「もう60歳になったが、お金が無いため老後の生活が不安」このように考える方は多いでしょう。そこで本記事では、お金がない60歳の方が今すぐやるべきこと、やるべきでないこと、貯金がない人の老後の体験談をまとめました。ぜひ最後までご覧下さい。
監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
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この記事の目次
- お金がない60歳がお金を貯めて老後に備えるためにすべきことは?
- お金がない60歳はまずはライフプランを設計し老後に必要な資金を明確に
- お金がない60歳がにするべきこと7選
- ➀仕事を続けて収入を確保する
- ②収入と支出を見直す【家計簿をつけるのがおすすめ】
- ③年金の繰り上げ需給をする
- ④資産運用をする【積立NISAがおすすめ】
- ⑤マイホームなどの資産を売却する
- ⑥子供の扶養に入ることも検討しよう
- ⑦生活保護を受給する
- お金がない60歳がやってはいけないこと2選
- ➀無理な目標設定での資産運用
- ②浪費を繰り返す
- 貯金がない人の老後の体験談を紹介
- 参考:60歳の生活費はどれくらい?
- まとめ:お金がない60歳はまずはライフプランを見直そう
お金がない60歳がお金を貯めて老後に備えるためにすべきことは?
こんにちわ、マネーキャリア編集部の山口です。
先日、もうすぐ60歳になる友人から相談を受けました。
60歳と言えば、昔はお年寄りのイメージがありました。
けれど、最近は、60歳の方をお年寄りと呼ぶのははばかられます。
まだまだ、若々しくて元気な方が多いですよね?
とは言え、若いころとは違い、無理が効かなくなってくるのも、60歳くらいからではないでしょうか?
一般企業では、60歳で定年となる企業がほとんどです。
定年後は、退職金をもらって、年金で悠々自適の生活、というのは一昔前の話になりました。
しかし、今の60歳の方が若いころは、自分の上の世代の方のそんな生活を目の当たりにして、自分の老後をイメージしていた方も多いのではないでしょうか?
そういう意味では、現在の60歳と言うのは、色々な意味でハザマの世代と考えられるかもしれません。
ここでは、お金がない60歳がお金を貯めて、老後に備えるためにすべきことについて考えていきたいと思います。
「お金がない。」と、老後に不安を抱えている60歳前後の方に、この記事を読んで参考にしていただければ嬉しく思います。
お金がない60歳はまずはライフプランを設計し老後に必要な資金を明確に
60歳になった今、「お金がない」という方は、出来るだけ早めに、ライフプランの見直しが必要です。
少子化が進行し、老後を年金だけに頼ることは出来なくなっています。
まず、これからのライフプランを設計し、そこから必要な資金を割り出していきましょう。
これから必要な資金が割り出されたら、現在の貯金と必要な資金の差額を把握します。
貯金と必要額の差額を稼ぐにはどうすれば良いのか?
真剣に考える時期です。
60歳という年齢は、まだまだ色々なことにチャレンジできる年齢ですが、老後の足音は、もうすぐそこまで、近づいていますよ?
現在60歳の方は、30代の初めにバブルが崩壊し、40代でリーマンショックを経験しています。
20代後半から30代初めに住宅ローンを組んでマイホームを購入した方の中には、高い住宅ローンを抱え、バブル崩壊により資産価値下落という経験をした方もいるでしょう。
リーマンショックで失業した方もいるかもしれません。
バブル全盛期に社会人となった60歳の方は、収入は増えるものという価値観があったため、若いころから貯蓄するという習慣のなかった方も多いかと思われます。
当時は、将来貰う年金がここまで減ってしまうとは、予想できなかったでしょう。
お金がない60歳がにするべきこと7選
ここでは、お金がない60歳がするべきこと、7つをご紹介します。
- 仕事を続けて収入を確保する
- 収入と支出を見直す
- 年金の繰り上げ需給をする
- 資産運用をする
- マイホームなどの資産を売却する
- 子供の扶養に入ることも検討しよう
- 生活保護を受給する
お金のない60歳前後の方は、これらを参考にして、出来るだけ早く、ライフプランの立て直しをすることをおすすめします。
➀仕事を続けて収入を確保する
60歳になって、お金がないという方は、60歳以降も、働き続ける必要があります。
「60歳定年」というイメージがありますが、それは一般企業が設けたルールです。
もともと自営業の方には定年はありません。
一般企業でも、最近は再雇用制度などが導入され、定年後も働き続けることが珍しくなくなりました。
今の60歳は、昔とは違い身体も元気です。
また、長年の経験や技術を持っている方も多く、現役を引退してしまうのはもったいない方も沢山おられます。
お金のない60歳の方は、現在の職場で再雇用制度で働くという方法もありますし、ハローワークを始めとする人材紹介会社では、60歳以上の求人も多数あります。
働くことの意義は、収入だけではありません。
自分が社会から必要とされているというやりがいは、心と体を若々しく保つのに役立つでしょう。
60歳になってもお金がないから「働かなくてはならない」ではなく「60歳になっても、社会から必要とされている」と考えてはどうでしょう?
お金がないという60歳の方は、仕事を続けて収入を確保しながら、今後のライフプランを立て直していきましょう。
②収入と支出を見直す【家計簿をつけるのがおすすめ】
お金のない60歳の方は、収入と支出のバランスを見直してみましょう。
お金のない原因は、収入に対して、支出が大きすぎることが考えられます。
60歳になるまでお金を貯められなかったという事は、このままのライフスタイルを続ければ、今後もお金が貯まる可能性はないという事です。
現在のライフスタイルを見直し、節約を心がける必要があります。
そのための第一歩として、家計簿をつけてみましょう。
家計簿をつけることで、今までお金が貯められなかった原因を知ることが出来ます。
無駄遣いが多かった人ほど、節約の効果はあるでしょう。
今まで節約を意識したことのなかった人は、どうやって節約すればよいのか、戸惑う方もいるかと思います。
そういう方はまず、固定費の見直しから始めてみましょう。
家賃や、光熱費、保険の費用など、固定費の見直しは、一度すれば効果が続くので、節約が苦手と言う人にも、比較的取り組み安いでしょう。
例えば、一か月に3万円の節約ができ、その分を貯金したとします。
1年で36万円貯金できるようになり、70歳までの10年間で360万円の貯金ができます。
生活費が安く済むようになったことから、節約しなかった場合と比べると、家計に対する影響は720万円分のプラスになることが分かりますでしょうか?
お金のない60歳の方にとって、収入と支出のバランスを見直すことは、とても大切なことなのです。
③年金の繰り上げ需給をする
お金がない60歳の方で、働いても十分な収入を得ることが難しく、生活が出来ないという方は、年金の繰り上げ需給をするという方法もあります。
繰り上げ需給をすることで、60歳から年金を受け取ることが出来ます。
しかしその場合、受け取りを1か月早くするごとに、年金額は一月に0.5%ずつ減額されるので、1年繰り上げて受給すると、6%が一生減額されます。
ですから、60歳から年金の繰り上げ需給をすると、30%減額されることになります。
老齢基礎年金の場合、65歳から受給すれば、月々約6.5万円受給できますが、60歳から繰り上げ返済で受給すると、月々約4.5万円しか受給できなくなります。
どうしてもお金が足りないのであれば、年金の繰り上げ需給を検討することも選択肢ではあります。
しかし、他に選択肢があるのであれば、出来れば繰り上げ需給はしない方が良いと思います。
④資産運用をする【積立NISAがおすすめ】
お金がない60歳の方は、今からでも資産運用をはじめましょう。
お金のない60歳の方には、特に積み立てNISAがおすすめです。
但し、資産運用をするときは、ライフプランと照らし合わせて、生活に必要な資金は投資には回さず、必ず余裕資金で行うようにしましょう。
積み立てNISAのメリットは、対象の投資信託を購入した際、年間120万円を限度に購入した投資信託から得た利益には、税金がかからないというところにあります。
また、積み立てNISAの対象は、公募株式投資信託と上場株式投資信託に限定されています。
60歳の方が資産運用する場合には、出来る限りリスクの小さなもので運用することが大切です。
積み立てNISAは、税金面のメリットと投資対象としての安心感の両方から、お金のない60歳におすすめの資産運用法という事になるでしょう。
⑤マイホームなどの資産を売却する
お金のない60歳が生活資金を得る方法として、マイホームなどの資産を売却する方法があります。
しかし、マイホームを手放してしまうと、その後自分の住む部屋を借りなくてはなりませんが、年を取ると部屋を借りることは難しくなります。
そういったお年寄りの需要に答えるために、「リースパック」という方法を利用して、自宅を売却して現金化する方法や「リバースモーゲージ」という方法があります。
リースパックは、一旦不動産を売却した後、賃貸して住み続けるものです。
一方、リバースモーゲージは、自宅を担保にして、自宅に住み続けながら、生活資金を借り入れ、自分の死後に自宅を売却するというものです。
それぞれメリット・デメリットありますので、お金がない60歳の方は、自分に有利な方法を検討してみましょう。
⑥子供の扶養に入ることも検討しよう
65歳未満で収入が108万円以下であるなら、子供の扶養に入ることで、節約できることもあります。
健康保険料の負担が全額免除になり、子供の保険料の負担も増えません。
更に、親が扶養に入ることで、子供は扶養控除が適用されるため、子供の側も節税効果があります。
お金のない60歳の方は、子供の扶養に入ることも検討してみましょう。
⑦生活保護を受給する
国民には、生活保護を受給する権利があります。
生活に困窮するようであれば、生活保護の申請をするべきですが、現預金や保有している資産がある場合には受けられないという制限があります。
また、親族から援助が受けられる場合には生活保護は受けられませんので、生活保護を申請すると、親族に対して扶養照会が行われます。
お金のない60歳の方が、働きたくても働けない事情があり、年金の繰り上げ需給をしても生活費が足りず、売却できる資産もないという場合。
最後の手段として、生活保護を受給するという方法もあります。
お金がない60歳がやってはいけないこと2選
お金がない60歳がやってはいけないこととして、
- 無理な目標設定での資産運用
- 浪費を繰り返す
➀無理な目標設定での資産運用
お金がない60歳の方が資産運用する時は、無理な目標設定で、資産運用をしてはいけません。
資産運用は、時間をかけて安全に行うものです。
お金がないからと言って、増やすことを焦っては、逆に損失を産むだけです。
FXやビットコイン等のハイリスク投資はおススメ出来ません。
若い方とは違い、60歳の方が、ハイリスク投資で損失を抱えた場合、リカバリーが効きません。
②浪費を繰り返す
お金のない60歳の方が、今までのライススタイルを改めずに、浪費を繰り返すのは危険です。
サラリーマンで安定収入があった頃は、浪費しても給料やボーナスで補えましたが、定年退職後は収入が無くなるか、大幅に収入が減る方が殆どでしょう。
今までのライフスタイルを改めて、早急に浪費を辞めないと、赤字が積もって、あっという間に老後資金が底を突いてしまうでしょう。
貯金がない人の老後の体験談を紹介
ここで、貯蓄がない人の老後の体験談をご紹介したいと思います。
「貯蓄がない」と聞くと、収入の少ない人を想像される方が多いのではないかと思います。
しかし実際には、高収入の方に限って、お金を消費してもまた稼げばよいと考えるからか、貯金が100万円以下というご家庭は意外と多いようです。
今回ご紹介するご家族も、手取り収入が58万円という恵まれた収入のご家庭です。
お子様も独立し、夫婦二人の生活ですから、本来なら十分な貯金がありそうです。
ところが、月々の支出が65万円と、毎月10万円近い赤字だと言います。
現在57歳のご主人が定年退職後、年金は24万円。
このままの生活を続けていけば、毎月41万円の赤字となり、10年で4,920万円が必要です。
老後資金には、退職金の5,000万円をと考えていましたが、10年でなくなる計算です。
家計のスリム化が必要ですが、奥様は今までの消費傾向から抜け出すのが難しいと感じているようです。
現役時代に十分な収入があったにも関わらず、このままでは老後破綻まっしぐらでしょう。
参考:60歳の生活費はどれくらい?
年間で366万円、年金が下りる65歳までの5年間の支出の合計は、1,830万円となります。
あくまで、平均ですので、実際には個人差がありますが、年齢が上がるにつれて医療費などが増えていくなど、若いころにはかからなかった支出も増えていきます。
早めに対策を考えたいものです。
まとめ:お金がない60歳はまずはライフプランを見直そう
お金がない60歳はまずはライフプランを見直し、老後に必要な資金を明確にすることが大切です。
それによって、老後までの期間にいくらの資金が不足するのか、その不足額をどう補うのか、考えなくてはなりません。
60歳はまだまだ若く元気な方が多いです。
お金のない60歳の方は、
- 今までの経験を生かして働き続けるのか
- 新しいことにチャレンジして第2の人生をスタートするのか
60歳という年齢を節目に、これからの自分の人生の設計を見直してみましょう!
けれど、自力で収入を得ることが無理であるならば、他の方法を考えていかなくてはなりません。
お金のない60歳の方が、この記事を参考にして、少しでもより良い老後を過ごせましたら、嬉しく思います。