- 退職金がない、もしくは少ない人
- 老後生活に漠然とした不安を抱えている人
- 預貯金がなく資産形成の方法が分からない人
▼この記事を読んで分かること
- 老後の経済的な負担を乗り越えるために今すべきこと
- 平均的な老後生活やゆとりのある老後生活を送る場合のシミュレーション結果
- 退職金の誤った使い方
内容をまとめると
- 高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上)が3000万円でゆとりある生活を送ると13年後には老後資金が尽きる可能性がある
- 老後の生活費に加えて、入院・手術・介護やリフォーム費用、子供へのお祝い金などの突発的な資金を確保しておくことが大事
- 退職金なし、あるいは退職金・貯金が少ない場合は老後資金を自力で形成する必要がある
- 老後資金でお悩みの方は何度でも無料でFP相談できるマネーキャリアがおすすめ!
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退職金や貯金を取り崩して生活する場合のシミュレーション結果を紹介!いくらあれば夫婦が何年生活できるかを「平均的な老後生活」と「ゆとりのある老後生活」に分けて解説しています。退職金なしで不安な方がやるべき老後資金の形成方法もチェックできます。
監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
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この記事の目次
- 退職金を切り崩して場合の老後生活のシミュレーション
- 平均的な老後生活を送る場合
- ゆとりのある老舗生活を送る場合
- 退職金を資産運用に活用した場合の老後生活にシミュレーション
- 平均的な老後生活を送る場合
- ゆとりのある老舗生活を送る場合
- 退職金をハイリスクで運用するのは絶対にNG
- 退職金の現状|退職金は減少傾向!
- 退職金の平均金額
- 退職金なしの企業の割合
- 退職金なしなら絶対にやるべき老後資金の形成方法
- ①支出の削減・収入の増加
- ②資産運用
- ③生命保険の加入
- ④税制優遇制度の活用
- 退職金の使い道を間違えて生活が苦しくなる人の例
- まとめ:退職金に頼らない老後資金の準備ならマネーキャリアで無料相談!
退職金を切り崩して場合の老後生活のシミュレーション
定年退職後の老後生活では、公的年金で賄えない分を退職金と貯金で補うことになります。
しかし、「いくらあれば何年間生活できるのか」の目安を知らない方もいると思いますので、この項目では老後生活のシミュレーションについて解説していきます。
解説内容は、以下の2つです。
- 平均的な老後生活を送る場合
- ゆとりのある老舗生活を送る場合
それぞれ詳しく見ていきましょう。
平均的な老後生活を送る場合
総務省の「家計調査報告(家計収支編)平成29年」によると、夫65歳以上、妻60歳以上の高齢夫婦無職世帯の実収入は20万9,198円、そこから税金や社会保険料を差し引いた可処分所得は「18万0,958円」になります。
一方、消費支出は23万5,477円ですので、消費支出から可処分所得を引くと毎月「約5万5,000円」の赤字がでる状態です。
では、仮に退職金が2000万円、貯金が1000万円の「計3000万円」が老後資金の夫婦は何年間生活できるのかというと、
3000万円 ÷(5万5,000円 × 12ヶ月)= 45年
45年になります。
もし老後資金が退職金の2000万円だけであった場合は「30年」もつことになりますが、95歳以上も生活が続くと資金が枯渇する可能性があります。
上記のシミュレーションは、入院・手術や介護、自宅のリフォームなど突発的な費用を考慮していないことから、万が一に備えて少しでも多くのお金を残しておくことが大切です。
また、毎月の消費支出が平均を上回る生活を続けると、そのぶん切り崩す額が多くなるので、自分の生活水準を理解した上で老後資金を蓄えるよう心がけましょう。
ゆとりのある老舗生活を送る場合
経済的な余裕を持ちたい場合は、生活費に後14万円必要だと言われています。
前項で示した毎月の赤字「約5万5,000円」に14万円を足すと「19万5,000円」になります。
この場合、
3000万円 ÷(19万5,000円 × 12ヶ月)= 約13年
約13年間しか生活がもたないことになるのです。
仮に夫婦で2000万円の老後資金しか用意できないのであれば、約8年半で貯蓄が尽きてしまう計算になります。
つまり、65歳で定年退職と仮定すると、前者が「78歳」、後者が「73歳」で老後の生活が破綻するのです。
平均よりも少し贅沢な暮らしをすることは老後資金の減少を早めることにつながりますが、「自分は節約すると決めた時は浪費を減らせるから大丈夫」と高を括ってはいけません。
若い頃と同様に食費を削ったり、空調設備などの住環境を整えなかったり、はたまた医療費を削減したり、というような無茶ができない体になるからです。
加齢に伴い心身に異常をきたしやすくなるため、若い頃よりもお金をかけてリスクを避ける機会が増えます。
退職金を資産運用に活用した場合の老後生活にシミュレーション
この記事を読んでいる方の中には、「退職金や貯金を資産運用に回すこと」を検討している方もいると思います。
そこでこの項目では、退職金で資産形成を行う場合の老後生活のシミュレーションについて解説していきます。
解説する内容は、以下の2つです。
- 平均的な老後生活を送る場合
- ゆとりのある老舗生活を送る場合
資産運用をするつもりがなくても経済的な不安から始める場合があるので、この機会に目安を確認しておきましょう。
平均的な老後生活を送る場合
金融資産総額3000万円の毎月の取り崩し額は5万5,000円で、65歳から95歳までの30年間、利回り(年率)3%で積み立てる場合のシミュレーション結果を見てみましょう。
利回り0%(資産運用なし) | 利回り3% | |
---|---|---|
85歳時点の資産残高 | 1680万円 | 3621万円 |
90歳時点の資産残高 | 1350万円 | 3842万円 |
95歳時点の資産残高 | 1020万円 | 4099万円 |
95歳の時点で資産運用をしていない場合の資産残高は「1020万円」で、利回り3%の資産運用をした場合は「4099万円」になります。
その差は約3000万円です。
仮に退職金の2000万円だけを3%で積み立てる場合は、85歳時点で「1815万円」、90歳時点で「1748万円」、95歳時点で「1672万円」という結果になりました。
資産運用にはリスクが付き物であり、思い通りの結果にならないこともありますが、お金をただ眠らせておくよりかは資産の減少スピードを遅らせることができます。
ゆとりのある老舗生活を送る場合
では、毎月の取り崩し額が19万5,000円の場合はどうなるのでしょうか。
取り崩し額以外は前項と同じ条件のシミュレーション結果を見てみましょう。
利回り0%(資産運用なし) | 利回り3% | |
---|---|---|
75歳時点の資産残高 | 660万円 | 1313万円 |
78歳時点の資産残高 | 0円 | 701万円 |
81歳時点の資産残高 | 0円 | 33万円 |
厚生労働省の「令和元年簡易生命表の概況」によると、男性の平均寿命は約81年、女性の平均寿命は約87年となっています。
ただし、これはあくまで平均なので、実際は何歳まで生存するのか分かりません。
「人生100年時代」と言われている通り、医療技術の発達などに伴い長寿化の傾向にあるのが現状なので、自身の寿命を厳しく見積もることが求められます。
余裕のある暮らしを実現すると、利回り3%で運用したとしても81歳の時点でかなり困窮してしまいます。
そのため、退職金に頼らず自身の貯金だけで生活していくつもりで、計画的にお金を貯めることが大切です。
退職金をハイリスクで運用するのは絶対にNG
とは言え、資産運用でローリターンながらもお金を増やすことができるのは、退職金の減少を抑えることができるため大きな魅力になります。
そこでおすすめなのが「マネーキャリア」です。
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抱えている悩みや不安を解決できるので、気になる方はぜひ利用してみてください。
退職金の現状|退職金は減少傾向!
毎月の生活が苦しく貯金がなかなかできない方は、退職金を老後資金のあてにしている場合があります。
しかし、退職金は減少傾向にあるため、退職金の状況を把握して「どのぐらいの金額を自分で用意すべきか」を理解しておくことが大切です。
そこでこの項目では、退職金の現状について解説します。
解説内容は、以下の2つです。
- 退職金の平均金額
- 退職金なしの企業の割合
それぞれ解説していきます。
退職金の平均金額
厚生労働省の「平成30年 就労条件総合調査」によると、勤続20年以上かつ45歳以上の退職者の平均金額は以下の通りです。
大学・大学院卒 (管理・事務・技術職) | 高校卒 (管理・事務・技術職) | 高校卒 (現業職) | |
---|---|---|---|
定年退職 | 1983万円 | 1618万円 | 1159万円 |
会社都合退職 | 2156万円 | 1969万円 | 1118万円 |
自己都合退職 | 1519万円 | 1079万円 | 686万円 |
早期優遇退職 | 2326万円 | 2094万円 | 1459万円 |
また、2003年における定年退職の大卒者の退職金平均額は「2499万円」であることから、15年間で500万円以上も支給額が下がっていることになります。
退職金がいくら受給できるかわからない以上、自分で資産を形成していく必要があると言えるでしょう。
退職金なしの企業の割合
同じく厚生労働省の「平成30年 就労条件総合調査」によると、退職金制度を導入していない企業が一部存在することが判明しました。
退職金制度あり | 退職金制度なし | |
---|---|---|
30~99人 | 77.6% | 22.4% |
100~299人 | 84.9% | 15.1% |
300~999人 | 91.8% | 8.2% |
1,000人以上 | 92.3% | 7.7% |
全企業平均 | 80.5% | 19.5% |
大企業ほど導入率が高く、中小企業ほど導入率が低い状況です。
ただ、全企業平均でみた場合に2割の会社が退職金制度が導入されていないため、会社選びには細心の注意を払う必要があるでしょう。
退職金制度は会社の就業規則で確認できるので、早めに確認しておくことが大事です。
退職金なしなら絶対にやるべき老後資金の形成方法
退職金がない、もしくは退職金が少ない場合は老後資金の対策をする必要があります。
老後資金を多く用意しておくことにより、突発的な出費にも余裕を持って対応でき、不安を感じる機会が減少するでしょう。
そこでこの項目では、今すぐ始められる老後資金の形成方法について解説します。
- 支出の削減・収入の増加
- 資産運用
- 生命保険の加入
- 税制優遇制度の活用
退職金がなくても安心して老後の生活を送られるよう、早いうちから準備しておきましょう。
①支出の削減・収入の増加
お金を貯める上で最も大事といっても過言ではないことは、支出の削減・収入の増加です。
どれだけ本業の収入を伸ばしても、資産運用で老後資金を蓄えたとしても、浪費癖があれば稼いだ分だけ不要な消費に回してしまいます。
一方、収入を増加させない限りは、毎月の生活費をまかなうだけで精一杯になるため、必要最低限の貯金をすることも苦しくなります。
まずは、収入を増やすことよりも簡単で効率的な支出の削減に取り組んでみましょう。
携帯料金や保険の見直しといった比較的大きな固定費から、ムダにお金を使いすぎていないか他社の料金と比較してチェックすべきです。
その次に「給与・福利厚生が充実している会社への転職」や「副業」を検討し、収入増加を目指しましょう。
昇給のタイミングや増える金額は会社によって異なるので、就業規則や上司の経済状況を確認して検討すべきです。
②資産運用
銀行預金は低金利であるため、老後資金を満足に貯められるほど期待できません。
一般的に普通預金であれば「0.001%」程度、定期預金であっても「0.002%~0.006%」程度です。
つまり、普通預金で100万円を預けたとしても年間で約10円しか増えないわけです。
これでは退職金の分をカバーすることは不可能なので、投資信託や株式などの資産運用で老後資金を形成することをおすすめします。
投資信託とは、運用の専門家にお金を預けて株式や債券の投資・運用を行なってもらえる金融商品のことです。
売買をプロが代行してくれるため、投資の知識がなくとも資産運用できる点が特徴になります。
また、株式よりもローリスク・ローリターンで、比較的に大きなリスクにさらされる確率が低いです。
一方、株式は売却益や配当、株主優待で高利回りを実現できる可能性がありますが、その分リスクも大きくなります。
金融商品のリスクや特徴を理解した上で老後資金を形成していきましょう。
③生命保険の加入
退職金なしの場合は、老後資金の対策はもちろん、老後資金形成中の経済的リスクに備えておくことも大切です。
日本は公的保険が充実していることから、公的保険で負担できない範囲をカバーする役割を持つ民間保険は不要だと言われています。
確かに、急な出費がかさんでも余裕で対応できるほど預貯金が十分にあり、お金を残す家族がいないなどの状況であれば必要ないかもしれません。
しかし、病気やケガで働けなくなった際に自身の生活が脅かされるのであれば、いざという時に備えて加入しておくべきでしょう。
貯蓄性のある生命保険であれば、
- 死亡時・高度障がい時に保障される
- 保障が不要になったタイミングで解約した場合に解約返戻金を受け取れる
④税制優遇制度の活用
日本には、iDeCo・NISA・つみたてNISAの3つの税制優遇制度があります。
原則、投資で得た利益には20.315%の税金がかかりますが、上記3制度を活用することによって非課税にすることが可能です。
iDeCo
iDeCo(個人型確定拠出年金)は私的年金の制度で、以下3つのメリットがあります。
- 毎月積み立てるお金は全額所得控除の対象
- 運用益が非課税
- 積立金の受け取り時に「退職所得控除」もしくは「公的年金等控除」の対象
老後資金をコツコツ貯めながら、税金を軽減できる点が魅力的です。
デメリットは、以下の2つです。
- 原則60歳以降にしか積立金を引き出せない
- 元本割れのリスクがある
投資の世界に絶対はないので注意しておきましょう。
NISA
NISAとは、投資で得た譲渡益・分配金などが「最長5年間の年間120万円まで」非課税になる制度を指します。
預貯金に余裕があり、まとまった金額を短期間で投資したい方におすすめです。
つみたてNISA
つみたてNISAとは、投資で得た譲渡益・分配金などが「最長20年の年間40万円まで」非課税になる制度を指します。
長期間の投資を前提として、コツコツ積み立てて老後資金を形成したい方におすすめです。
退職金の使い道を間違えて生活が苦しくなる人の例
退職金を受け取った方の中には、使い道を間違えて老後生活が困窮する方もいます。
例えば、夫婦と子供二人の4人家族で、夫と妻の世帯年収が600万円、大学・高校の学費を含めた教育費が150万円、住宅ローンの返済が年間120万円の家庭がありました。
この家庭では退職金1000万円を受け取れましたが、毎月の給与から貯金に回すことが難しく、結果的に老後資金は退職金のみの状態です。
そんな中、子供たちは無事に学校を卒業し、民間企業に入社しました。
定年退職前は夫婦ともに仕事・家事ばかりの毎日で忙しく、収入の大半は生活費や教育費などの支出で失われていたので、退職金を活用して豪華な海外ツアーへ出かけることに。総費用は50万円です。
その後、めでたく次男の結婚が決まり結婚式費用として100万円を援助、出産祝いとして10万円のお祝い金を、自宅のバリアフリー化に伴うリフォーム費用で600万円かかりました。
さらに、老後資金の増加を図ろうと投機性の高いFXで100万円を失うなどした結果、退職金は見る影もない姿に。
まったり過ごすはずだった老後生活が破綻することになりました。
まとめ:退職金に頼らない老後資金の準備ならマネーキャリアで無料相談!
この記事では、退職金だけの老後生活シミュレーションや資産運用をした場合のシミュレーション、老後資金の形成方法などについてお伝えしてきました。
- 老後生活は生活費以外にも入院・手術や介護などの突発的な費用が発生する可能性がある
- 退職金は減少傾向にあり、2割の企業には退職金制度が導入されていない
- 退職金をハイリスクな運用に回さず、ローリスクな金融資産で堅実的に老後資金を形成すべき
- 退職金なしならiDeCo・つみたてNISAといった税制優遇制度を活用して資産運用すべき
退職金に依拠せず、万が一に備えて自分で資産形成をすることが重要です。
とはいえ、知識のない状態で資産運用に臨むと比較的にリスクが高いので、お金の専門家に無料で何度でも相談できる「マネーキャリア」の利用をおすすめします。
スマホで相談予約から相談まで行えるため、仕事や育児・家事で忙しい方でも安心です。