賃貸契約で初期費用を抑えようと考えている人も多いのではないでしょうか。この記事では、敷金礼金・仲介手数料など引っ越しの初期費用の値下げ交渉の仕方を紹介しています。どのタイミングで交渉すればよいのかも分かりやすく解説していますので、ぜひお読みください。
監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
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この記事の目次
初期費用の値下げ交渉の方法は?敷金礼金を値切るタイミングはいつ?
こんにちは。マネーキャリア編集部です。
先日、20代の女性の友人からこんな疑問を寄せられました。
新しく賃貸物件を契約する際、どうしても高くなってしまう初期費用。
ここでは、
- どこまで初期費用を値下げできるか
- 値下げを切り出すタイミング
- 敷金や礼金以外に値切れる費用
など、これから一人暮らし/新生活を考える方にとって役に立つ記事になっています。
ぜひ最後までご覧ください。
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見積もりを提示されたタイミングで仲介手数料の値下げ交渉をしよう!
ほとんどの方が、一人暮らし/新生活を検討するときに行くのが不動産屋さん。
ミニミニなどに行く人が多いでしょう。
ワンルームであれ2LDK以上であれ、大抵の方は賃貸になると思います。
初期費用の値下げ交渉で重要なのは、タイミングです。
早すぎると
- めんどくさい客だと思われて、不動産屋さんが非協力的になる
- 結果として、良い物件を出してくれなくなる
- あれやこれや難癖つけて押し切られる
①仲介手数料は0.5か月分の家賃まで値下げ交渉ができる
意外と知られていませんが、仲介手数料には法律の規定があります。
宅建業法46条により
「国土交通大臣の定めるところによる」
とあるのです。
そして国土交通省では、仲介手数料について
- 借主から同意がある場合の上限:月額賃料1.08カ月分
- 借主から同意がない場合の上限:月額賃料0.54カ月分
と定めています。これは告示と言い、法令を補完する法規として法的拘束力があります。
良心的な不動産屋さんでは、最初から仲介手数料を無料にしたり0.54カ月分以下にしていますが、説明ないまま賃料1カ月分を「あたかも当然のように」請求する不動産屋さんも多いです。
仲介手数料が0.54カ月分より多い場合は、この規定を持ち出して反論しましょう。
あなたが同意しなければ、払う必要はありません。
補足:どうしても不動産屋さんが値下げに応じない場合
いくらミニミニであろうとアパマンショップであろうと、所詮はFC(フランチャイズ)方式。実際の会社名は全く別で、これは携帯ショップと同じ方式です。
更に不動産屋さんの場合は、「宅建業の許可」を都道府県又は国からもらわないと営業ができません。
初期費用をろくな説明もせずに取る割には、痛い所を突かれると弱いんです。
どうしても不動産屋さんが仲介手数料の値下げを認めない場合は「FC本部と都道府県に報告します」と言ってその場で電話すれば、慌てて見積もり書を直すはずです。
それでも直さない不動産屋さんは、悪質とみなして別のお店に行きましょう。
ほとんどの物件が複数の不動産屋で扱っていますので、1店舗くらい仲が悪くなっても大した問題ではありません。
②見積もりはメールで送ってもらうこともできる
最近は、コロナ感染拡大も手伝いリモート方式でのやり取りも増えています。
以前からありましたが、初期費用の見積もり等はメールでやり取りすることも可能です。
気になる物件があったら、「ひとまずメールで見積もりをお願いします」と言えば、資料を添付して送ってくれます。さすがにこれを断る不動産屋はいないと思います。
口頭や店頭より証拠が残るので誤魔化しも効きません。
また、複数の不動産屋で相見積もりを取る際に、比較しやすくなります。
店舗に行く必要もなく、圧倒的に楽です。
契約寸前のタイミングで礼金礼金の値下げ交渉をしよう!
次は敷金と礼金の値下げ交渉です。こちらも初期費用の中で大きな金額を占めますので、大切な部分です。
交渉の前に、敷金と礼金について説明します。
①契約寸前のタイミングがよい理由
なぜ契約寸前なのか。
早すぎると
- 値下げありきの客と思われ不動産屋さんから敬遠される
- 結果として良い物件を紹介してくれなくなる
②礼金の値下げ交渉のポイントは「条件提示」
ここで、値下げ交渉のポイントも紹介します。
結構カンタンです。
「別の不動産屋さんからほかの物件紹介されて迷ってて、本当は検討するつもりだったんですけど、礼金をゼロにしてくれたらこの場で即契約します」
こう言えば、不動産屋さんも頑張ってくれるはずです。
間違ってもあなたの個人的な事情、例えば
- お金が足りない
- 払いたくない
本来、敷金や礼金は不動産屋さんには1円も入りませんので、交渉するメリットが薄いです。ただ、契約さえしてくれれば仲介手数料等が入るので話が変わります。
結局のところ、「不動産屋さんが強く出られる交渉材料を提示」さえすれば良いのです。
ただ、この交渉は弱点があります。
- 比較的入居者が集まる時期
- 新築や築浅好条件などの人気物件
鍵交換費用・火災保険料・24時間サポートも値切ることができる
値切ることができる初期費用は、仲介手数料や敷金・礼金だけではありません。
鍵交換費用・火災保険料・24時間サポートも値切ることができます。
そもそも、鍵交換費用は借主の負担と決まっているわけではなく、国土交通省のガイドラインでは「原則貸主が負担すべき」としています。(法的拘束力なし)
このガイドラインを持ち出し、交渉することは可能です。
24時間サポートは、「要りません」の一言で良いです。そもそも24時間サポートできるだけの設備なんて物件にはありません。とりあえず電話窓口を設けているだけです。
最後に火災保険。
火災保険は入らなければいけませんし、入らないと万が一火災が起きると大変なことになります。
とはいえ、不動産屋さんが斡旋する火災保険でなければいけない理由は皆無です。
「自分で契約するので、最低限の保証金額(プラン)を教えてください」
と伝え、その金額又はプランを全労災や楽天損保などに伝えれば、相場の半値近い金額で契約できます。あとは「〇〇で契約します」と伝えればOKです。
賃貸契約の審査後や申し込み後に初期費用の交渉はできる?
賃貸契約を結んだあとの、審査後や申し込み後に読んだ方。
- 初期費用
- 家賃
- 敷金・礼金
- 貸主側が入居を認めた
- 申込書を提出した
初期費用の値下げ交渉をしやすい物件を紹介!
ここまで値下げ交渉についてみてきましたが、
「物件や時期によって、初期費用の交渉は通りやすさって違うの?」
と疑問に思った方もいるでしょう。
結論から言うと、かなり違います。
交渉しやすい物件は下記の通りです。
- 空室期間が長い物件
- 周辺家賃相場より家賃が高い物件(新築除く)
- 駅から遠い、一階、日当たりが悪い等のワケあり物件
- そもそも電車通勤じゃない方
- 日中家にいない方
- 男性で一階でも全く気にしない方
- 4~6月
- 11~12月
まとめ:賃貸契約で値下げ交渉をして初期費用を抑えよう!
初期費用の値下げ交渉、いかがでしたでしょうか。
本記事では、
- 初期費用の種類
- 値下げを交渉を切り出すタイミング
- 交渉が通りやすい物件や時期
など、初期費用の値下げ交渉を中心に解説しました。
冒頭の疑問に改めてお答えすると、
「絶対ではないが、値下げ交渉で初期費用を抑えられる可能性はある!」
となります。
あくまで初期にかかる費用なので一回きりとは言え、新生活を始める方にとっては痛い出費。
あなたの交渉力次第という部分もありますが、言うのはタダです。
勇気を出して交渉していきましょう!