「年収500万の家庭に保育料はいくらかかるの?」「保育料が安い地域は?」このような疑問を持っている方は多いでしょう。そこで本記事では、世帯年収500万の家庭にかかる地域別の保育料、保育料の無償化についての情報、認可保育園・認可外保育園などをまとめました。

記事監修者「谷川 昌平」

この記事の監修者谷川 昌平
フィナンシャルプランナー

東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

この記事の目次

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世帯年収500万の家庭に保育料はいくらかかる?

内容をまとめると

・世帯年収500万の家庭の保育料は地域にもよるが月額10000~25000円程度

・6歳以下の子供にかかる費用は1年間で大体50万円前後(一般的な場合) 

・お子さんをお持ちの方は節税をしつつ貯蓄もできる積立投資をするのがおすすめ

こんにちは、マネーキャリア編集部です。


先日、30代男性からこんな相談をいただきました。

もうすぐ子どもが産まれるのですが、保育料がどれくらいかかるのかが気になります。

家庭の出費のなかで、保育料は意外とないがしろにできない出費となります。 


なるべく安く抑えたいですよね。 


そこで今回は年収500万円の家庭における保育料の目安について、

  • 保育料は地域で異なるのは本当?
  • シミュレーションによって検証! 
  • 認可保育園・認可外保育園の違いとは
  • 2019年から一部対象者の保育料が無償化に!
  • 保育園の入園準備費用はどれくらいかかる? 
  • その他保育料の減免制度にはどんなものある?
  • FPへの相談事例 

に触れながら紹介したいと思います。

保育料は地域で異なる【年収500万・世田谷住み・子供が3歳の場合は1.5万程度】


初めてのお子さんを持つ家庭では、保育料がどれくらいかかるのかをご存じない家庭が大半でしょう。


そこでまずは具体的に保育料がどれくらいかかるのか、

  • 世帯年収500万の場合の保育料をシミュレーション
  • 世帯年収1,000万の場合の保育料をシミュレーション
  • 0歳から子供を保育標準時間認定で保育園に預けた場合の保育料

以上3つのシミュレーションをもとに解説していきたいと思います。

世帯年収500万の場合の保育料をシミュレーション

まず一つ目が、世帯年収500万円の場合をシミュレーションします。


なお保育料は預ける時間帯による影響が大きいので、ここでは、
  • 保育標準時間認定
  • 保育短時間認定
の2つの認定を相互に比較できるようにします。

ここで二つの認定について説明します。

保育標準時間認定

保育標準時間認定とは、一日最長11時間まで預けられる制度のことです。

制度を利用できる条件は各自治体によって定められています。

ここでは栗東市を一例に挙げると、以下の通りとなります。

理由条件
就労月120時間以上の就労
妊娠・出産
疾病、障がい等概ね1か月以上の入院、居宅内療養(常時病臥)
同居親族の介護・看護月120時間以上の介護・看護

保育短時間認定の場合

保育短時間認定とは、一日最長8時間まで預けられる制度のことです。

ここでも栗東市を一例に挙げると、以下の通りとなります。

理由条件
就労月64時間以上120時間未満の就労
妊娠・出産
疾病、障がい等居宅療養(保育標準時間認定以外で安静を要する場合)
同居親族の介護・看護月64時間以上120時間未満の介護・看護

このように、保育標準時間設定の方が、より長く預けられる分条件が厳しくなっています。

では、先ほどのシミュレーションに移ります。

前提条件として、 
  • 東京都世田谷区在住
  • 年収:父親300万
  • 母親200万 控除対象:社会保険
  • 子供:第一子
を想定します。

保育標準時間認定の場合


年齢費用(円)
0~2歳
23,000
3歳15,500
4歳~15,400

保育短時間認定の場合


年齢費用(円)
0~2歳22,700
3歳15,300
4歳~15,200

保育標準時間認定と保育短時間認定では、あまり差が見られませんでした。

あえて言うとすれば、手厚い保育が必要な0~2歳において、保育標準時間認定が若干高くなることくらいです。

世帯年収1,000万の場合の保育料をシミュレーション


二つ目が、世帯年収1000万円の場合をシミュレーションします。


前提条件として、

  • 東京都世田谷区在住
  • 年収:父親700万 母親300万
  • 控除対象:社会保険
  • 子供:第一子
を想定します。

なおここでも2つの認定を相互に比較できるようにします。

その結果は以下の通りとなります。

保育標準時間認定


年齢費用(円)
0~2歳45,500
3歳29,800
4歳~24,700

保育短時間認定


年齢費用(円)
0~2歳44,800
3歳29,300
4歳~24,300

これも年収500万の時と同じく、両者にあまり差はみられませんでした。

ただ、全体的に保育標準時間認定が若干ですが高めに設定されています

0歳から子供を保育標準時間認定で保育園に預けた場合の保育料


三つ目が、0歳から子供を保育標準時間認定で保育園に預けた場合をシミュレーションします。


今回は、年収500万円と年収1000万円を比較したいと思います。


なお前提条件としては先ほどと同じです。


年収500万の場合は以下の通りとなります。


年齢費用(円)
0~2歳23,000
3歳15,500
4~6歳15,500


年収500万では、香川県高松市が、0~2歳(38,000円)、3歳(31,000円)、4~6歳(26,000円)で最も高いことを踏まえると、東京都世田谷区は比較的安いと言えるでしょう。


そして、年収1000万の場合は以下の通りとなります。

年齢費用(円)
0~2歳45,500
3歳29,800
4~6歳24,700


年収1000万では、北海道札幌市が、0~2歳(65,450円)、3歳(47,000円)、4~6歳(35,200円)で最も高いことを踏まえると、これも比較的安いと言えるでしょう。


また、年収500万と年収1000万を比べると、やはり年収1000万の方が若干高くなっています。


特に0~2歳では、月額2万円、年額にすると24万円も差があることから、年収による保育料に違いがみられました。

地域で保育料に差がある理由

以上のように、保育料には地域差があります。


なぜ違うのかというと、保育料は、

  1. 市区町村住民税の所得割額
  2. 市区町村で定めた階層区分ごとの金額
  3. 市町村ごとの保育支援制度
が影響するためです。

ここからはそれぞれを解説します。

所得割額

所得割額とは、所得額に応じて課税される税額です。

前年の所得が大きく関わっていきます。

計算手順としては、

課税所得金額(所得金額-所得控除額)×税率-税額控除

によって算出されます。

この時にかける税率は、市町村民税や道府県民税などで、一律10%をかけます。

そして税額控除ですが、これは市町村の調整控除でもあり、市町村の影響を大きく受けます

これによって、市町村ごとで保育料に違いが出るのです。

階層区分ごとの金額

同じ年収でも、市町村によって階層区分が変わります。

例えば、年収500万の人が東京都世田谷区に住んでいて3歳の子どもを保育標準時間認定を利用して預ける場合、D5(82,000~122,000円未満)となり、15,500円です。

ところが、同じ条件でも北海道に住んでいる場合は、D3(97,000~140,000円未満)となり、25,300円になります。

このように、D5やD3のような階層区分によっても、保育料に違いが出るのです。

市町村ごとの保育支援制度

そして最後は、市町村ごとの保育支援制度が挙げられます。

一例をあげると、東京23区において、20,000~80,000円まで補助金が出ています。

また、子育て支援に力を入れている町であれば、より高い補助金をもらうことができます。

これは市町村ごとに違いあり、市町村ごとに特色があるものなので、保育料に違いが出るのです。

こうした違いが影響して、保育料には地域差が生じています。

認可保育園・認可外保育園の違いを解説【保育園自体の質とは関係なし】


ここまでは状況別に分けて保育料がいくらかかるのかを紹介しました。


ここからはサービス別に分けて保育料がいくらかかるのかを紹介したいと思います。


具体的に、

  • 認可保育園の平均費用
  • 認可外保育園の平均費用
の2つのサービスを挙げながら保育料を紹介します。

認可保育園の平均費用

認可保育園とは、一般的によく見る保育園のことです。


国から認可されていることが特徴で、その分厳しい条件を満たしています。


平均費用は、政府統計の統計窓口s-Statによると、2歳児で以下の通りとなります。(2021年時点)


エリア月額(円)
札幌市34,815
仙台市33,768
特別区都 25,479
名古屋市33,660
大阪市33,870
福岡市36,090
那覇市28,380


地域によって幅はありますが、概ね33,000円前後と言えるでしょう。

認可外保育園の平均費用

認可外保育園とは、認可保育園以外の保育園のことです。


認可外とはいえ、各都道府県の認可を受けているので、完全に認可されていないわけではありません


そのため、認可されているかを問わず保育の質に差があるわけではありません


メリットとしては、認可保育園のように厳しい条件を満たす必要がないため、各保育園ごとに特色を前面に押し出したサービスが期待できます。


その分、料金にも幅があり、中には月額10~20万円もするものもあります。


あくまで参考程度ですが平均費用は、月額50,000~70,000円となっています。

2019年から一部対象者の保育料が無償化に!


こうした認可・認可外含む保育料の負担を勘案して、政府は2019年から一部対象者の保育料を無償界にする決断をしました。


具体的な内容を表にまとめましたので、ご覧ください。


施設・サービス対象何が無償化になるか
認可保育園
0~2歳の住民税非課税世帯の子ども
3~5歳の子ども
保育に関わるすべての利用料
認可外保育園
0~2歳の住民税非課税世帯の子ども
月額3.7万円までの利用料
3~5歳の子ども
月額4.2万円までの利用料


ここで注意したいのが、すべての利用料が無償化になるわけではないということです。


逆に対象外となるのは、

  1. 通園送迎費
  2. 給食費
  3. 行事費
などで、これらは無償化になりません。

この点に注意して、保育費の見積もりを立てるとよいでしょう。

保育園の入園準備費用を解説!【年間100万円以上必要!】


上で述べたように、無償化になるのは保育費だけで、そのほかの費用は対象外でした。


ではそれらの費用がどれくらいかかるのか気になる方がいるかもしれません。


そこでここからは、

  • 毎月固定でかかる費用(固定費)
  • 一時的に書かる費用(変動費)
の2つの費用を細かく解説していきたいと思います。

毎月固定でかかる費用(固定費)

まず毎月固定でかかる費用(固定費)を見ていきます。


固定費が分かれば、保育費のある程度の見通しが立つことでしょう。


具体的にどれくらいかかるのかは以下の通りとなります。


種類費用(円)
食費222,500
習い事75,000
合計300,000


このように年間300,000円にもなります。


かなり大きな出費となりますので、お金にゆとりのある生活を心がけるべきです。

一時的に書かる費用(変動費)

さらに一時的にかかる費用(変動費)についても紹介します。


変動費は固定費に比べると、突然必要になる分、予想が立てにくいものです。


具体的には以下のものが挙げられます。


種類費用(円)
レジャー費 80,000
生活用品70,000
衣類50,000
医療費17,500
七五三のお祝い8,500
入園式、卒園式6,000
誕生日8,000
毎年のイベント30,000
合計270,000


このように、変動費の目安としては270,000円前後となります。


固定費と変動費を合わせると、570,000円にもなることが分かりました。


繰り返しになりますが、決して安いとは言えない費用なので、お金にゆとりのある生活を心がけるべきです。

その他保育料の減免制度を紹介!


ではお金にゆとりのある生活をするために、(東京都板橋区の場合における)保育料の無料化以外の減免制度を紹介します。


それは、所得割課税額の大小にかかわる減免制度です。


具体的には、所得割課税額77,100円以下(収入360万円未満)なら負担軽減が期待できます。


この条件を満たすなら、第一子・第二子…が同時に保育園に入っていなくても、第二子以降は負担軽減されます。


また、ひとり親世帯や障害児がいる世帯なら、第一子から負担軽減をしてもらえます。


このような保育費の減免だけでなく、給食費も免除されることもあります。


自治体によって制度が異なるため、一度自治体のホームページを参照するとよいでしょう。

子供の教育費の準備に悩んだらお金のプロに相談すべき理由


ここまで、年収500万円の方の保育料について詳細に解説してきました。


とはいえ、

年収500万円あるけど、子供の教育費が心配。。。幼稚園や保育園だけでなく、その先の教育費をちゃんと貯められるのかな?

このような悩みを持っている方は多いでしょう。


結論から言うと、そのような方はお金のプロであるFP(ファイナンシャルプランナー)に相談することをおすすめします。


FPは、多角的な視点から、教育費を準備するアドバイスをすることができます。


例えば、

  • 学費保険や資産運用などの中で、相談者に最適な教育費の準備方法は何か
  • そもそも相談者にとって特別な教育費の準備は必要なのか
  • いつまでにいくらの資金を準備する必要があるのか。また、その準備方法は何がベストか

など、お金のプロであるFPが保険や資産運用など、相談者の資産状況などに合わせて最適な提案をします。


日本には様々な無料FP相談サービスがありますが、特にマネーキャリアの無料FP相談サービスは、3,000人のFPと提携を組んでいる日本最大級のFP相談サービスです。 


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FPへの相談事例:保育料が高くてパート代がすべて消えてしまう!

保育費は家計のなかで意外と大きな負担となるものです。


いくら負担軽減制度があっても、制度自体を利用できなかったり、利用できたとしても生活が苦しい場合には、FPへ相談してみることもおすすめです。


FP相談では、

  • 貯蓄の方法
  • 補助金制度の紹介
などのサービスが期待できます。

例えば、
  • 保育料でパート代が相殺されてしまうという事例
に対しての返答は以下の通りです。

  • 少しずつでも貯蓄をしていれば、必要なお金が少なくなる小学校以降に必ず活きてきます。

このようなアドバイスによって、お金の悩みを解消することができるのでしょう。

FP相談は敷居が高いとお考えの方もいるかもしれませんが、無料のところもあるので、この機会に一度検討してみてはいかがでしょうか。

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保育料に関する体験談や口コミを2つ紹介

30代女性


引っ越しただけで保育料が1万円以上お得に

埼玉県草加市に住む母親です。3歳と1歳の子供がいます。埼玉県草加市の保育料は3歳児クラスで月3万4900円、1歳児クラスは月7万6000円でした。しかし、第2子の保育料が半額になるために合計では月7万2900円です。千葉県流山市に引っ越したところ、保育料は3歳児クラスで月2万6500円、1歳児クラスは月6万5000円、こちらも第2子の保育料が半額となり、合計で月5万9000円になりました。近隣に引っ越すだけ月約1万円も得することができました。

30代女性


待機児童と兄弟姉妹追加点アップを工夫しました

子供二人を育てる主婦です。子供2人を認可保育園に入るための点数アップに工夫をしました。多くの市区町村で、保育園の入園審査の優劣は点数がベースになっています。 とはいえ、入園希望者の多くが「フルタイム通勤、共働き、核家族、産前産後」などの基本的事項を満たしており、点数が横一列に並びやすいのです。 そこで私の家庭では他の家庭との点数で差を付ける方法を考えました。待機児童と兄弟姉妹の加点です。例えば、3歳の息子を3歳児クラス、1歳の娘を1歳児クラスに入れたい場合、まずは娘が0歳の時点で人気のある保育園の0歳児クラスに申し込んで、狙って落ちることで待機児童の加点を貰います。 3歳児クラスは1~2歳児クラスと比べると比較的入りやすいため、希望する複数の保育園に申し込み、3歳の息子を入園させます。 そうすることで、1歳の娘は待機児童加点と兄弟姉妹加点の両方が付くため、息子が通う保育園に入りやすくなるのです。1、2点のわずかな差ではあるのですが、確実に点数アップできます。

まとめ:世帯年収500万円の家庭にかかる保育料は地域によって異なる

ここまでは、年収500万円の家庭における保育料について見てきました。


この記事のポイントは、

  • 保育料は地域で異なる
  • 認可保育園・認可外保育園は保育園自体の質とは関係なく、さらにそれぞれにメリットがある
  • 2019年から所得が影響するものの保育料が無償化になった
  • すべてが無償化になるのでなく、給食費や送迎費は対象外
  • 保育園の入園準備費用はかなりかかる
  • 下の子どもがいれば、安くなることもある
  • FPへの相談によって、家計の悩みを解決しよう
でした。

保育料は家計のなかで大きく占める費用です。

なるべく負担にならないよう、そもそもの必要経費を調べたり、支援制度を調べたりする必要があります。

しかしながらこうした作業を一人でするのは大変だと思います。

マネーキャリアでは、豊富な実績・知識を持った専門家が相談に応じているので、一度検討してみてはいかがでしょうか。

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