養老保険満期時の税金や受取手続き、確定申告についてを解説!のサムネイル画像
▼この記事を読んでほしい人
  • 養老保険に加入している人
  • 養老保険の満期が近い人、または満期を迎えた人
  • 養老保険の加入を検討している人

内容をまとめると

▼内容をまとめると
  • 満期保険金は「受け取る」か「据え置き」か選べる
  • 保険料負担者(契約者)と受取人が誰か、で税金の種類が変わる
  • 満期保険金にかかってくる税金は「所得税・住民税」か「贈与税」のどちらか
  • 満期金を一括で受け取る場合は「一時所得」、年金で受け取る場合は「雑所得」
  • 死亡保険金の場合は相続税がかかることもある
  • 養老保険は一般生命保険料控除の対象
  • 契約転換には気を付ける

養老保険は満期が決まっており満期時には保険金の受取ができることから貯蓄性のある保険の一種とされています。養老保険で満期をいざ迎えた時の手続きや受取時期について疑問がある方もいるのではないでしょうか。本記事では満期時の受け取り方税金や確定申告について解説します!

この記事の目次

養老保険が満期になったときはどうすれば良いの?


そもそも養老保険とはあらかじめ保険期間を決め、その間に万が一のことがあれば死亡保険金が支払われ、何もなければ満期保険金が受け取れる。貯蓄と保険のふたつの機能をあわせもつ保険です。


実は多くの方が加入している個人年金保険学資保険養老保険に分類されています。


そんな養老保険が満期になったときに税金はどうなるのか?確定申告が必要なのか?疑問に思った事ありませんか?


加入するときに聞いた気がする。聞いた記憶ない。と反応は様々かと思います。養老保険は基本的に満期まで時間がかかるので、聞いていたとしても記憶が薄れるのは無理もありません。


そんな方のために満期になった時の手続きや税金についてこの記事で紹介します。

是非最後までご覧ください。

【参考】養老保険と終身保険の違い

参考に養老保険終身保険違いを説明しておきます。


養老保険は先述したとおり、あらかじめ保険期間を決め、その間に万が一のことがあれば死亡保険金が支払われ、何もなければ満期保険金が受け取れる、貯蓄と保険のふたつの機能をもつ保険です。


終身保険も貯蓄と保険のふたつの機能をもつ保険ですが、大きな違いは満期があるかないかです。保険期間が名前の通り終身、死ぬまでの保険なので満期は存在しません。


なので、終身保険では満期保険金ではなく、「解約返戻金(かいやくへんれいきん)」と呼びます。満期がないので、ご自身に必要な時に解約をするとお金が返ってきます。


終身保険は保険料を払う払込期間を設定し、払込期間が短ければ短いほど、解約返戻金の金額は払込保険料の累計より大幅に下回ります。

養老保険満期時に必要な手続き

養老保険満期時に必要な手続きを下記にまとめてみました。


  • 満期時の2-3カ月前に、保険会社から満期のお知らせが届く
  • 満期保険金を「受け取る」か「据え置き」を選択する
  • 所定の用紙に記入し手続きを進める


手続きと言っても複雑なことはありません。保険会社の方からしっかりと通知され、どのような形を希望するか確認してくれます。


うっかり忘れていたとしても保険会社の方から意思を確認するまで連絡がありますので、ご安心ください。


保険会社にとってはお約束したものを不払いにしてしまうことが、コンプライアンス上での大問題になりますので必ず連絡してきます

満期金として一括受け取りをするとき

一般的に多いのは満期保険金をそのまま一括で受け取ることです。保険会社や商品によっては年金形式で受け取れることころもありますので、ご希望される方は保険会社にご確認くさだい


養老保険はライフイベントに合わせて加入することが多いので、満期時に子どもさんの進学や成人、ご自身の老後を迎えるタイミングなどに合わせているかと思います。


まとまった金額が必要と分かっているタイミングに合わせて積立をし、それに対して使うので必然的に一括での受け取りが多くなっています。


その時に確定申告が必要なのか、税金を払わないといけないのかなどの疑問は後ほど触れていきますのでご安心ください。

据え置きとして受け取るとき

満期のタイミングで受け取らずに据え置きをすることもできます。もちろん保険会社や商品によって取り扱いができる、できないはありますのでご注意ください。


据え置きとは、保険会社が設定している間であれば満期保険金の受け取りを先延ばしにできる制度です。


その間は保険会社に預けているといった状態ですので、わずかではありますが本来受け取れる満期保険金にプラスαがついてきます


まとまった金額が必要なタイミングが前後したりすることもありますので、満期時に使う必要がなければ、据え置きを選択するのもひとつの方法です。

養老保険受け取り時に必要書類一覧

受け取り時に必要な書類などもまとめておきます。


  • 保険会社から送られてくる請求書
  • 満期になる保険の保険証券
  • 本人確認書類


以上の3点が必要です。


請求書には自署と印鑑、満期保険金を受け取る口座情報などを記入する必要があります。


保険証券を紛失してしまった方もおられるかもしれませんが、再発行が必要か、本人確認書類があれば大丈夫か、など各保険会社によって対応が変わることもあります。


必ず各保険会社の方に、個々でのご確認もお願いします

養老保険満期金受け取り時にかかる税金とは


養老保険の満期保険金にかかる税金は、誰が保険料の負担者で、誰が受取人かで変わってきますが、「所得税・住民税」か「贈与税」のどちらかになります。


また例外的に保険期間が5年以内のものや、保険期間は5年以上だが5年以内に解約した場合は「金融類似商品」の扱いになり、20.315%の「源泉分離課税」となります。


ただし払込保険料の金額と受け取った金額で差益があった場合かつ、その差益にのみかかるものなので、受け取った金額全額にかかることはありません。

契約者と受取人が同じ場合

先ほど誰が保険料負担者(契約者)で、誰が受取人かで税金が変わるとお伝えしましたが、同一の場合を解説していきます。


同一の場合、満期保険金は一時所得として取り扱いがされます。一時所得の計算式は以下のとおりです。


(満期保険金+配当金-払込保険料総額-特別控除50万円)×1/2=一時所得の課税額

具体例として満期保険金600万円、配当金0円、払込保険料500万円としましょう。


(600万+0-500万-特別控除50万)×1/2=50万

この例でみると計算式で出てきた50万円が一時所得となり、その年の総収入と一緒に計算されて所得税と住民税の税金額が決定します。


合算されて計算されるので、同時期に複数の満期を迎えてしまうと思わぬ高額納税になりかねないので注意が必要です。

契約者と受取人が異なる場合

続いて保険料負担者(契約者)と受取人が異なる場合について解説していきます。


異なる場合は保険料負担者から受取人にあげた。贈与した。となりますので、贈与税がかかってきます。


贈与税の場合の計算式はシンプルです。


満期保険金-基礎控除110万円=課税所得

この課税所得に所定の税率をかけた金額が納税する金額になりますので、他の収入と合算されることはありません


養老保険の死亡保険金受け取り時にかかる税金とは

死亡保険金として受け取る場合の解説もしておきます。死亡保険金の場合も満期保険金と基本的に同じですが、相続税がかかる場合があります。


満期保険金の場合は保険料負担者と受取人が誰なのかで変わると説明してきましたが、死亡保険金の場合は被保険者、つまり誰の保険だったのか、も関係してきます。


詳しくは次で解説します。

死亡保険金受け取り時の相続税について

保険料負担者(契約者)と被保険者、死亡保険金の受取人の違いによる税金の変化を表にまとめてみました。


契約者被保険者死亡保険金受取人税金の種類
AAB相続税
ABA所得税・住民税
ABC贈与税


所得税・住民税、贈与税の計算は満期保険金の受け取り時と同じです。相続税の場合は生命保険の非課税枠の計算が必要になります。


500万円×法定相続人の人数=死亡保険金の非課税金額

この枠を超えた金額が相続税の対象となる可能性があります。相続税の対象になるかは相続税の基礎控除(非課税枠)と一緒に計算することで判断します。


相続税の非課税枠の計算は以下のとおりです。


3000万円+600万円×法定相続人の人数=相続税の基礎控除

死亡保険金の非課税枠を超えた金額が他の資産と一緒に計算され、この相続税の基礎控除(非課税枠)を超えた金額に対して所定の税率をかけた金額が納税額となります。



養老保険金受取時の税制手続きを解説!

今まで養老保険の保険金、受け取り時の所得税・住民税や贈与税。さらには相続税の計算方法について解説してきました。


では実際に手続きとしてはどのようなことが必要なのかを解説していきます。


金額によっては確定申告が必要になります。確定申告とは、簡単に言うとその年の収入がいくらで、支出がいくらだったのかを税務署に報告することです。


会社員の場合は年末調整で、ご自身の代わりに会社がこういった税務関係の報告をしてくれていましたが、自営業やフリーランスの方は所属する会社がないので毎年、自身で報告をしています。


保険金を受け取ったかどうかは、会社では把握しきれないので会社員の方でも、金額によっては確定申告が必要になる場合があります。

確定申告が必要なケース

どのような場合に確定申告が必要か解説します。


  • 所得税・住民税では、満期保険金の利益が特別控除の50万円以上あった場合
  • 据え置き時も受け取ったものとして計算し、特別控除の50万円以上の利益があった場合
  • 贈与税では基礎控除の110万円以上を贈与された場合


所得税・住民税では保険金を一括で受け取るか、年金型で受け取るかで一時所得として扱うか雑所得で扱うかが変わってきます。


年金で受け取る場合の雑所得の計算は以下のようにされます。


総収入-必要経費=雑所得

必要経費=その年の年金受取額×(払込保険料総額/年金総支給見込額)

具体例として、年金額100万円、受け取り期間10年、払込保険料総額800万円


100万円×(800万円/1000万円)=80万円

100万円-80万円=20万円

この計算では20万円が雑所得として確定申告が必要になります。また据え置き時の利息もこれと同じ雑所得での申告が必要になります。


養老保険は生命保険料控除の対象となる


生命保険料控除には3種類あり、一般生命保険料控除介護医療保険料控除個人年金保険料控除のうち、一般生命保険料控除の対象になります


一般保険料控除の控除額は契約した日によって異なりますので下記にまとめました。


契約日が2012年(平成24年)1月1日以降の場合

所得税控除金額
年間払込保険料
20,000円以下払込保険料全額
20,000円超40,000円以下(払込保険料×1/2)+10,000円
40,000円超80,000円以下(払込保険料×1/4)+20,000円
80,000円超一律40,000円

住民税控除金額
年間払込保険料
12,000円以下払込保険料全額
12,000円超32,000円以下(払込保険料×1/2)+6,000円
32,000円超56,000円以下(払込保険料×1/4)+14,000円
56,000円超一律28,000円


契約日が2011年(平成23年)12月31日以前の場合

所得税控除金額
年間払込保険料
25,000円以下払込保険料全額
25,000円超50,000円以下(払込保険料×1/2)+12,500円
50,000円超100,000円以下(払込保険料×1/4)+25,000円
100,000円超一律50,000円

住民税控除額
年間払込保険料
15,000円以下払込保険料全額
15,000円超40,000円以下(払込保険料×1/2)+7,500円
40,000円超70,000円以下(払込保険料×1/4)+17,500
70,000円超一律35,000円

保険料控除の対象ということは節税にもなるということです。

養老保険満期時の契約転換には要注意!


最後に注意をしていただきたい、契約転換について解説します。


契約転換とは満期前の養老保険を新たな保険に切り替えることです。


要注意なのは、切り替えを行う際に養老保険で貯まっていた金額の一部を頭金のようにして契約する必要があり、せっかく貯めていた養老保険の満期金額が減ってしまうことです。


減ってしまうだけならまだしも、完全な掛け捨て型に切り替え、知らない間に毎年貯まっていた金額から充当し、気付いたときには、ほぼ無くなってしまったという例もあります。


養老保険が満期を迎え、保障がなくなり困ったというような事態にならないための制度ではありますが、うっかり説明を聞いていないと後悔することになります。


契約転換せずに、養老保険の満期保険金は受け取って、もし保障が必要であれば普通に新しい保険に加入することをおすすめします。

まとめ:養老保険の満期受取に関する不安や相談はマネーキャリアへ


今回の記事をまとめると


  • 満期保険金は「受け取る」か「据え置き」か選べる
  • 保険料負担者(契約者)と受取人が誰か、で税金の種類が変わる
  • 満期保険金にかかってくる税金は「所得税・住民税」か「贈与税」のどちらか
  • 満期金を一括で受け取る場合は「一時所得」、年金で受け取る場合は「雑所得」
  • 死亡保険金の場合は相続税がかかることもある
  • 養老保険は一般生命保険料控除の対象
  • 契約転換には気を付ける


このようになります。


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