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通院のための交通費は医療費控除の対象となる場合とならない場合があります。この記事では、医療費控除の対象となる交通費と医療費控除の対象外となる交通費をそれぞれ紹介しています。交通費を医療費控除で申告する方法も紹介しているので、ぜひお読みください。

監修者「井村 那奈」

監修者 井村 那奈 フィナンシャルプランナー

ファイナンシャルプランナー。1989年生まれ。大学卒業後、金融機関にて資産形成の相談業務に従事。投資信託や債券・保険・相続・信託等幅広い販売経験を武器に、より多くのお客様の「お金のかかりつけ医を目指したい」との思いから2022年に株式会社Wizleapに参画。
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この記事の目次

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医療費控除の対象となる交通費はどこからどこまで?


以上の医療費を支払った場合に、その年の所得税が軽減される医療費控除制度

実際に治療にかかった医療費や薬代だけではなく、交通費も請求することができます

でも、実際にどの交通費が対象になるのか、自分だけでなく付き添いの人の交通費も請求できるのか、といった細かいことはわかりませんよね。

この記事では、医療費控除の対処になる交通費や、対象にならないものについて詳しく説明していきます。

交通費の医療費控除で申告する方法についても書いてありますので、ぜひ最後まで見ていってください。

マネーキャリアでは、他にも医療費控除などお金に関する記事を掲載していますので、お悩みの方はほかの記事も参考にしてください。

医療費控除の対象となる交通費5選!

まずは、医療費控除の対象となる交通費についてお話していきます。

医療費控除とは一定以上の医療費を払った場合に、その年の所得税が軽減される制度のことです。医療費とは、病気や怪我による通院だけではなく、歯科治療、介護、不妊治療、妊娠・出産にかかった費用も含まれます。

医療費や薬だけではなく、交通費も医療費控除の対象になります。それは病気を治すために使ったお金だと国税庁に判断されるからです。

では、実際にどのような交通費が医療費控除の対象になるのでしょうか。大まかなものは以下の5つです。

  • 電車やバス代
  • やむを得ない場合のタクシー代
  • 本人のみでの通院が難しい場合の付添人の交通費
  • 遠方にしか通院できない場合の新幹線や飛行機の料金
  • 自宅訪問した医師の交通費
それぞれ無条件というわけではなく、細かい条件もあるので見ていきましょう。

①電車やバス代は現金払い・ICカード払いのどちらも対象となる

電車やバスなどの公共交通機関の料金は現金払い・ICカード払いのどちらも医療費控除の対象となります。


治療費や薬代だけではなく、通院時にかかる公共交通機関の料金は、病気を治すために必要な医療費と判断されます。家から病院が遠くても金銭的に不利にならないように国が考えてくれているということです。


電車やバス代などは領収書が発行されないため、移動した証明になるものがないのですが、最短距離の経路で値段を計算して申告すれば大丈夫です。現金だけではなくICカードで支払った場合も同じ用に扱われます。

病院で貰った領収書の裏面などにメモしておくと、後々計算する時に便利です。


ただし定期券を使った場合は、その区間内の金額は認められないことに注意してください。

また、グリーン車など快適性を求めるために発生した金額も控除の対象外になります。

②やむを得ない場合に利用したタクシー代は対象になる

タクシー代はやむを得ない場合に利用したものに限って医療費控除の対象になります。


夜間に病状が急変した場合などは、公共交通機関が動いていないのでタクシーを使って夜間病院に行くことになります。その場合のタクシー代は医療費控除の対象になります。

また、重度の骨折や臨月の妊婦、自力での歩行が難しい高齢者は、そもそも公共交通機関での移動が難しいため、タクシー利用が許可されます。


単に、疲れてしまって電車で帰るのが面倒といった理由や、雨が降ってバスが混んでいるから、などの理由は認められないので気をつけてください。


タクシーを使った場合は領収書が必要となりますので保管してください。後で、税務署から提出を求めた時に速やかに対応できるようにしましょう。

③本人1人での通院が難しい場合の付き添い人の交通費は対象となる

本人1人での通院が難しい場合、付き添い人の交通費は医療費控除の対象になります。


小さい子供や高齢者など、1人で病院に行くのが難しい場合は、付き添いの人の交通費も医療費控除の対象になります。また、手術の説明などで、医者が家族などの同席を求めている場合も、その人の交通費は医療費控除の対象になります。


1人で行けるのだが、心配で一緒に行きたい、もしくは単に一緒に説明を聞きたい、などの理由で一緒に行く人の交通は医療費控除の対象外になります。

中学生は金銭的な問題や治療内容が理解できない場合があるので、付き添いは必要ですが、高校生は自分で判断出来るので必要ないと判断されます。


お見舞いや、単なる付き添いは認められないので気をつけてください。

④遠方にしか通院できないときの新幹線や飛行機の料金は対象となる

遠方にしか通院できないときの新幹線や飛行機の料金は医療費控除の対象になります。


難病や重病などで、近所の病院では見ることができなくて遠方の専門病院に行く場合は、その経路の新幹線や飛行機の料金は医療費控除の対象になります

メディアに出ていて知名度が高い、評判が良い遠方の先生に見てもらいたい、などは対象外になります。もし諦めきれずに、遠方の病院にかかりたい場合は、セカンドオピニオンとしてなら可能な場合があるので担当医に相談してみましょう。


遠方に行く場合、新幹線や飛行機の料金は対象となるが、指定席やグリーン席など治療に関係ない金額は含まれません


また飛行機の場合は、日帰りが難しく宿泊することになると思いますが、その場合の宿泊費用は含まれないので注意してください、

⑤自宅訪問した医師の交通費は医療費控除の対象となる

自宅訪問した医師の交通費は医療費控除の対象になります。


寝たきりの患者や在宅医療を希望している場合など、何らかの理由で患者が家から動けない場合は、訪問診療を受けることになります。その際に、訪問した医師の交通費は医療費控除の対象になります

理由としては、病院に通える人だけではなく、病院に通えない人にも平等に医療を受ける権利が発生するからです。

在宅介護の場合は、使用するサービスによって異なる場合があるので税務署に確認をしましょう。

医師に医療費とは別に交通費を請求された場合は。移動手段や距離などとともに領収書などを貰うようにしてください。後日、まとめて計算します。

医療費控除の対象とならない交通費6選!

医療費控除の対象とならない交通費について説明していきます。

医療費控除の対象になるものは、治療費や薬代、通院のための交通費といったように、治療を目的とするものです。
それ以外、治療と直接関係ないものや、自分が快適に移動するため交通費は、医療費控除の対象とはなりません

具体的には以下の6つです。

  • 定期代やグリーン車・指定席の料金
  • 利便性を目的としたタクシーの利用
  • マイカーのガソリン代や駐車代
  • 必要なない付添人の交通費
  • お見舞いに来た人の交通費
  • 外泊や里帰り時の交通費
それぞれについて詳しく説明していきますね。

①定期代やグリーン車・指定席の料金は医療費控除の対象外となる

定期代やグリーン車・指定席の料金は医療費控除の対象外になります。


医療費控除の対象になるのは、直接治療と関係ある交通費のみです。

定期券は通院や通学のために発行されるものなので、治療行為と関係ないため医療費控除の対象外になります。

医療費控除を受けたい場合は、病院が定期券の範囲内にあるとしても、切符などで通いましょう。


また、グリーン車や指定席の利用も、治療に直接必要なものではなく、本人の利便性のためのものなので医療費控除の対象外となります。

グリーン車や指定席を使った場合は、乗車料金と分けてメモしておき、申請する際には乗車料金のみを記入するようにしましょう。

②利便性を目的としたタクシーの料金は対象外となる

利便性を目的としたタクシーの料金は医療費控除の対象外となります。


国税庁のHPによると「電車やバスなどの公共交通機関が利用できない場合を除き、タクシー代は控除の対象には含まれません」と記載されています。

単に、疲れたからという理由や、天気が悪くバスが混んでいたのでという理由でのタクシー利用は、治療と関係なく本人の利便性のためなので医療費控除の対象になりません。


ただし、高齢者や妊産婦など、自力での移動が難しくやむを得ずタクシーを使用する場合は医療費控除の対象になります。タクシー利用が控除の対象になるかどうか、自分での判断が難しい場合は直接国税庁に問い合わせてみましょう。


タクシーを使用した際は、領収書を保管しておき裏面に使用した理由などを書いておくと後で計算するときにわかりやすくなります。

③マイカーのガソリン代や駐車代は医療費控除の対象外となる

マイカーのガソリン代や駐車代は医療費控除の対象外となります。


国税庁のHPによると「自家用車で通院する場合のガソリン代や駐車場の料金などは、控除の対象には含まれません」と記載されています。

地方都市などでは車文化なので車で病院にかかる方は多いと思われます。しかしマイカー利用の場合、それが実際にどのように使われてのかが判断するのが難しいため、医療費控除の対象にはなりません


交通費の医療費控除を受けたい場合は、公共交通機関を使う用意してください。バスなどの公共交通機関はかならず診療時間に合うように運用されています。

もし、自力での移動が難しい場合はタクシーを利用しましょう。

④本来必要のない付き添い人の交通費は対象外となる

本来必要のない付き添い人の交通費は対象外となります。


「心配だから」や「荷物が重いから手伝いたい」という理由での付き添いは医療費控除の対象にはなりません。


認められるのは、小さい子供や高齢者など、1人で病院に行くのが難しい場合や、治療内容の説明理解や自己判断が難しい場合です

例えば、中学生は説明の内容が理解できない場合があるので、医師からの説明がある場合には親の付き添いが認められます。

高校生以上は自己判断が可能と考えるので原則認められません。

ただし、重篤な疾病等の場合にはその限りではないのでそういった場合は税務署に相談をしてみましょう。


つまり、付き添いの人の交通費を計算する際は、付き添いが必要である理由が説明できる必要があります。

⑤お見舞いに来た人の交通費は医療費控除の対象外となる

お見舞いに来た人の交通費は医療費控除の対象外となります。

医療費控除の対象になるのは直接治療と関係のあるものに限られるので、お見舞いに来てもらった人の交通費は医療費控除の対象にはなりません。

親族がお見舞いに来たついでに汚れた衣類を持って帰ったり、差し入れなどを持ってくるのは入院中は必要不可欠ですが、現状の制度では認められません。

⑥外泊した際の宿泊費や里帰り出産した際の交通費は対象外となる

外泊した際の宿泊費や里帰り出産した際の交通費は対象外となります。

難病や重病などで、遠方の専門病院に行く場合は、そのままホテルなどに宿泊する場合がありますが、その際の宿泊費は医療費控除の対象にはなりません。

また、里帰り出産した際の交通費は、治療のための移動ではなく単なる帰省として判断されるため医療費控除の対象にはなりません。
実家の近くで出産するほうが心身ともに安心でも、医療行為自体がそこでしか行えない専門医療ではないためです。

医療費控除の対象になるのは直接治療に関係する交通費だけだと思っていてください。

交通費の医療費控除は領収書無しでも大丈夫?

バスや電車のきっぷ等は領収書がでません。その場合はどうやって計算して申告をすればいいのでしょうか?


領収書がない場合は、自分で計算して申告すれば大丈夫です。


医療費控除を申告する際に、使用した公共交通機関の最短ルート、バスなら停留所、電車なら停車駅を記入し、かかった費用を計算してくだい。

申告する時のポイントは、通院記録と交通費が対応しているように見えることです。行っていない通院に対して交通費が発生していると申告が認められません。


通院した日にち、治療費薬の代金とともに、交通費もエクセルなどにまとめて提出すると良いでしょう。

後からまとめて計算するのは大変なので、治療費や薬の領収書の裏にメモなどをしておくと忘れずに計算出来ます。


タクシーなどは領収書が出るものはそのまま申告すれば大丈夫です。領収書自体の提出義務はありませんが5年間の保存義務はあるのでなくさないように気をつけましょう。

交通費の医療費控除を申告する方法は?

交通費の医療費控除の方法は以下の通りです。


医療費控除は、自分が医療機関を受診した分だけでなく、扶養家族がいればその人の分も計上することができます。

病院に治療にかかった値段と薬の代金に加えて交通費が一定の金額以上であれば医療費控除を受けることが出来ます。


申告の手順は以下のとおりです。

  1. 1年間にかかった医療費控除対象の交通費を集計する
  2. 医療費控除の明細書をe-Taxを利用して作成する
  3. 税務署に医療費控除の申告をする

①1年間にかかった医療費控除対象の交通費を集計する

1年間にかかった医療費控除対象の交通費を集計する。


まずは、一年間にかかった交通費を集計します。

バスや電車など領収書などがない場合は、経路から計算して、エクセルなどの表計算ソフトを用いて、日時と金額がわかるようにまとめておきます。

それぞれの細かい金額は必要なく、合計金額を書くだけで大丈夫です。


明細書自体の提出は不要ですが、計算には使うのと、後々税務署から提出を求めることがあるので5年間は保管するようにしましょう。

②医療費控除の明細書をe-Taxを利用して作成する

医療費控除の明細書をe-Taxを利用して作成する。


医療費控除を受けるためには、文書を作成し税務署に郵送する方法や、直接税務署に行って行う方法もありますが、今回はe-Taxを利用しインターネット上で行う方法をご説明します。

具体的な流れは以下のとおりです。

  1. 国税庁のHPから医療費控除の明細書をダウンロードする
  2. ダウンロードした医療費控除の明細書の各項目に記入していく
  3. 「医療を受けた人」に通院した人の名前「病院・薬局などの名称」に交通費と交通機関の名前「医療費の区分」はその他の医療費「支払った医療費の合計」に金額を記入します
基本的には、見本や指示の通りに記入していけばスムーズに行なえます。
国税庁が解説動画も提供しているのでそれを参考にするのも良いでしょう。

③税務署に医療費控除の申告をする

税務署に医療費控除の申告をする。

作成した医療費控除の明細書は、税務署に提出します。
前述のとおりe-Taxで作成した場合は、送信フォームがありますのでそこのアップロードします。

医療費控除の明細書を実際に作成した場合は、税務署に郵送するか直接持っていきます。

e-Taxだと全ての手続きがインターネット上で行うことができるので便利です。

なぜ交通費も医療費控除の対象となるの?

なぜ交通費も医療費控除の対象となるのか、不思議に思う人もいるかと思いますので説明していきます。


それは全ての人が公平になるために税金が使われるべきという根本的な考え方から来ています。


つまり、病院に通いやすい人も、家が遠くて通えない人も公平に医療サービスを受けられるように、ということですね。家が遠くて通うのに交通費がたくさん掛かる人も医療費控除を受けることで、金銭的な負担が軽くなります。


税金というものは、このように国民から集めたお金をすべての人に公平に分配するシステムになっています。

まとめ:医療費控除の対象となる交通費を確認しよう!

医療費控除の対象となる交通費について説明してきましたが、いかがだったでしょうか。


医療費控除の対象となる交通費は5つあり。

  • 電車やバス代
  • やむを得ない場合のタクシー代
  • 本人のみでの通院が難しい場合の付添人の交通費
  • 遠方にしか通院できない場合の新幹線や飛行機の料金
  • 自宅訪問した医師の交通費
でした。

注意すべきポイントは、治療に直接関係する交通費ではないものは医療費控除の対処外となることです。

病院に通いやすい人もそうでない人も公平に病院に通うことができるような制度である医療費控除を詳しく知って活用しましょう。