

この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!」
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この記事の目次
- 団信と生命保険はどっちが得?4つのポイントを比較して確認しよう
- 目的・保障範囲の違い
- 保険料の違い
- 加入条件・健康状態の影響の違い
- 保障の継続性の違い
- 【結論】団信+足りない部分を生命保険でカバーしよう
- あなたにぴったりの保険は?無料FP相談で最適な保障バランスを見つけよう
- 団信への加入が向いている人
- 家族に住宅ローンの負担を残したくない人
- 貯蓄が少ない人
- 年齢が高い人
- 迷ったら無料FP相談!プロと一緒に最適な保障プランを考えよう
- 団信に加入する際の注意点
- 繰上返済をすると保障額も減る
- 住宅ローンを借り換えると団信も入り直しになる
- 住宅ローン完済後は保険の見直しが必要
- 【まとめ】団信と生命保険はバランスよく考えよう!困ったらFP相談がおすすめ
団信と生命保険はどっちが得?4つのポイントを比較して確認しよう
団信とは「団体生命保険」の略称で、住宅の購入や借り換えやリフォームなどを目的として住宅ローンを借り入れる際に加入できる生命保険の一種です。住宅ローンの債務者が病気やケガ、事故などで死亡したり働いて収入を得られなくなった場合、保険金で住宅ローンの残高を清算します。
被保険者が死亡したり重度の障害を負って働けなくなったりした場合に経済的な保障が受けられる点は、団信も一般的な生命保険も共通しています。しかし、以下の表のような違いもあります。
項目 | 団信 | 生命保険 |
---|---|---|
目的 | 住宅ローンの債務者が 死亡したり障害を負ったりした際 保険金で住宅ローンを支払うため | 被保険者が死亡したり障害を負ったり した際に残された家族の生活を保障するため |
保険料 | 住宅ローンの金利に上乗せされる (相場は0.1~0.3%) | 年齢・性別・保障内容・保障期間 によって決まる |
加入可能な時期 | 住宅ローンを利用したとき | 被保険者の自由 |
保障金額 | 住宅ローンの残高 | 被保険者の希望によって決められる |
保障期間 | 住宅ローンを返済している期間 | 被保険者の希望によって決められる |
途中解約 | 原則として不可 | 可 |
保障範囲 | 住宅ローンの残高のみ | 「死亡保障」や「医療保障」等がある |
生命保険控除 | 対象外 | 対象となる |
目的・保障範囲の違い
団信は住宅ローンの債務者が死亡したり、高度障害を負ったりした場合にローンの返済を保障する保険です。保障範囲は住宅ローンの残高に限定されており、ローンの支払いが終了すると団信の契約も満了します。団信は保障範囲が限定されているため、保険料は一般的な生命保険よりも安価です。
一方、生命保険には「死亡保障」や「入院保障」などの種類があり、商品によって保障の範囲や保険料は異なります。自由度が高いため、自分のライフスタイルやニーズに合わせた保険選びが重要です。また、ライフイベントに応じて保険の見直しも大切です。
保険料の違い
団信の保険料は住宅ローン金利に上乗せされる形で支払い、相場は0.1%~0.3%です。例えば住宅ローンの金利が1%、団信の上乗せ金利が0.2%の場合、月々の返済額に1.2%の金利を支払います。
例えば借入額が3,500万円、返済期間が35年でボーナス返済なし、金利1%、団信の上乗せ金利が0.2%の場合は月々の返済は10万3,226円、団信の上乗せ分は4,471円です。
借り入れる住宅ローンの額が大きいほど団信の保険料も上がっていきますが、年齢や性別で保険料が変動することはありません。
加入条件・健康状態の影響の違い
団信と生命保険は、どちらも加入する際に健康状態の審査があります。疾病や既往歴によっては、加入審査で落ちてしまう可能性もあるでしょう。団信の場合、がんや脳卒中、心筋梗塞など命に係わる病気のほか、以下のような既往歴があっても加入できない可能性があります。
- 内臓の疾患:胃潰瘍、腎不全、腎炎、肝硬変など
- 目の疾患:緑内障、角膜や網膜の病気など
- 精神の疾患:うつ病、てんかんなど
- 代謝異常:糖尿病、高血圧など
- 婦人科系の疾患:子宮内膜症など
早い方なら20代前半で生命保険に加入するため、疾病や既往歴で加入できないリスクは低めです。しかし、団信は30代後半~40代になって加入する方も決して珍しくありません。年齢が上がるほど病気を発症するリスクは高まり、団信に加入できない可能性も上がります。
保障の継続性の違い
団信の保障期間は住宅ローンの完済までです。35年返済の予定ならば、保障期間も35年です。繰り上げ返済をして当初の予定より早く完済できた場合は、完済時点で保障が終了します。原則として延長はできません。
一方、生命保険の場合は自分で保障期間を決められます。最初から満期までの期間が長い保険に入ることもできるほか、定期的に保険を見直して年齢やライフスタイルに合った保険に乗り換えていく方法もあります。
【結論】団信+足りない部分を生命保険でカバーしよう
団信は保険料が比較的安い一方で、保障の範囲は住宅ローンに限られます。住宅ローンの残高が減るにつれて、団信に加入するメリットも次第に小さくなっていきます。とはいえ「配偶者も働いているため、ローンの返済がなくなるだけで十分」と考える方もいるでしょう。
このように、団信と生命保険のどちらが良いかは一概には言えません。家庭ごとに保険の目的や必要とする保障内容が異なるためです。
しかし、団信でカバーしきれない部分を生命保険で補う方法を採れば、保険料を抑えつつ必要な保障を確保できます。
あなたにぴったりの保険は?無料FP相談で最適な保障バランスを見つけよう

生命保険にはさまざまな種類があるため、保険選びに悩む方は珍しくありません。また「家を購入した」などライフスタイルが変われば、保険に加入する目的や保障も変わってきます。保険は加入して終わりではなく、ライフスタイルの変化や年齢等に合せて見直すことも大切です。
自分に最適な保険を知りたい、加入している保険を見直したい場合は、無料FP相談を利用してみましょう。FPはお金に関する幅広い知識を活かして、資産形成や家計見直しなどお金に関するさまざまな相談に乗ってくれます。保険の見直しやアドバイスも得意分野の一つであり、専門家ならではの観点から最適な保険を紹介してくれます。

団信への加入が向いている人

団信への加入は義務ではありません。「生命保険にも入っているし、加入する必要はないのでは」と迷う方もいるでしょう。
ここでは、団信への加入が向いている方の条件を下記の3つ紹介します。どれか1つでも当てはまる場合は、団信に加入したほうが安心です。
- 家族に住宅ローンの負担を残したくない人
- 貯蓄が少ない人
- 年齢が高い人
家族に住宅ローンの負担を残したくない人
債務者の家族に住宅ローン返済の負担を残したくない場合は、団信に加入しましょう。住宅ローンは長期間にわたって大きな額を返済するローンです。債務者が返済の途中で不慮の事故や病気で亡くなる可能性もあります。
家は大きな財産ですが、住宅ローンが完済するまで債権者である金融機関に所有権があります。債務者が住宅ローンを返済できなくなれば、家を手放さなくてはなりません。
住宅ローンが完済していれば、家は住み続けるだけでなく誰かに貸したり売却したりもできます。団信に加入していれば家族に負債を残さないだけでなく、大きな資産も残せるでしょう。
貯蓄が少ない人
貯蓄の大部分を頭金で使ってしまったなどで、貯蓄が少ない人も団信への加入がおすすめです。貯蓄はいざというときの備えです。債務者が亡くなれば収入が途絶えたり、大幅に減ったりするでしょう。その時に、頼れる貯蓄が少なければ生活に支障が出る可能性があります。
団信に加入していれば、住宅ローンがなくなって住居費にかかるお金が大幅に減らせます。それだけでも、家計の負担は軽減されるでしょう。貯蓄が少なくても、安心感が高くなります。また、いざというときは家を売却して現金に換えることも可能です。
年齢が高い人
30代後半以降で家を購入する場合は、団信への加入がおすすめです。年齢が高いほど入れる生命保険は限られてきます。また、保険料も高くなりがちなので団信と同じ保障を生命保険で付けようとすると、家計の負担が大きくなる可能性もあるでしょう。
団信は年齢や職業、性別にかかわらず保険料は変わりません。また、年齢が上がるにつれて保険料が高くなることもないため、家計に大きな負担をかけることなく住宅ローンに関する補償が受けられます。
迷ったら無料FP相談!プロと一緒に最適な保障プランを考えよう

団信に加入すべきかどうか迷った場合は、無料FP相談を利用してプロにアドバイスを求めましょう。インターネットを検索すると、団信や生命保険に関するさまざまな意見を知ることができます。しかし、家計やライフプランはすべて異なるため参考にならない部分も多いでしょう。
無料FP相談ならば、相談者に合せた保障プランを備えた保険を紹介してもらったり、おすすめの保険に関するアドバイスをしたりしてもらえます。保険の見直しができれば、家計の見直しにもつながります。

団信に加入する際の注意点

ここでは、団信に加入する際の注意点として以下の3点を紹介します。これから団信の加入する方は、内容を確認しておくと役立ちます。
- 繰上返済をすると保障額も減る
- 住宅ローンを借り換えると団信も入り直しになる
- 住宅ローン完済後は保険の見直しが必要
繰上返済をすると保障額も減る
団信の保障額は住宅ローンの残高に連動しています。住宅ローン残高が減るほど保障額も低くなるので、繰り上げ返済する場合は注意が必要です。例えば、35年で3,500万円を返済する予定でローンを組んだが、思った以上に収入が増えたので繰り上げ返済を繰り返し、ローン返済開始10年後に500万円まで減らした場合、保障額も500万円になってしまいます。
繰り上げ返済はタイミングとバランスが重要です。繰り上げ返済をすると貯蓄が大幅に減る等の場合はしばらく貯蓄に専念したほうが良いケースもあるでしょう。
住宅ローンを借り換えると団信も入り直しになる
住宅ローンの借り換えをすると、団信も入り直しになります。住宅ローンの借り換えをすれば、金利が低くなって返済の総額や月々の返済額も抑えられます。しかし、団信も入り直しになるため、住宅ローンを返済中に病気にかかっていると加入できない可能性もあるでしょう。
肉体的な病気はもちろんのこと、うつ病など精神的な病気にかかっても加入が認められない可能性があります。住宅ローンの借り換えを検討する際は、自分の健康状態も加味したうえで決断してください。
住宅ローン完済後は保険の見直しが必要
住宅ローンを完済したら、団信の保障も終了します。団信の保障内容に合わせて保険を見直している場合は、再度保険の見直しが必要です。そのままにしておくと、いざというときに必要な保障が受けられない可能性があります。
特に、がん特約など特定の病気を発症した際は保険料で住宅ローンを相殺するオプションをつけていた場合は、改めてがん保険等病気に備えた保険に入りなおす必要もあるでしょう。
保険の見直しにはある程度時間が必要のため、完済が迫ってきたら早めに見直しを始めるのがおすすめです。
【まとめ】団信と生命保険はバランスよく考えよう!困ったらFP相談がおすすめ

団信と生命保険は、一概に「どちらが得か」を決めることはできません。
団信は保険料が安く、年齢や性別による値上がりがない反面、保障範囲が限定されています。一方で、生命保険は自由度が高く、保障内容が充実しているため、自分に合った保険を選ぶことが重要です。
団信に加入した場合、生命保険を見直して保障内容をうまく分散させることが大切です。これにより、保険料を抑えつつ必要な保障を受けることができます。
保険選びには専門的な知識が必要です。マネーキャリアの無料相談窓口を利用すれば、何度でも無料で実績豊富なFPに相談でき、専門的なアドバイスが得られます。ぜひ、活用してみてください。
