

この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!」
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この記事の目次
逓減定期保険と収入保障保険の違いは?3つのポイントを比較
2つの保険はどちらも被保険者の死亡時に備える保険です。一般的な生命保険と違うところは、保険期間の経過とともに保障が少しずつ減っていくことです。
どちらもかけすての生命保険で、基本的に満期返戻金、解約返戻金はありません。解約返戻金はあってもごくわずかです。
どちらの保険も保障期間が決められており、終身保障ではありません。2つの保険の共通点や相違点を確認し、自分にはどちらが合うか考えてみましょう。
逓減定期保険と収入保障保険の違い
保険の種類 | 逓減定期保険 | 収入保障保険 |
---|---|---|
保険金額の減り方 | 毎年減る | 毎月減る |
保険金の受け取り方 | 一括で受け取る | 毎月受け取る
一括も可能だが総受取額が低くなる |
保険金にかかる税金 | 一括で受け取るので相続税 | 一括で受け取る場合:相続税
分割の場合初年度:相続税 2年目以降:所得税・雑所得扱い |
向いている人 | 一括で受け取りたい人 | 毎月受け取りたい人 |
保険金額の減り方の違い
収入保障保険は保険期間の経過とともに保障額が段階的に減っていく保険です。例えば、加入直後に死亡や高度障害状態に該当した場合と、一定期間がたってから該当した場合を比べると、加入直後よりも一定期間経過後の方が保険金の受取額は少なくなります。
逓減定期保険も、保険期間が終わりに近くなるほど保障額が減っていきます。保険を受け取る事が起こった時、保障が足りなくなるケースもあるので注意が必要です。どの割合で減っていくのかは商品によります。
どちらの保険も契約直後がいちばん保障額が多く、契約から年月がたち契約終了近くになるほど保障額が減っていきます。
保険金の受け取り方の違い
一般的な生命保険は、保険金は一括で受け取ることが普通でしょう。しかし、収入保障保険は保険金を分割で受け取ることを前提としています。そのため、収入保障保険を一括で受け取ると、毎月受け取りの場合と比較すると総額が少ない場合があります。
収入保障保険は被保険者が亡くなるか高度障害状態になった時、毎月の収入の減少を補填するための保険です。遺族年金などの不足分を補えばよいでしょう。
契約時点で一括か分割を選択できない場合は、収入保障保険を選択する方法もあります。受け取り額が減ってもよければ、一括で受け取ることも可能だからです。
逓減定期保険は分割で受け取ることはできません。被保険者が死亡したときや高度障害状態になった時、その時点での保障額を一括で受け取ることになるでしょう。
保険金にかかる税金の違い
被保険者 | 保険料負担者 | 保険金受取人 | 税金 |
---|---|---|---|
A | B | B | 所得税 |
A | A | B | 相続税 |
A | B | C | 贈与税 |
- 逓減定期保険は一括で受け取るので相続税がかかります。
- 収入保障保険は一括で受け取る場合は相続税がかかります。
- 収入保障保険を分割で受け取る場合は、初年度は相続税、2年目以降は所得税(雑所得)がかかります。
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保険を選ぶうえで最も大切なのは、「何のために保険に入るのか?」を明確にすることです。保険は、他の人が加入しているからといって、無理に加入すべきではありません。まずは自分自身のライフスタイルや将来の目標に基づいて、必要性を検討しましょう。
たとえば、すでに十分な貯金があり、自分が亡くなった後も家族が困ることなく生活できるだけの資産がある場合、無理に保険に加入する必要はありません。しかし、多くの人はそこまでの貯蓄がなく、もし働き手がいなくなれば生活費に困るリスクが高くなります。このような場合、保険は家計を支える重要な手段となります。
保険を選ぶ際には、自分の現在の貯金額、今後10年で増えると予測される貯金、そして遺族年金の額など、具体的な数字を把握しておくことが重要です。これらの情報を元に、どの保険が自分に必要かを慎重に検討することが求められます。

収入保障保険と逓減定期保険はどっちがいい?
収入保障保険が向いている人
保険金を分割で受け取る方かいい!と思う人は収入保障保険が向いています。
分割受け取りか一括受け取りにするかどちらがいいかわからない、契約時点で決められない方には、収入保障保険が適しているかもしれません。分割受け取りが前提ですが、受取額が多少減ってもよければ一括受け取りも可能だからです。
収入保障保険は一括で受け取ることも可能なので、受け取る時点でやっぱり一括がいいと思った時に選択できるメリットがあります。
逓減定期保険が向いている人
住宅ローンの残債に備えたい方にとって、逓減定期保険は有効な選択肢となります。住宅ローンを組む場合、多くの金融機関では団体信用生命保険(団信)への加入が義務付けられていますが、団信が強制加入でない場合には、代わりに逓減定期保険を選択することもできます。
逓減定期保険は、ローン残高に合わせて保障額が減少するため、住宅ローンの残金を保険で補填でき、万が一、ローンの支払いが困難になった場合に対応できます。
死亡保障の必要額は、子どもが生まれたときに最大となり、その後、子どもの年齢が上がるにつれて保障額が減少するのが一般的です。
子どもが成長するにつれて必要な保障額が減少するため、定期保険を見直す手間が省ける点も、逓減定期保険の大きなメリットです。また、全期間同じ保障額の定期保険と比べて、保険料を抑えられるという利点もあります。
無料FP相談を賢く活用して、後悔のない保険選びをしよう!

生命保険は長期にわたって契約するものです。内容や金額により保険料はかなりの差が出てくるでしょう。保険は年齢や健康状態で保険料に差が出てきますので、途中で何度も変更するのはあまり好ましくないです。
契約時はよい保険でも時間がたつにつれ、時代やご自身の状況に合わなくなってくれば、見直すことも必要です。保険はライフステージの変化するタイミングで一度見直すことも考えましょう。
無料のFP相談を利用して後悔のない保険を選びましょう。

逓減定期保険と収入保障保険の選び方のポイント

保険選びのポイントを押さえ、後悔しない保険を選択しましょう。
- 保障の目的は何かを明確にする
- 家計とのバランスを考える
- 迷ったら無料FP相談を活用する
保障の目的は何かを明確にする
保険を選ぶ際に保障の目的をはっきりさせましょう。
- 遺族の生活費を確保する事か?
- 子供の教育費の確保か?
ライフプランに沿って考えましょう。いつどのくらいの金額が必要かをライフプラン表を作成しながら考えるとわかりやすいかもしれません。
生命保険は死亡のリスクに備えるものですが、具体的にどんなことが困りますか?生活費全般なのか、住宅ローン等の借り入れの対策が必要なのか、子供の教育費の不足が心配なのかを考えてみましょう。
不安な点をはっきりさせれば、対策も立てやすいです。保険以外の方法で解決できる場合もあるかもしれません。
家計とのバランスを考える
終身保険より定期保険の方が保険料は安いです。掛け捨ての保険は、満期金や解約返戻金がある保険より料金が安いメリットがあります。
生命保険は一家の生活を支える働き手の死亡リスクに必要な商品です。長期にわたり保険料が発生するので、金額が大きくなると家計の負担が大きくなります。
お金に余裕がある人でもムダな保険はかける必要はありません。どの保障がどのくらい必要かをしっかり見極めたうえで、保険は考えましょう。
迷ったら無料FP相談を活用する
収入保障保険と逓減定期保険の共通点
- 掛け捨ての死亡保険
- 保険期間が決められている
- 解約返戻金がない、あってもごくわずか
- 保障額が徐々に減少していく保険
- 保険料が抑えられる点がメリット
いちばん考えてほしいのは、保険を受け取る場合一括受け取りか、分割受け取りがよいかです。
【まとめ】収入保障保険と逓減定期保険の違いを理解して最適な保険を選ぼう

生命保険にはさまざまな商品があり、収入保障保険と逓減定期保険にはそれぞれ異なる特徴があります。特に、保障内容が満期まで変わらない保険と比べて、これらの保険は保険料が安く、家計に優しい選択肢となります。
保険料は毎月かかるため、家計が厳しい場合には大きなメリットがあります。保険会社によって内容が異なるため、複数の商品を比較して自分に合った保険を選ぶことが大切です。
保険選びに迷ったら、マネーキャリアの専門家に相談して最適な保険を見つけましょう。マネーキャリアなら、個別のプランニングから最適な保険選びをお手伝いしてくれます。
