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国のある制度を活用すれば老後2000万円は余裕だって知ってた?

医療費控除の確定申告を郵送で行いたいが、やり方が分からない人も多いのではないでしょうか。この記事では、医療費控除の確定申告を郵送する方法を徹底解説しています。封筒の宛名や必要書類まで詳しく説明しているので、ぜひお読み下さい。

監修者「井村 那奈」

監修者 井村 那奈 フィナンシャルプランナー

ファイナンシャルプランナー。1989年生まれ。大学卒業後、金融機関にて資産形成の相談業務に従事。投資信託や債券・保険・相続・信託等幅広い販売経験を武器に、より多くのお客様の「お金のかかりつけ医を目指したい」との思いから2022年に株式会社Wizleapに参画。
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この記事の目次

医療費控除の確定申告を郵送で行う方法は?



医療費控除を郵送で手続きしたいけどやり方がわからないという方も多いと思います。


また、確定申告が初めてでわからないという方もいるでしょう。


この記事では、


  1. 医療費控除を郵送で行う手続きの手順
  2. 医療費控除を郵送以外で行う方法
  3. 医療費控除以外の税制控除制度
について、詳しく解説していきます。

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国のある制度を活用すれば老後2000万円は余裕だって知ってた?

手順①必要書類を用意する

まずは、確定申告書類を提出するために必要書類を揃える必要があります。


医療費控除の確定申告の場合に必要な書類は次の通りです。

  1. 源泉徴収票
  2. マイナンバーが確認できる書類と本人確認書類の写し
  3. 医療費の支払いがわかる領収書やレシート
それぞれの項目について、詳しく解説していきます。

①源泉徴収票

会社員、アルバイトなどで、給料をもらっている人の場合、職場からもらえる源泉徴収票の原本が必要になります。会社員だけでなく、年金受給者の場合も管轄する年金事務所等から源泉徴収票の原本を受け取り、添付する必要があります。


なお、確定申告をした場合、源泉徴収票は税務署に提出されるので、原本が戻ってくることはありません


郵送手続きの場合には、後日確定申告書の控えが郵送されますが、所得を証明する書類が必要になる場合には、あらかじめ源泉徴収票のコピーをとっておくことをおすすめします。


また、個人事業主の場合は、源泉徴収票は発行されないので不要です。確定申告をするためには、源泉徴収票の代わりに売り上げや経費等を明記した決算書青色申告書類が必要になります。

②マイナンバーが確認できる書類と本人確認証の写し

本人確認と個人番号の確認のため、マイナンバーが確認できる書類本人確認書類の写しが必要になります。


もしマイナンバーカードを持っている場合には、マイナンバーカード1点だけでどちらの確認も取れるのでマイナンバーカードのコピーを添付するだけで問題ありません。


マイナンバーカードがない場合には、2点必要になります。

マイナンバーを確認できる書類は次のいずれかが必要です。

  • 個人番号通知カードのコピー
  • マイナンバーが記載されている住民票の写し
また、本人確認書類として、次のいずれかが必要になります。
  • 運転免許証のコピー
  • 健康保険証のコピー
  • パスポートのコピー
  • 在留カードのコピー
上記の2点が必要書類になります。

なお、本人確認書類では、氏名、住所、生年月日の確認をします。そのため、住所変更手続きを行っていない免許証は本人確認書類として認められませんので注意が必要です

③医療費の支払い金額が分かる領収書やレシート

医療費控除では、その年にかかった医療費に応じて税金が控除されます。


そのため、医療費控除を利用するためには、医療費の支払い金額がわかる領収書やレシーちが必要になります


医療費を確認できる領収書やレシートがない場合には医療費控除を受けられません。


したがって、毎年の医療費にかかるレシート類は捨てずに保管しておく必要があります


ちなみに、医療費の支払い金額がわかる領収書やレシートは、税務署に提出する必要はありません。そのため、領収書やレシートは郵送しませんが、原則5年間保管しておかなければいけません。


もし、税務署から後日問い合わせがあった場合に、領収書やレシートを提示できないと、追加徴税される可能性があるので注意が必要です。

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手順②e-Taxで確定申告書と医療費控除の明細書を記入し印刷する

必要書類が揃ったら、e-Taxから確定申告書と医療費控除の明細書を記入します。


e-Taxでの記入が完了したら、印刷をして郵送手続きになります。


ここからは、e-Taxでの入力方法から印刷までの手続きについて解説していきます。

①「作成開始」「印刷して提出」を選択する

まずは、e-Taxのホームページ上から申告書の作成をします。


ホームページの内部に、確定申告書類の「作成開始」というボタンがあるのでクリックします。


その際に、e-Taxを利用した確定申告が初めての方は、まずマイページの作成から始める必要があります。


すでにマイページを作成済みの方は税務署の提出方法について、印刷して提出をクリックすると、確定申告作成手続きができます。

②医療費控除の申告する年を選び「所得税」を選択する

次に、医療費控除の申告をする年度を選びます。


年度を選ぶと、所得税、消費税、贈与税、決算書の4項目が表示されるので「所得税」を選択します。一般的な確定申告の場合には、「所得税」の確定申告のことを指します


もし、過去の年度の医療費控除を行いたい場合には「過去の年分の申告書等の作成」を選択し同様に所得税の確定申告を行います。


③入力を進めていき「所得控除の入力」で医療費控除を選択する

ここからは、医療費控除の入力以外の入力をします。


入力する内容は次の通りです。


  1. 生年月日の入力
  2. 確定申告にかかる質問事項の回答
  3. 源泉徴収票の入力
  4. 入力内容の確認
上記の入力が完了すると、確定申告の収入欄が完成します。

その後は、「所得控除の入力」の画面に切り替わるので「医療費控除」を選択し、控除額を入力します。

④支払った医療費をシステム上でひとつずつ入力する

次に、実際に支払った医療費を一つずつ入力していきます。


医療費の入力項目は以下の通りです。

  1. 医療費を支払った人の名前
  2. 病院、薬局などの支払い先の名称
  3. 医療費の区分
  4. 支払った医療費の金額
  5. 保険等で補てんされる金額
上記の項目を支払った医療費ごとに入力していきます。

医療費が複数ある場合には、「続けてもう1件入力」の欄を、医療費の入力が全て完了した場合は「入力内容の確認」をクリックします。

入力内容に問題なければ次に進みます。すると、医療費控除の金額が出てきます。

医療費控除の金額の確認が完了したら、医療費控除の入力は完了です。

なお、医療費の入力はシステム上で一つずつ入力する方法と、専用のフォームを利用してまとめて入力する方法があります。入力項目が多い場合には専用フォーム上でまとめて入力すると手続きがスムーズになりますので活用するのがおすすめです。

⑤確定申告書と医療費控除の明細書を印刷する

データの入力が完了したら、確定申告書医療費控除の明細書の印刷をします。


印刷ボタンを押すと、PDFで表示されるので印刷し、出てきた書類全てを税務署に提出することになります。


印刷前に、確定申告書と源泉徴収票を見比べて、収入欄や所得欄に間違いがないか確認しておきましょう。


確定申告書の記載内容が源泉徴収票と異なると、税務署で受付できませんので再度提出し直す必要があります


なお、印刷の際に、確定申告の入力データを一時保存しておきましょう。万が一入力内容に不備があった場合や提出後に税務署から差し戻しがあった場合には、入力内容を訂正する必要があります。


入力データをe-Tax上で保存しておけば、始めから入力し直す必要がないので手間を省くことができます。

参考:家で印刷するできない場合はコンビニで印刷しよう!

医療費控除の確定申告を郵送で行う場合は入力した確定申告書を印刷して郵送する必要があります。


そのため、自宅で印刷できる環境がない場合はどこかで印刷する必要があります。


自宅以外で印刷する場合は、コンビニで印刷するのが便利です


スマートフォンがあれば、コンビニで簡単に印刷することができます。


コンビニでの印刷方法は次の通りです。

  1. 専用のアプリをダウンロード
  2. コンビニのマルチコピー機で入力
  3. 専用アプリとコピー機を接続する
  4. アプリから印刷したいファイルをコピー機に送付
  5. コピー機から印刷内容の確認、印刷
専用のアプリについては、各コンビニごとに異なります。詳しくはコンビニのホームページを参照してください。

スマートフォンがない場合にはUSBを利用してpdfファイルをパソコンからUSBにコピーし、USBからコンビニのマルチコピー機を利用して印刷することができます。スマートフォンを利用でいない場合にはUSBメモリを活用しましょう。

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手順③封筒を所轄税務署に郵送して医療為控除の確定申告をする

確定申告の書類の郵送手続きが完了したら、送付する書類を全てまとめて郵送します。


郵送する場合に書類を全て封筒に入れて、所轄の税務署に送れば、医療費控除の手続きは完了します。


ここからは、

  • 郵送する封筒のサイズや購入場所
  • 封筒の宛名と必要書類
  • 郵送で医療費控除の申告ができる期限

について解説していきます。

①封筒のサイズや購入場所は?

確定申告書を郵送する場合、封筒のサイズが決められています。


封筒のサイズは「角形2号」で郵送しましょう。


確定申告書や医療費控除の明細書類はA4サイズで印刷されます。


「角形2号」の封筒であれば、A4サイズがぴったり入りますので望ましいです。


税務署に申告する書類ですので、小さい封筒で書類を折り曲げて入れるのは厳禁です。そのため、角形2号の封筒を購入するようにしましょう。


角形2号サイズの封筒が置いてあるお店は以下が挙げられます。


  • コンビニ
  • 文房具屋
  • 100円ショップ
  • 書店
また、確定申告の書類をレターパックで郵送することもできます。

レターパックの場合は郵便局で購入できます。切手を貼る必要がないので、そのまま郵送ができるのがメリットです。

個人事業主で開業届を提出している場合には、税務署から確定申告用の書類が送られてきますのでそちらを活用するのも良いでしょう。

②封筒の宛名の書き方と封筒に入れる書類は?

確定申告書類を郵送する場合の封筒の書き方や入れる書類を説明します。


封筒の書き方は通常の郵送の場合と同じように書けば問題ありません。


具体的には、次のように書きましょう。


封筒おもて面

  • 送付先の住所(右上)
  • 〇〇税務署(管轄の税務署) 御中(住所の左隣に記入)
  • 「確定申告書 在中」と赤字で記入(左下)
封筒裏面
  • 左下に送り主の住所
  • 住所の隣に送り主の氏名
送付する税務署の住所については、国税局のホームページから調べることもできます。

また、e-Taxで確定申告を印刷した場合には、「提出書類等のチェックシート」の中に宛名のラベルが印刷されています。宛名のラベルを封筒に貼れば郵送先を間違いを防ぐことができます。

封筒に入れる書類については、次の通りです。
  • 確定申告書
  • 医療費控除の明細書
  • 源泉徴収票
  • 本人確認書類、マイナンバー確認書類の写し
医療費のわかるレシートや領収書については、原則提出は不要です。

しかし、医療費控除の確定申告では領収書やレシートを5年間保管する義務がありますので、捨てずにとっておきましょう。

③いつからいつまでに郵送すればよい?

確定申告は通常、申告する対象年の翌年の2月16日から3月15日までの間に行う必要があります。もし、3月15日が土日や祝日と重なった場合には、直前の平日が申告期限となりますので注意しましょう。


また、医療費控除の手続きを行った場合には、還付金を受け取ることができます。


還付金を受け取れる時期の目安は約1ヶ月〜1ヶ月半の間が目安です。すぐには還付されませんので注意が必要です。


ちなみに、医療費控除のみが目的の確定申告であれば期限を過ぎても受付してもらうことは可能です。しかし、他にも控除する項目がある場合やそもそも確定申告が必要な場合もありますので可能な限り有効期限内に提出するのが望ましいです。


また、医療費控除の確定申告手続きを郵送で行った場合、3月15日の消印が有効です。そのため、3月15日以内に受け付けてもらえば有効期限に間に合います。


しかし、注意点として、確定申告の内容に不備があり、税務署から差し戻しを受けた場合には再度提出が必要になります。その場合は最初の提出日ではなく、修正が完了した日が申告日になります。


したがって、期限ギリギリに確定申告書類を提出して、不備で戻された場合には、有効期限を過ぎてしまいますので注意が必要です。

手順④還付金と税務署印の押された書類を受け取る

確定申告の受付が完了すると、税務署から書類が返送されます。


書類を受け取ったら返送された書類に「税務署印」が押印してあるか確認しておきましょう。税務署のない確定申告書は所得の証明書類として認められません。


ローンの申し込みなどでは確定申告などの収入書類が必要になりますので、必ず税務署からの印鑑を確認しましょう。


また、医療費控除の手続きが完了したら、還付金を受け取りましょう。還付金の受け取り方法は、直接受け取る方法と、銀行口座に入金してもらう方法があります。


直接受け取る場合は、税務署から還付金に関する書類が送付されます。


税金の還付金は郵便局等で受け取ることができます。本人確認書類と税務署から送られてきた書類を持参して受け取りに行きましょう。

医療費控除の確定申告を郵送以外で行う方法

医療費控除の確定申告は、郵送以外でも手続きすることができます。


医療費控除の確定申告の方法は郵送以外に次の2つがあります。

  • e-Taxを利用してオンライン上で申告をする
  • 書類を印刷して直接税務署に持参する
それぞれの手続き方法について、詳しく解説していきます。

①e-Taxを利用してオンライン上で医療費控除の申告をする

e-Taxを利用してオンライン上で確定申告を完了させることができます。


やり方は簡単でe-Taxのホームページから、必要事項を入力するだけです。


ただし、オンライン上で確定申告手続きをするためには、マイナンバーカードの電子証明書が必要です。そのため、マイナンバーカードを取得していない方や電子証明書の更新手続きをしていない方はオンライン上で申告することができません。


オンライン上での手続きは書類による本人確認ができないため、電子証明書を使って本人確認が行われるという仕組みです。


確定申告のオンライン手続きは、1月上旬から行うことができるほか、還付金の受け取りも、3週間〜1ヶ月程度と通常よりも早いというメリットがあります。


また、郵送手続きでは郵送料がかかってしまいますが、オンライン上での手続きの場合は無料で確定申告ができるので費用を抑えたい人にもオススメの方法です。

②所轄税務署に必要書類を直接届ける

郵送、オンラインの手続きの他にも直接確定申告書類を持参する方法があります。


やり方は郵送と同じように確定申告書類、医療費控除明細を印刷し、必要書類と合わせて税務署に持っていくというだけです。


また、地域によっては税務署以外でも確定申告の書類を提出できる特設会場がある場合があります。詳しくは税務署のホームページや各市町村のホームページを参照してください。


直接提出する場合は、郵送手続きに比べて提出の手間はかかりますが、郵送にかかる費用が抑えられるというメリットもあります。


注意点として、税務署や確定申告の特設会場は平日しか受け付けしていません。普段仕事がある人の場合は直接持参するという方法ができませんので注意しましょう。

セルフメディケーション税制とは?

医療費を対象とした控除制度は、医療費控除の他にも「セルフメディケーション税制」という制度があります。


セルフメディケーション税制とは、医療費控除制度の特例制度です。健康増進、疾病の予防のために薬品等を購入している個人を対象に、特定の医薬品の購入費用について所得控除を受けられる制度です。


対象医薬品については厚生労働省のホームページに記載されている他、医薬品によってはパッケージに記載されているものもあります。


セルフメディケーションでは税制、12,000円以上の対象医薬品購入分について、最大88,000円までの所得控除を利用することができます


セルフメディケーション税制を利用する方法は、医療費控除と同じで、e-Taxでの確定申告手続きの際に、対象の医療費について申告手続きをします。


注意点として、セルフメディケーション税制は医療費控除と併用することができません。


自身の医療費の内訳を確認し、どちらの制度を利用するかを確認しておく必要があります。


また、セルフメディケーション税制は期間限定で、令和8年12月31日までしか利用できないので注意が必要です

まとめ:医療費控除の確定申告を郵送で行おう!

医療費控除の郵送手続きについて解説しましたが、いかがだったでしょうか。


今回の記事のポイントは、

  • 医療費控除はe-Tax上で入力して書類を印刷する
  • 提出期間は2月16日〜3月15日まで
  • 還付金の受け取りは、1ヶ月〜1ヶ月半程度
  • 郵送以外でもオンライン上や直接提出する方法がある
  • セルフメディケーション税制とは併用できない
でした。

医療費控除を郵送で手続きすることで、直接持参する手間を省くことができます。確定申告の受付は平日中になるので普段仕事で手続きできない方は郵送で手続きする方法がおすすめです。

医療費控除の郵送手続き方法を学んで、スムーズな手続きができるようにしましょう。

マネーキャリアでは、他にも読んでおきたい所得控除に関する記事が多数掲載されていますのでぜひご覧ください。