- 老後資金の準備をしたい人
- 老後資金の平均貯蓄額が知りたい人
- 老後資金の貯め方を知りたい人
内容をまとめると
- 老後資金の平均貯蓄額は、ゆとりある生活なら約3,360万円、最低限の生活なら約1,400〜2,000万円
- 退職金や年金だけで老後資金を補うのは困難
- 老後資金を貯めるためにも、働けるうちは働き資産運用や生命保険、税制優遇制度などを活用する
- 老後資金の相談なら、FP相談の顧客満足度93%のマネーキャリアの無料相談がおすすめ
- 予約から面談までオンラインだから、スマホひとつで時間や場所を問わず利用可能
公的年金だけでは生活費が不足すると言われている昨今、個人による老後資金の準備が課題となっていますが、目安となる老後資金の平均貯蓄額はいくらになるか知っていますか?本記事では老後資金の平均貯蓄額や貯める方法などを解説します。
監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
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この記事の目次
夫婦・単身に必要な老後資金の平均貯蓄額は生活レベル次第
年金だけでは生活費が不足するとされている昨今、個人による老後資金の準備が求められています。それでは、実際に必要な金額の平均はどのくらいなのでしょうか。
本章では老後資金の平均貯蓄額を生活レベル別で、
- ゆとりある老後生活
- 最低限の老後生活
ゆとりある老後生活に必要な老後資金と内訳
老後にゆとりを持って生活をするための平均貯蓄額は3,360万円程度です。
老後には生活費だけでなく
- 趣味
- レジャー
- 子供・孫への資金援助
などにお金を使いたいと考える人も多いことでしょう。これらを楽しむためには、余裕を持った資金の準備が必要です。
しかし、近年「老後2000万円問題」が話題になっているように、年金だけでは生活費が不足するため、ゆとりのある生活はできません。
生命保険文化センター「2019年度生活保障に関する調査」によると、老後にゆとりある生活をするためには、年金とは別に月平均14万円が必要です。老後20年間を過ごすと仮定した場合は、
14万円×12ヶ月×20年=3,360万円
以上の式となり、3,360万円程度が必要になると算出できます。
ただし、どの程度のゆとりを求めるかにより必要額は変動します。そのため、実際に必要な金額を決める際は求める生活水準から算出しましょう。
最低限の老後生活に必要な老後資金と内訳
老後に最低限の生活ができる平均貯蓄額は、夫婦世帯で約2,000万円、単身世帯で約1,400万円です。
夫婦世帯・単身世帯の毎月の平均収支は以下のとおりです。
夫婦世帯 | 単身世帯 | |
---|---|---|
可処分所得 | 206,678円 | 112,649円 |
生活費 | 239,947円 | 139,739円 |
不足金額 | -33,269円 | -27,090円 |
(総務省「家計調査年報(2019年)」より)
また、生活費以外にもライフイベントや健康状態によって様々な費用が発生します。おおよその目安は以下のとおりです。
- 医療費:300万円(夫婦世帯は2倍)
- 葬儀費用:150万円(夫婦世帯は2倍)
- リフォーム代:100万円
- 自動車購入費:200万円
老後資金に早くから備えるべき5つの理由
老後は不足分を退職金で補いつつ、年金で生活したいと考える人も多いのではないでしょうか。しかし、近年の日本では以下の理由から老後資金の準備が必要となります。
- 退職金はマイナス傾向にある
- 年金がもらえるのは65歳から
- 60代の就業率が上昇している
- 病気や死亡など想定外の経済的リスクがある
- 60代の平均貯蓄額は1,635万円である
理由①退職金はマイナス傾向
老後資金に早くから備えるべき理由の一つ目は、退職金がマイナス傾向にあることです。
退職金は老後を豊かに暮らすために欠かせない存在です。しかし、そんな退職金が年々減ってきていることを知っていますか?
大学卒業後すぐに働き始め、定年まで働いた場合の退職金の10年間での変化は以下のとおりです。
平均退職金額 | |
---|---|
2009年 | 約2,554万円 |
2019年 | 約2,290万円 |
(中央労働委員会「賃金事情等総合調査」より)
以上の表から分かるとおり、10年間で200万円以上も退職金が減っています。退職金が減っている理由としては、
- 確定給付型から確定拠出型に変化
- 年功序列制からポイント制に変化
などが挙げられます。
かつての退職金制度は勤続年数や給与から金額の決まる確定給付型が主流でした。しかし、近年はマイナス金利政策の影響から、運用益で退職金が左右される確定拠出型へと変化してきています。
また、近年は勤続年数が重視される年功序列制ではなく、その人の挙げた成果を重視するポイント制を導入する企業が増えてきました。そのため、同期入社であってもこれまでの実績によって退職金が大きく変わります。
以上の点から退職金の金額は減少傾向にあり、いずれは1,000万円を割ってもおかしくありません。そのため、老後資金に向けて退職金以外の自助努力が必要です。
理由②年金がもらえるのは65歳から
老後資金に早くから備えるべき理由の二つ目は、年金がもらえるのが65歳からであることです。かつて年金がもらえる年齢は60歳からでした。しかし、1985年の法改正により現在は65歳からとなっています。
2013年に「高年齢者雇用安定法」が改正されたことにより現在は65歳まで働けるようになりましたが、厚生労働省「平成29年就労条件総合調査」によると79.3%の企業が60歳定年となっています(2025年4月からは65歳定年が義務化)。
60歳で定年した場合は受給年齢の65歳になるまで、年金なしで生活しなければなりません。そのため、少なくもと5年分の生活費の確保が必要です。
また、年金制度は今後改悪される可能性があります。主な理由は少子高齢化の進展です。年金制度は現役世代が高齢者の年金を賄う賦課方式により成り立っています。しかし、現在は少子高齢化が進んだことで保険料収入が減り、年金の支払いが増えていく状態です。
この状況がさらに進めば財政難に陥ってしまうため、
- 年金の受給年齢の引き上げ
- 年金の減少
などの改悪が行われる可能性があります。そのため、年金頼りにならない老後の資金計画が必要です。
理由③60代の就業率は上昇傾向
2010年 | 2020年 | |
---|---|---|
60〜64歳 | 男性:70.6% 女性:44.2% | 男性:82.6% 女性:59.7% |
65〜69歳 | 男性:46.8% 女性:26.9% | 男性:60.0% 女性:39.9% |
- 退職金の減少
- 年金の受給年齢の引き上げ
理由④想定外の経済的リスク
入院受療率(人口10万人対) | |
---|---|
30〜34歳 | 291人 |
35〜39歳 | 296人 |
60〜64歳 | 997人 |
60〜69歳 | 1,305 人 |
- 男性:81.64歳
- 女性:87.74歳
理由⑤60代世帯の平均貯蓄額は1,635万円
平均 | 中央値 | |
---|---|---|
二人以上世帯 | 1,635万円 | 650万円 |
単身世帯 | 1,335万円 | 300万円 |
老後資金を貯めるためにできる5つのこと
老後資金を貯めるために、貯蓄を行う人は多いことでしょう。しかし、老後資金の貯め方は貯蓄だけではありません。貯蓄以外にも以下の方法があります。
- 働けるうちは働き続ける
- 税制優遇制度を活用して積み立てる
- 資産運用
- 生命保険
- お金の専門家に無料相談
以上のような方法を活用することで、より着実かつ効率的に老後資金の形成が可能です。
本章では、上記で挙げた方法をそれぞれ解説します。
①働けるうちは働く
老後資金の確保のためにも、健康で働けるうちは働き続けましょう。働ける状態が長く続けば、
- 老後資金が準備できなかった
- 年金の受給年齢が引き上げられた
以上のようなケースに見舞われても乗り切れる可能性が高いです。
2021年4月の改正高年齢者雇用安定法により、企業は70歳までの就業機会の確保が努力義務として課せられています。そのため、高齢者でも働き続けられる環境が整えられつつあります。
少しでも長く働き続けるためには、健康の維持が欠かせません。高齢者は若い世代と比べて多くの健康リスクを抱えています。若い時に無理を続けてしまうと、高齢時にそのしわ寄せが来て働けなくなる可能性が高いです。
例えば、がんや心疾患、脳血管疾患などの生活習慣病は、食生活や飲酒、喫煙といった生活習慣が発症の原因に深く関与しています。そのため、長く働ける身体作りのためにも、若いうちから生活習慣に気を配り健康管理を欠かさずに行いましょう。
②税制優遇制度を利用して積立
老後資金を積み立てるために、税制優遇制度も活用しましょう。iDeCoやつみたてNISAなどの資産運用では税制優遇がされています。それぞれの特徴は以下のとおりです。
iDeCo | つみたてNISA | |
---|---|---|
税制優遇制度 | 掛金が全額所得控除 運用益が非課税 受取時に一定額が各種控除対象 | 運用益が非課税 |
積立期間 | 60歳まで | 最大20年 |
対象商品 | 投資信託、保険、定期預金 | 金融庁が認めた投資信託 |
通常は投資信託など金融商品の取引を行うと、運用益に対して20.315%の税金がかかります。しかし、iDeCoやつみたてNISAは運用益が非課税になるため、節税をしつつ運用が可能です。
iDeCoは自分で金融商品を運用して年金を作るための制度です。原則60歳までは引き出しができませんが、老後資金を貯めるには最適の資産運用法といえます。
つみたてNISAは長期・積立・分散投資を支援する制度です。対象商品は限られていますが、少額から低リスクな運用ができます。
以上のような税制優遇制度を活用し、効率的に積立を行いましょう。
③資産運用
効率良く老後資金を貯めるなら、資産運用が欠かせません。銀行預金の場合は金利が非常に低くほとんど増えません。そのため、多額の老後資金を準備するには多くの元本が必要になります。
しかし、資産運用は銀行預金よりも金利が高いため、少ない元本で老後資金の準備が可能性です。また、利子がリタイア後の収入になるため、老後資金の必要額が少なくなります。
ハイリスクな印象が持たれがちな資産運用ですが、知識さえあれば低リスクな運用が可能です。低リスクな資産運用では以下の点を意識しましょう。
内容 | |
---|---|
長期投資 | 長期的にコツコツと投資する |
積立投資 | 自分が決めたタイミング・金額で定期的に購入する |
分散投資 | 投資先の国や通貨、金融商品、購入時期などを分散する |
上記の手法は投資の三大原則とも呼ばれ、リスクを抑えた運用には欠かせません。
長期・積立・分散投資では複利の力を最大限発揮できます。複利とは利子を再投資に回すことでその利子にも利子が付くという考え方です。
月3万円を年率3%で20年間積み立てるケースを、金融庁「資産運用シミュレーション」を元に考えてみましょう。これを複利の力を使って運用すると、元本720万円に対し約985万円まで増える計算になります。
そのため、少ない元本から多額の老後資金を準備するためには、長期・積立・分散投資を意識して複利の力を生かした運用をしましょう。
④生命保険
老後資金を貯める間の想定外の経済的リスクに備えるためにも、生命保険に加入しましょう。
老後資金を貯めている途中でも、予期せぬ健康リスクや死亡リスクにさらされる可能性があります。特に専業主婦世帯で扶養主が亡くなってしまうと、収入がなくなり老後資金が不十分になる可能性が高いです。そのため、万が一に備えて生命保険に加入しましょう。
以下のような貯蓄性がある生命保険であれば、もし保障が必要にならなかった場合も保険料が返ってきます。
- 低解約返戻金終身保険
- 個人年金保険
- 外貨建て保険
- 変額保険
貯蓄性のある生命保険なら返ってきた保険料を老後資金の足しにできるため、貯めている間のリスクに備えつつ老後資金も準備できます。
生命保険は保険料が口座から自動で引き落とされるため、自力で貯蓄をするのが苦手な人でも着実な積立が可能です。
⑤FPなどお金の専門家に無料相談
老後資金を貯める際は、お金について勉強しましょう。
最適な資産形成法はライフステージや家計の状況により異なります。もし合わない手法で運用してしまうと、生活を豊かにするどころか困窮する恐れがあります。そのため、老後資金を貯める際はお金に関する知識が欠かせません。
お金について勉強する方法としては、
- インターネット
- 本
- マネーセミナー
- FPの無料相談
などが挙げられます。特にFPの無料相談ではライフステージや家計状況を元にお金の専門家に相談できるため、老後に向けた無理のない資金計画が立てられます。基本的に相談は納得できるまで何度でも無料でできて、強引な勧誘もほとんどありません。
FP相談の顧客満足度が93%のマネーキャリアでは、お金の専門家にオンラインで相談可能です。予約から面談までスマホひとつで行えるため、時間や場所を選びません。
お金について勉強したい人や、自分に合った老後資金の貯め方を知りたい人は、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ:老後資金について考え始めたらまずはマネーキャリアで無料相談!
老後資金の平均貯蓄額や貯める方法などを解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
老後に安心して生活を送るためには、若い時から準備を行うことが大切です。しかし、多額の老後資金を準備するためには何をすべきかわからない人も多いのではないでしょうか。
着実に老後資金を準備するためには、自分で勉強するのはもちろんのこと、FPなどお金の専門家に相談することが大切です。
FP相談の顧客満足度93%のマネーキャリアなら、無料でお金の専門家に相談できます。予約から面談までオンラインだから、スマホひとつで時間や場所を選ばず利用可能です。
老後生活を豊かなものにするためにも、ぜひお気軽にご相談ください。