
「積立NISAと変額保険はどちらを選ぶべきか迷っている」
「積立NISAと変額保険のメリットとデメリットを比較して知りたい」
とお悩みではないでしょうか。
結論、積立NISAと変額保険はどちらが良いかは、あなたの投資目的やライフプランによって異なります。
本記事では、積立NISAと変額保険の違いや特徴を比較し、それぞれに向いている人の特徴を解説します。
この記事を読むことで、自分に合った資産形成の方法を選べるようになるので、ぜひご覧ください。

この記事の監修者 井村 那奈 フィナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナー。1989年生まれ。大学卒業後、金融機関にて資産形成の相談業務に従事。投資信託や債券・保険・相続・信託等幅広い販売経験を武器に、より多くのお客様の「お金のかかりつけ医を目指したい」との思いから2022年に株式会社Wizleapに参画。
>> 井村 那奈の詳細な経歴を見る
この記事の目次
積立NISAと変額保険はどっちがいい?比較して違いを理解しよう
項目 | 積立NISA | 変額保険 |
---|---|---|
概要 | 投資信託やETFに毎月決まった金額を 積立て運用益が非課税になる制度 |
保険と投資が 一緒になった商品 |
目的 | 老後資金や子どもの教育費など 将来のお金を増やすため |
万が一の保障をしながら お金も増やしたい人向け |
リスク | 元本割れリスクがある | 元本割れリスクがある (死亡時保険金は保証あり) |
途中で引き出し | いつでも引き出せる | 引き出せるが、手数料がかかり 損をする可能性がある |
税制優遇 | 運用益が非課税 | 保険料控除で所得税が少し安くなる |
手数料 | 比較的安い 安い商品を選べる |
保険料や運用の手数料など いろいろな費用がかかって高め |
商品の選び方 | 幅広い商品から自由に選べる | 保険会社が用意した 限られた商品から選ぶ |
向いている人 | とにかく資産形成を優先したい人 | 保険と投資を 一度に済ませたい人 |
向いていない人 | 元金を減らしたくない人 | 数年以内に解約する可能性がある人 |
目的・仕組みの違い
積立NISAと変額保険は、以下のように目的と仕組みに大きな違いがあります。
- 純粋な資産形成を目的とした税制優遇制度
- 毎月一定額を投資信託やETFに積立て、運用益が最長20年間非課税
- 年間の投資上限額は120万円
- 投資家自身が投資先を選び、自己責任で運用
- 「保障」と「資産形成」を組み合わせた保険商品
- 支払った保険料の一部を特別勘定で運用
- 運用成果によって将来の解約返戻金や死亡保険金の額が変動
- 死亡保険金には最低保証あり(運用が不調でも一定額は受け取れる)
積立NISAが「投資」に特化しているのに対し、変額保険は「保険」の要素を含んでいる点が最大の違いです。
税制優遇の違い
NISA | 変額保険 | |
---|---|---|
運用益 | 非課税 (投資信託の売却益も 非課税になる) | 課税 |
保険料控除 | 使用できない | 使用可能 (所得税・住民税の軽減が 期待できる) |
積立NISAの魅力は、投資信託の売却益や分配金が最長20年間非課税になることですが、保険料控除は受けられません。
なぜなら、保険ではなく投資商品と位置付けのため、保障部分に伴う税制優遇は基本的にないからです。
一方変額保険は「生命保険料控除」をはじめとした保険料控除の対象になるのが特徴です。
保険料の一部を所得控除として申請できるため、結果的に所得税や住民税を軽減できる可能性があります。
ただし、運用によって生じた利益自体は非課税ではなく、解約返戻金が払込総額を超えた場合には課税対象となる点に留意が必要です。
途中解約・引き出しのしやすさの違い
積立NISAは投資信託を保有する仕組みなので、必要なタイミングでいつでも売却できます。証券会社の口座から必要な額を取り崩すことが可能で、早期解約による「解約控除」といったペナルティはありません。
ただし、売却後に再度買い付けを行っても年間投資枠は変わらないため、やむを得ず途中で売却すると非課税枠を十分に活かせない可能性もある点は意識しておきましょう。
変額保険は、途中解約はできますが、契約後数年(5年、10年など)については「解約控除」が設定されている商品が多いため、短期で解約すると大きな手数料がかかる恐れがあります。
また、運用状況によっては解約時点で元本割れしているケースもあるため、途中解約のハードルが高いと感じることもあるでしょう。
このように、解約の柔軟性が低いぶん、変額保険は「一定期間資産を動かさず保険機能を得ながら運用する」ことが大切です。
手数料の違い
積立NISAで投資する場合、メインとなるコストは「購入時手数料」と「信託報酬」です。
近年では購入時手数料無料の投資信託が多くなり、信託報酬も低水準の商品が積立NISAの対象として選ばれやすい傾向にあります。
変額保険は、保険という商品の特性上、下記のように複数の手数料や費用がかかる場合が多いです。
- 保険関係費用:死亡保障や高度障害保障などを維持するための費用
- 運用関係費用:特別勘定の運用にかかるコスト
- 契約管理費用:契約を維持・管理するための事務コスト
- 販売手数料:販売時に発生する費用(商品によって異なる)
- 解約控除:一定期間内に解約すると発生する費用
あなたはどっちが向いてる?無料FP相談で最適な選択肢を見つけよう

積立NISAか変額保険か、あるいは両方を組み合わせるのかは、各家庭や個人のライフプラン・リスク許容度・家計事情によって変わります。老後資金や教育資金など明確な目的があって、短期的に引き出す可能性がある程度高いなら、引き出しやすく税制優遇も手厚い積立NISAが魅力的です。
「ある程度の年数は資金をロックしても問題なく、その間に死亡保障や保険料控除を得ながら運用したい」人なら変額保険が良い選択肢となるかもしれません。また、併用も選択肢として考えられます。
最低限の死亡保障は定期保険や収入保障保険で確保し、余力のある部分は積立NISAで効率よく運用するパターンもあります。すでに終身保険や医療保険に加入済みで、保障は十分だがさらに変額保険で運用と追加の死亡保障を重ねる人もいるのです。
「自分と家族にどの程度の保障が必要なのか」「どのくらいのリスクを負って運用できるか」を見定めるところからスタートすべきです。

積立NISAが向いている人

積立NISAは、非課税による効率的な運用を目指す人や、少額から始められる柔軟性を重視する人に適しています。
ここでは、特に向いている人の特徴を3つ挙げて解説します。
- 資産形成を重視したい人
- 運用コストを抑えたい人
- 自由度の高さを重視したい人
資産形成を重視したい人
積立NISAは、運用益や分配金が最長20年間非課税です。通常、課税口座で投資を行うと利益に約20%の税金がかかりますが、積立NISAを利用すればこの税負担を回避できます。その分、運用益をより効率的に積み上げられるため、長期的な複利効果を活かしやすくなるでしょう。
老後の生活費、子どもの教育費、さらに将来的なマイホーム購入費など、大きな資金が必要になるイベントは人生のさまざまな局面で起こります。早めから準備しておけば、いざというときの精神的な安定にもつながります。
積立NISAなら、少額ずつコツコツと投資信託を買い増すことが前提のため、短期的な市場変動に一喜一憂せず、じっくりと資産を増やすスタンスをとりやすいのです。
運用コストを抑えたい人
積立NISAが魅力的なのは、運用コストの低さにもあります。変額保険には死亡保障や契約管理費用など、投資部分以外の手数料が加算される場合が多く、総コストが高くなる傾向があります。
一方、積立NISA対象の投資信託は購入時手数料無料や信託報酬の低い商品が選ばれやすく、純粋に運用益を高めることに集中できる仕組みです。また、積立NISAは月々の積立金額を小額から設定できるのも特徴のひとつです。
金融機関によっては月100円や1,000円といった単位で始められます。運用資金を抑えながら投資を続けられるため「投資は初めてで、不安が大きい」「家計に負担をかけずにスタートしたい」人でも挑戦しやすいのです。
自由度の高さを重視したい人
積立NISAは、投資信託の売却や積立金額の変更がしやすく、途中で資金が必要になった際には必要な分だけ売却して現金化できる自由度があります。
保険の解約控除などがないため、結婚や出産、子どもの進学、住宅購入、あるいは急な出費の必要が生じたときでも資金を取り崩しやすいのが魅力です。
また、投資先のファンドの種類もさまざまです。国内株式や外国株式、債券中心のファンドや、複数アセットに分散投資するバランス型など、目的やリスク許容度に応じて選択できます。
そのため「子どもがまだ小さいうちは比較的安定型のファンドにし、学費が近づいてきたらリスクをさらに抑える商品に切り替える」など、ライフステージに合わせた運用調整も可能です。
変額保険が向いている人

変額保険は、保険の保障機能を維持しながら資産運用にも挑戦したい方に向いています。
ここからは、変額保険を選ぶとメリットを得られやすい具体的なタイプを3つ紹介します。
- 死亡保障を確保したい人
- 運用をプロに任せたい人
- 一定期間資産を固定して運用できる人
死亡保障を確保したい人
変額保険の特徴は、保険としての死亡保障や高度障害保障を確保できる点です。運用成果に応じて解約返戻金や死亡保険金が増減しますが、最低保障が設定されている商品も多いため、万が一の際には契約時に決めた保険金を下回らないよう配慮されているケースもあります。
積立NISAや一般的な投資信託では得られない大きなメリットです。投資信託の場合、契約者が死亡した場合には保有分を相続財産として引き継ぐことになりますが、評価額は市況によって変動し、すぐに資金化できない可能性もあります。
変額保険なら、一定の死亡保障金額が用意されるため、残された家族が生活資金やお葬式費用などを確保しやすいメリットがあります。
運用をプロに任せたい人
変額保険では、保険会社が選定した特別勘定を活用して運用を行います。契約者が投資先を細かく分析して日々売買を行う必要はなく、保険会社や運用会社の専門家がポートフォリオを管理する仕組みです。
保険会社によって設定されている特別勘定は国内外の株式や債券、バランス型など多岐にわたりますが、そのいずれも専門家が運用を担うため「運用判断を任せたい」人には向いています。
ただし、どの特別勘定を選ぶかは契約者の裁量ですし、運用状況の確認も定期的に行う必要があります。まったく放置で良いわけではありませんが、日々の株価チェックや細かいリバランスが苦手な方にとっては、一括で運用を任せられる点は安心材料です。
商品の詳細や将来の運用方針に不安がある場合は、FPやIFAから解説を受けてみると良いでしょう。
一定期間、資産を固定して運用できる人
変額保険は、契約後に早期解約すると高額な解約控除が発生し、元本割れのリスクが高まる特徴があります。保険会社が長期運用を想定していることの裏返しですが、短期間で資金を引き出す予定がある人には向きません。
しかし「一定期間は資金を動かさず、長期で保険と運用を続けられる」人にとっては、メリットが大きい商品ともいえます。運用成果が好調なら解約返戻金や死亡保険金が増額され、払込保険料以上のリターンを得られる可能性もあります。
特に、10年単位でまとまったお金を寝かせておける方や、死亡保障が必要な期間がはっきりしている方にとっては有力な選択肢となるでしょう。
【まとめ】積立NISAと変額保険は目的に合わせて選ぼう

ここまで積立NISAと変額保険はどっちがいいのか、向き不向きについても解説しました。
積立NISAは手数料が低く、途中引き出しが柔軟で運用コストを抑えたい人に適しています。
一方、変額保険は保険として家族を守りながら運用成果も狙いたい人に向いていると言えるでしょう。
どちらを選ぶかは、現在の家計状況や将来のライフイベント、リスク許容度、保険の必要性をどれだけ重視するかによって異なります。
自分に合った選択をするためには、FP相談が有効であり、無料で相談できるマネーキャリアがおすすめです。
- 積立NISAと変額保険のメリット・デメリットを自分のライフプランに合わせて比較できる
- 税制優遇の違いや長期的な資産形成効果を分かりやすく解説してもらえる
- 3,500人以上のFPから厳選された質の高い専門家に何度でも無料で相談できる
