介護士の給料では生活できない？理由や給料アップの方法を解説

介護士は人手不足が深刻な中で社会に欠かせない存在でありながら、「給料が低く生活できない」と悩む方も少なくありません。 

特に、仕事内容に対して給料が見合わず、将来に不安を感じる介護士の方は多いのではないでしょうか？ 

そこで本記事では、介護士が生活できないと言われる理由・給料アップや家計改善の方法・対処法として検討できる選択肢などをわかりやすく解説します。

・今の収入で将来が不安だけど、何から手をつければいいかわからない 

・転職や制度活用も考えているが、自分に合う方法がわからない 

上記のお悩みを持つ方は、この記事を参考にすることで、収入の増やし方や家計の整え方が整理でき、将来に向けて前向きな一歩が踏み出せるはずです。 

介護士が生活できないと言われる理由を2つ解説します。

紹介する理由は以下のとおりです。 

• 仕事内容に対して給料が低く貯金できない 
• 給料が上がりにくい 

これらを理解することで、介護士の経済的な悩みの背景がわかりやすくなるので、ぜひ参考にしてください。

仕事内容に対して給料が低く貯金できないため、介護士は生活できないと言われます。 

厚生労働省の調査によると、介護職員の平均月収は常勤で31万9,470円、非常勤で21万400円です（※1）。 

この金額には、基本給に加えて手当と一時金（賞与の12分割）が含まれます。 

手当の内訳は資料上で明記されていませんが、介護業界の給与体系から考えると、夜勤手当・時間外手当・処遇改善加算などが含まれていると考えられます。

一見すると月収は高く見えますが、実態としては基本給が低く、夜勤や処遇改善手当、一時金などに大きく依存して成り立っています。

常勤でも基本給は18万6,190円、非常勤は13万7,790円にとどまり（※2）、すべての介護士が月収32万円を安定的に受け取っているとは考えにくいのが現実です。 

※1参照：令和4年度介護従事者処遇状況等調査（P122）｜厚生労働省

※2参照：令和4年度介護従事者処遇状況等調査（P172）｜厚生労働省

介護士が給料をアップさせる方法を2つ解説します。

紹介する方法は以下のとおりです。 

• 資格を獲得する 
• 管理職に就く 

これらの方法を知ることで、収入を増やすための具体的な行動が見えてくるので、ぜひ参考にしてください。

資格を獲得することで、給料を増やすことができます。

"介護福祉士"や"介護支援専門員（ケアマネジャー）"は、給与アップが期待できる代表的な資格だからです。

いずれも実務経験や試験のハードルがありますが、取得すれば安定した収入につながる可能性があります。

例えば、2023年度の介護労働実態調査では、介護支援専門員の平均月収は25万7,414円（※）で、無資格の介護職員（21万7,852円）（※）よりも約4万円高いという結果が出ています。

このように、資格の有無によって給与に明確な差が生まれることがわかります。  

※参照：令和5年度介護労働実態調査　介護労働者の就業実態と就業意識調査｜公益財団法人介護労働安定センター

管理職に就くことで、給料を増やすことができます。

役職が上がると、平均月収に明確な差が生まれるからです。 

以下は、厚生労働省の調査をもとにした、管理職の介護職員と管理職でない介護職員の平均月収の比較表です。  

※参参考：令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果｜厚生労働省

このように、月収に約5万円の差があることがわかります。

役職に応じて収入が着実に増える仕組みがあるため、主任やリーダー職などを目指すことは、収入を安定させるうえで有効な手段といえるでしょう。  

介護士で生活できない場合の対処法を4つ解説します。

紹介する方法は以下のとおりです。

• 転職する
• 支援制度を活用する 
• 家計の見直しをおこなう 
• 資産運用をする 

これらを実践することで、今の状況を少しずつ改善するきっかけになるので、ぜひ参考にしてください。       

転職することで、給料や待遇が改善する可能性があります。

基本給や資格手当、夜勤手当が高い施設に変えることで、手取りが増えるからです。 

実際に、転職によって数万円単位で収入が増えたケースも見られます。

また、福利厚生や残業代の支給などは、職場ごとに条件が大きく異なります。 

そのため、転職先の条件をしっかり見極めれば、今よりも高い収入と働きやすい環境を手に入れられるでしょう。

支援制度を活用することで、生活の不安を軽減できます。 

なかでも、全国社会福祉協議会が実施する生活福祉資金貸付制度は、生活に困っている世帯を対象とした公的な貸付制度です。

この制度のなかでも代表的な"総合支援資金"では、月最大20万円まで借りられる仕組みがあり、住居費や就職活動など一時的な出費にも対応しています。

状況に応じた支援が受けられるため、急な生活費の不足にも心強い制度といえるでしょう。 

また、市町村民税が非課税の世帯も対象になるため、介護職でフルタイム勤務していても利用できる場合があります。

まずは、お住まいの社会福祉協議会に相談してみてください。

家計の見直しをおこなうことで、生活にゆとりを持たせられます。 

固定費や無駄な出費を整理するだけで、月数千円単位の節約が見込めるからです。 

例えばスマホ代やサブスクリプション、保険料などは見直しやすい項目です。

また、まとめ買いやクーポン活用なども支出を抑える工夫として有効でしょう。 

一つひとつは小さな見直しでも、積み重ねることで大きな節約につながります。

資産運用をすることで、介護士の生活できない心配を改善できます。 

将来に向けてお金を育てるしくみを持てば、収入が限られていても備えができるからです。 

NISAのつみたて投資枠は100円から、iDeCoは月5,000円から始められるため、どちらも初心者に取り組みやすい制度です。

また、投資信託を活用すれば、リスクを分散しながら運用できるでしょう。 

このように、安定した副収入の手段を確保することで、毎月の家計にゆとりを生み出せます。

介護士の生活に関する悩みは、お金のプロ（FP）に無料相談がおすすめです。 

収入を増やすだけでなく、支出を見直すことでも、生活の質は大きく変わるからです。

特に、家計のムダを見つけて改善するには、専門家の的確なアドバイスが効果的です。 

一人で家計を見直し、節約を実行するのは簡単ではありません。 

支出管理に不安を感じる方や、どの節約法が自分に合っているか迷っている方は、専門家（FP）への相談をおすすめします。