iDeCoは手数料負けしやすい?シミュレーションや公務員・主婦向けの対策は?のサムネイル画像
・iDeCoを始めたのに、手数料のせいで資産が減っている気がする…。
・せっかく老後のために積み立てているのに、気づかないうちに損をしているかも?

iDeCoが手数料の影響を受けやすいのは事実ですが適切な対策を取れば十分に活用できる制度です。

この記事では、iDeCoが手数料負けするとされる4つの理由と、職業別の具体的なシミュレーションを解説します。

毎月いくらの掛金なら手数料負けを避けられるのか、どの金融機関や商品を選ぶべきかなど、すぐに試せる実践的な対策がわかりますのでぜひ参考にしてください。
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iDeCoでおすすめの相談窓口3選!失敗しないための窓口の選び方を解説

この記事の監修者「谷川 昌平」

この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー

株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!
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この記事の目次

iDeCoは手数料負けしやすい?と言われる理由4選

iDeCoは手数料負けしやすいといわれる理由


iDeCoは税制優遇があり、老後資金形成に役立つ制度ですが「手数料負け」という言葉をよく耳にします。手数料負けとは、運用益より手数料が上回り、資産が目減りしてしまう状態のことです。


iDeCoが手数料で損をしやすい理由は以下の4つです。

  • 二重の手数料構造
  • 少額投資の不利さ
  • 商品ラインナップの制限
  • 途中解約によるリスク

ここでは、iDeCoが手数料で損をしやすい理由を詳しく解説します。せっかくiDeCoを続けていても、手数料などの影響で逆に損をしているかもしれません。


それぞれの要因を理解して、効率的なiDeCo運用の参考にしてください。

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二重の手数料構造

iDeCoでは複数の手数料が重なって発生するため、一般的な投資と比べてコスト負担が大きくなります。


iDeCoで発生する手数料を確認しましょう。

手数料の種類金額の目安
事務手数料月額105円
(掛金の額に関係なく発生:固定)
資産管理手数料月額66円
(掛金の額に関係なく発生:固定)
運営管理機関手数料月額0~約400円
(金融機関によって異なる:0円もある)
信託報酬
(投資信託の場合)
年率0.2%~1.5%程度
(運用資産額に応じて毎年発生:資産から自動控除)


国民年金基金連合会への105円の月額事務手数料に加え、信託銀行への資産管理手数料(月額66円)が固定でかかります。これらは掛金の額に関わらず一定額発生するため、少額投資の場合は負担感が大きいです。


さらに金融機関(運営管理機関)への手数料が加わります。この金額は金融機関によって異なり、0円のところもあれば月額400円程度かかるところもあります。たとえば月額385円の運営管理手数料がかかる場合、基本手数料と合わせると毎年6,672円の固定費になるのです。

【見落としがちなポイント】


これらの手数料に加えて、投資信託を選んだ場合は信託報酬という運用コストも別途かかります。信託報酬は運用資産に対して年率0.1%~1.5%程度と幅があり、この費用も長期間にわたって資産から差し引かれ続けます。


iDeCoにはいくつかの手数料がかかるため、少額・短期間の運用では手数料が運用益を上回るリスクを考慮しましょう。金融機関選びの際には手数料体系をよく比較検討することが重要です。

少額投資の不利さ

iDeCoの最低掛金額は月5,000円ですが、この程度の少額投資では手数料負けするリスクがとくに高くなります。なぜなら、基本手数料は掛金の金額に関わらず一定額かかるため、掛金が少なければ少ないほど手数料の割合が相対的に大きくなるからです。


年間にかかる手数料は、運用管理手数料を300円とした場合に以下のようになります。

年間でかかる手数料
基本手数料(国民年金基金連合会と信託銀行への手数料)
171円(105円+66円)×12か月=2,052円

運用管理手数料(月額300円の場合)
300円×12か月=3,600円

合計:2052円+3,600円=5,652

月5,000円の掛金で基本手数料だけでも月171円、年間で2,052円かかります。これは年間掛金60,000円の約3.4%に相当します。さらに運営管理手数料が月額300円かかる金融機関を選んだ場合は年間5,652円、つまり掛金の9.4%が手数料としてなくなります。

【見落としがちなポイント】


一般的な投資信託の平均的な年間リターンは3~5%程度とされています。手数料だけでこの水準に達してしまうため、実質的な資産増加が見込めないでしょう。さらに投資信託の信託報酬も加わると、運用益がマイナスになるケースも考えられます。


とくに収入が少なく税制優遇を十分に受けられない場合は、手数料負けのリスクがさらに高まります。月1万円以上の掛金設定が可能な場合は、手数料の影響を相対的に抑えられるでしょう。

商品ラインナップの制限

iDeCoで選べる運用商品は、金融機関によって大きく制限されています。これが手数料負けしやすい3つ目の理由です。一般的な証券口座では数千種類の投資信託から選べますが、iDeCoでは各金融機関が提供する限られた商品からしか選べません。


とくに問題なのは、低コストのインデックスファンドが十分に揃っていない金融機関が多いことです。信託報酬が年0.3%を下回るような低コスト商品がない場合、長期運用において大きな不利になるでしょう。信託報酬が高い商品しか選べない金融機関では、手数料負けのリスクが高いです。

【注意すべきポイント】


たとえば、信託報酬の差が年0.5%あると、30年の運用で最終的な資産額に約15%もの差が生じます。複利効果により長期になるほどコストの影響は大きくなり、定期預金などでは利息が手数料を下回り元本割れする可能性があります。


手数料負けを防ぐには、信託報酬の低い(0.5%以下が目安)インデックス型の投資信託を選びましょう。金融機関選びの段階で、低コスト商品が充実しているところを選ぶことも大切なポイントになります。

途中解約によるリスク

iDeCoの大きな特徴は、原則として60歳まで資金を引き出せないことです。この制約は、老後資金を着実に確保するうえではプラスに働きますが、手数料負けのリスクにもつながります。理由は、運用がマイナスでも60歳まで引き出せず、その間も手数料が引かれ続けるからです。


運用成績が悪く、マイナスリターンとなってしまった場合でも、月々の口座管理手数料や信託報酬は支払い続けなければなりません。掛金の支払いを一時的に停止可能ですが、その場合でも資産管理手数料は発生し続けます。たとえ10年間運用成績がマイナスだった場合でも、約2万円の基本手数料は必ず差し引かれるため、資産は減ってしまいます。

【注意すべきポイント】


途中で資金が必要になり引き出したいと思っても、原則として引き出せません。とくに貯蓄があまりない状態でiDeCoに資金を回していると、急な出費に対応できなくなります。


手数料負けを避けるには、iDeCo以外にも流動性の高い資産を持ち、長期的に運用を続けられる体制を整えておきましょう。

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公務員・主婦はiDeCoで手数料負けしやすい?実際どう?

iDeCoには税制上のメリットがありますが、職種によっては手数料の負担が大きく、資産が思うように増えないこともあります。とくに「公務員」と「専業主婦(夫)」はiDeCoで手数料負けするリスクが高いのでしょうか?


ここでは、それぞれの立場における実際の状況を詳しく解説します。税制上のメリットや各種手数料の影響を踏まえ、手数料負けの可能性と有効な対策を検討しましょう。

公務員の場合

公務員がiDeCoで手数料負けしやすいといわれる理由


公務員がiDeCoで手数料負けしやすいといわれる主な理由は、掛金の上限額が低く設定されていることです。2024年11月までは月々1万2,000円が上限でした。これは拠出額が少ないため、固定の手数料の影響が大きくなりやすいことを意味します。


ただし、実際には公務員でも年収が300万円以上あれば、手数料負けするリスクは低いです。公務員の場合、収入に対して所得税・住民税が発生するため、iDeCoによる税制優遇を受けられます。

所得税率が5%の場合(掛金5,000円)
月額5,000円×12か月=60,000円

所得税率5%(課税所得195万円以下の場合)
住民税率10%(一律)
60,000円×(5%+10%)=9,000円

月5,000円の積立でも、年間でおよそ9,000円の税負担を軽減できます。これは同期間の基本手数料(約2,052円)を大きく上回ります。

【ワンポイントアドバイス】


さらに、2024年12月からは公務員のiDeCo掛金上限額が月2万円に引き上げられました。これにより税制優遇のメリットがさらに大きくなります。掛金を月2万円としたケースでは、年間約3万6,000円の税制優遇が受けられ、手数料を考慮しても十分なメリットが期待できます。


公務員がiDeCoを検討する際に重要なのは、金融機関選びです。運営管理手数料が無料または低額の金融機関を賢く選ぶことで、手数料負けのリスクを一段と下げられます。同一年度内の掛金を一括で納付する「年払い」を活用すれば、事務手数料を大幅に削減できるため効率的な運用が可能です。

専業主婦(第3号被保険者)の場合

専業主婦がiDeCoで手数料負けしやすいといわれる理由


専業主婦(第3号被保険者)がiDeCoで手数料負けしやすい最大の理由は、所得がないために税制優遇の恩恵を受けにくいことです。掛金の全額が所得控除されるiDeCoですが、そもそも所得税がかからない場合は、この大きなメリットを活かせません。


年収120万円(社会保険の扶養内)で働く専業主婦の場合、所得税の課税はほとんどなく、住民税の軽減効果のみが得られます。月5,000円と月23,000円(上限額)でシミュレーションをしてみましょう。


項目月額5,000円月額23,000円
年間掛金60,000円276,000円
税制優遇額
(住民税10%)
6,000円27,600円
年間手数料6,672円(※)6,672円(※)
結果手数料負けする手数料負けしない

※年間手数料内訳

固定手数料 2,052円+運営管理手数料(月額385円×12ヶ月)=6,672円


月額385円の運営管理手数料がかかる金融機関を選ぶと、年間6,672円の手数料となり、税制優遇額を上回ってしまいます。月5,000円の掛金では、住民税軽減額(6,000円)が手数料(6,672円)を下回るため、手数料負けとなります。

【ワンポイントアドバイス】


専業主婦でも手数料負けを避けるには、運営管理手数料が無料の金融機関を選ぶのがベストです。現在では多くの証券会社が0円の運営管理手数料を提供しています。また、掛金を年一回まとめて納付する「年払い」にすれば、事務手数料を年間105円まで抑えられます。


さらに、専業主婦の場合は「運用益非課税」というiDeCoのもう一つのメリットに注目すべきです。長期間(20年以上)の運用で複利効果が大きくなれば、手数料を差し引いても十分なメリットが得られる可能性があります。とくに低コストのインデックス型投資信託を選ぶことで、信託報酬の負担も軽減できるでしょう。

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iDeCoの相談はどこがおすすめ?人気の無料窓口・失敗しない選び方を解説

iDeCoは手数料負けしやすいのか不安な方はFPの無料相談を活用しよう

iDeCo相談窓口マネーキャリア


iDeCoの手数料負けについて不安がある方は、ファイナンシャルプランナー(FP)への無料相談を活用するのがおすすめです。iDeCoは個人の状況によって最適な運用方法が大きく異なるため、自分だけで判断するのは難しい場合があります。収入状況や年齢、職業によって税制優遇の効果が変わってくるため、プロのアドバイスが役立ちます。


マネーキャリアでは、iDeCoに関する無料相談を実施しています。経験豊富なFPが、収入や家計状況に応じて手数料負けのリスクを判断し、適切な金融機関や掛金の設定をアドバイスしてくれます。手数料が無料または低額の金融機関の選び方や、年払いで事務手数料を減らす方法など、具体的な対策も教えてもらえるでしょう。

【現役FPのコメント】


また、iDeCoだけでなくつみたてNISAや個人年金保険など、他の資産形成手段との比較や組み合わせ方も相談できます。老後資金や教育資金など、ライフプランに合わせた総合的なアドバイスが受けられるのも大きなメリットです。


初心者でも安心して相談できるため、iDeCoの手数料に関する不安を解消し、自分に合った資産形成を始められますよ。


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iDeCoで手数料負けしないための対策とは?公務員・主婦・会社員の方必見

iDeCoで手数料負けしないための対策


iDeCoで手数料負けを防ぐためには、いくつかの重要なポイントがあります。手数料負けしたいための対策は以下の4つです。

  • 可能な限り長期間(10年以上)の運用を前提とする
  • 低コストのインデックスファンドを選ぶ
  • 掛金を一定額以上にする
  • FPなど金融の専門家に相談する

対策を踏まえて自分に合った最適なiDeCo運用プランを見つけましょう。

可能な限り長期間(10年以上)の運用を前提とする

iDeCoの最大のメリットを活かすには、長期運用が欠かせません。10年以上の長期運用を前提にすることで、複利効果が働き、手数料の影響を最小限に抑えられます。たとえば、年利3%で運用した場合、10年では約1.3倍・20年では約1.8倍・30年では約2.4倍にまで資産が成長します。


短期間の運用では、毎月の固定手数料やスイッチング(運用商品の変更)にかかる手数料の影響が大きくなりがちです。月171円の基本手数料は、10年間で約2万円、30年間で約6万円にもなります。しかし長期間の運用で資産が増えれば、手数料の割合は相対的に小さくなります。

【ワンポイントアドバイス】


公務員や専業主婦など掛金上限や税制優遇が限られる場合は、長期運用で複利効果の恩恵を受けることが重要です。月5,000円を30年間積み立てれば、手数料を差し引いても相当な資産形成が期待できます。


iDeCoは老後資金を準備するための制度ですから、長期的な視点での運用が基本です。60歳まで資金を引き出せないという制約を、むしろ強制的に長期運用できるメリットと捉えて活用しましょう。

低コストのインデックスファンドを選ぶ

手数料負けを避けるための重要な対策の一つが、信託報酬の低い投資信託を選ぶことです。とくに信託報酬が年0.3%以下のインデックスファンドは、長期運用において大きなメリットがあります。


インデックスファンドとは、日経平均株価やTOPIX、S&P500などの指数に連動するよう運用される投資信託です。運用担当者が個別銘柄を選別するアクティブファンドと比べて運用コストが低く、信託報酬も安いです。多くの場合、年0.1〜0.3%程度の信託報酬で済むため、長期間の積み立てにおいて大きな差が生まれます。

たとえば、信託報酬が1%と0.2%のファンドでは、30年後の資産に約20%の差が出ることもあります。月2万円を30年間積み立てた場合、この差は数百万円にもなるのです。金融機関によって提供される商品は異なりますが、最近では多くの金融機関が低コストのインデックスファンドを提供しています。


eMAXISシリーズやニッセイインデックスファンドといった国内大手のほか、バンガードやブラックロックなど海外大手のファンドも代表的な選択肢です。これらは分散投資効果も高く、長期投資に適しています。

掛金を一定額以上にする

iDeCoで手数料負けを防ぐ効果的な方法は、掛金を一定額以上に設定することです。固定の口座管理手数料は掛金の金額に関わらず一定のため、掛金が多いほど手数料の割合は下がります。目安としては、月2万円以上の掛金設定が理想的です。


年間の固定手数料が約4,860円(月405円)の場合で考えてみましょう。


<月1万円(年間12万円)>

  • 4860円÷120,000円×100=4.05%
※これに信託報酬0.3%を加えると、総手数料率は約4.35%となる

<月2万円(年間24万円)>
  • 4860円÷240,000円×100=2.03%
※これに信託報酬0.3%を加えると、総手数料率は約2.33%となる

<月3万円(年間36万円)>
  • 4860円÷360,000円×100=1.65%
※これに信託報酬0.3%を加えると、総手数料率は約1.65%となる

月1万円と月3万円では手数料率に倍以上の差が出ます。iDeCoは掛金設定が重要といえるでしょう。

【ワンポイントアドバイス】


とくに公務員は2024年12月から掛金上限額が月2万円に引き上げられたため、この恩恵を受けやすくなりました。会社員も職場の企業年金制度に応じて月1万円〜2.3万円まで掛金を拠出できます。専業主婦(夫)の場合は、家計の状況と相談しながら、可能な範囲で掛金を増やすことを検討しましょう。

FPなど金融の専門家に相談する

iDeCoは制度や手数料体系が複雑で、自分一人で最適な判断をするのは難しいでしょう。手数料負けを避けるためには、ファイナンシャルプランナー(FP)など金融の専門家に相談することが非常に効果的です。


専門家はあなたの年収や家族構成・ライフプランに合わせて、最適なiDeCo運用プランを提案してくれます。以下のような具体的なアドバイスが受けられます。

  • 金融機関を選ぶべきか
  • どのような商品に投資すべきか
  • 掛金はいくらが適切か

また、iDeCoと他の資産形成手段(つみたてNISAや個人年金保険など)をどのように組み合わせるかについても相談可能です。

【現役FPのコメント】


マネーキャリアでは、iDeCoに関する無料相談を実施しています。経験豊富なFPがあなたに合ったアドバイスをしてくれるので、手数料負けの心配なく資産形成を進められます。


オンラインでの相談も可能です。忙しい方でも気軽に利用できます。iDeCoは長期的な資産形成のための重要なツールですが、始める前に正しい知識を得ることが成功のカギです。


公務員、専業主婦(夫)、会社員など、それぞれの立場によって最適な運用方法は異なります。専門家のアドバイスを活用して、あなたに最適なiDeCo活用法を見つけましょう。


>>忙しい方でも気軽に相談できる|マネーキャリアで無料相談する

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iDeCoで手数料負けしやすい毎月の掛け金はいくら?シミュレーションで解説

iDeCoでは「手数料負け」を避けるために、毎月の掛金額が重要なポイントです。掛掛金が少ないと、毎月発生する固定手数料(約171円)や金融機関の運営管理手数料の負担が相対的に大きくなります。さらに、信託報酬などの変動手数料も加わるため注意が必要です。


ここでは、以下の掛金でどの程度手数料負けのリスクがあるか解説します。

  • 5,000円の場合
  • 10,000円の場合
  • 20,000円の場合

それぞれどの程度手数料負けのリスクがあるのか、具体的なシミュレーションで解説します。どの金額が自分に最適か参考にしてください。

5,000円の場合

掛け金5,000円のiDeCoの手数料シミュレーション


月5,000円の掛金は、iDeCoで設定できる最低金額です。この金額は、固定手数料の影響が非常に大きく、手数料負けのリスクが最も高い金額でもあります。


年間で6万円を拠出する場合、毎月405円の手数料は年換算で4,860円となり、手数料率は約8.1%と高水準です。これに信託報酬0.5%を加えると、年間約8.6%もの資産が手数料として失われることになります。具体的なシミュレーションを見てみましょう。


【年利3%:月5,000円を20年間運用した場合】

運用条件手数料なし
(個別銘柄)
手数料あり
(iDeCo)
資産額
(20年後)
約161万円約98万円
差額-約63万円
減少率-約39%減

平均リターンが年3〜5%という投資信託では、手数料によって運用成果がほぼ無効化されるリスクが高いです。

【注意すべきポイント】


年利3%で20年間運用した場合、手数料がなければ約161万円になるはずの資産が、iDeCoの手数料を考慮すると約98万円にまで減少します。差額は約63万円、率にして39%もの大幅な減少です。


この金額での運用が適しているのは、主に税制優遇効果が大きい高所得者や他の資産形成と併用している場合に限られます。公務員や専業主婦(夫)など、税制優遇が限定的な場合は注意が必要です。まずは手数料が無料または低額の金融機関を選ぶことが重要なポイントになるでしょう。

10,000円の場合

掛け金10,000円のiDeCoの手数料シミュレーション


月10,000円の掛金は、手数料負けのリスクがまだ相当程度残るものの、月5,000円よりは状況が改善します。この金額だと、iDeCoの税制優遇メリットと手数料のバランスが必要です。年間の掛金総額は120,000円となり、年間固定手数料約4,860円の割合は約4.05%まで下がります。


これに信託報酬0.5%を加えても、年間手数料率は約4.55%です。一般的な投資信託の運用成績と比べると、まだ高い水準ですが、運用益がプラスになる可能性は出てきました。具体的なシミュレーションで確認しましょう。


【年利3%:月10,000円を20年間運用した場合】

運用条件手数料なし
(個別銘柄)
手数料あり
(iDeCo)
資産額
(20年後)
約322万円約245万円
差額-約77万円
減少率-約24%減

20年間、年利3%で運用した場合のシミュレーションでは、手数料がなければ資産は約322万円です。しかし、iDeCoの手数料を考慮すると、最終的な資産は約245万円にとどまります。差額は約77万円で、率にして約24%の減少です。

【注意すべきポイント】


月5,000円と比べると減少率は改善していますが、まだ大きな影響があることがわかります。月10,000円の掛金は、会社員や年収が一定以上ある公務員などに適している可能性があります。


税制優遇効果を考慮すると、手数料を相殺できるケースが多いからです。年収300万円以上で、所得税・住民税の実質的な軽減効果が大きい場合は、総合的にメリットがあると判断できるでしょう。ただし、専業主婦(夫)など税制優遇が限定的な場合は、まだ注意が必要です。

20,000円の場合

掛け金20,000円のiDeCoの手数料シミュレーション


月20,000円の掛金は、手数料負けを避ける目安として適切な金額です。この金額であれば、固定手数料の影響が抑えられ、運用益や税制優遇のメリットを活かしやすくなります。


年間の掛金総額は240,000円となり、年間固定手数料約4,860円の割合は約2.03%まで下がります。信託報酬0.5%を加えても、年間手数料率は約2.53%です。これは一般的な投資信託の平均的な運用リターンと比較しても、十分に低い水準といえるでしょう。具体的なシミュレーションは以下のとおりです。


【年利3%:月20,000円を20年間運用した場合】

運用条件手数料なし
(個別銘柄)
手数料あり
(iDeCo)
資産額
(20年後)
約644万円約542万円
差額-約102万円
減少率-約16%減

20年間、年利3%で運用した場合、iDeCoの手数料を考慮すると資産は約644万円から約542万円に減少します。差額は約102万円で、率にして約16%の減少です。金額的には最も大きな差になりますが、率で見ると最も小さい影響にとどまっています。

【注意すべきポイント】


この金額は、会社員(企業年金なし)、公務員、専業主婦(夫)それぞれの上限額に対応可能です。会社員と専業主婦(夫)は月額上限23,000円公務員は2024年12月から月額上限20,000円となっています。


税制優遇効果が大きい会社員や自営業者にとっては、手数料を大きく上回るメリットが得られるでしょう。また、専業主婦(夫)にとっても、運用益非課税というメリットを十分に活かせる可能性が高くなります。

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iDeCoで手数料負けが気になる場合は他の資産形成方法も検討しよう

iDeCoで手数料負けが気になる場合のほかの資産形成方法


iDeCoは税制優遇などのメリットがある一方で、手数料負けのリスクも存在します。少額の掛金や短期運用では手数料負けのリスクが高いため、他の資産形成方法もあわせて検討するのがおすすめです。


おすすめの資産形成方法は以下のとおりです。

資産運用方法新NISA個人年金保険投資信託REIT
こんな方におすすめ・元本を自由に引き出したい方
・長期投資を考えている方
・複数の投資商品を検討したい方
・元本保証を重視する方
・安定した老後収入を確保したい方
・投資に不安がある方
・資金を柔軟に運用したい方
・商品の選択肢を重視する方
・積立額を自由に設定したい方
・インカムゲインを重視する方
・分散投資を考えている方
・不動産への投資に興味がある方
メリット・運用益が非課税
・恒久的な制度で生涯1,800万円まで投資可能
・いつでも引き出し可能
・商品の選択肢が多い
・掛金の一部が所得控除の対象(最大4万円)
・元本割れリスクが低い
・将来の受取額が予測しやすい
・商品の選択肢が非常に多い
・入出金が自由
・積立額の変更が容易
・少額から始められる
・比較的高い分配金利回り
・不動産価格の上昇による値上がり期待
・少額から不動産投資が可能
デメリット・所得控除がない
・年間の投資枠に制限がある
・損失が出た場合の税制優遇なし
・途中解約すると元本割れの可能性
・運用利回りが低め
・商品によっては手数料が高い
・約20.315%の税金がかかる
・税制優遇がない
・自己管理が必要
・価格変動リスクがある
・分配金に税金がかかる
・市場環境により分配金が変動


老後資金を築くための選択肢は複数あり、それぞれにメリット・デメリットがあります。自分の状況や目的に合った方法を選ぶことが大切です。

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【ワンポイントアドバイス】


これらの選択肢を組み合わせることで、リスクを分散しながら効率的な資産形成が可能になります。たとえば、iDeCoと新NISAを併用すれば、税制優遇と資金の流動性をバランスよく確保できるでしょう。自分のライフプランや収入状況を考慮して、最適な組み合わせを検討してみてください。

【まとめ】iDeCoは手数料負けしやすい?と言われる理由

iDeCo相談窓口マネーキャリア

iDeCoは手数料負けしやすいとわれる主な理由は、二重の手数料構造や少額投資の不利さ、商品ラインナップの制限などが挙げられます。

とくに月5,000円の最低掛金では、手数料率が約8.6%にもなり、20年間の運用で資産が約40%も目減りするリスクが高いです。


しかし、月額2万円以上の掛金設定や長期運用を前提とすれば、手数料の影響は相対的に小さくなります。また、信託報酬0.3%以下の低コストインデックスファンドを選ぶことも効果的な対策です。公務員は掛金上限が上がったことで手数料負けのリスクが減り、専業主婦も手数料無料の金融機関を選べば対応できます。


iDeCoの運用方法で迷っている方は、マネーキャリアの無料FP相談がおすすめです。満足度98.6%、相談実績100,000件以上の実績があり、状況に合わせた最適なiDeCo運用法を提案してくれます。iDeCoと新NISAなど他の資産形成手段の組み合わせ方も相談可能で、手数料負けの心配なく資産形成を始められるでしょう。

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