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「利率の高い個人年金保険は?」「返戻率の高い個人年金保険は?」「個人年金保険の利率と返戻率の違いって何?」このような疑問を持つ方は多いでしょう。そこで本記事では、個人年金保険の利率と返戻率の違い、返戻率の高い個人年金保険一覧などをまとめました。

記事監修者「谷川 昌平」

この記事の監修者谷川 昌平
フィナンシャルプランナー

東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

この記事の目次

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個人年金保険の利率

こんにちは、マネーキャリア編集部です。 


先日、個人年金についてこんな声を聞きました。  

公的年金だけでは老後が不安。個人年金も検討したいけど、利率とか返戻率の違いがよくわからない

個人年金の利率は銀行の定期預金などに比べると一般には高くなっています。自分で銀行に預けるよりも、貯蓄型の個人年金保険で積み立てた方が、将来受け取れる金額は高くなる可能性があります。


利率も返戻率も高いものを選びたいものですが、言葉の意味をきちんと理解した上で選べると安心です。


個人年金保険にはどのようなタイプがあるのか、自分に合ったものを選ぶために、よく条件を確認しておきましょう。


今回は、個人年金保険の利率と返戻率の違いについて解説していきます。

個人年金保険の利率と返戻率の違い


個人年金保険を検討するとき、利率返戻率は間違いやすいので、混同しないように注意しましょう。


利率とは、保険会社が保険料を運用するときの利回りのこと。

例えば100万円を利率3%で1年間預けた場合、1年後に103万円になります。逆に言うと利率3%で1年後に103万円受け取るためには、100万円を1年間預ければ良いのです。


利率が高いほど支払う保険料は安く済みます。


返戻率は、支払った保険料に対して受け取れる金額の割合のことです。

返戻率が100%以上であれば、支払った金額よりも受け取れる金額は高くなります。


「予定利率」は保険会社が契約者に約束する運用利回り

保険会社が契約者に約束する利回りのことを、「予定利率」と言います。


保険料での運用の利益を保険会社はあらかじめ見込んでいます。その見込計算で予定利率を決め、契約者が支払う保険料を割り引いてくれるのです。


保険会社は契約者の支払う保険料を積立運用します。

ただし運用される保険料は全額ではなく、人件費などの経費を引いた純保険料となります。


予定利率は金融情勢に左右されず、安定した運用を約束されています。将来確実にお金を受け取れるため、安心です。


利率は平成初期以降、下降の一途をたどっており、平成13年(2001年)以降1~1.5%で推移しています。


また、銀行の金利なら景気に伴い自動的に上がりますが、個人年金の予定利率は固定のままですので、損をしたと感じることもあります。

「返戻率」は振り込み保険料に対して受け取れる年間総額

支払った保険料に対して、受け取れる金額の割合を示したものが「返戻率」です。


利率は年単位の計算となりますが、返戻率は満期で受け取る金額の結果で計算されるものですので、利率との比較は単純ではありません。


最終的に受け取る金額ですので、返戻率は保険を選ぶ際に最も重要なポイントと言えます。


老後に安定した収入を得るために加入するのが個人年金ですから、10年、20年積み立てた分、支払った金額よりも多く受け取りたいものです。


個人年金の受け取り方法は、確定型終身型があります。


確定型は5年、10年など定まった期間で受け取る方法です。

終身型は、一生涯受け取れる方法です。


終身型は亡くなるまで受け取り続けるため安心ですが、年間で受け取れる金額は少なくなります。また早く亡くなった場合、損をする可能性もあります。

個人年金保険の利率と預貯金金利・予定利回りとの違い


個人年金保険を検討するとき、利率や利回りなど似たような言葉がたくさん出てきて、混乱してしまいます。


それぞれの違いをしっかり認識しておきましょう。


個人年金の利率は保険会社が運用するものです。

預貯金金利とは、銀行に普通預金や定期預金で預けたお金につく金利のことです。


どちらも預けた金額につく利子の割合を示すものですが、厳密に見ると違います。

違いを解説していきますので、よく確認してください。

個人年金保険の利率と預貯金金利の違い

個人年金保険の利率と、預貯金金利とでは、運用される金額の部分で違いがあります。


預貯金は預け入れした金額全てを元本として運用されるのに対し、個人年金は、支払った保険料から経費を引いた金額を運用にあてられます。


現在の預貯金金利は、ネットバンクや定期預金など条件はありますが、0.5%で運用できたとします。


個人年金の利率が1%程度とすると、かなり差があるように思えます。

しかし、個人年金利率は預貯金のように全額運用できるわけではありませんので、単純な比較には注意が必要です。


支払い期間など契約プランによっては、預貯金金利の方が上回る可能性もあるのです。

きちんとシミュレーションしてみましょう。


返戻率もしっかり確認の上、選択することが大切になります。

個人年金保険の利率と予定利回りの違い

予定利率と予定利回りは、何%で運用する約束という意味では同じです。


利率とは、毎年受け取る利子の割合のことです。 

利回りとは、利子も含めた一定期間の収益を1年単位に換算した割合を言います。 


利回りは保険会社の運用コストを計算に入れるため、短期間で考えると利率よりも数字が小さくなります。


長期運用をすれば、その分コストは下げられますので、利回りが高くなります。


円建ての個人年金を検討するときには、利率と利回りはほとんど同じと考えて良いでしょう。

外貨建ての個人年金を検討するときには、例えばドルであれば日本円よりも金利が高いため、円建てよりも高い利回りが期待できます。


利率と利回りの違いは、毎年の利子か、全体の収益の割合かの違いです。

個人年金保険、高い予定利率には注意


個人年金保険は高い利率ほど契約者に有利で、ありがたいものです。


高ければ高いほどいいとは思いますが、「契約者貸付」を利用する可能性がある場合、注意が必要です。


契約者貸付とは、解約返戻金の一部を保険会社から貸付を受けられる制度のことです。


保険料の支払いが苦しくなったとき、保険契約を継続したまま借り入れができる制度ですので、大きなメリットがあります。


ただし、返済時には予定利率を基準に利子が上乗せされます。予定利率が高いものを選んだ場合、借り入れの返済時にも利率が高くなることを頭に入れておきましょう。


また、返済ができなければ保険契約そのものが解約されてしまう可能性もあります。


もし契約者貸付を利用するときには、しっかりと条件を確認してください。

個人年金保険の選び方!返戻率の計算方法は?


個人年金保険を選ぶときには、返戻率や予定利率、安定運用できるかなどの総合的な判断が必要です。


中でもまずは返戻率に注目しましょう。


返戻率が高いということは、支払った保険料よりも、受け取れる金額が高くなるということです。


返戻率が100%以上であれば、支払い金額よりも大きい金額を受け取れます。

100%を切ると元本割れですので、貯蓄目的の保険としては損をしてしまいます。


返戻率は保険商品の資料に記載されていますが、計算方法を知っておくとより安心です。

①返戻率を確認

個人年金保険の資料に記載されている返戻率を最初に確認しましょう。


単純に数値を見るだけで判断でき、将来受け取れる年金額に直結する部分のため、契約するときに最も重要視する点です。


返戻率は、以下の計算式で算出できます。

返戻率=(受取金額の総額÷支払保険料の総額)×100

返戻率を上げるために、保険料を一括で払う方法があります。


一度に大きい金額を支払うことで、保険会社は最初からその大きい金額で運用が可能です。

そのため、返戻率も上げることができます。


また、保険料の支払いが終わってから、年金を受け取るまでに据置期間を設ける方法もあります。

据置期間中も運用されるため、返戻率upにつながります。

②予定利率は何%か確認

予定利率の割合を確認しましょう。

予定利率は、保険会社が年○%で運用するという約束の利率のことです。


予定利率は契約時に定められ、途中で変更はされません。

保険会社は約束した利率で運用することを予定して、契約者が支払う保険料から割り引いてくれます。


もし配当金のある保険であれば、収益が上回ったとき、配当金として分配されることがあります。


変額の個人年金であれば、利率は数年ごとに見直され、変更になります。そのため将来受け取る年金額も変更になり、自分がどれだけ受け取れるか不確定です。


変額個人年金を選ぶ場合には、金利が上がったときは受取額が増えてありがたいですが、その反対に減額することもあります。


安定運用で確実に受け取りたいなら、固定金利がおすすめです。

③個人年金保険控除の条件を確認

個人年金保険の加入者は、節税できる制度があります。控除を受けられるかどうかの条件を、確認しておきましょう。


年末調整や確定申告のとき、支払った保険料を所得から差し引くことができ、税金を減額することができます。


控除を受けられるのは、個人年金保険料税制適格特約をつけていて、かつ下記要件を満たす場合となっています。


  • 年金受取人が契約者またはその配偶者のいずれかであること
  • 年金受取人は被保険者と同一人であること
  • 保険料払込期間が10年以上であること
  • 年金の種類が確定年金や有期年金であるときは、年金受け取り開始が60歳以降で、かつ年金受取期間が10年以上であること


保険料を一括で支払った場合には控除の対象にはなりませんので注意が必要です。


個人年金保険料控除に必要な書類は保険会社から送付されてきますので、失くさないように保管しておきましょう。

④目的に合わせて金利タイプを選択

個人年金保険には、円建て、ドル建て、変額の金利タイプがあります。


  • 円建て  …固定金利でインフレに弱いが、安定している
  • ドル建て …ハイリスクハイリターン、為替手数料に注意
  • 変額   …元本割れのリスク有り、保険会社の運用次第



円建ては固定金利で、将来受け取る金額が確定しているものです。最も確実にお金が受け取れて、安心なタイプです。


ただ、受け取る頃の金利の状況によっては、預貯金の金利の方が高くなっている可能性もあります。インフレに弱いところが固定金利のデメリットです。


ドル建てや、他の外貨で個人年金を積み立てる方法もあります。ドルは円よりも金利は高く、大きく増やせる可能性もありますが、その分大きく減るリスクも伴います。


変額の個人年金は、保険会社の運用次第で金利が変動します。ドル建て同様に得をする可能性もありますが、元本割れのリスクがあることも認識しておきましょう。

個人年金保険の返戻率ランキング!


ここでは、個人年金保険の返戻率をランキング形式でご紹介します。


保険は早いうちから備えた方が月々の負担も軽く、返戻率も高くなるのが一般的な傾向です。


ですが、超高齢化社会を迎え、一生涯の保障が得られるか不安になる人も多いでしょう。年齢が高くなり、今から入れる保険はないかもしれない、と諦めている人もいると思います。


年齢が高くても大丈夫です。80歳まで加入できる個人年金もありますので、ぜひ検討してみてください。

1位:住友生命「たのしみワンダフル」

住友生命の「たのしみワンダフル」は、0~75歳まで加入できる個人年金保険です。


5~50年の支払い期間が選べて、確定年金を5年、10年、15年のうちの選んだ期間で受け取ることができます。


保険料の支払い完了後、受け取りまでの間に据置期間を設ければ、受け取る保険料を増やすことができます。


下記条件で加入した場合のシミュレーションはこのようになります。


  • 男性
  • 月額保険料:15,000円
  • 60歳で払込完了
  • 65歳で受取開始
  • 10年間受給

契約年齢払込保険料総額返戻率
(受取総額)
20歳720万円約108.1%
778.8万円
30歳540万円約106.3%
574.1万円
40歳360万円約104.9%
377.9万円


契約年齢が若いほど、返戻率も高くなっています。


「個人年金保険料税制適格特約('90)」の特約をつけることで、個人年金保険料控除を受けることができます。

2位:日本生命「ニッセイ みらいのカタチ年金保険」

日本生命の「ニッセイ みらいのカタチ年金保険」は、7歳~65歳まで加入できる個人年金です。


契約時には5年、10年、15年の期間が選択できます。


また、年金受け取りの開始時には、上記の期間に加えて、10年保証期間付終身年金に変更することもできます。


受け取る年齢になってから選ぶことができるところが嬉しいメリットです。


下記条件で加入した場合のシミュレーションはこのようになります。


パターン①

  • 10年確定年金:年金額100万円
  • 契約年齢:30歳
  • 払込満了、年金開始:65歳


保険料返戻率
男性22,400円約106.3%
女性22,370円約106.4%


パターン②
  • 5年確定年金:年金額100万円
  • 契約年齢:7歳
  • 払込満了、年金開始:52歳

保険料返戻率
男性8,670円約106.8%
女性8,660円約107.0%

契約年齢が若く支払い期間が長いほど、保険料が安く抑えられます。

また、「保険料払込免除特約」の特約がつけられ、所定の3大疾病等になった場合に保険料の払込みが免除されます。


3位:第一生命「とんちん年金 ながいき物語」

第一生命の「とんちん年金 ながいき物語」は、50~80歳まで加入できる個人年金です。


生存保障重視型で、10年保障期間付終身年金という契約があります。

10年間分の年金が保障され、11年以降生存する限り年金が受給できるものです。


下記条件で加入した場合のシミュレーションはこのようになります。


  • 10年保障期間付終身年金の場合
  • 契約年齢:55歳
  • 払込満了、年金開始:70歳
  • 月額保険料:54,000円

70歳からの年金額100歳での返戻率
男性51.11万円約163%
女性41.08万円約131%

この場合、毎月の保険料の負担は大きいですが、100歳まで生きればかなりお得になります。

受取方法は、他にも5年、10年、15年の確定年金を選択することもできます。


50歳を過ぎてから加入できるということで、不安が解消された、長生きに備えられたという口コミも目立ちます。


超高齢化社会に沿う形で生まれた個人年金だと言えるでしょう。

まとめ:利率と返戻率の違いに注意

個人年金の利率と返戻率は、似たような言葉ですがそれぞれ大切な意味があります。


  • 利率 :毎年受け取る利子の割合
  • 返戻率:支払った保険料に対する受取金額の割合

利率も返戻率も高い方が良いですが、目先の数字だけに惑わされないようにしてください。


 高い返戻率には、リスクを伴うこともあります。月々の支払い保険料が負担になることもあります。


支払う期間や金額、受取期間や受取方法など、様々な条件の中から自分に合った商品を選択することが大切です。


せっかく将来に備えて個人年金に加入しても、途中で支払いがきつくなって解約するなんてことになったら、大きな損をする場合があります。


先の見えない不安な世の中だからこそ、正しい保険を選び、安心を手に入れましょう。

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