ステルス値上げとは?お菓子など値上げされた商品のまとめ一覧のサムネイル画像

内容をまとめると

ステルス値上げとは、商品の価格は変更せず、内容量やサイズを変更して実質的に値上げすることを言います。

お菓子や外食店などでもステルス値上げがされています。

こちらの記事では、ステルス値上げされた食品などをまとめて一覧で紹介しています。

<この記事を読んでほしい人>
  • ステレス値上げがどのようなものか知りたい人
  • どのような商品がステレス値上げされているか知りたい人
  • ステレス値上げが消費者にどのような影響があるか知りたい人
<この記事を読んでわかること>
  • ステレス値上げは消費者に気づかれないように実質的な値上げをすること
  • 値段をそのままに内容量を減らしたりすることがある
  • ステレス値上げに違法性はない
  • 消費者はステレス値上げよりも直接宣言して値上げしてほしいと思っている

ステルス値上げとは、商品の価格は変更せず、内容量やサイズを変更して実質的に値上げすることを言います。お菓子や外食店などでもステルス値上げがされています。こちらの記事では、ステルス値上げされた食品などをまとめて一覧で紹介しています。

この記事の目次

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ステルス値上げとは?


ステルス値上げ(シュリンク付レーション)
とは、消費者がわからないように(サイレントに)実質的な値上げをすることをいいます。これは、価格を変えないままに内容量を減らして、事実上の値上げを実現する手法です。


参考:「ステルス値上げ」の意味や背景は?|三菱UFJ銀行


似たような方法に、実質値上げ、があります。


実質値上げは、内容量を減らして価格を据え置くことで、一見価格は変わっていないように見せながら、量あたりの単価を変える方法です。この手法で、消費者や小売の反発を最小限にして、コストを売値に転嫁することを実現しています。


実質値上げは、「内容量を減らして価格を値上げします」と宣言した上で容量を減らすケースもあります。このことからも、サイレントに値上げするものとは異なるといえるでしょう。


このような値上げが相次ぐ背景には、世界的な原材料・エネルギー価格の高騰や、人材不足の深刻化などが原因であると考えられています。このため、いくらコスト削減の努力をしても、値上げを避けられない企業が多い状況が続いています。


後述しますが、サイレントで値上げしても、消費者はこの値上げを敏感に見抜いています。


この記事では、このようなステルス値上げが行われてた商品の一覧や、消費者に与える影響をみていきます。 

ステルス値上げに違法性はある?

サイレントでこっそりと値上げするステルス値上げですが、このような値上げは違法ではないかと思う人もいるでしょう。


消費者問題に詳しい弁護士は、「違法性はないと思う」と結論づけている人がいます。これは、商品表示の内容量については計量法で規定されており、計量法に則った表示がされていれば違法ではない、という見解です。


また、企業は商品の内容量を自由に変更できるため、違法ではないとしています。


このようなステルス値上げに、消費者は常にその可能性を認識するべきでしょう。 


企業がパッケージや商品につけるシールなどで明示すれば確実ですが、明示しなければ違法となるわけではないため、そのような対応をする企業は少ないです。仮に、パッケージや商品に明示がなくても企業のホームページなどで減量を明示していればわかりやすいでしょう。 


ですが、商品を買う前にわざわざホームページを確認する人は少ないと考えられるため、常日頃からステルス値上げが行われている可能性を認識するのが重要です。 

ステルス値上げまとめ一覧

ここまで、ステルス値上げの詳細と違法性をみてきました。


ここでは、具体的にどのような商品がステルス値上げが行われていたのかを、一覧表にまとめてみました。  

商品名2~3年前の
容量と価格
最近の
容量と価格
ガーナ ブラックチョコレート 50g
120円
50g
130円
ガーナミルクエクセレント119g
300円
119g
320円
ガーナブラックエクセレント119g
300円
119g
320円
パイの実73g
150円
73g
170円
パイの実シェアパック124g
500円
124g
540円
コアラのマーチ<チョコ>48g
100円
48g
108円
コアラのマーチ<いちご>48g
100円
48g
108円
トッポ36gx2袋
150円
36gx2袋
160円
トッポ袋12gx8袋
500円
12gx8袋
540円
ロッテ アーモンドチョコレート86g
220円
86g
230円
アーモンドチョコレート<クリスプ>89g
230円
80g
230円
ロッテ マカダミアチョコレート67g
220円
67g
230円
紗々69g
230円
69g
240円
ノンシュガーチョコレート「ゼロ」50g
240円
50g
240円
ビックリマンチョコ23g
60円
23g
80円
いちごつみ3本
60円
3本
70円
カプッチョ38g
100円
37g
100円
ロッテ のど飴(袋)102g
200円
102g
210円
チョコパイ31gx6袋
300円
31gx6袋
330円


多くの商品で内容量は同じままで価格を値上げしているものが多い中、一部の商品では、価格はそのままで内容量を減らしている商品が見受けられました。


このように、一部の商品ではステルス値上げが行われていることがわかります。

ステルス値上げが消費者に与える影響


一覧表から、一部商品にてステルス値上げが行われていたことがわかりました。では、このステルス値上げが消費者に与える影響とはどのようなものがあるのでしょうか。


ここでは、消費者の声を以下の項目に分けて解説します。

  • ステルス値上げ・堂々と値上げどちらがいい?
  • ステルス値上げされるとき、どのような変化なら許容できる?
  • ステルス値上げするとき、企業に求める努力ポイントは?
  • 消費者が行っている値上げ対策は?
  • 気づいたときに残念な気持ちになってしまう

それぞれみていきましょう。 


<ステルス値上げ・堂々と値上げどちらがいい?>

インターネットの口コミから以下のような口コミを見つけました。

  • ステルスだと量がどんどん少なくなっていて、購入後にびっくりすることがあるから。(50代女性)
  • 結局値上げするんだから小細工せずに普通に上げてほしい。(20代女性)
  • 普通の値上げなら価格をみればわかるので、ある程度覚悟が出来る部分があるが、ステルスでされると気づいた時にショックを受けるから。(30代男性)
  • 単純にわかりにくいからやめてほしい。(40代女性)
  • 知らないうちに値上げは卑怯だと思うから。(50代男性) 

これら口コミから、消費者はステルスでこっそりと値上げするよりも堂々と値上げしてほしい、という口コミが多いことがわかります。


ステルス値上げの場合サイレントに内容量が減っているため、いつも通りの内容量だと思って購入してしまうと、困ることが多いです。たとえば、家族で分け合って使用していると、内容量が減ってしまっていると、うまく使えないでしょう。


購入前に値段を毎回気にする人はいると思いますが、内容量まで毎回チェックしている人は、少ないのではないでしょうか。


ステルス値上げは、サイレントで内容量を減らしているため、同じ内容量だと思って購入した後、減っていると気づいた時には騙されたような気持ちになります。


このようなことからも、堂々と値上げをしてほしい、という意見が多いようです。


<ステルス値上げされるとき、どのような変化なら許容できる?>

消費者の中で最も多いのが、パッケージの包装やデザインを削減してコストを削減し、見栄えが悪くなる程度であれば許容できる、というものです。


コスト削減して、パッケージの見た目が変わっても、中身が変わらないのであれば問題ない、という人は多いでしょう。自身が好きな商品は、たとえパッケージが変わっても、中身が変わらなければ購入し続ける人は多いです。


ステレス値上げで値段を変えずに内容量が減るよりも、コスト削減でパッケージの包装やデザインが変わる方が許容できる、というものです。ほかにも、コスト削減で削られてしまうものでも自分で用意できるものであれば、許容できるという人もいます。


いつもの商品でコスト削減で削られてしまっても、家にあるもなどでカバーできるのであれば、そこまで大きな影響はないでしょう。


<ステルス値上げするとき、企業に求める努力ポイントは?>

消費者が企業に求めるポイントは、以下のような口コミがありました。 

  • 容量は少なくなっても良いので、品質だけは下げない(味は変えない)でほしい。(40代男性)
  • 量や大きさは変えても、品質管理はしっかりしてほしい。(30代女性)
  • 包装など直接関係ない場所の削減から始めて、量や大きさの変化は一番最後の苦渋の決断ぐらいの状態でやってほしいと思う。(30代女性)
  • 味や量を下げるのではなく、デザインからコスト削減してほしい。(30代男性)
  • CMなど最近も見ない人もおおいので、なるべく宣伝費を削ってほしい。(40代女性)
  • 内容量を減らすのであれば消費者に向けて事前に告知してほしい。(30代女性)
  • 食品などの必需品は購入を避けられないため、見た目よりも製品を大切にして欲しい。 例えば、規格外の野菜などを積極的に販売してほしい。(50代男性)
  • 味のクオリティだけは落とさないでくれればうれしい。(20代女性)
  • 商品そのもののコスト以外(宣伝費、梱包費)を削減してほしい。(30代女性)

先述した、許容できる範囲のように、商品の品質は変えずに、パッケージや内容量からまず減らすようにしてほしい、という意見が多いようです。


また、ステルス値上げでサイレントにこっそりと値上げや内容量を減らすのではなく、このような変化がある場合は事前に告知をしたほうが好印象です。


ほかにも、パッケージにどのような変化があったかを記載するというような、企業の努力がみられるほうが消費者も安心して商品を利用できるでしょう。 


<消費者が行っている値上げ対策は?>

ステルス値上げで値上げしてしまった商品を、消費者はどのような対策をして購入しているのでしょうか。 消費者の対策で、以下のような口コミがみつかりました。

  • できるだけ見切り品を買う。(40代女性)
  • 見切れ品などをなるべく買う、食材は使い切る(使い切れなければ冷凍) 割引になっている商品を買う。(20代女性)
  • 特売品やチラシを見比べて安い日や店を選んでいる。(40代男性)
  • 「本当に必要あるか」「何かで代用できないか」などを常に自問自答しながら買い物をしている。また、買う量や回数なども見直して、本当に必要な量を自分が納得した値段で買うことを心がけている。(30代男性)
  • 本当に食べたい商品は買うけど、なるべく必要以上に買わない。割引されてる商品があれば、それを選ぶ。(40代女性)
  • 似た商品で安いものを買ってみて、それでも支障がなければ似た商品に変えてコストダウンする。(30代男性)
  • 安い時に買いだめする。(30代女性)
  • お菓子など嗜好品は買う回数を減らしている。(50代女性) 

口コミからは、見切れ品などの安く変えるタイミングを選んで買うようにするだったり、本当に必要なときだけ買うようにするだったりなどの意見がありました。


商品を安く変えるタイミングは多くあるため、今からすぐにでも始められるものもあるでしょう。ほかにも、買ったものは出来るだけ使い切るようにすることも、ステレス値上げ対策として重要なポイントです。 


<気づいたときに残念な気持ちになってしまう>

ここまで、ステルス値上げが消費者に与える影響をみてきました。


消費者は、ステルス値上げをするよりも同等と宣言して値上げをしてくれたほうが、安心して商品を利用できるようです。また、パッケージの包装やデザインを削減してコストを削減し、見栄えが悪くなる程度であれば許容できる消費者は多いようです。


ほかにも、コスト削減で削られてしまうものでも、自分で用意できるものがあれば許容できる、という意見もありました。


パッケージにどのような変化があったかを記載するような、企業の努力がみられるほうが消費者も安心して商品を利用できるでしょう。

まとめ:ステルス値上げについて

今回は、ステレス値上げについてみてきて、以下のことがわかりました。

  • ステレス値上げは消費者に気づかれないように実質的な値上げをすること
  • 値段をそのままに内容量を減らしたりすることがある
  • ステレス値上げに違法性はない
  • 消費者は直接宣言して値上げしてほしいと思っている

ステレス値上げとは、消費者に気づかれないように、内容量を減らすなどして実質的な値上げをすることです。


ステレス値上げに違法性はありませんが、消費者が気づかないうちに値上げされているため、印象はよくないでしょう。


消費者は、ステレス値上げよりも直接宣言してもらったほうが、安心して商品を利用できると思っています。


消費者に安心して商品を利用してもらうためには、堂々と宣言して値上げをしたほうが良いでしょう。 

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記事監修者「谷川 昌平」

この記事の監修者谷川 昌平
フィナンシャルプランナー

株式会社Wizleap代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。