負担となるでしょう。
そこで、限度額適用認定証を取得し事前に病院に提示することで、窓口では自己負担上限金額までを支払えばよくなります。
例えば、年収400万円の人が窓口で30万円(医療費100万円の3割負担)を支払った場合。
高額医療費制度申請により後日21万2570円の払い戻しがあります。
認定証提示をすると、窓口で支払う費用は8万7430円です。
(自己負担額計算式:8万100円+(100万円ー26万7000円)×1%)
以上のように、認定証の提示で窓口負担額が少なくなります。
認定証は、各健康保険の窓口に申請し発行してもらいましょう。
また、マイナンバーカードを健康保険証として利用している人は、認定証の事前準備が不要です。
がん保険は対象となる可能性が高い
高度異形成は、がん保険の対象となる可能性が高いです。
なぜなら、高度異形成はまだ「がん」ではなくがんの前段階でありながらも上皮内がんと同等に扱われることが多いからです。
高度異形成は、上皮内がんの直前の状態を指します。
上皮内がんは、悪性のがんとは異なり基底膜を越えて浸潤していないため、手術をすれば完治するとされています。いわゆる「ステージ0」状態のがんです。
保険会社や保険商品にもよりますが、ステージ0の上皮内がんは保険の対象外になっていたり、保険の対象ではあるが給付金額が削減されたりします。
しかし、中には高度異形成を「上皮内がん」とみなし、給付金が満額受取れるケースもあります。
以前から加入している保険が、上皮内がんと診断された場合保険金がおりるのかどうか、高度異形成を上皮内がんとみなすのかどうか、担当者や保険会社に問い合わせましょう。
場合によって見直しもおすすめします。
高度異形成とは?
子宮頸がんになる前の「細胞の異形成」状態のことを子宮頚部異形成といいます。
異形成とは、細胞が通常の形とは異なる状態ではありますが、「がん」ではありません。
病変の程度によって、軽度異形成・中度異形成・高度異形成の3種類に分類されます。
細胞のがんまでの変異を表すと、
- 異形成(軽度→中度→高度)
- 上皮内がん
- 浸潤がん
となります。
軽度異形成は治療をせずに経過観察を行ないますが、数年にわたり中度異形成の状態が続くと、高度異形成に悪化することがあります。
がんになる一歩手前の高度異形成は、上皮内がんとは判断がつきにくいため、同じように細胞の異形成部分を取り除く手術が施されます。
前述しましたが、高度異形成と上皮内がんを同じとみなし、保険適用とする保険も増えてきています。
子宮頸部異形成の主な治療方法は?

子宮頚部異形成と聞いて、妊娠や出産に影響が出ないか心配な方もいるでしょう。
ここでは、子宮頚部異形成の主な治療法を紹介します。
軽度異形成と中度異形成は、すぐにがんに進行することはないため治療せずに経過観察を行います。
高度異形成の場合は、手術療法が行われることがほとんどです。
子宮頚部異形成の手術には以下の2つがあります。
- 円錐切除術
- レーザー蒸散術
円錐切除術
円錐切除術は、子宮頚部高度異形成の主な治療法です。
子宮頚部の異常部分を円錐状に切り取る手術で、子宮を全摘しないため手術後は妊娠出産もできます。
円錐切除術は、高確率で病変を取り除くため高度異形成はほぼ完治しますが、手術で子宮頸管が短くなるため、流産や早産のリスクが高くなることがあります。
円錐切除術の
- 入院期間は、2~3日(日帰りも可能な場合あり)
- 手術時間は、30分程度
- 手術費用は、5万円程度
です。
手術で切除した部分を病理検査し、がんが見つからなければ、数ヶ月後の検診で「問題なし」となる可能性は高いといえます。
また、閉経後の子宮は萎縮するため、より大きく切除しなければならず、3分の1の方が子宮頸管が狭窄や閉鎖となり、手術後の検査が難しくなるため子宮の全摘をおこなう場合もあります。
レーザー蒸散術
レーザー蒸散術行うためには、
- 軽度異形成・中度異形成が1年以上継続
- HPV型が、16・18・31・33・35・52・58のいずれかに当てはまること
- 治療範囲が見える範囲であること
上記3つの条件を満たす必要があります。
円錐切除術とは異なり、手術で子宮頸管が短くなることはないため、術後の妊娠に影響が出ません。
レーザー蒸散術の
- 入院は、日帰り(麻酔不要なため)
- 手術時間は、20分程度
- 手術費用は、12,000円程度
異形成の再発リスクは、円錐切除術よりも高くレーザー蒸散術を行った20~10%の人に手術後異形成が再発するといわれています。
よって、手術から4~6ヶ月後に再検査を行い、経過観察をします。
高度異形成円錐切除後に加入できる保険は?
高度異形成円錐切除術後に心配なのは、これからほかの病気やがんになるかもしれないということではないでしょうか。
医療保険やがん保険には加入時に現在の病気の状態や過去の病歴などの告知義務があります。
過去の病気や手術歴の告知対象期間は商品によって異なりますが、多くは過去5年間とされています。
円錐切除術後すぐにでも保険に加入したい方は、以下の2つの保険を検討しましょう。
- 引受基準緩和型保険
- 無選択型保険
引受基準緩和型保険

まずは、引受基準緩和型保険です。
引受基準緩和型保険とは、前述した告知義務が緩やかな保険のことで、持病や過去の病歴などがあっても加入しやすく、特に高齢者を中心に人気があります。
保険商品にもよりますが、告知内容はシンプルで3~5つの項目すべてが「はい」に該当すれば加入可能です。
しかし、デメリットもあります。
- 保険料が割高
- 保険金の削減期間や削減金額がある場合も
通常の保険では健康上の理由で加入できない人が加入できるため、保険料が割高です。
また、「契約後1年間は支払い保険金額が50%削減」などのように加入後一定期間保険金の支払いが削減される保険商品もあります。
引受基準緩和型保険の加入を検討する際は、削減される期間や金額があるのかも確認した方が良いでしょう。
無選択型保険
無選択型保険とは、告知なしで加入できる保険です。
引受基準緩和型保険に加入できなかった人が検討します。
誰でも加入することができる点はメリットですが、以下のデメリットがあります。
- 保険料が割高
- 治療中の病気や既往症の再発や悪化は対象外
- 保険金や給付金の上限設定あり
- 不填補期間あり
- 商品が少ない
がん保険は上皮内新生物への備えが手厚い商品を選ぼう
- 高度異形成が「上皮内新生物」と同様にみなすかどうか
- 「上皮内新生物」が給付の対象になるかどうか
高度異形成円錐切除は告知が必要
一般的に、直近3ケ月から5年以内の健康状態を聞かれます。
- 過去3ヶ月以内に、医師の診察・検査・治療・投薬をうけたか
- 過去5年以内に、病気やケガで7日以上の入院や手術をうけたか
まとめ:高度異形成円錐手術にかかる費用は?保険金はおりる?
高度異形成円錐切除術にかかる費用や保険金がおりかどうかをテーマに解説してきました。
円錐切除術は、手術など治療費用が高額になった場合は、公的医療保険の高額療養費制度の対象になります。
民間の保険では、異形成はがんの前段階の状態のためがん保険の給付対象にならない可能性もあります。
子宮頚部異形成と診断される心配な20~30代の女性は、上皮内新生物も給付に対象になるがん保険に事前に加入することがおすすめです。